まず大前提として、犬にとって無意味な吠えというものはありません。
吠えは犬が使えるコミュニケーション手段の一つ。飼い主さんに何かを伝えようとして吠えている。
その何かというのが7つのタイプによって全く違います。
そして重要なのは、タイプごとに心理状態、吠えた後の行動、吠えの機能が異なるということです。
この3つが分かると何をしているのかが見えてきます。
1つ目はアラート吠えです。
心理状態としては好奇心だったりとか、軽度な興奮、怖がっているわけではないですね。
吠えた後の行動としては飼い主の方を振り向いたりとか、吠えた後すぐに普段通りの生活に戻る。
これは機能としては何かいるぞを知らせておこうという情報通知になります。
群れで暮らしていた時代に仲間に異変を伝える役割を担っていた行動が、今の行動として残っているという状態です。
インターホンや外の物音にワンと一声吠えてすぐに落ち着いたり、普段通りの生活に戻る子はこれが多いです。
特にトイプードルは物音に対してこのタイプの声が出やすい犬種というのが研究でも確認されています。
またチワワなんかもこの傾向に多い犬種ですね。
2つ目のタイプは軽快吠えです。
心理状態としては不安だったり緊張縄張りの脅威を感じている状態。
吠えた後の行動は対象をずっと見続けていたり前のめりになっている。下がらない状態ですね。
機能としてはこれ以上近づくなよっていう距離確保の防衛行動になります。
アラートとの違いはここが一番大きいところです。
アラートは通知、軽快は防衛です。
吠えた後に飼い主を振り返るか対象を見続けるかで見分けることができます。
吠えた後に相手が立ち去っていくと、
あー自分が吠えたから追い払えたっていう風に学習して次からより強く吠えるようになっていきます。
3つ目のタイプは要求吠えです。
心理状態としては期待、欲求不満、ストレスっていうよりは交渉をしているような状態ですかね。
吠えた後の行動は飼い主に近づいてくる。尻尾を振りながら吠える。
機能としては何々をしてほしいんだよっていうのを飼い主さんに伝えている交渉です。
お散歩の時間とかご飯の時間、遊びの時間なんかによく見られるかと思います。
これは要求が通ったことがある吠えっていうのは学習によってどんどん強化されていきます。
ここが今日の最初の重要な発見ポイントです。
叱ることも要求吠えへの反応になります。
要求吠えをしている犬にダメって言うと声を出したら飼い主が何かしてくれたと記憶されることがあります。
つまり叱ることが吠えを強化する可能性があるということです。
これは飼い主さんの責任じゃなくてこのことを知らずに対応していれば誰でも同じことが起きます。
4つ目のタイプは恐怖吠えです。
心理状態としては怖いっていう感情を持っていたりとかパニックにちょっと近い状態。
吠えた後の行動としては後ずさりをしたりとか体を縮めたり逃げようとしたり、もうその場でお腹を見せちゃったりとか。
これは怖い、もう僕じゃどうにもできない、どうにかしてという防衛と救助をしてくださいという要請が複合されている状態です。
ドックランでフリーズをしている状態で吠えた場合はほぼ確実にこれに該当します。
恐怖吠えの子に大丈夫だよと撫でることっていうのは吠えている状態を強化することがあります。
この状態は怖がって当然なんだよ、あなたみたいに吠えるのが普通の行動なんだよというふうに強化をしてしまいます。
吠えている最中のスキンシップというのはその状態を正しい反応というふうに伝えてしまう可能性があります。
まずはその場所から距離をとって落ち着いてから接するのが基本になります。
5つ目のタイプは興奮吠えです。
心理状態としては喜びだったりとかテンションが上がっている状態。
吠えた後の行動としては飛びついてきたりとか走り回ったりとかバーって部屋の中でぐるぐるぐるぐる回っていたりとか。
機能としては感情の放出です。
もう嬉しさが体の中に収まりきらなくなってしまって外に出てきてしまうみたいな。
帰宅時に吠えながら飛びついてくる散歩の準備をしていると吠えながら走り回るというのはこれです。
興奮吠えに一緒になって喜んでしまうと興奮がもちろん加速してしまいます。
落ち着いてから接することが大切で興奮している最中は穏やかに淡々と過ごしてあげる方が興奮というのは早く収まります。
よくお家に帰って興奮している時は無視しましょうというのをね本とかSNSとかで見たことあると思うんですけれども
これはこの興奮吠えに対するものに該当します。
まあとはいえねせっかく喜んでいるのに無視するのはなんかちょっとかわいそうな気がしませんか。
でも喜ぶっていうことはその前に不安な気持ちがあったから喜んでしまうんですよ。
なので帰ってきて興奮している状態で接してしまうとこの興奮する前の不安な状態も肯定してしまうことになるんですね。
だから無視しましょうというのがこの理論です。
ただまあ私自身はこの考え方に結構怪異的でというのも不安な気持ちを肯定することは
愛犬にとっては待ってる間に不安な思いをしなさいって教えてるのと同義になってしまうので
よくないことだとは思うんですけれども
リラックスして過ごせていたけど飼い主が帰ってきて嬉しい時もその愛犬の感情を無視してしまうことになってしまうからなんですよ。
なので一概的に無視という対応が正解なのかどうかというのに関しては怪異的なところがあります。
これに関しては環境などにも左右されるのでまた別の機会にお話しできればと思います。
6つ目のタイプは分離防衛です。
心理状態としては不安だったり孤独感パニック
吠えた後の行動としてはドアや窓に向かう玄関に向かうものを壊す泣き続ける
機能としては群れに戻ってきてという呼び戻しになります。
犬はもともと群れで生活していたので一頭でいることもしくは群れから一頭だけ離れていくことというのは本能的に異常事態です。
その不安が吠えや破壊行動として出てきている状態です。
留守番中に吠え続ける飼い主が少し別の部屋に移動したけりゃ泣き始める子というのはこのタイプが関係している可能性があります。
この状態を分離不安という人が多いですがこれは犬に問題があるという視点だと思います。
問題は犬が家の中で不安になる環境にあるということです。
私からのアドバイスとしては環境を見直すことから改善につながることがありますよというところです。
7つ目のタイプは認知機能低下による吠えです。
心理状態としては混乱検討式というんですけれども時間場所人物などがどういう状況にあるかを正確に把握理解する能力が低下してきたりとか乱れてしまっている状態。
あとは不安や痛みです。
吠えた後の行動としてはぼーっとしたままになったりとか同じ場所をぐるぐる回っていたりとか。
機能としては意図された吠えではないんですね。
脳の変化による混乱から来る吠えであったりとか高齢犬で夜中明け方突然吠え始めるとか理由が見当たらない目がうつろになっているという場合はこのタイプの可能性があります。
これに関しては痛みを覚えている場合であったりとか嗅覚・聴覚の低下によって不安な状態を抱えていたりとか様々な原因が考えられますので、まずは獣医師さんに相談することを一番お勧めしています。
もちろん飼い主さんとしては夜中に泣かれてしまうとご近所さんに迷惑であったりとか、飼い主さん自身が寝れなくなってしまって疲れてしまうということも出てくるんですね。
なので、なるべくような気をやめさせたいと思う方もいらっしゃるかと思うんですけど、この泣くという行動を変にコントロールしちゃうと、あなたの愛犬自体が痛みの表現というのができなくなってしまうので、病気とか怪我の発見が遅れる恐れがあります。
なので、原因不明だなというときは、まず獣医師さんに相談をしてみることがいいかなと思います。もちろん飼い主さんもゆっくり休んでいただくことが大事になります。
ここで今日の二つ目の重要な発見ポイントです。
同じ吠えでもタイプが違えば対応が全く逆になることがあります。
要求吠えに関しては反応しないことというのが有効になってきますけれども、恐怖吠えに反応しないことは、かえってパニックを深めてしまいます。またこれがトラウマにつながってしまうこともあります。
警戒吠えには環境を整えることというのが先決なんですけれども、分離吠えに関しては分離の練習と同時に環境を整えることが必要です。
叱っても無視しても直らないというふうに感じてた方、タイプが混在してた可能性があります。あるいはタイプが合ってなかったのかもしれないです。
どちらにしてもあなたのやり方が間違ってたのではなくて、情報との歯車が噛み合っていなかっただけです。
では実際にどうするかなんですけれども、まず最初にやることは、愛犬の吠えはどのタイプかを特定することです。
対応はその後に考えましょう。
観察ポイント1つ目としては何をきっかけに吠えているのか。