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この時間はZoom Up、毎週木曜日は科学です。賛成多数で衆議院を通過した日本学術会議の組織改革法案をめぐって、立憲民主党は学術会議の独立性を明記するなどした修正案を参議院に単独で提出しました。
一方、学術会議に所属する大学教授らは、法案について政府のチェック機能による悪影響が懸念される、政府からの独立性などが保障されるべきだ、
などとして法案の修正を求めています。そこで、きょうはこの学術会議にZoom Upしていきます。
毎日新聞客員編集委員の本村有希子さんです。
本村さん、おはようございます。
おはようございます。
今回はこの日本学術会議をめぐる与野党の攻防というところですけれども、本村さん、どういうふうにご覧になっていますか?
なんかちょっと不毛な感じを抱いているんですよね。
そもそもの発端なんですけど、2020年の10月に任命拒否問題というのが起きたのを、ご記憶の方もおられると思います。
学術会議って学者の国会と呼ばれていて、210人の会員がいるんですけど、そのうち半数を改選するっていうタイミングで起きました。
105人のリストを学術会議が作ったんですが、そこから6人をピックアップして、当時の菅総理が任命を拒否したっていうことでしたよね。
で、なんで6人なんだ?なんでこの人たちなんだ?っていうところに関しての理由を一言も言わなかった。
今もまだ明らかになっていないんですけれども、それが疑心暗鬼を呼びまして、いろんな憶測が流れています。
この6人の人って政治学とか法律学歴史学の専門家でありまして、かねて安保法制とか共謀罪とか特定秘密保護法とか、政府のそういう政治に対して意見を言うと。
反対の立場から意見を言うっていうことがあったので、懲らしめではないかって憶測が流れたんですよね。
で、その懲戒的な人事介入っていうのは学問の自由を損なうのではないかっていうような批判が高まる中で、ある時突然自民党内にプロジェクトチームが立ち上がってですね。
で、学術会議がナショナルアカデミーとしてより良い機能を発揮するためには、今の組織ではいけないのではないかみたいな問題意識がそこで浮上して、それで組織改革っていう議論が始まるんですね。
で、それが今の法案審議につながっているという経緯でありました。
で、何が問題、今の法案の何が問題なのかっていうところなんですけど、法案に反対する立場の方々の主張はこんな感じですね。
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政府は学術会議の独立性が高まったって言ってるけど、人事に口を出せるいくつもの仕組みがある、設けられているって言うんですね。
例えばですね、この独立性を高める、つまり国の機関から特殊法人になるっていうことで、国の管理からは独立するっていう風になってるんですけど、その法人となった学術会議の業務監査を担う管理、それから学術会議の活動計画に意見を述べる評価委員会。
それから、会員の選定を学術会議ができるってなってるんだけど、外部有識者で作る選定助言委員会、さらに運営助言委員会っていう、たくさんの委員会とか幹事とかが新たに設けられるんですって。
かなりおせっかいだし、おせっかいが過ぎるんじゃない。独立性が担保されてない。しかもその何たら委員会とか幹事の任命権は総理にあるんですね。
法が問題ですよね。
結局そこで。
特殊法人っていうのは、例えば一般の民間企業よりは公共的な目的で作られたりするものによく特殊法人っていう形式が用いられるんですけど、そこには税金、政府のお金を投入して支援する、活動支援するっていう建前があるんですね。
だから、税金を投入する以上、業務がきちんと行われているかをチェックする仕組みは必要、一定程度必要だと思うんです。
そこは理解できる。
人によれば年間予算が10億円ぐらいの組織に30人を超える監視役が配置されるっていうんですよ。
やりすぎですよね。
そこまでないでしょうって思っちゃいますね。
そこにつまり、学術にどれだけ国家権力が口を出せるかっていう、わりと深い問いもあるわけですね。
もともと日本って憲法で23条で学問の自由っていうのを明記してますよね。
その学問に価値判断はいらないっていうか、学術っていう営みに国家権力が介入しない仕組みが憲法で定められている中で、
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学者の国会って呼ばれている学術会議の運営に国がいろいろ介入するっていうことは、結構デリケートな問題なんですね。
憲法違反にとも捉えられない。
捉えられかねない。
しかも日本国憲法ができる前の戦前っていうのは、やっぱりいろんな研究をしている人が当時の国家体制に合わないっていうことで、
例えばその論文が差し止めを受けたり、本が発禁になったりとかですね。
あと大学教授が辞めさせられたりっていうようなことが繰り返しあって、その後に戦争に突入していくっていう歴史を私たちは持ってるわけですよね。
戦争に図らずも動員されてきた科学者の人たちが、終戦後にその反戦に基づいて作ったのが学術会議なんですよ。
そういう経緯から考えると、やはり政府の介入を不必要に受けるような、そういう仕組みそのものは、やっぱり適切じゃないと私は思うんですね。
気に食わないからって言って任命権を行使するっていう時点で、それ仮説ですよ、噂ですよ。
子供じみてるんですけれど、でもやっぱり海の向こうのアメリカでトランプさんが大学を弾圧したりとか、自分の主義主張に合わない研究にお金を出さないとかしてるじゃないですか。
あれを私たち笑ったり、けしかなんて言ってますけど、日本もそうそう違うとは言えないんじゃないかなっていうね。
そういうことを政治家の人たちがもうちょっと賢くなってほしいなと思いますよ。
確かにそうですよね。
ちょうどこの問題が発覚したときの学術会議の会長さんっていうのは、ノーベル物理学賞を受賞されている梶田孝明さんっていう人なんですけど、
この人何度も国会に呼ばれて、いろいろ答弁に立ったりとかですね、いろいろ発信をしてるんですけども、
彼はこんなふうに懸念を言ってるんですね。
学術会議の法人家が日本の学術の終わりの始まりになることを懸念する。
学術に携わっている人の危機感というのは、そうでない私たち国民よりはもう少しかなり強いものだと思いますし、
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今平和な世の中でね、日本がね。見た目平和ですよね。戦争してないし。
そういうときは、この学術会議とかアカデミーの人たちって、特に存在感は薄いと思うんです。
でも、将来この時を振り返って、あの時が別れ道だったねって思いたくないじゃないですか。
私たちが80年前、90年前にああいうこと、過ちを犯したっていうことを今振り返ることができるんですけど、
それをまた同じようなことを繰り返すような仕組みっていうのをわざわざ作るっていうのは、筋が悪いというか。
ちょっとどうかなと思うので、私個人は一回審議を止めるなり、廃案するなり、修正するなりしてほしいと思っていますけれども、
参議院は今、与党が過半数なので、このままだと原案のまま可決成立する可能性が高いという状況が現状です。
なるほど、そうか。
この戦後80年という年節目に向かえるにあたって、やっぱり忘れちゃいけない原点っていうもの、何でこういうものが生まれたのかっていうところは、やっぱり常に振り返りつつ進むべきだと思うんですよね。
学術の独立ってすごく成熟した民主国家のインフラの一つだと私は思っています。
今日はこの学術会議について解説してもらいました。
本村さんありがとうございました。
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