はやぶさ2の新たなミッションとトリフネの撮影
この時間はZoom Up、毎週木曜日は科学です。 JAXA、宇宙航空研究開発機構は探査機、はやぶさ2が、小惑星トリフネに接近して撮影した画像を公開しました。
中央にくびれのある個性的な姿をくっきりと捉えている写真なんですね。 今回の観測は、地球に対して何か小さな天体が近づいてきて、このままだとぶつかる。
その時に守るための、回避するためのプラネタリーディフェンスの技術獲得につなげる狙いがあるということで、今日はこの話題にZoom Upしていきます。
毎日新聞客員編集委員の本村幸子さんです。 本村さん、おはようございます。
おはようございます。 そういえば、はやぶさⅡってまだ宇宙にいたんですね。 そういえばって言わないでください。
いやいや、もうだって、歴史的な回帰をまずリューグで資料を撮ってやったじゃないですか。 もうあれで親父ごめんじゃないんですね。まだまだやれることがある。素晴らしいですね。
素晴らしいんですって。今回写真ご覧になりましたか? 見ました。
びっくりしたね。 なんか面白い。 面白い形してる。 形してるなぁと思いました。
大体この鳥船っていうね、この小惑星、地球から1億キロのところにあるんです。 1億キロってまた想像がつかないと思いませんけど。
遥か遠いんだろうなぁって思うやしますけど。 その1億キロのところにある、普通じゃ絶対見られないような小天体の姿をめちゃくちゃ鮮明に捉えてますよね。
すごい技術ってことですよね。 そうなんです。今日はその技術についてお話ししようと思います。
驚異的な撮影技術とその難しさ
ハヤブサ2はこの鳥船っていう小天体に照準を定めて、数百メートルの距離まで近づくんですね。
数百メートルの距離から搭載したカメラでパシャって撮るんですけど。 連写してるんですけど。
この数百メートルの距離を保ったまま、秒速5.3キロで通過してるんですよ。
1秒間に5.3キロ進む。相当な速さで。
例えば、博多と東京の間って1000キロあるんですけど、この博多東京を3分で
リニアどころじゃないですね。 リニアの何倍速いかっていうのを、ほぼ一瞬でっていう感じですね。
しかも搭載したカメラっていうのは固定カメラなので、シャッターチャンスが重要なんですよ。
例えば、私いつも東京に行く時、必ず陸側の席を取って富士山を選ぶようにしてるんです。
トンネルを抜けて富士山が見えたなと思ったら、そこから何枚も何枚も撮って、振り返るくらいまで撮り続けても、綺麗に撮れるのなかなか難しいんですよ。
動きながらでね。富士山はでかいし、シャッターチャンスというか撮れる時間が50秒ぐらいあるんですけど、
この鳥船っていう、大きくても800メーターぐらいの大きさしかない天体を、秒速5.3キロで通過しながら撮るんですよ。
固定カメラで振り返りなしですよ。
東京博多館を3秒で移動している間に富士山はピシャッと撮るわけですよね。
3分。3分。3分でね。
すごいな。
すごいことになるんです。
技術と考えられない技術ですね。
人間技じゃないということですね。
はやぶさ2の運用チーム、記者会見してるんですけども、この技というのは、新幹線の速さで窓のすぐ近く外にある看板を撃射するようなものだと。
あっていう間に撮りすぎてしまうでしょ、普通。
通過駅の、僕駅の看板を撮ろうとしたことがあったんですけど、撮れなかったですもんね。
絶対ぶれますよね。
そういうことです。
やっぱりチームもびっくりしたみたいで、この画像の鮮明さに。
チームもびっくりしたんですか。
はい。信じられない。こんな写真が撮れるとは衝撃的だったと振り返っていました。
大興奮だったでしょうね。
大興奮ですね。
トリフネの形状とプラネタリーディフェンスへの応用
大きいお団子と小さいお団子がガチャって真ん中でくっついたような形をしていて、くびれがかなり鮮明に映っていました。
このくびれがくっきりしてるっていうのは、合体してから間もない、あまり時間がたってない天体に特徴的なようですね。
これからこの表面にある岩とかも鮮明に映っているので、今回のこの成果はそういう超天体の形状をはっきりと把握するという技術でもあるし、
それからもう一つさっきおっしゃった近くまで接近して、すれすれのところにちゃんと軌道を制御できるっていう技術の証明でもあって、
プラネタリーディフェンスに役立つっていうんですね。
このプラネタリーディフェンスって地球防衛って訳されてるんですけれども、
地球防衛、つまり地球に小天体、小惑星とかが衝突すると大変なことになりますよね。
6500万年前の恐竜絶滅の時も、原因は小天体の衝突でした。
そういう危機を回避する技術でありまして、今結構地球に近づく危うい感じ、近づいたら困るなっていうターゲットの小天体って4万個以上見つかってるんですけど、
それもすごいんですけど、それをずっと世界中でウォッチしてまして、
例えば不足の軌道がこっち向いてるぞみたいなことが軌道計算でわかるんですよ。
でもこいつ危ないぞってなったら、例えばこういうハヤブサ2みたいな技術を使うとですね、
それに近づいていって、その探査機が小天体にわざと衝突するんです。
そうすると衝突された小天体はちょっと軌道がずれるじゃないですか。
衝突の衝撃で。
それによって地球に衝突することを避けるというような技術なんですよね。
ハヤブサ2ならそれができるということが証明できたということでありまして、
本当にハヤブサ2、どこまで想像を超えてくるんだっていう探査機だと思います。
はやぶさ2の過去の功績と追加ミッション
2014年の12月に打ち上げられたときは、ターゲットは小惑星リュウグウでしたね。
このリュウグウに接近するというよりも着地して、
砂を採取して地球に持ち帰るという目的だったんですよね。
これも衝突じゃなくて、いわゆる軟着陸ですよね。
衝突すると破壊されますんで、軟着陸して一瞬着地して砂を吸い込むっていう、
これもまたすごい針の穴に糸を通すような、そういう繊細な技術なんですけども、
これで持ち帰った砂、目標は0.1グラム持ち帰れば成功って言ってたんですけど、
穴を開けてみたら、5.4グラムも入ってたんですね。
すごいですよね。
すごいですよ。
たま手箱、本当にたま手箱でした。リュウグウだけにね。
5.4グラムもあったんで、世界中の研究者が少しずつそれを分けてもらって、
いろんな角度から研究をすることができるという、そういうお土産もありました。
それに成功した後、燃料に余裕があって、機体も健全だったということで、
追加で今回の鳥船ミッションが決まったんです。
追加で成し遂げるようなお仕事じゃないんです。
そうなんですよね。
素晴らしいですね。
例えれば、これも絶対成功させたいけど、こいつに任せれば安心みたいな感じで、
海外出張に派遣した社員が、もうアッパレっていう成果を収めて、
ついでにこっちも行っておいてみたいな感じで。
本社に戻ることなく。
例えば、カナダに出張したのが、今度は南アフリカに行ってきてって、
南アフリカでもまたすごい成功を収めるみたいな。
死後できすぎる。
かなりのやり手。
ですよ。優秀。
しかもベテランにも思うほどがあってですね。
はやぶさ2の長寿命と継続する旅
一応、地球に帰還したカプセルを届けた2020年の段階まで持てばいいっていう設計寿命で設計されてるんですよ。
2020年で、本当は帰ってきて休んでくださいっていう状況なんですけど、
それから、鳥船一滴停止の状態になって、
もう107億キロも旅してるんですよ。
なんか一つ映画できそうですね。
できますよね。
これ人間に例えるなら、誰を主演にしますかね。
やっぱり役所工事さんじゃないですか。
いろんな哀愁を表現してくれそうな気がしますけどね。
でも、それから6年間も旅して、この成果でしょ。
で、まだ旅は続いておりまして、
今度は2031年7月、だからあと5年旅してくださいって。
なかなか引退できませんね。
すごいね。
本当にこの生涯現役を思わせるこのハヤブサ2ですね。
日本の宇宙探査技術と今後の展望
やっぱり小さい天体に近づく、到達するだけでもすごいです。
着地、それから耐久性。
こういったものは日本のお家芸と呼ばれておりまして、
もちろん華やかな友人ね。
月探査とか月着陸とか、
ああいう友人ではアメリカとかロシアに水をあげられてますけれども、
小さくてもキラリと光るこの分野。
もう本当に日本が独創状態でありまして、
それを本当に誇っていいと思いますね。
なんか久しくそういう言葉を聞いてなかったので、
すごく嬉しいし、
ハヤブサ2を誇らしく思います、本当に。
忘れないでください。
仕事してくれてました。
素晴らしい。知らないところで頑張ってくれてる。
そしてその成果を届けてくれたってことですね、今回あの写真でね。
その通りです。
時々また報告しますね。
ぜひぜひお願いします。
ちなみに次の3とかはもう準備されてたりするんですかね。
これは聞かないんですけど、
絶対運用チームは技術の継承という意味でも、
つまり人がこれ結局設計して作って動かすし、
NECとか富士通とかいろんな企業が関わっているので、
この技術を継承するという意味でも、
やっぱり3は絶対に行うべきでしょう。
でしょうね。
いやー、2代目はすごかったんだよっていうようなね、
素晴らしい今成果を上げている。
しかもそれが今まだ途中というかね、
まだまだこの後もあるというかね。
旅の途中です。
まとめと感謝
素敵なお話を聞かせていただきました。
本村さんありがとうございました。
この時間は毎日新聞客員編集委員の本村幸子さんでした。