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【ミュージック】最初は地味だったのに、なぜ聴くほど好きになる?私にとっての「スルメアーティスト」
2026-09-03 20:11

【ミュージック】最初は地味だったのに、なぜ聴くほど好きになる?私にとっての「スルメアーティスト」

最初に聴いたときは、そこまで印象に残らなかった。


それなのに、数日すると「なんかよかったな」と思い出し、もう一度聴きたくなる曲があります。


このエピソードでは、そんな聴き方が一曲だけではなく、アーティスト単位で何度も起きた経験から、自分なりの「スルメアーティスト」について考えます。


自分にとって、それがサカナクションとTim Christensenでした。


二者の音楽性は同じではありません。


それでも、最初は少し地味に感じるのに、何度か聴くうちに少し予想を外すメロディーや展開が気になり、その流れそのものを好きになっていくという感覚には共通するものがありました。


一度聴けば展開は分かるので、二回目からは「予想外」ではありません。


それでも繰り返し聴きたくなるのは、驚きそのものではなく、その曲ならではの進み方を好きになっているからなのかもしれません。


また、単純に何度も聴いたから好きになっただけなのか、という可能性についても考えます。


何度聴いても好きにならない曲や、逆に飽きてしまう曲もある中で、なぜ同じアーティストの何曲にも「もう一度聴きたい」が起きるのか。


自分にとっての「良い音楽」とは何なのかを、実際の聴き方から考えるエピソードです。


このエピソードは、Webメディア「ねんごろ」で公開している記事をもとに制作しています。


元記事:

https://nengoro.com/essay/essay_10_surume-artist/


YouTube:

https://youtu.be/pyFAdTx9JQ0


このエピソードの音声は、生成AIを利用して制作しています。

感想

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00:00
あのー、一目惚れならぬ、一丁気惚れした曲って、実は一番早く飽きてしまったりしませんか?
あー、ありますね。初めて聴いた瞬間に、これ最高だなーって思って、無限リピートするんですけど。
そうなんですよ。でも1週間後には、なんだかお腹いっぱいになってしまって、プレイリストからそっと外してしまうというか。
わかります。逆に初めて聴いた時は、普通に良い曲だけど、まあそこまででもないかなって、ちょっと地味に感じた曲の方が長く聴けたりしますよね。
ええ、まさにそれです。なぜか数日経つと、あの、こないだのあの曲、なんか良かったなーって、頭の片隅に引っかかって、気づけば何年も聴いて続けているんですよね。
リスナーの皆さんも絶対にそういうご経験があるはずです。その場ですぐにリピート再生するわけでもなく、メロディーをすぐに口ずさめるわけでもないのに。
なぜか脳の奥底に静かに住み着いてしまう曲ですよね。で、ここからが今日徹底的に掘り下げていきたい最大の謎なんですけど。
そういう曲って、聴き直してみると、初回よりもずっと良く感じるんですよ。
さらに、同じアーティストの別の曲を聴いてみても、同じように最初は地味だけど、後からめちゃくちゃハマるっていう現象が起きるんです。
なるほど。一曲だけじゃなくて、気が付けばそのアーティストの音楽そのものの虜になっているという状態ですね。
そうなんです。これ、私たちの脳内で一体何が起きているんでしょうか。今日はこのメカニズムについてじっくり解剖していきたいと思います。
いいですね。この最初は地味に感じた音楽をなぜ何度も聴くうちに好きになるのか、そして一曲に留まらずアーティストそのものを深く愛するようになる感覚の正体ですよね。
はい。そこがすごく気になります。
これ、実は単なる個人の好みの問題ではなくて、人間の脳が持っている予測と快感のシステムを特定の音楽がうまくハッキングしている状態だと言えるんですよ。
脳のハッキングですか。なんだかすごい響きですね。
はい。脳科学的な観点からも非常に面白い現象です。
楽しみです。私自身の個人的な体験で言うと、日本のロックバンドのサカナアクションと、デンマークのシンガーソングライターのティム・クリステンセンがまさに脳をハックしてくる存在だったんです。
おお、なるほど。全く違うジャンルですが、非常に興味深い二組ですね。
そうなんですよ。でも、彼らの音楽の謎を解剖する前に、まずは私たちが音楽を聴いた後に残る、なんか良かったなあっていうふわっとした感覚の正体から探りたいんですが。
えっと、振り返ってみてほしいんですが、そういう曲に初めて触れたとき、入り口は間違いなくメロディやサウンドですよね。
はい。最初から良い曲だなあとは思っているんです。決して最初から不快だったり、良さが全くわからなかったわけではないんですよね。
そうです。でも、一度聴いただけでカラオケで歌えるほどキャッチーで強いメロディではないから、曲が終わってイヤホンを外すとどんなメロディだったか。
はっきりとは思い出せないんですよね。なんていうか、タララ、あれ、どんなんだったっけ、みたいな感じで。
03:00
そうそう、そんな感じです。メロディが思い出せないのに、なんか良かったという感覚だけが強烈に残っている。
これ、私たちの脳はメロディの代わりに一体何を記憶しているんでしょうか。
メロディというのは、あくまでリスナーをその曲の世界に招き入れるための入り口のドアに過ぎないんです。
入り口のドアですか?
ええ。ドアのデザイン自体を鮮明に覚えていなくても、ドアを開けた先にある空間の感触を脳はしっかり記憶しているんですよ。
空間の感触、なるほど。
何度かその曲を聴き直すうちに気づくはずです。自分の中に残っていたのは単一のメロディラインではなくて、もっと全体的なものだったということに。
全体的なものっていうと、例えばボーカルの絶妙な声の温度感とか、後ろで鳴っているベースとドラムの音の重なりとかですかね。
まさにそれです。あとは、曲が静かなところから盛り上がっていくその流れといった、全てをひっくるめた曲全体の雰囲気や手触りですね。
ああ、すごく腑に落ちます。メロディという線ではなくて、音楽が持っている空間や空気感の方を記憶しているわけですね。
そういうことです。
でも、それだけだと雰囲気のいい曲だな、で終わる気がするんですよ。それが何度も聴きたいとか、このアーティストにはまるっていう強い欲求に変わっていくのには、もっと具体的な利用があるんじゃないですか。
おっしゃる通りです。ここからが認知科学や心理学的な領域に入ってくるんですが、リスナーは音楽理論なんて全く知らなくても、常に脳内で予測をしているんです。
予測ですか。
ええ、これまでの人生で蓄積してきた音楽体験から、無意識に次はこう進むだろうと予測しながら音楽を聴いているんですよ。
ああ、なんかわかります。Aメロが来て、Bメロが来て、あ、ここでドラムが大きくなったから次はサビがドーンと来るぞ、みたいなことですよね。
まさにそれです。コード進行とか専門的なことがわからなくても、この後は硬着するよねっていう感覚は誰にでもありますよね。
ありますね。自然と体が乗ってくるというか。
実は、脳科学の分野では予測複合化という概念があるんですが、私たちの脳は常に未来を予測して、その予測と現実がどれくらい合致したかを称号しているんです。
ほうほう、予測と現実の称号ですか。
はい、そして後からじわじわ聴いてくる曲というのは、このリスナーの無意識の予測からほんの少しだけ外れるんです。
ほんの少しだけ。
ええ、あ、そっちの音に行くんだとか、ここで盛り上がると思ったのに一旦静かになるんだというようにですね。
なるほど、脳が予測したルートから意図的に少しだけ外されるわけですね。
そうです。AメロからBメロに移る時だけでなく、曲の随所に落ち着きそうだと思ったところからもう少し先へ進んだりする瞬間があるんです。
なんかそれ、例えるなら車のナビゲーションシステムみたいなものですかね。
車のナビですか。面白いですね、どういうことですか。
脳内のGPSがこのまま大通りを直進してくださいって予測しているのに、曲の途中でふっと裏道に入るみたいな。
06:04
ああ、すごくいい例えです。
でもその裏道がガタガタの悪路じゃなくて、すごく景色の良い舗装された道だから、おや、ルートを外れたけどすごく走りやすいぞって脳が驚いているような感覚というか。
完璧な例えですね。まさにそのGPSの再計算が起きているんです。
再計算ですか。
ええ、ここで非常に重要なのはナビが突然海に飛び込んでくださいというような、とっぴで大きな違和感ではないということです。
確かにいきなり全然違うジャンルになったり不協和音が鳴り響いたりしたら、なんだこの曲ってなってスキップしちゃいますね。
そうなんですよ。前衛的なフリージャズのように予測不可能すぎると、脳のGPSはエラーを起こしてリスナーは曲から離れてしまいます。
つまりあくまで曲全体としては非常に自然に収まっている必要があると。
はい。何度か聴いて初めて、あ、ここ私が思っていた王道の方向には行かないんだなと気づく程度の小さなズレなんです。
小さなズレ、なるほど。
少しだけ予想を外しながら全体として自然であるからこそ、脳は不快なエラーではなく心地よいサプライズとして処理します。
だから最初の感想が変な曲ではなくて、なんかいい曲になる絶妙のバランスがそこにあるわけですね。
その通りです。
でもちょっと待ってください。そこで一つ大きな疑問があるんですけど。
はい。何でしょう。
脳のGPSがルートから外れるサプライズが心地よいのはわかります。でも一度その曲を聴けば次にどこへ進むのかはもうわかっちゃいますよね。
ええ、わかりますね。
あ、ここで裏道に入るんだなって。最初は意外だった展開も2回目3回目にはもう意外じゃなくなっているはずです。
おっしゃる通りです。
驚きがなくなったら飽きるのが普通じゃないですか。
素晴らしい視点ですね。まさにそれがこのテーマの確信なんです。
確信ですか。
はい。驚き、つまり予測誤差はすでに解消されているはずなのに、なぜかその曲は前よりも好きになっていくんです。
そうなんですよ。むしろ何度か聴くうちにその意外だった展開が来るのをワクワクして待つようになりますからね。
ええ、待ち構えちゃいますよね。
でもこれってただ単に心理学で言う単純接触効果みたいなものじゃないんですか。
単純接触効果、ザイアンス効果とも呼ばれるものですね。
はい。ラジオとか有線放送で同じ曲を何度も聴かされているうちに、最初は何とも思わなかった曲を好きになってつい口ずさんでしまうみたいな。
なるほど。
あれと同じで、ただ単に何度も触れているうちに耳が慣れて脳が洗脳されているだけじゃないのかなって思うんですけど。
もちろん単純接触効果を完全に否定するわけではありません。音楽は繰り返し聴くことで親近感が湧いて好ましさが増すという研究はたくさんありますから。
やっぱりそうなんですね。
ええ、最初は少し意外だった展開も何度か聴けば耳が慣れます。でも今のラジオの例と今日お話ししているテーマには決定的な違いがあるんです。
09:03
決定的な違い。
ラジオで何度も聴いて口ずさめるようになった曲って一生聴き続けますか?
ああ、言われてみれば。流行りが過ぎたらもうお腹いっぱいってなって全然聴かなくなりますね。
ですよね。むしろちょっとうざく感じることもあるくらいで。
ありますあります。街中で流れてくるとまたこれかって思っちゃうことも。
そうなんです。単純な反復効果だけでは何度も聴いて慣れたけど飽きる曲と何度も聴いてより深く愛するようになる曲の違いが説明できないんですよ。
なるほど。じゃあ何が基本ですか?
重要なのは誰かに受動的に聴かされたのではなく、リスナー自身の中にあの曲のあの展開をもう一度味わいたいという能動的な欲求が起きていることです。
能動的な欲求ですか?ただ受け身で慣れさせられたわけじゃないと?
そうです。あそこに行くんだと驚いていた最初の段階から脳の中でGPSのルートが書き換えられていくんです。
ルートの書き換え?
ええ。だんだんとここに行くのが正解、このルートを通るのが最高に気持ちいいという心地よさに変化していくんですよ。
なるほど。つまりリスナーは予想を外されること自体をずっと楽しんでいるわけじゃないんですね?
はい。自分の中には存在しなかった新しい曲の流れを覚えて、その流れそのものを好きになっていたということなんです。
自分の中になかった新しい快感のパターンを獲得する。だから驚きがなくなってもそのパターンをなぞること自体が快感になるから何度でも聴きたくなると。
まさにそういうことです。脳が新しい快感のパターンを獲得したと言ってもいいですね。
いやー面白いですね。でもここでまた一つ引っかかるんです。
何でしょうか?
先ほども少し触れましたが、私が個人的にこの現象を強く体験したサカナアクションとティム・クリステンセンってジャンルが全く違うんですよ。
ええ、そうおっしゃっていましたね。
サカナアクションはエレクトロニックなダンスミュージックと日本のロックを融合させたようなスタイルで、ティム・クリステンセンはアコースティックギター中心のメロディアスなロックなんです。
かなり対照的ですね。
音楽性が全然違うのに、なぜ私の脳は全く同じようにGPSのルート書き換えを行って、同じようにハマってしまったんでしょうか?
それを解き明かすために、その2つの事例を具体的に解剖してみましょう。
実は彼らが仕掛けてくる小さなズレの場所は全く異なるんですよ。
全く異なるんですか?
はい。まずサカナアクションの場合ですが、彼らの音楽の主役は必ずしもボーカルのメロディだけではありませんよね。
確かに。クラブミュージックのようにリズムがあって、重低音のシンセベースがあって、バンドの生演奏があって。
その緻密な音の重なりの上に声が乗っている構成になっています。
サビで急にキャッチーになるというよりは、曲全体が一つの大きな波みたいになっていますよね。
そうなんです。彼らの曲では、同じようなフレーズが反復しているように聞こえても、実は水面下で音が足されたり弾かれたりしています。
12:01
はいはい。ハイハットの刻みが急になくなったりとか?
ええ。そうやって聞こえ方が少しずつ変化していくんです。
リスナーは一つの強いメロディーラインに引っ張られるというより、曲全体が時間の中で動いていく流れそのものにどっぷり入っていく感覚になります。
なるほど。じゃあ、サカナアクションの小さなズレというのは?
この音のレイヤーやリズムの引き算、足し算の中に潜んでいるんです。
ああ、なるほど。ここでシンセが来ると思ったら、ベースだけ残して静かになったみたいな?
ええ。構造やテクスチャーの部分で、脳の予測を心地よく裏切ってくるわけです。
なるほど。すごくわかりやすいです。じゃあ、一方のティム・クリステンセンの場合はどうなんですか?
こちらはもう少しオーセンティックなロックなので、リスナーの耳は自然とコード進行とメロディーそのものに向かいます。
はい。メロディーがすごく印象的ですよね。
彼の曲の面白さは、王道のコード進行をなぞりながらも着地点で絶妙な裏切りを入れてくることなんです。
ああ、わかります。ここで明るいメジャーコードで綺麗に終わるなあって脳が予測した瞬間に?
ちょっと切ないマイナーコードに落ちたりとか、ボーカルが半拍だけ遅れて入ってきたりするんですよね。
まさにそれです。ちょっと不安定になるというか。
ええ。このまま進みそうだと思ったところから少し違う方向へ行く。
ここで落ち着きそうだと思ったのにもう一つ複雑なコードを経由して先へ進む。
つまり、ティム・クリステンセンの小さなズレはメロディーがどこへ進み、どう着地するかという動きの中にあるんですね?
その通りです。和製的な動きですね。
うわ、めちゃくちゃスッキリしました。
いかがですか?
魚アクションは音の重なりやリズムの抜き差しによる曲全体の流れ。
ティム・クリステンセンはコード進行とメロディーの着地点。
私の脳に仕掛けられたハッキングの手法は違ったけど、どちらも私の脳のGPSに対してほんの少しの心地よい迂回ルートを提示していたわけですね。
そういうことです。引かれている場所は全く違うんですが、2つの体験には明確な共通点があります。
共通点ですか?
それは、一度聴いただけではその曲の全体像や複雑なルートのすべてを脳が処理しきれない、つまり全部はつかめないということです。
一度では全部をつかめない?
ええ。
だから脳がもう一度あのルートを確かめたくて、なんかいいという感覚を頼りに再生ボタンを押すんですね?
そうなんです。2つのアーティストの音楽性が似ているのではなく、リスナーであるあなた自身の脳が少しずつ見えてくる音楽に対してドーパミンを出しているんです。
なるほど。複雑なものを理解していく発見のプロセスそのものが快感になっているんですね?
ええ。前に気づかなかった裏で鳴っているギターの音や予想外のコード展開が見えてきて、さらに聴き込むと。
今度はその新しく獲得したルートそのものが大好きになっていくと?
はい。音楽を聴くというのは格も能動的で知的なプロセスなんですよ。
15:03
本当にそうですね。でもここまでの話だと、1曲を何度も聴いてじわじわ好きになるメカニズムとしては完全に理解できました。
はい。
でも最初にも言いましたが、これが何曲も続いた時、それはもう1曲だけの話ではないですよね?
ええ。違いますね。
私たちはどうやって曲のファンからアーティストそのもののファンへと進化していくんでしょうか?
ここから視点をアルバム全体、あるいはアーティストのキャリア全体に広げてみると、さらに面白いことが見えてきます。
アルバム全体ですか?
そのアーティストの別の曲を聴くようになります。
そうですね。他の曲も聴いてみたくなります。
そこでもまた、最初は少し地味に感じて、後からじわじわ好きになるというプロセスを繰り返すわけです。
何曲も聴いているうちに、あなたの脳はさらに高次なパターン認識を始めます。
高次なパターン認識。かっこいいですね。
この人はAメロからBメロに行くときに、こういうリズムの抜き方をする癖があるなぁとか、
ああ、なるほど。
この人はメロジーを落ち着かせる直前に、わざと不安定なコードを挟む傾向があるなぁといったことがわかってくるんです。
それってつまり、その人なりの音楽の作り方や思考回路みたいなものを理解し始めるってことですか?
まさにその通りです。
1曲ごとの展開を越えて、曲全体をどう組み立てていくのかという、
そのアーティスト固有のアルゴリズムや音楽的な指紋のようなものが少しずつ見えてくるんです。
音楽的な指紋、なるほどなぁ。
すると、リスナーの意識は、この曲のこの展開が好きだった状態から、
この人の作る音楽の世界観そのものが好きへと変化していきます。
最初からわかりやすく全部が好きなんじゃなくて、一度でつかめないからこそ何度も聴いて、
そのアーティストなりの音楽の作り方、つまり世界観のルールみたいなものと、
自分自身の好みが少しずつとシンクロしていくんですね。
1曲ごとの、なんかいい、ちょっとずれてるけど心地いいを辿っていたら、
気づけばそのアーティストの脳の構造そのものを好きになっている。
これが自分にとって一生聴き続けるであろう、深く愛せるアーティストという存在へ昇華するプロセスなんですね。
深いですね。最初は地味に感じた音楽、でもそのなんかいいという直感を頼りに聴き重ねることで、
見えていなかった曲の立体的な構造や音の動きがわかり、
脳の予測に対する小さなズレが圧倒的な心地よさに変わる。
そして気づけば、1曲だけではなく、その人なりの音楽の作り方そのものを愛していると。
そういうことです。
これ単なる推し勝つとかじゃなくて、もっと深い認知の結びつきなんですね。
ええ。そして最後に、このメカニズムを少し違った角度から考えてみてほしいんです。
違った角度ですか?
はい。今日お話しした、最初はわかりにくくて少しズレているからこそ時間をかけて深く愛せるようになるというプロセス。
これって音楽だけじゃなくて、私たちが人間関係を築くプロセスに驚くほど似ていませんか?
18:05
人間関係ですか。でも言われてみれば、初対面でめちゃくちゃ愛想が良くて完璧に見える人って、意外とすぐにそこが見えちゃって飽きることがありますよね。
逆に最初はちょっととっつきにくかったり、何を考えているかよくわからなかった人の方が、長く付き合う親友になったりする。
そうです。最初は地味でよくわからなかった人のちょっとした予測不能な行動とか、考え方の独特な癖。
はいはい。
つまり、自分の中の常識というGPSからは少しずれている部分に気づく。最初はなんだこの人と思うかもしれない。
でもそのずれが致命的な不快感じゃなくて、この人はこういう見方をするんだなっていう面白い発見に変わっていくわけですね。
ええ。そしてそのちょっとしたずれを理解しようと時間をかけるうちに。
いつの間にかその人の行動パターンや価値観、つまりその人なりの生き方のルールを深く理解して。
その人間性そのものを好きになっているんです。
まるでまっすぐな廊下が少しだけカーブしているように、その人特有のずれがいつの間にか心地よくなっていく。
ええ、まさに。
複雑な音楽の構造を理解し、深く愛する能力っていうのは、この複雑な現実世界や自分とは違う他者を深く理解して受け入れて愛する能力と、実は根っこでつながっているのかもしれないですね。
そう考えると、プレイリストに並んでいる何度も聴いてしまう地味な曲たちが、ただの音声データではなくて。
ええ。
あなたが世界や他者とどう向き合っているかを映し出す鏡のように思えてきませんか?
いや、本当にその通りですね。リスナーの皆さんにとって、能の予測を心地よく裏切ってくれた深く愛せるアーティストは誰でしょうか?
はじめはピンとこなかったのになぜか今でも聴き続けてしまうあの曲。
ぜひ今日ご自身のプレイリストを見直して、あの少しだけ裏道にそれるような小さなズレと、そのアーティストなりの音楽の作り方をもう一度意識しながら聞き直してみてください。
きっとあなたの能のGPSが喜ぶ新しい発展があるはずですよ。
今回の深掘りはここまでとなります。次回もまたお楽しみに。
20:11

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