アルノルフィーニ夫妻の紹介
ヤン・ファン・エイク、アルノルフィーニ夫妻 静かな美術館の一室
マリアがトミーの手を引いて一枚の絵の前にそっと立ち止まる トミーここだよ今日一番見せたかった絵
ヤン・ファン・エイクのアルノルフィーニ夫妻 うんありがとうマリアがこの絵について話してくれた時なんだか僕もこの場所に行きたくなったんだ
マリアがトミーの肩に軽く手を置きゆっくりと話し始める 彼女の言葉はまるで絵筆がキャンバスをなぞるように絵の細部を紡ぎ出していく
じゃあまず全体の構図から説明するね この絵は2人の人別が部屋の中に立っている様子が描かれている
男性と女性 左側に立っているのが男性で彼がアルノルフィーニさん
右側にいるのが彼の妻だと言われているよ この2人が手を固く握り合っているのが絵の中心になっている
2人が手をつないでいるんだね そう
そしてこの絵はね色彩がすごく豊かで光の加減が信じられないくらいリアルなんだ 部屋の雰囲気は全体的に少し暗めなんだけど窓から差し込む光が2人や部屋の中のものを
くっきりと照らし出している 壁は深い緑色で木の基づきも少し暗い茶色
でも細かく見ると床端1枚1枚の木目が丁寧に描かれているのがわかる マリーアはトミーの手にそっと触れて人物の様子を詳しく説明するために
絵の細部へと導いていく まず男性の方から見ていこうか
彼は黒い大きな帽子をかぶっていてそのツバが顔の影を作っている そのせいで表情が少し見づらいんだけど目はまっすぐに少しこちらを見ているみたい
彼の肌は白きて髪は短く少し赤みのある茶色 そして彼は深い青緑色のとても分厚い毛皮のコートを着ている
手元にあるもう片方の手は何かを差し出すようにまっすぐ前に伸ばされているんだ うんまるで僕に何かを差し出そうとしているみたいだ
次に女性の様子を詳しく説明する 隣にいる女性はとても丁寧に言い上げられた金色の髪をしている
彼女の顔は丸くて肌の色は男性と同じくらい白い 目は優しく伏し目がちで視線は男性の方を向いている
彼女が着ているのは鮮やかな緑色の分厚いドレス 何枚も重ねあってとても豊かなドレープができている
このドレスの裾が地面に長く引いていてそれがふっくらと見えている 彼女の服の袖口や首元には白い布のフリルが見えて細部まで凝った作りなのが
わかる マリーアは微笑みながらさらに絵の奥深くへとトミーを誘う
絵の詳細と文化
風景と背景について 2人の後ろを見てごらんって言っても見えないか
じゃあ説明するね 部屋の奥には小さな窓がある窓の外はかすかに空と木の枝が見えるだけだ
でもその窓から差し込む光が部屋の様子を鮮明に照らし出しているんだ そして部屋にはいろいろなものが置かれている
壁にかかった小さなロウソクの吊り下げ式のシャンドリア その下の壁にはまんまるい大きな鏡が飾ってある
その鏡の中をよく見ると2人の後ろ姿と僕たちが今立っている場所 つまり絵を描いている画家自身ともう一人誰かが立っているのが映り込んでいるんだ
鏡に画家自身が映っているの そう
そしてその鏡のすぐ上にラテン語でヤンファンエイクここにありきとサインが書かれている まるでこの絵が2人の結婚の証人のようにね
されに床には2人の間に小さな犬が立っている 毛がもこもこの小型の犬
そして窓際には赤い布で覆われたベッド 奥にはスリッパが脱ぎ捨てられている
この絵はただの肖像画じゃなくて当時の人々の生活や文化 そして2人の間にあった深い絆を細部まで体内に描き出しているんだ
静寂が部屋を包む トミーはマリーヤの言葉を一つ一つかみしめるようにじっと耳を傾けている
ありがとうマリア君の言葉で2人の姿が光が そして部屋の様子がはっきりと見えた気がするよ
まるで僕もその部屋の中にいるみたいだ マリーヤがトミーの手を優しく握り直す
よかったまた一緒にいろんな絵を見に来ようね 私がトミーの目になるか
