豚の腎臓胎児に移植計画
2024-02-08 12:14

豚の腎臓胎児に移植計画

毎日新聞論説委員 元村有希子
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この時間はZoom Up、毎週木曜日は科学です。毎日新聞論説委員の元村有希子さんです。
元村さん、おはようございます。おはようございます。さて今日は、今週報じられていたニュースですけども、豚の腎臓を胎児に移植、そして生まれた後、投石ができるようになるまでの橋渡しに、ということなんですよね。
そうです。計画しているのは、東京の自警会医科大学、それから国立生育医療センターなどのチームなんですけれども、対象になるのは、まだ計画段階ですけどね、対象になるのはポッタ症候群という、生まれついての病気を持った赤ちゃんなんですね。
生まれつき、その腎臓が正常に働かないために、お体の水分とか老廃物を上手に外に排出できない病気、つまりおしっこが作れないということになりますよね。そうすると、当然、命、生命を維持できない病気です。
5,000人から1万人に1人の割合で発症すると言われていて、生後、速やかに人工投石に移れば、命をつなげられるんですけれども、生まれたばかりの赤ちゃんというのは、なかなかすぐに投石に移れないんだそうですね。
なので、今までは残念ですが、というような症例も少なくなかったと言われています。そんな中でこの計画が生まれたんですけれども、使うのは豚の赤ちゃん、豚の胎児ですね。まだ生まれる前の豚の胎児の腎臓です。
ということは、かなり小さい。
2ミリ、サイズが2ミリって言うから、本当に小さいですよね。
それを移植する側も、まだお母さんのお腹の中にいる人間の胎児です。
だいたい出産予定日の4週間ぐらい前、まだまだ小さい段階で、その豚の胎児から取り出した2ミリのサイズの腎臓を、いわゆるお母さんのお腹越しに、特殊な注射針で赤ちゃんの背中に打ち込むと。
すごい話ですよね。
腎臓ですから、背中、腰側から。
そうですよね。
そうしますと、移植された後、うまくいけば、周囲の血管と自然に結合して、少しずつですが、おしっこを作れるようになる。
自然に結合していくものなんですね。
そうなんです。
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その出産の後、赤ちゃんの背中から、たまったおしっこを取り出すとともに、投石への準備を進めて、投石が受けられることが確認された時点で、つなぎ薬を務めてくれた豚の心臓は除去する。
かなりテクニカルな技術であることは間違いないですよね。
今日は、びっくりするような計画の背景にある、計画そのものでもあるんですけども、動物の臓器を人間に移植する、一種移植という技術について考えたいと思います。
この一種移植というのは、ちょっとSFチックですけれども、実際に少しずつ世界中で試みられている移植の技術なんです。
2022年、2年前か、2年前にはですね、アメリカで大人の男の人に豚の心臓を移植するという手術が行われました。
男の人は、いわゆる通常の移植手術ができないと診断された人で、やむなくということだったんですけれども、手術自体は成功して、ベッドから起き上がって椅子に座って、つまり元気そうな様子を見せるぐらいまでは回復したと。
ただね、2ヶ月後に様態が急変して亡くなっています。
これを一つの励みとして、世界の移植の専門家などが、どうやったら生きながらえる一種移植ができるかということを一生懸命研究しています。
こちらも豚だったんですね。
豚の臓器というのは、そうなんですよ。
猿とかより豚なんですね。豚と大きさとか構造がよく似ているので、今のところ最も適していると考えられています。
ただ、人から人でも移植手術って免疫による拒絶反応というのが避けられないですよね。
ましてや一種。
ましてや一種ですから、そこにまた特殊な技術が入ってきます。
それは豚の臓器に遺伝子的な操作をして、人に適合しやすい臓器にするっていうところなんですね。
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とてもすごく複雑なんですけど、シンプルに言うと、拒絶反応とか血液が固まったりしてしまうような、そういう機能を生じさせる遺伝子。
を除去する、除去した豚を作るっていうことなんです。
そういう豚をまず作る。
そういう豚を作るんです。遺伝子組み換え豚を。
その過程では、つまり人の遺伝子を豚の受精卵に入れてですね、人的な豚。
人的な豚を作る。
で、その豚はあまり大きくなると人間の臓器より大きくなってしまうので、ミニ豚ってありますよね。
かわいいやつ。
あのミニ豚を使うと、そうすると大きくなりすぎず、そして人に適合しやすい臓器を持った豚が育つということなんですね。
すごい世界ですね。
すごい世界ですよね。
やっぱりすごい世界だなと直感的に思う私たちの心理は正常と言うべきでしょう。
いくつかやっぱり問題があります。
一つは、人と人でもなかなかうまくいってないんだけど、やっぱり動物の臓器をもらうっていうことへの倫理的な問題ですね。
一時的には成功しても、その方は、その後長期的な人生の中でどう、聞こえます?大丈夫?
聞こえてますよ。はい。
どう生きていくかがわからない、長期的な副作用もある。
それからやっぱり倫理的な問題をどうクリアするかっていうような課題は残っています。
もし解決するとしても、ちょっと急がなきゃいけない技術があります。
一つはですね、人と人の移植をもっと増やせないかっていうことです。
それはドナーも含めてってことですね。
そういうことですね。本来やっぱり人と人との間のやりとりができれば一番自然に近いわけです。
日本は特に海外の、海外に比べると臓器の提供数が10分の1とか何十分の1っていう、つまり移植が進んでいない国なので、
そういった背景ももちろん、あせている材料にはなっているわけですね。
もう一つは再生医療です。
iPS細胞が発見されたときに、将来的にはこのiPS細胞何にでもなるわけだから、
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臓器を作って、人からいただかなくても、つまり臓器を交換する。
自分の臓器、自分に適合した臓器を作ってっていうような物語が語られました。
まだまだ進んでないんですね。
大きい臓器でも、角膜をiPS細胞から作って移植したっていうのは成功したと言われています。
心臓病の患者さんに、心臓の筋肉の一部を貼り付けるっていうぐらいの移植手術ができているんですね。
ただ、本当に立体的な3次元の腎臓や肝臓ってなると、まだまだ先のことです。
なので、そこの技術も急ぐということですよね。
やはり、一方で本当に生きるか死ぬかで困っている患者さんがいるので、そこはきちんと見据えて、
どの方法が現実的なのかっていうのを、やっぱり広く国民の意見も含めて考えてもらいたいと思っています。
そうですね。
いやー、でも、確かにいろんなことを考えなきゃいけないですね。
もっと根本的なところで、人間の寿命をどこまで伸ばすっていう。
それもありますよね。
ありますよね。
深い問題だと思います。
でも、それはしっかり議論するということがまず大事ですよね。
その通りです。
本村さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間、毎日新聞論説委員の本村幸子さんでした。
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