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  2. 福島第1原発のデブリ問題
2024-09-12 12:49

福島第1原発のデブリ問題

毎日新聞客員編集委員 元村有希子
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この時間はZoom Up、毎週木曜日は科学です。
初日に作業を中断したため工程がおよそ3週間遅れた福島第一原発のデブリの回収ですが、
ようやくスタートいたしました。2週間ぐらいかかるということでしたが、
このデブリの回収について今日はZoom Upしていきます。
毎日新聞客員編集委員の元村有希子さんです。
元村さん、おはようございます。
おはようございます。
元々の予定からすると3年遅れということで、ようやく着手しましたね。
はい。回収が始まったというふうに考えがちなんですけれども、
回収が始まったのではなくて、回収に向けた試験的取り出しが始まったと考えたほうがいいと思いますね。
まずは数グラムのというところですよね。
サンプルを採取するというような感じですね。
そういうことです。
今その現場は福島第一原発の2号機というところですね。
原発では1、2、3の3つの原子炉がメルトダウンを起こしています。
中にあった核燃料が溶け落ちていろんなところに散らばっていると考えられているんですね。
それを燃料デブリと呼んでいるんですけれども、
その総量880トン。
ちょっと想像がつかないですね。
すごい量ですよね。
180トン。
核燃料だけを溶かしてもこの重さにはならないんですね、もちろん。
つまり核燃料が高温になって溶けて、周りのいろんな構造物を巻き込んでいるわけです。
当然その構造物も投射線にさらされているから危険なものになっているということですよね。
そういうことです。
その880トンという推定されるデブリのうち、今回は3グラム。
耳かきいっぱい分。
880トンのうちの3グラムですよね。
何パーセントなのか想像できないんですけど。
何で3グラムかというと、あんまりたくさん取れても放射線が強すぎて取り扱いが難しいんですよ。
なるほど。
なのでとりあえず3グラムほど取れたら取り出して、その成分とか何が混じり合っているのかとか、そういうことを分析する。
さらに線量も測って実際に、3グラムでどれぐらいの線量だったら、つまり全体としてはどれぐらいの線量になって、
どれぐらいの厳重な入れ物に入れると放射線が少し緩和されるかとか、そういうことの基礎的なデータを取るということなんですね。
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今回相当トラブル続きで遅れたということですけれども、
実際には比較的1,2,3号機の中では一番中が分かっていて、しかも周辺の放射線量が低いところということで2号機になっています。
2号機の横穴から釣竿のようなものを入れて、その釣竿の先端には糸、縄の下にマジックハンドみたいなのがついているんですけど。
つかめるものですね。
それでつかもうということですよね。
つかむまで1週間かかる。
なんでそんなにかかるんですかね。
よくわかりません。
たぶん、私たちが想像している世界とは全然違っていて、まず近寄れないんですよ、放射線量が高くて。
だから一人の作業員が近づくと、たとえば10分とかしかいられないんですよね。
その交代交代で。
交代しながら交代しながらっていうことですよね。
つかむまで1週間、つかんでから取り出すまで1週間です。
気が遠くなりますね。
しかもつかんだ資料が一定の所定の決めてる放射線量を超えたら取り出さないっていうことも決めてるんですよ。
なるほど。
強すぎるから。
作業員の方たちも危険ですもんね。
取り出せるかどうかもまだ決まっておりません。
なるほど。
これが貴重な一歩ではあることは認めますけれども、
880トンの回収っていうのは途方もなく遠い先にあるっていうことはご理解いただけると思うんですよね。
そうですね。
これは廃炉の工程の一応1機、2機、3機って3つに東京電力が分けていて、
その3機の入り口に立てるっていう位置付けなんですよ。
3機だから最終段階って思いがちですけれども、
ここもちゃんと確認しておきたいのは、
1機も終わってないんです。
え?
1機が終わったから2機、2機が終わってるから3機じゃないんですか?
違うんです。
例えば1機っていうのは、
1、2、3、4、5、6って6機原子炉があって、
その上に使用済み核燃料プールっていうのがあって、
その水の中に使用済みの燃料が保管されていた。
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それを取り出すっていう工程なんです。
ただ、全部取り出せてないんです。
なるほど。
東京電力っていうのは、その作業を着手したら終わりってみなすわけです。
え?
え?
例えば、全部取り出して1機終わりって普通の人は思いますよね。
普通はそうですよね。
夏休みの宿題でも1ページやったら、はいもう終わりってならないですよ。
なりませんよね。
そこをちょっと確認しておく必要があって、
着手したら1機はクリアってみなすんですよ。
で、2機に入るっていう考え方です。
それはだって、1機が終わるまで待ってたらまた何十年かかるんですよ。
そうかそうか。
同時進行しておかないといけない。
そうそう、同時進行でっていうことで、
今、3機の入り口に入れるかどうかっていうことを言っています。
なるほど。
ことほど作業に、福島原発ではたくさんのハードルが今もあるんですね。
一番記憶に新しいのは、処理水の放出っていうのが
そうですね。
ありましたよね。
あれは原子炉の中に溜まっている汚染水を一定程度浄化したもの、
浄化して薄めたものを海に流すっていう話でしたよね。
はい。
ただこの汚染水っていうのは、デブリが中にある以上ずっと発生し続けるんですよ。
そうですね。
そうか。
つまり地下水が流れ込んで発生しているので、
汚染源を取り除かない限りは汚染水は溜まる。
汚染水が溜まり続ける以上、タンクが必要。
でもタンクに溜めている限り、
灰色の作業、灰色で片付ける場所がないんですよ。
なるほど。だから処理水を放出せざるを得ないと。
得ない。
しかもそれでタンクを減らすのと、
同じようなペースで汚染水が発生し続けているわけです。
はい。
だから1個タンクを減らせたと思ったらまた1個タンクが増えるみたいな感じになってて、
元から立とうと思ったら原子炉の中のデブリを取り除かないとダメなんですよ。
なるほど。
でもそのデブリを取り除くために今頑張ってるんですけども、
放射線量が高すぎてスピードが上がらないっていう。
本村さん、取り出してもその後どうするかっていうことは決まってるんですか?
決まっておりません。
ため息しか出ないですね。
東京電力は一応最長40年で廃炉を完了させると言っています。
時刻から40年ってことは?
2051年。
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あと27年後ですね。
無理なんじゃないって思ってしまいますよね。
思いますね。
しかもこの廃炉ってどんなイメージかっていうのもきちんと決まってないんです。
例えば普通の健全な原発だったらサラチにしてるとかね。
サラチにできるみたいな廃炉ってみますんですけど、
水木さんがおっしゃったように取り出したやつをどこに保管するかとかも
保管できるかも決まってない。
どこか別の場所に移せるかも決まっていない。
だから廃炉っていうのの定義も決まっていなければ
40年後に終わる保証もないっていうこの暗中模索が
今後何十年かは続くと考えた方がいいわけですよね。
そういう現状を私たちがまず忘れないことです。
そうですね。
それに廃炉のお金って東京電力が負担するって決まってるんですけども
そのお金をどこで稼ぐかっていうのも決まってません。
一義的には電気料金に上乗せするということですし
あと一番効率がいいのは柏崎刈羽原発っていう
今止まってる原発を再稼働させると
年間に1000億円ぐらい儲かるって言ってるんですけども
これもやっぱり事故を起こした原発の廃炉の費用を
原発の再稼働で叶うっていうことが正しいかっていうことも
またあるわけですよね。
そうですよね。そもそも原発をどうするのかっていうところから
考え直さなきゃいけないはずなのに。
そうなんです。小さな前進ですけれども
これによっていろんなことを思い出したり考え直したり
途方もない仕事の量を再認識するっていう
そういう現状があるということを知っていただきたいと思います。
そうですね。わかりました。本村さんありがとうございました。
ありがとうございました。
毎日新聞客員編集員の本村幸子さんでした。
ご視聴ありがとうございました。
12:49

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