1. にゃおのリテラシーを考えるラジオ
  2. #581 【史】太宰治の「地..
2023-06-10 05:42

#581 【史】太宰治の「地図」/地図も読み物だから(33)

北海道立文学館の「地図と文学の素敵な関係」という展示の図録を眺めていてみつけた太宰治の「地図」という作品の話をします。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

太宰治 「地図」(青空文庫)

https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/5005_14047.html


配信書き起こし
https://note.com/nchiba

にゃおのtwitter
@nchiba
https://twitter.com/nchiba

YouTube
https://www.youtube.com/@nyaos

「読書と編集」の活動は、
https://www.nyaos.net/

ストアカの「読書と編集のITリテラシー教室」は、
https://www.street-academy.com/steachers/468576?conversion_name=direct_message&tracking_code=62e788e6ff484f6d2952151bb9c955b4

をご覧ください。

太宰治の「地図」について
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「太宰治の地図。地図も読み物だから。」の第33回目です。
土曜日は地図を読む話をしています。
この配信の560回目で、北海道立文学館に行った時に、地図と文学の素敵な関係という展示の図録を見つけた話をしました。
文学館の展示の図録なので、内容の中心は文学なのですが、
架空の地図から世界地図、果てはサスペンスに出てくる部屋の見取図まで、作品に収められた図面がたくさん載っている楽しい図録です。
ぷっくり数えても160点以上の作品が並んでいて、地図好きの本好きの僕は飽きることなく眺めていることができます。
図面としての地図もたくさん載っていますが、中には図はないけれど地図がテーマになっている作品も並んでいます。
その中に太宰治の作品がありました。
ズバリ・地図という短い作品です。
隆九王が石垣島を苦労して攻め落として、首里城で戦勝愉愛をしている時に、オランダ人が持ってきた世界地図を見る話です。
あっという間に読めてしまうので、ぜひ読んでみてください。
青空文庫のリンクを概要欄に貼っておきますね。
太宰治がこの作品を書いたのは16歳の時のようです。
短いとはいえ、こんな文章を書けるなんてすごいなと思いました。
読んでみて、ふと地理的な距離感覚のことを考えました。
僕が東京から札幌に戻ってきて間もない頃のことを思い出したんです。
その前に住んでいた東京では電車で移動するのが当たり前なので、電車移動の時間距離感覚はあっても、実際の地理的なイメージが全くつかめませんでした。
便利なスマホみたいなものはありませんし、デフォルメされた電車の路線図を見ることはあっても、きちんとした地図を見ることはなかなかなかったので、
実はすごく近い場所の地理がわからずにわざわざ電車で遠回りして行ったりしていました。知らない街というのはそんなもんですよね。
そもそもが田舎で育ったので、電車で移動するということはそれなりの距離があるという先入観があるわけです。
札幌でもそれは同じです。地下鉄で一駅の場所は歩いた方が早いですが、仕事のときはわざわざ地下鉄で遠回りをすることが結構ありました。
まるで距離感がつかめていなかったので、お客さんのところに確実に時間を守って行くためにそうしていたのです。
帰宅時とか休日に自分の足で歩いてみて、やっと方向感覚や距離感覚がつかめるようになってきました。
それでもまあまあ広い札幌の街の全体像をつかめるようになったのは、車で動くようになってからでした。
ざっくり地図が頭に入っていても、地図上の道を実際に動いてみないと距離感はつかめませんよね。
今考えると、僕は街中の混雑する道を運転するのが好きではなくて、10年くらい前まで特に中心部はピンとこない場所が結構あったんです。
地震をもって動けるようになったのは、障害者の移動支援で札幌市内を重要に動き回るようになってからでした。
同じ頃から散歩するのが好きになり、自分の足で10キロ程度は普通に歩くようになって、本当の意味での距離感をつかめるようになったんです。
太宰治の地図は、地理感覚に案外強い思い込みがあることを表現しているように思います。
作品のネタバレは楽しみを奪うのでここまでにしますので、ぜひこの作品を読んでみて、どんなことを考えたかをコメントいただけると嬉しいです。
今回は、太宰治の地図という作品を読んで考えたことを話しました。
地理感覚と距離感覚の成り立ち
今日はここまで。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
詳しい内容については概要欄のリンクから、または読書と編集と検索して猫がトップページに出てくるホームページをご覧ください。
この配信の書き起こしをノートで連載しています。
概要欄にリンクがありますので、フォローいただけると嬉しいです。
今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。
05:42

コメント

スクロール