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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には子育てネタや、留学時代や、旅行の思い出などのお話もお届けしています。
今日は、犬は鼻がいい?悪い?犬の感覚、嗅覚についてのお話をしていこうと思います。
犬の優れた能力をあげるとしたら、誰もがすぐに嗅覚をあげると思います。
実際、研究の結果では、犬は人間の数千倍から数万倍もの匂いを感知する細胞を持っていると言われています。
反対に、人間の五感の中で最も鈍いと言われるのは嗅覚であり、人間はその分視覚を磨いて進化をしてきました。
それでは犬にとって一番鈍い五感は何でしょう?それは味覚ですね。
犬には味を感じる未来が人間より遥かに劣っているんです。
嗅覚については、もちろん群を抜いて犬の方が人より勝っています。
そして視覚については、人間と同様の能力があると言われています。
これはちょっと驚きですよね。
これは犬の視覚が人間と同様に見えているということではなくて、視覚に使用する能力が違うということです。
よく言われることですが、犬は色彩感覚が人間のように豊かではありません。
獲物を狩る肉食動物にとって細かい色彩がはっきり分別できるという能力よりも、
より遠く、より鋭く獲物の臭いを感知する能力の方が重要なんです。
そして視覚について言えば、動く獲物を追う能力が進化しました。
ですから犬は色の見分け方は苦手ですが、動くものを見つけることは得意です。
例えば公園のベンチに座っていた人が立ち上がって動き出したとき、犬がビクッとすることありませんか?
あれは人の匂いはするけれども動きはないので、どこに人がいるというのを犬があまり意識していない状況なんですね。
飼い主さんにとっては、ベンチに座って新聞を読んでいる人の存在は遥か前から分かっているのですが、
犬にとっては全く予測できていないため、動いた瞬間に、え、こんなところに人がいたの?と驚くということもしばしばあります。
あまりに驚いてしまって吠えたり、ひかくしたり、噛みつこうとする場合もあるので、
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あまり人慣れしていない子、怖がりなワンちゃん、人が苦手なワンちゃんをお散歩するときは、
私はベンチに静かに座っている方の近くは通らないようにしています。
この状況にも言えることですが、え、だって匂いしてるでしょ?なんでわからないの?と思うことありませんか?
犬は人間よりはるかに鼻がいいというのは事実です。
ですが、実生活において、え、なんでわからないの?というシーンはよくあると思います。私もよく見かけます。
特に思うのは、カフェマットの練習をしているときです。
マットの上に落ち着いていられるようになるために、マットの上に乗ったり、座ったり伏せたり、落ち着いているときにクリッカーを鳴らしたり、
褒めておやつをマットの上に乗せたり投げたりするんですが、
このご褒美のおやつをマットに乗せる、もしくは投げるということをすると、見つけられない子が意外に多くいます。
特にマットの柄、模様が華やかだと全然見つからないというワンちゃんもいるんですね。
これはなかなかの衝撃映像ですよ。え、ここに落ちてるじゃん!ってなるし、私が指で指示してあげることもあります。
また飼い主さんやごく親しい人が、いつもと違う髪型や格好、例えば帽子やマスク、サングラスなんかをしているときは、ワンちゃんが戸惑って、時には吠えたりすることもあり、
え、なんで?私だよ!と言うと、やっとわかって尻尾を振るというような状況。
さて、鼻が犬はいいはずなのに、なぜそういうことが起きるんでしょうか。
これは実は、現代の家庭事情に原因があることも一因だと思います。
今のワンちゃんたちは、鼻を使う機会が少なく、目を使う機会が多いということが、この原因の一つになっています。
ごく幼いときに、親兄弟の元を離れ、人間の家庭に引き取られて、一日の多くの時間を室内で過ごす現代の家庭犬たち。
人間はそもそも嗅覚をそんなに使わず、視覚に頼る生活をしていますから、自然と犬にも視覚を使用することを求めていきます。
犬たちも知らず知らず、鼻でじっくりと匂いを確かめていくというよりも、目で見る第一印象に頼ってしまうんですね。
さらに、嗅覚というのは、例えば麻薬探知犬などは、その精度を高めるためにかなりの訓練をします。
犬の嗅覚を人間がわかるように利用するためには、それなりの時間と訓練が必要なんです。
もちろん、犬種によっても大きく異なります。
例えば、サイトハウンドに分類されるイタリアングレイハウンド、アフガンハウンド、ボルゾイなどは、もともとその視覚能力を活かして狩猟に使われてきた犬たちですので、特に動体視力を活かすことが得意です。
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逆に、ビーグルやブラッドハウンド、フォックスハウンドなどのセントハウンドは、もともとその嗅覚を活かして狩猟に使われた犬たちですので、お花を使うことが得意で、
教えられなくても臭いをよく拾って嗅ぎます。
お散歩の必要性は、運動や排泄のためだけではありません。
特に重要な一つの要因としては、この嗅覚を鍛え、研ぎ澄ます時間を作ることでもあるんです。
犬が持って生まれた素晴らしい嗅覚という能力は、実は使わなければ使うことができないんですね。
実際、犬の保育園では、ノーズワークという鼻を使ったエクササイズを多く行うんですが、
これは、やればやるほどワンちゃんたちはクリアするのが早く、上手に、そして長く集中できるようになっていきます。
匂いの嗅ぎ分けも素早くできるようになっていくんですね。
犬が嗅覚を使って情報を得る、分析する、確かめるということは、本能にプログラムされた行動です。
それをすることで、犬が犬らしくいられると言っても過言ではありません。
なので、私はお散歩中に犬が匂いを嗅ぐことを、ほとんどの場合は止めません。
それは、彼らの本能的欲求を満たす行為ですので、鼻をたくさん使った活動をするだけで、彼らは満たされ、精神的・肉体的運動ができるからです。
そして、犬の嗅覚はシニアになり、最後まで残る重要な感覚です。
お鼻を使うエクササイズは、若い犬たちには心身をリラックスさせ、満たし、可能性を広げ、学習を促すもの。
シニアの犬たちにとっては、何よりのアンチエイジングと脳トレになります。
どちらにしても、嗅覚を使うことは、犬たちのクオリティ・オブ・ライフ、QOLを上げるために良い手段だと私は思っています。
お鼻を使ったエクササイズ、人側には手もそんなにかからないのに、ワンちゃんは大好きで、しかも適度に疲れてくれるのも、私が好きな理由の一つでもあります。
もしご自身の愛犬が、ちょっと視覚に頼りすぎだなぁと思われていたら、ぜひお鼻を使う簡単なエクササイズからお試ししてみてくださいね。
いつもよりじっくりお散歩で匂いかけをさせてあげるというだけでもいいと思いますよ。
それでは最後まで聞いていただきありがとうございました。次回もまたよろしくお願いいたします。