じゃあ、もし拾い食いをしてしまったとき、やってはいけないことは何か。
最もやりがちなのが、口に手を入れて取り出そうとすることです。
これは逆効果です。
犬は、取られるって感じた瞬間に、取られる前に飲み込もうとします。
慌てて飲み込むことで、喉や食道を傷つけるリスクが上がります。
また、飼い主さんの手を噛んでしまう可能性もあります。
次によくやるのが、無理に吐かせようとすることです。
これも基本的にはNGです。
吐いたものを気管に吸い込んで肺炎になるリスクもありますし、吐かせるかどうかの判断は、何を飲み込んだかによって変わってきます。
これは必ず重意志に確認をしてください。
では、何をするべきか。これは後半でお伝えします。
その前に、知っておいてほしい食べ物があります。
散歩中に落ちている可能性があって、かつ犬にとって特に危険なものです。
一つ目は、チョコレート・コーヒーの出がらしです。
カカオに含まれるテオブロミンという成分が、犬の体に有害です。
食べてから4時間から12時間後に嘔吐、下痢、痙攣などの症状が出ることがあって、最悪死に至ります。
コンビニ周辺とか公園のゴミ箱周りに落ちていることがよくあります。
二つ目は、玉ねぎ・ネギ類です。
犬はネギ類に含まれる成分を分解できないので、貧血・血尿・呼吸困難を起こすことがあります。
長ネギでよくあるんですけど、
お買い物に行ってお買い物バッグから長ネギの青い部分が飛び出たまんま、
飼い主さんが買い物から帰ってきて玄関にカバンを置いて、すぐに手を洗いに洗面所に。
その間に見慣れない飛び出た青い部分を食べてしまうということがよく起こります。
ハンバーグやスープの残りカスも要注意です。
加熱してても成分は残ります。
三つ目は、ブドウ・レーズンです。
ブドウ・レーズンは旧成人不全を引き起こす可能性があります。
少量でも症状が出ることがあって、食べてから12時間から24時間以内に応と元気消失が始まることがあります。
四つ目は、キシリトールです。
シュガーレスガムとかキャンディーに含まれる甘味料ですね。
犬が食べると急激な血糖降下と肝障害を起こします。
ガム一粒で中毒量に達することがあると報告もされています。
五つ目は、タバコの吸い殻です。
散歩コースに最も落ちている危険物の一つです。
少量でも中毒症状を起こす可能性があります。
今言った五つのどれかを食べた可能性があるときは、症状がなくても早めに動物病院に連絡してください。
ここが今日の第二の発見ポイントです。
問題は食べた後じゃなくて、食べる前に始まっています。
もし食べたらの練習を今日から始める必要があります。
じゃあ具体的に何をすればいいのか、三つの柱でお伝えしていこうと思いますが、
その前に私が推奨しない方法があります。
それは食べられない環境を作ることです。
最も確実な方法は、そもそも食べられない状況を作ることです。
おそらくほとんどの人が選ぶ方法でもあると思います。
お散歩中はゴミが落ちている可能性が高いコンビニ周辺だったりとか、
公園、繁華街、ゴミ捨て場、除草剤のまかれやすい季節の植え込みを避けましょうとか、
スマホを見るとその間に拾い食いしちゃうからスマホは触らないでとか、
犬の散歩中にスマホを見るのは別の意味で私も反対なんですけど、
家の中だったらキッチンの出入りを制限したり、
テーブルの上に食べかけのものを放置しない、ゴミ箱のフタは常に閉めておく、
これらの環境整備が拾い食い対策と言われています。
これはそもそもそこにある問題に触れさせないようにしているだけであって、
あなたが愛犬のそばから離れてしまったら、
もしくは出かけている間にゴミ箱が倒れてフタが外れてしまったら、
全く意味がありません。
むしろ普段起こり得ない状況が生まれて好奇心で食べてしまう子もいます。
外に出てて対処できない時に食べてはいけないものを食べてしまったらって考えるだけでも恐ろしいじゃないですか。
なので私は食べられない環境を作ることを第一にするのは推奨していません。
じゃあどうすればいいのか。
一つ目の柱は愛犬に判断基準を持たせるです。
食べられない環境を作るに相反する内容ですが、
食べられる環境の中でも食べない選択を犬自身にしてもらう方法を身につけてもらうトレーニングをしましょう。
具体的なやり方はお散歩前に愛犬が少しだけ好きなフードをポケットに入れておきましょう。
いつも食べているフードよりもちょっといいやつですね。
すぐに使えるように袋から出しておくのがおすすめです。
そのまま普段通りにお散歩して愛犬がいつも反応してしまうもの、
例えば落ち葉などを見つけたら足で食べないようにガードできるポジションに移動してください。
すぐにおやつを愛犬の鼻の高さに持って行って匂いを嗅がしてあげます。
その後はあなたの愛犬が落ち葉を食べたいのかおやつがいいかを選んでもらいます。
ここでほとんどの子はおやつを選ぶと思いますので、おやつを選んだら目いっぱい褒めてあげましょう。
欲張りな子はここでおやつを食べた後にすぐに落ち葉を食べようとするかもしれません。
その時は愛犬の顔を蹴らないように注意しながら足で落ち葉をブロックします。
ここでもダメとかいけないなどという必要はありません。
黙って愛犬の選択を見守っておやつを選んだら目いっぱい褒める。
落ち葉を選んだら黙って足で静かにブロックしてください。
これを繰り返すだけでどちらを選ぶと嬉しいことが起きるのかはすぐに学んでくれるはずです。
2つ目の柱はトレードオフの練習を今日から始めるです。
1つ目の柱が外でできるトレーニングだとすれば、
2つ目の柱はその準備ともなる家でできるトレーニングです。
トレードオフというのは口の中のものを自発的に出してもらう代わりにもっと良いものを渡すというやり方です。
コマンドは何でもいいんですけど、出してとか、ちょうだいとか、
英語を使われている家だったらoffとかleave itとかいろんなコマンドがあります。
どんなコマンドでもいいんですけど、ご家族で一つに決めて全員が同じ言葉を使ってください。
ここで全員が同じ言葉を使うことが重要です。
やり方はシンプルです。
おもちゃを口に加えさせます。
そして飼い主さんのところに来たら、それよりも魅力的なおやつや別のおもちゃを鼻先に見せます。
そっちを取ろうとして口が開いた瞬間に出してとかleave itとかさっき決めた言葉をかけてたっぷり褒めてからご褒美を渡します。
ポイントは口が開いた瞬間に言葉をかけることです。
出した後に言葉をかけてもちょっと遅いです。
最初は家の中のおもちゃで練習します。
慣れてきたら散歩中にも応用できます。
ボール遊びなどをしているときにセットでの練習もできますよね。
なぜ今日から始めるべきかというと、実際に危険なものを口に入れた瞬間に練習の余裕がないからです。
口に加えてしまって今飲み込んでしまうかもしれない。
あの瞬間に使えるコマンドというのは日常の中の積み重ねでできたものだけです。
その瞬間になってから練習では遅いんですね。
なので今日から始めることに意味があります。
とはいえ万が一口に入れてしまったとき、サイズが小さいものを加えている段階ならトレードオフを試みてみましょう。
手を口に入れて取り出そうとするのだけは避けてください。
飲み込んでしまった場合、まず何を食べたかを確認しましょう。
今日あげたような危険な食材であれば、症状がなくても動物病院に連絡して指示をもらってください。
様子を見ましょうなのかすぐに店に来てくださいなのかを判断するのは従意志の方です。
自己判断で吐かせようとしたり指を突っ込もうとするのは避けてください。
3つ目の柱は散歩中の注意の向け方を整えるです。
拾い食いが多い犬の散歩では犬の意識が地面に向きっぱなしになっていることがあります。
前を見ないでずっと下を向いている子が多いんですね。
なので時々名前を呼んで飼い主さんの方を見てもらう練習を散歩に挟んでください。
見てくれたらすぐに褒める。地面より飼い主さんを見ている方がいいことが起きるという経験を積み重ねることが長期的な拾い食い対策になります。