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この時間はZoom Up、毎週木曜日は科学です。毎日新聞論説委員の元村有希子さんです。元村さん、おはようございます。
おはようございます。大谷選手の通訳を務めていた水原一平氏の違法賭博をめぐる問題で、日本そしてアメリカで大きく報じられていますよね。
金額が半端ないですよね。その桁にも本当に驚きましたし、大谷選手は一切知らなかったということでしたけれども、ただ一方で水原氏のギャンブル依存症といいますか、のめり込んでいたというのにも驚きましたね。
やっぱりそこに今日注目したいんですけれども、大谷選手によれば水原氏自身が自分はギャンブル依存症であると告白したというふうに伝えられていますよね。
このギャンブル依存症というのはどういう状態かというのを少しおさらいしておきたいんですが、
ギャンブルが原因で日常生活や社会生活に支障が生じ、治療を必要とする状態をギャンブル依存症と呼んでいます。
これから紹介するのは、依存症治療で知られる国立病院機構栗浜医療センターの松下幸男院長が取材に答えてくれた診断基準なんですね。
今から9つ言いますので、心当たりのある方ちょっと聞いておいてくださいね。
まずギャンブルにだんだんかけるお金が増えていく。
最初は1000円とかだったんだけど、それが1万円になり1万5千円になり増えていく。
だからやめよう減らそうとしてもできない。
ギャンブルをしないでいると落ち着かない。イライラする。
ギャンブルのことを考えている時間が長い。
ギャンブルで負けたお金をギャンブルで取り返そうとする。
不可追いですね。
気持ちが沈んだ時に気分転換のためにギャンブルをする。
ギャンブルをしていることを隠す。そのために嘘をつく。
社会生活や家庭生活に悪影響が出ている。
9つ目最後がギャンブルのために借金をする。
この9つのうち4つ以上が該当する人は依存症と診断されてもおかしくないということなんですね。
水原氏の今報じられている状況を聞いていると、
だんだんかけるお金が増えていく。
負けたお金をギャンブルで取り返そうとする。
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ギャンブルをしていることを隠す。そのために嘘をつく。
社会生活や家庭生活に悪影響が出ている。
ギャンブルのために借金をする。
6つぐらい当てはまるんですよね。
彼の年収が30万から50万ドルあった。
7500万円ぐらいあるっていうことも報じられていて。
素人からするとやっぱり、それ、そんだけもらってて何でギャンブルするの?って思うんですけど。
一攫千金も狙わなくていいんじゃないかって思っちゃいますけどね。
それでもなおかつ、やっぱりしてしまうというのが依存という状態なんでしょうね。
ただのギャンブル好きとは全く違う。
治療が必要な状態ということであれば、
水原氏にもこれから調査とか司法のいろいろ判断とは別に
治療が必要になってくると私は思うんですけれども。
治療って言っても特効薬はないんですね。
この薬を飲み続ければ治るとか。
そういうのはないです。残念ながら。
これは生活習慣を改めるってことですか?
そうですね。専門の医療機関にかかって
心理的、社会的なアプローチで治していくというのが一般的です。
2つよく言われているんですけれども。
1つは認知療法と呼ばれる治療法で、
認知の歪みを教えられるのではなくて、自分で気づいていくプロセス。
例えばこのギャンブル依存症の人たちの典型的な認知の歪みとしてですね。
負けが続くと次は勝ちが近いと感じてしまう。
なんかプラマイゼロになるようになってるんだよみたいな。
なんかプラス思考でいいような気もしないでもないですけど。
それからギャンブルで負けたのに資金を得るために借金をし
勝って返せばいいと考える。
これもそうですよね。
普通、はっと気づけばギャンブルで負けた時に
これは良くないって思うのが普通なんですけど、
借りてでも買って返せばいいじゃんって思ってしまう。
その感覚がね。
勝った時のことはよく覚えているが負けた時のことは覚えていない。
そうなんだ。
良いことだけは覚えておこう。
だけど負けた時のショックを忘れてしまうって、
それはそれで怖いですよね。
怖いですよね。
これ結局脳の仕組みに問題があって、
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秘密があって、
勝った時に、儲かった時に脳内で
ドーパミンっていう快楽物質が大量に出るんですよね。
人間の脳って報酬系というのにとっても弱くてですね、
そのドーパミンがもたらすご褒美感、
これをすっごく脳が学習してしまい、
それをまた欲しがるんですよ、脳が。
だからご本人の人間性が弱いとか甘えてるとか、
そういうところで片付けられない脳の。
そういうことか。
そうなんです。
脳のバグは、
ちゃんと自分で気づいて脳に再学習させるっていうようなことを、
やっぱりちゃんとやっていくっていうのが治療なんです。
それが認知させるっていうことですね。
そうなんですね。
気づいた後の治療としては行動療法っていうのがあります。
例えば依存しているものに近づくような行動を自ら避ける。
なるほど。
例えばアルコール依存症の方は、
お酒に近づかないっていうことを頑張りますよね。
そうですね。
タバコもそうですよね、ニコチン依存症。
タバコを吸うようなシーンに行かない。
例えば宴会には行かないとか、お酒もそうですけれども。
匂いがするようなところにも近づかないとかですね。
行かない。
そうです。
勧めるような友達とは付き合わないみたいな。
なので、ギャンブル依存症で言えば、
例えば現金を持ち歩かないとか、
パチンコ屋さんの依存症であれば、
パチンコ店の前を通らないような生活にする。
はあ。
これ難しいですけれど。
結構ありますから、あちこちね。
自ら遠ざけるっていうことを、
ずっと習慣にしていくということ。
さらに言えば、依存していることを忘れられるような、
他に夢中になれるような、
またそっちに依存するといけないんですけど。
代替行動といって、依存を忘れられるような、
例えば体を動かすとか、
家族との過ごす時間を増やすとか、
本当に具体的な行動で、
自分を変えていくっていうような治療ですよね。
なるほど。
それに支えになるのがですね、
自助グループと呼ばれる団体です。
自ら助けるって書いて自助って言うんですけれど、
1ヶ月に1回とか病院に通うだけだと、
自分が負けてしまいそうになるので、
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例えばご近所の自助グループとか、
患者会とか家族の会とかに、
自分がつながって、
そこに顔を出すことで、
認知の歪みをもう1回再認識したり、
行動を自分で立するっていうんでしょうか。
ギャンブルで言うとGAっていう団体がとても有名で、
ギャンブラーズアノニマスっていう、
英語の頭文字を取ってるんですけど、
GAっていう、これをですね、
全国、全世界なんですけど、
各地の克服した人、克服過程にある人たちが、
自ら結成して、寄り合いなんかを開いているので、
ここりあたりのある方、
ご家族がこうなっているという方は、
これをちょっと調べてみるといいかもしれないですね。
そうですね。
ちなみに、ギャンブル依存症になってしまった人が、
もう借金作っちゃって、
この借金を肩代わりしてくれたら絶対に直すっていう風に頼まれて、
借金を肩代わりするっていうのは、
進められないそうです。
ゼロになったらまたやってしまう。
つまり治療してないから。
そうですね。根本が直ってないっていう。
そうなんです。
だからそういう風に頼まれたら、
それをいい機会として、
治療にきちんと参加するっていうのは、
とても重要なことだそうです。
なかなかね、これ本当に克服難しいですけれども、
日本もコロナ禍でオンライン賭博を始める人が増えていて、
今までのようなパチンコとかスロットとか分かりやすいことではなくて、
一人でオンラインでずっとつながってしまうっていう、
若い人のギャンブル依存症が増えているそうなんですね。
カジノが日本にできるという話もありますし、
誘惑はこれからどんどん増えますので、
ご本人それから周りの人がきちんと目を配る、
気をつけるということは最低限必要なんじゃないかと思いました。
そうですね。
日頃の人との付き合いっていうものがやっぱり大事だな。
そうですね。
本村さんありがとうございました。
ありがとうございました。
毎日新聞論説委員の本村幸子さんでした。
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