2024-07-04 11:27

旧優生保護法は違憲

毎日新聞客員編集委員 元村有希子
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この時間はZoom Up、毎週木曜日は科学です。毎日新聞客員編集委員の元村有希子さんです。
元村さん、おはようございます。おはようございます。昨日は旧優生保護法について最高裁の判決が出ましたね。
正義は生きているなと思いました。
子どもを持つという人生の選択肢を国家によって奪われた人たちが声を上げたということですよね。
問題は、それが合法化されていたということなんですね。旧優生保護法というのは1948年に制定されたんですけれども、
第一条の法律の狙いのところに不良な子孫の出生を防止すると書いてあるんです。
国が指定する遺伝疾患とか障害者に対して不妊手術を施して、彼ら彼女らの病気が次の世代に受け継がれないようにするという狙いがありました。
戦後の混乱期ですよね。1948年といえば。
人口の急増を抑制して食糧難を防ぐとか、それから国の建て直しをする過程で食い口を自分で稼げる国民を増やそうといったような思惑の中から生まれた法律です。
もちろん、今の常識に照らせば全く非常識ということだと思います。
判決も立法時から違憲ですと言っていますよね。
ただその法律ができる過程には科学も後押ししてるんですね。
有性学という学問なんですけれども、19世紀の後半から20世紀前半にかけてもてはやされた学問でありまして、
多くの科学者が研究に従事したという歴史が世界的にはあります。
有性学の父とか有性学の祖と言われるのはイギリスのゴルトンという学者なんですけれども、
このゴルトンはですね、進化論で知られるダーウィンのいとこなんです。
ダーウィンというのは種の起源という本を書いて進化論を提唱したことで知られますけれども、
ゴルトンもこのいとこの本に大いに刺激を受けたと言われています。
この種の起源で提唱されたのは、自然淘汰という説明の仕方ですよね。
自然環境の変化に適応できた強いものが生き残り、弱いあるいは劣ったものは淘汰されるというその野生自然界の法則というか、
それによって進化が進んだという説だったんですけれども、
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問題は人も同じようなことが言えるのではないかと考えたこと。
さらにゴルトンは家畜は人口繁殖によって望ましい形質に改良できますよね。
人も生殖をコントロールすることによってより優れた集団になるのではないかというふうに考えたわけです。
倫理的に見てどうかと思うし。
現代の科学から見たら遺伝が全てということは全くないんです。
全部遺伝なんだから生殖をコントロールすればコントロールできるなんていうことはないんですが、
ただそれを政治が利用したんですよ。
アメリカでは1907年に早くも不妊手術を合法化する手法ができています。
それからドイツはよく知られていますが、
ナチスが台頭した1930年代に遺伝病子孫予防法という法律ができています。
知的障害とかアルコール依存症の患者などにも不妊手術が行われました。
あとはスウェーデンとかカナダにも同じような法律があって、
不妊手術が合法化されていたわけです。
日本の旧郵政保護法というのは戦後にできたわけですが、
そういった動きの中に多分諸外国でもやっているというようなことがあったと思うんですね。
ただ見直すチャンスは何度もあったのに、1996年までこの法律は生き続けていました。
なかなかこれは本当に一度決めたら変えられない日本の良くないところが現れていると思うんですよね。
もちろん96年に廃止されたことやテイソーの動きを踏まえて、
いろんな郵政思想に基づいた研究を行ったアカデミックの世界も、
やはりこれを反省しなければいけないということで、
いろんな学会が検証活動を行ったり、それから謝罪の声明を出したりしています。
なので今私たちは現代に生きるものとして郵政思想は許されないというふうなことを
ちゃんと心に刻んでいるわけですけれども、
ただ21世紀の科学が進んだ現代も、その目は生き続けていると私は思うんですよ。
昔その遺伝に関する知識がほとんどなかった時代に、
その郵政学というのは暴走したわけですけれども、
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これからは遺伝子と病気の関係というのが本当に遺伝子レベルで分かってくる今後ですよね。
そうすると、より科学的な根拠を持って、
差別が生まれる可能性がありませんか。
実際にアメリカなどでは、この遺伝子に変異がある人を保険に入らせないとかですね。
そういうような動きも出てきていて、それを禁じなければというような動きがあります。
さらに受精卵診断というのが今広がっていますけれども、
この受精卵診断というのも、使い方によっては本当に郵政思想につながりかねないと思うんですね。
特定の病気のリスクを、つまり特定の遺伝子を調べることであらかじめ知ることができます。
それを知った親の人たちは、おそらくリスクを避ける方向に行動するでしょうし、
周囲も多分それを支持すると思うんですね。
だけどそれは、見方を変えると命を選別する、そして生まれてくる命に良いとか悪いとかいう価値判断をつけるということにつながりかねないわけですよね。
難しいですね。
もう考えたくないけど、デザイナーベビーなんていう話もね。
SFの世界にはありましたけれども、この遺伝子を操作すれば望ましい検出が得られるみたいな研究が出てきたらですよ。
私たちどうやってこれに抗うことができるでしょうか。
そうですよね。もうそこは本当に神の領域と言いますかね。
そこまで。
子供を生まれる前に健康で生まれて欲しいという希望があるじゃないですか。
その希望はある意味理想でもあるわけですよね。
その時点で良し悪しというものが根っこにあるということなのかなとか、難しいですね。ここの判断がね。
そうなんです。それはみんな健康でいたいと思うし、子供には健やかに育ってほしいと思うけれども、それが逆にそうじゃない命はダメだというふうにつながるのが怖いんですよ。
そうですよね。
そこは本当に常に自分がどういう行動を言動しているかっていうのをやっぱりきちんと考えることですよね。
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法律があるからって合法化されて目をつぶってきた歴史が私たちもあるわけですから。
外国ドイツのホロコースターは悪いって言うのはそれはいいんですけども、私たちはどうですかっていうのをやっぱり考え続けないと人間はついついそういう思想に染まりやすいということは忘れてはいけませんね。
そうですね。やっぱり一つ一つ立ち止まって考える。無思考にならないようにやっぱりしたいなと本当に思います。
そういうきっかけにまた今回の判決になるでしょうし、これから救済の道が開かれるっていうのはまたね、いろいろ今後の訴訟も控えているでしょうし。
うん、ですね。わかりました。
本村さんありがとうございました。
毎日新聞客員編集員の本村幸子さんでした。
バッテン少女隊の春野きいなと青井りるわです。
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