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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、
くるくる回っている? 時刻表は読み物だからなぁの29回目です。
前回は、鉄道は坂に弱いので急坂を克服するために迂回ルートを作った函館本線の話をしました。
今回はまた違った克服の仕方について話してみようと思います。
作品地図を丹念に見ていくと、線路がくるっと回っているところがあります。
最新の時刻表ではあまり見かけなくなったのですが、
1968年の時刻表には、全国でいくつかのくるっと線路を見つけられます。
1968年にもあるし、2022年にもあるのが、上越線の群馬から新潟にまたがる山越えの区間です。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
というのは、川端康成の雪国のフレーズですが、このトンネルはこの区間の清水トンネルなのですね。
このあたりをGoogleマップで見ると、上越線が2本に分かれて引かれていて、さらに上越新幹線が別にあるという形になっています。
2本になっているのは、上り下りが別の線になっているわけです。
勾配緩和のためにトンネルを含む別線を作ったわけですね。
この区間にはドアイ駅という、下り線が地中深くのトンネルの中にあるという興味深い駅もありますが、今回はその前後の部分に着目しましょう。
国境の分水嶺の群馬側にあるのが、指蘇ループ線。
新潟側にあるのが、松川ループ線です。
ループ線というのは、山登りの坂道の傾斜を緩和するために作られるものです。
急な山に登るためによくあるのは、ジグザグに進む方法です。
道路には割とよくありますが、急カーブを伴いますので、鉄道には不向きです。
そこで考えられたのが、大きなループを描いて登る方法です。
斜面を斜めに登っていき、途中からトンネルに入ってじわじわ登りながらループを一周し、元の場所で前に通った線路を鉄橋で越えるわけです。
上越線の山越えは急勾配なので、山の前後にループを作って勾配緩和をしたんですね。
新しい線路は長いトンネルで一気に尾根を越えるようになっていますが、昔はそんな長いトンネルを掘る技術がなかったので、比較的短いトンネルを掘るだけで良いループ線が作られたんです。
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ループ線は同じ線路が大きな輪を描いて途中でクロスするというなかなか見られない構造で、ダイナミックな景観になります。
上越線、ループなどのキーワードで検索してみてください。 雄大な写真を見ることができると思います。
時刻表が面白いと思うのは、運転時刻を見るだけだとか、知らずに乗っているだけだと気づかないような、こういう特徴のある区間が作品地図には描かれていたりするということです。
苦労して引いた線路の特徴をちょっとだけ知ってほしいという気持ちが現れている感じがしませんか?
このようなくるくる区間は全国で何箇所かあります。 作品地図を丹念に見ていく楽しみの一つです。
新線の建設や路線の廃止などでなくなってしまっているものもありますが、最新の時刻表にもいくつかは残っていますので、ぜひ見てみてくださいね。
次回はせっかくなので、同じ区間の度合い駅の話をしてみようと思います。
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今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。