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この時間はZoomUp、毎週木曜日は科学です。 毎日新聞論説委員の元村有希子さんです。
元村さん、おはようございます。おはようございます。 さて、今日の話題なんですけど、先日毎日新聞でも掲載されておりましたが、論文をめぐってその
海賊版サイトの日本での違法ダウンロードが720万件で、ここ5年で5倍を超える利用ということなんですが、
海賊版ってね、漫画とかで海賊版サイトがとかありますよね。論文に海賊版ってあるんだって。
まずそこに驚きます。 あ、そうなんだと思って調べてみましたよ。
昨年で1年間で720万回ダウンロードされていたというんですね。
多分ダウンロードしたのは、だから日本人の研究者ってことですよね。 あの国別のランキングも出ていて、日本は720万回で14位でした。
まだまだ上があるってことですね。 1位が中国、2位がアメリカ、3位がロシア、4位ブラジルということで、特にその特殊なアレではなくて人口比、研究者の数に応じてという感じがします。
なるほど。 だから世界でこれが一般化しているということが問題なのかもしれませんね。
論文にせよ漫画にせよ写真にせよ、有料で公開されているものを海賊版サイトに載せるっていう行為も、
それを知りながらダウンロードするっていう行為も、もちろん罪に問われる可能性があっていけないことなんですけれど、
こうした論文の違法、海賊版サイトがあったり、違法ダウンロードが横行している背景にはですね、論文のその利用料、読むための閲覧料が高いっていうことがあるんですよ。
というかその論文、有料で読むものなんですね。すいません、もうほんと不勉強でそこすら知らなかった。
科学記者は日常的に論文を読んでいるので知っていることではあるんですけど、論文って普通にバラバラ勝手に発表するものじゃなくて、出版社が雑誌に載せるっていう形で発表することが多いんですね。
私が論文を書いたとします。それを世の中に知らしめたい。自分がツイッターとかで発信してもちょっとダメなんですよ。
やっぱり第三者がこれは素晴らしいとか、評価を与えるっていうことが、今の世界では雑誌に採用されるっていうことなんですよ。
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雑誌は出版社が出しますから、出版社も儲けることが必要ですよね。しかも審査にいろんなお金がかかっていますので。
だから普通の雑誌がお金で値段をつけて販売するように、出版社は高読量っていうのを設定しているんですよ。
研究者はその雑誌をつまり高読することによって、誰がどんな論文を出しているかっていうのを知るわけです。
一人一人が買っていると結構お金かかりますよね。
データでは一冊あたりの高読量が年間38万円高いですよね。
それは結構かかりますね。
しかも一種類の雑誌だと絶対、到底研究できませんから。
結局大学の図書館がその高読量支払いを代行するんですね。
つまり自分、研究者の多くは大学に所属していて、大学に雑誌を取ってもらって、自由に読めるっていう形を取るんですけれど。
この大学も大変な懐事情になっておりまして。
まず少子化、それから国からの補助金が年々減っている。
さらに雑誌の種類がすっごく増えてるんですよ。
科学って高度化すればするほど専門分野が細分化されていくので。
物理とか言っても一冊じゃ済まなくて、何千種類っていう雑誌を参照しないといけないと。
量も質も、量も増えて値段も値上がりもすごいということで。
図書館は経費削減のおり、マイナーな雑誌はやめますみたいなことになるんですよ。
そうすると研究者は困るわけですよね。
海賊版サイトがあるじゃない、ということでそちらに行ってしまう。
それだと無料で見られるとかですかね。
読める、ダウンロードできる、それを自分の研究に生かせる。
記事では実際にそれをやっている、日常的にやっているという研究者の声も紹介していますけれど、
その目先では自分の参照できる雑誌を3種類しか公読していないので、
これでは研究にならない。
3年前にこの海賊版サイトを知って使ってみたらめちゃめちゃ便利だったと。
気になる論文がすぐ手に入る。
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悪いとは分かっているんですけどやばいですかねみたいな。
多少なりの罪悪感はありながらも、とはいえ目の前の研究を続けていくためには必要に迫られてということですか。
しかも動機が研究をするということなので、それを一概に責められるかということを考えないといけないんですね。
先ほど論文読むのに有料なのっておっしゃいましたけど、本当にそれはそもそもそうで、
だって大学の例えば研究者の研究って主に税金で賄われていますよね。
私たちが支払う。
税金で支えられている研究、その研究から生まれた成果、それは誰のもの?っていうことを考えたときに、
出版社がそれを例えば独占じゃないんですけど出版社がお金を取って読ませるっていうことが公正なのかっていう問いにぶつかるわけですよね。
先月仙台でG7主要7カ国の科学技術大臣会合っていうのが開かれたんですけども、
そこでもこの話題、海賊版の話ではなくて研究成果は誰のものかっていう議題が話し合われまして、
やっぱり公的資金に支えられた研究の成果は広く安く共有されるべきだという声明もまとめられています。
確かに。
やっぱりそこは本当にその論文が次の研究成果を生む。
その成果が応用されて世の中が便利になったり寿命が長くなったりっていうそのサイクルを考えると、
確かに無料で誰もが読める世界というのが欲しいですよね。
そうですね。
そこは本当に出版社のビジネスモデルも含めて検討、再検討する時期に来ているのかもしれないんですね。
論文って読んだことないでしょ、ほとんど。
申し訳ないです。
なかなか機会がないですね。
そういうもんだと思います。
これ科学者の人たちの業績を紹介するものなので、
基本科学者の中だけで閉じているものなんですよ。
私たちは一般市民はその科学者の論文をいろんな形で翻訳されたものを、
例えば科学記事として読むとかね。
例えば何だろう、その論文で報告されたことが、
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テクノロジー、最先端のテクノロジーとかお薬になった段階で知るっていうのが普通なので、
ただ論文って結構面白くてですね。
面白くてって言っても難しいですよ。
ボリュームもありそうですしね。
面白みを感じる領域に達してないんで。
面白いですね。
英語で書かれている。
私も25年ぐらい読んでおりますが、
すごい論文は意外とシンプルなんです。
例えば、私たちDNAって理解してますよね。
生命が共通に持っている設計図。
DNAが二重路線をしているっていう発揮的な発見が、
1953年に論文になっているんですけど、
ワトソンさんとフリックさんという2人が連名で出した論文で、
これ、ネイチャーっていう有名な雑誌に載っているんですけども、
わずか2ページです。
論文?
だからもっと長文かと思ってましたけど。
1ページに100万字ぐらいある原稿用紙とかじゃないですかね。
小さすぎ。
そんな短いっていうか。
シンプル。
ほんとシンプル。
しかも、ほんとに一晩か二晩ぐらいで書き上げたっていうね。
素晴らしい成果は、絵としてシンプル。
なるほど。
検索すると、いわゆるPDFファイル、
どんなふうに載っていたかっていうのまで見られたりもしますので、
ちょっと関心ある人は見てみてもいいかもしれませんよ。
そうですね。
それがあらゆる生命科学の考え方を変えたっていう画期的な論文です。
あとは、ノーベル賞をもらった山中信也さん、
IPS細胞で、
彼の論文なんかも公開されているので、
覗くことができますね。
これ2006年の8月25日のセルっていう雑誌に載せられたもので、
こちらはですね、
IPS細胞をどうやって作ったかっていう実験の過程が詳細に綴られておりまして、
さっきのDNAの二重螺旋の話は、
これはそうじゃないかっていう提案、仮説の提案なので2ページで進んでいるんですけども、
山中さんのやつはこんなふうに、こんなふうに、こんなふうにしてっていうレシピを丁寧に書かれていて、
こちらは14ページございます。
でも眺めてみるだけでも、ちょっとその研究者の魂に触れられる感じがすると思いますよ。
なるほど。そうですよね。
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その熱、魂に触れられる機械ですよね。
できれば。
でもそれを、その魂や熱を無料でってなるのか。
やっぱりその対価を支払ってっていうね。
でも税金で研究しているものですからね。
難しいですね。議論をしっかり煮詰めてもらいたいなと思います。
本村さんありがとうございました。
毎日新聞論説委員の本村幸子さんでした。
ありがとうございます。