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2024-01-18 12:41

卵子凍結の助成、説明会に7千人の応募

毎日新聞論説委員 元村有希子
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この時間はZoom Up、毎週木曜日は科学です。毎日新聞論説委員の元村有希子さんです。Zoomをつないでいます。元村さん、おはようございます。
おはようございます。さて今日はですね、東京都の卵子凍結の助成というところに、この説明会が行われて7000人が応募というニュースを解説していただきたいと思います。
もともと300人を想定して考えた事業なんですけれど、その300人を想定した説明会に7300人が応募しているというんですね。
関心の高さが伺えますね。そうですよね。朝日新聞が報道していたんですけれども、どんな補助事業か少し説明しましょうか。お願いします。
対象は、東京都内に住民票がある健康な女性、年齢は18歳から39歳。将来妊娠・出産はしたいんだけれど、
今は事情があって難しいという人たちが、この事業に関心を持っているということなんですね。
自分の卵子を凍結しておいて、適切なタイミングが来た時にそれを解凍して、
対外受精を行うという将来のための選択肢として使いたいという人に最大30万円、東京都がお金をあげますということなんです。
条件がいくつかあって、最初に説明会に参加すること、説明会に参加した後、早速卵子を凍結する作業に入るということですよね。
そこから5年間にわたって東京都の調査に協力することなどの条件もあります。
資料を読む限り、現時点で結婚している必要はないようです。
今、出産的例期であって、パートナーがいないとか、仕事が忙しいとか、
今、自分にとっては出産のタイミングじゃないなと思っている人が、とりあえず自分の卵子を凍結を保存しておいて、
近い将来、結婚したり、パートナーとの間で作ろうかとなった時に、それを利用できるということですよね。
これ、結構聞いていると、ちょっとびっくりするんです。この東京都の事業への反響っていうでしょうかね。
そうですね。こんなに来たかっていうね。
東京都もやっぱりびっくりしているようで、300人という枠を広げて、条件を満たす申請者全員に補助する。
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30万円を上げるという方向で検討を始めたとも報じられています。
この卵子凍結っていう技術そのものは、わりと昔からありました。
ただ技術が、わりとどんどん確実性を増してきて、今に至っているわけですけれど、この背景ですね。
卵子老化って聞いたことありますか?卵子の老化。
聞いたことありますね。
不妊の原因の一つにも挙げられていて、高齢出産の人はなかなか妊娠しづらいということからも言えるように、卵子そのものがだんだん受精の能力が下がっていくということが知られています。
今回18歳から39歳までって限定したのも、卵子が老化する前にっていう配慮からなんですね。
なので老化する前の年齢で卵子を取り出して液体窒素で瞬間凍結する。
つまり卵子の時間を止めるってことですよね。
ある種、今迷っている人たちには老法と言える技術かもしれません。
いろいろと私は考えさせられるところがありました。
まず一つはですね。
凍結したとしても、将来それを使って必ず子供が授かるかという保証がないんですね。
凍結卵子を使った胎外受精、妊娠の確率は大体10%から12%ぐらいって言われています。
そうなんですか。
そうなんです。
なので良いことは将来にとっておこうと思って凍結して、さあっていう時になかなか妊娠しないってことがあり得ます。
さらにこの時だって思った時に自分が何歳になっているか分かりませんけれど、母体の自分の体の時間は止まってないわけですよね。
そうですね。
受精卵は若くても産む側が老化しているっていうことだってあり得ますよね。
あり得ますよね。
さらに卵子を凍結するという作業に伴うリスクというのも知っておく必要があると思っています。
例えば簡単に取れるわけじゃなくて、まずは肺卵を促す薬を飲み始める。
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この時が肺卵よっていう時に体の中に器具を入れて物理的に取り出すわけですよね。卵子を。
ですから薬の副作用もあれば、器具で取り出す時に卵巣を傷つけて出血するということもあるわけです。
なるほど。
そういう作業を健康な、今何の問題もない人がそれを受けるということはある種の覚悟を伴いますよね。
リスクも想定しないということですね。
従来この卵子凍結という技術はそういったやむを得ないケースに限られてきているんですね。
例えば若くてがんがわかって、そのがんを放射線治療でやっつけるというようなことが必要がある場合に、
放射線によって卵巣が障害を受ける可能性があるので、そういう女性の患者さんに限ってあらかじめ卵子を取っておこうと。
そういったような、つまり医療行為として使われてきているんです。
健康な女性ということではなくて。
なので今も日本産科婦人科学会という産科医で作る団体は、卵子凍結という技術は健康な女性には推奨しないという見解を公表しています。
なるほど。
そんな中でもですね、東京都がこの大きな気前のいい事業に踏み込んだ理由は、少子化対策なんですよね。
やっぱりそこなんですね。
やっぱり今の少子化って、みんなが産みたくないって思ってるわけじゃなくて、産めないとか産む環境じゃないとか、お金がかかるとか、
いろんな複合的な要因があるんですけれど。
絡んでますよね。
なので、この卵子凍結にお金を出せば、少子化が解決するみたいなイメージで、ちょっと受け取られかねないなっていうところも私は心配してるんです。
女性が自分の意思で産み時を決めるっていうのは、とても大切な権利だと思うんですね。
これカタカナで言うと、リプロダクティブライツって言うんですけど。
リプロダクティブライツ。
ライツっていうのは権利ってことですね。
産む生って男子じゃなくて女性なので、女性が自らの意思で産む産まないを決めるとか、産む時期を決めるとか、何人産むかを決めるっていうのは、これは本当に基本的な権利なんです。
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それはすごく尊重されるべきなんですけれども、この例えば卵子凍結の技術を自治体が公費で推奨するっていうことになると、意地悪に見ればですよ。
いつでも産める技術があるのに、あなた産まないの?っていう。
つまり産まない選択肢を選びにくくしていくんじゃないかなっていう、ちょっと意地悪に見ればですね。
産む技術いくらでも用意しますよ。何で産まないの?だから少子化になるでしょっていうようなプレッシャーとして女性が受け取るような時代が来ると、本末転倒というか。
なので、専門家が推奨していないという事業に横断振る舞いするという自治体の決断はあっていいでしょう。
しかもそこに7300人の人が興味を持っているっていう現実はあるわけで、つまりそういうことを考えると、この背景、本当の少子化の背景なんだろう?
例えば労働環境とか働き方とか、それからなかなか理想のパートナーに出会えない現状とか、いろんなそっちの今埋めない原因をきちんと手当てするっていうことも忘れずにやらないといけないんじゃないかなと私は思いましたね。
本当おっしゃる通りですね。
いやでも本当こういう関心がこれだけ高いんだなっていうことに驚きましたけど、単なる若いうちに乱死凍結で保存できるっていうことだけじゃなくて、ちゃんとそのデメリットの部分も含めて天秤にかけて検討しなきゃいけませんね。
そう思いました。
本村さんありがとうございました。
ありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
毎日新聞論説委員の本村幸子さんでした。
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