オープニング:AIポッドキャストと「詰め方」の視点
どうも、しぶちょーです。 ものづくりの視点は、産業機械の現役エンジニアである私、しぶちょーが、ものづくりに関するトピックを独自の視点で解説する番組です。
最初に一つだけお伝えしておきたいんですけど、この番組はAIが原稿を生成して、それを音声化してお届けしている AIポッドキャストなんですね。
普段のものづくりのラジオとは別のラインで、最新のニュースをAIに整理してもらって、そこにしぶちょー視点を乗っけた台本を読み上げてもらっている、いわば実験的な番組です。
なので、内容にたまに事実と微妙に違うところとか、ニュアンスが本来とちょっとずれている箇所が混じる可能性があるってのは、ぜひ頭の片隅に置いておいてほしいのよね。
気になった情報は概要欄のリンクから一時ソースを確認してもらえると、より楽しめると思います。
今日は今週分のニュースから、性能を決めるのは材料の新しさじゃなくて詰め方の設計、手主点でつながる3本をそろえました。
1本目は、50年前に生まれた8ビットCPUを積んだ古いパソコンが、カセットテープの音でAIを読み込んで喋り出したという話。
先週やった1300円マイコンの、さらに斜め上を行く垂橋なんだけど、裏側の設計がとにかく見事なのよ。
2本目は、3Dプリンターの台をわざとブルブル揺らしながら印刷したら、同じ材料、同じ設定なのに部品が15%も強くなったという研究。
仕掛けが小さいモーター1個ってのが痛快でね。
そして3本目は、今年いよいよスマホとパソコンの中身が2nm世代に突入するという半導体の話。
分解レポートから見えた最先端の内側が、これまた面白いんですよ。
50年前のレトロ期から人類の最先端まで、スケールはバラバラだけど、全部詰め方の話です。
それでは早速いきましょう。
1975年のCPUで言語モデルが稼働:ビットネットの革新
じゃあ1本目いきましょう。
先週この番組で1300円のマイコンがおとぎ話を語り出したって話をしたじゃない?
今週はそのさらに斜め上ですよ。
1975年生まれ、御年51歳の8bit CPU 6502を積んだ古いパソコンが、
カセットテープのピーガガガって読み込み音でAIをロードして片言の英語を喋り出したのよ。
喋るって言っても声が出るわけじゃなくて、画面に文字を綴っていくんだけどね。
マット・ベトンさんっていう開発者が、お父さんが80年代に使ってたDBC Microっていう英国の家庭用パソコンを引っ張り出してきて、
その上で現代の言語モデルを動かしちゃったというプロジェクトなんですね。
この6502ってCPU、実はあなたも絶対お世話になってる。
ファミコンに入ってたCPUと同じ系統で、Apple IIもこれ、伝説の石なのよ。
ただし、当時のマシンだから、メモリは全部で32kBしかない。ギガでもメガでもなくて、キロ。
スマホで撮る写真1枚の100分の1くらいの容量よ。
言語モデルっていうのは普通、ギガバイト級のメモリを食う代物だから、常識で考えたら動くわけがないじゃない?
カラクリの革新が、まさにモデルの詰め方でね。
ビットネットっていう手法で、AIの中身の膨大な数値を全部、プラス1、ゼロ、マイナス1の3択まで削っちゃうの。
押すか、引くか、何もしないか。
たった3通りだから、1バイトに4個のパラメータを詰め込める。
おかげで、52,000パラメータのモデルが、わずか13kBに収まった。
C言語で書いた、文章を組み立てる推論プログラムを足しても、22kB、32kBのメモリに、ちゃんとお釣りが来る計算なのよね。
しかもこの3択、実は、6502との相性が抜群でね。
重みが3通りしかないと、AIの計算の大半を占める掛け算が、足す、引く、何もしないに化けるから、掛け算回路を持ってない8ビットCPUでも回せちゃうの。
ちなみに、このビットネットって詰め方自体は、レトロPC専用の飛び道具じゃなくて、データセンターの電力問題を睨んで、最先端のLLM研究でも注目されてる筋のいい手法でね。
それを、あえて50年前の意思に振り向けたっていう、そのセンスがいいのよ。
訓練そのものは、現代のMacBookでやって、出来上がったモデルは音声データに変換して、イヤホン端子に繋いだ自作ケーブルから、カセットテープの読み込み音としてじっきみ流し込む。
50年の時を、テープの音で繋ぐわけ。
いやー、この執念、痺れるでしょ。
ただ、正直に言っておくと、賢さは全く期待しちゃダメです。
扱えるのは、アルファベット26文字とスペースのたった27種類。
短い文章を一回生成するのに数分かかる。実用性はゼロ。
でもね、私はこれ、ただの推敬だとは思ってないのよ。
同期が、お父さんの実機をもう一回主役にしたいってところが、たまらないじゃない。
性能のためでも、実用のためでもなく、特定の誰かの顔が浮かんでるものづくり。
私も今、子供向けの問い旋盤、おもちゃの旋盤っていうのを開発してるんだけど、スペック表に乗らない誰のために作るかが設計の細部を決めていくってのは、ガチで実感してるところでね。
実機を持ってなくても、ブラウザで動くBBCマイクロのエミュレータで、誰でも試せるようになってるし、コードも解説も公開されてるので、腕に覚えのある人は、ぜひ覗いてみてください。
リンクは概要欄に貼っておきます。
50年前のレトロマシンでも、詰め方の設計一つで、現代のAIが動く。
この事実だけでご飯3杯いける。そんな話でした。
3Dプリンターの台を揺らすだけで部品強度が15%向上
で、今のは数字の詰め方で性能を模擬とる話だったんだけど、詰め方が効くのはデータの世界だけじゃないのよ。
2本目は、目に見える樹脂の詰め方が部品の強度を決めてたっていう研究の話です。
サウジアラビアのハイル大学のチームがね、3Dプリンターで印刷してる最中に、造形物が乗ってる台をわざとブルブル揺らしてみたの。
そしたら、同じ材料、同じ形、同じ設定で作った部品なのに、強度が最大15%も上がっちゃった。
いや、嘘でしょ?って思うじゃない。3Dプリンターを使ってる人なら、わかるでしょ?あの積層方向の弱さ。
溶かした樹脂を層で積み上げて形を作る方式だから、層と層の境目がどうしても弱点になって、力のかかる部品が積層方向にパキッと剥がれるように割れる。
溶けた樹脂の線って断面が丸っこいから、線と線、層と層の間にどうしても微細な隙間が残っちゃうのよ。
うちにもバンブラボのプリンターが3台あるんだけど、強度が欲しい部品を印刷するときは、力のかかる向きに対してどの向きで印刷するかって、毎回頭を悩ませるところなのよね。
この研究の何が痛快って、仕掛けがめちゃくちゃ安いのよ。
使ったのは、入門機の定番、クリアリキーのエンダースリープロで、ヒートベッドの下に12Vの小さいモーターを1個くっつけただけ。
振動は、毎秒31回から53回くらいの揺れ。
もともとプリンター自身も、モーターの動きで毎秒130回くらい細かく震えてるんだけど、それとは別に、もっと遅くて大きい揺れをわざと足した格好ね。
モーターの電圧を3段階に変えて、印刷条件との組み合わせを計画的に振って、一番効く揺らし方をきっちり探し込んでる。
それだけで、引っ張りにも曲げにも強くなって、上がり幅が8%から15%。
部品の内部にできる隙間は、0.17mmくらいあったのが、0.07mmまで、6割も小さくなった。
しかも、赤外分光っていう分析で調べたら、樹脂の化学構造は何も変わってなかったのよ。
つまり、材料が強くなったんじゃなくて、溶けた樹脂の詰まり方が良くなっただけ。
ゴメビツをトントンって叩くと、お米がギュッと詰まって、濃さが減るじゃない。
あれが、層の間で起きてるってことです。
実はこの発想、建設現場では大昔からの常識でね。
コンクリートを打つときって、バイブレーターっていう振動する棒を突っ込んで、気泡を抜いて密度を上げるのよ。
異物の世界にも、溶けた金属を型に流すときに振動をかけて、酢を減らす、なんて手があるくらいでね。
詰まりが悪いなら、ゆすって詰める、は、ものづくりの現場で脈々と受け継がれてきた知恵なのよ。
それが、家庭用3Dプリンターの世界に降りてきた格好なんだよね。
それと面白いのがさ、最近の3Dプリンターって、高速印刷のために、振動を消す方向に進化してきたのよ。
揺れをセンサーで測って、打ち消す制御まで積んでる。
そこに、あえて振動を足すっていう逆張りだから、機械屋として一本取られたって感じでね。
もちろん、PLAっていう樹脂での結果だし、15%は条件を追い込んだときの最大値。
表面の仕上がりや寸法精度に悪さをしないのかは、まだ気になるところではある。
私もまだ自分の機械では試せてないんだけど、高い機械への買い替えじゃなくて、工程の一工夫で物性が変わるって、希望のある話じゃない。
聞いてるあなたも、次に強度が欲しい部品を印刷するときは、まず印刷の向きから疑ってみてください。
論文のリンクは概要欄に貼っておきます。
2026年は「2nm商用化元年」:半導体における詰め方の最前線
モーター1個の工夫で15%取れるなら、人類がお金と頭脳を相同位にして詰め方を競ってる最前線は、今どうなってるのか。
3本目は半導体の話です。
EE Times Japanがね、今年2026年を2nm商用化元年って呼んでるのよ。
この秋から店に並ぶスマホやパソコンの中身が、いよいよ2nm世代のチップに切り替わり始める。
実機の分解レポート付きの記事が出てたので、今日はそれをベースに話しますね。
まず、2nmって何よって話なんだけど、正直に言うとこれ、部品の実寸じゃなくて、世代の呼び名です。
トランジスタっていう電気のスイッチを、どれだけ高密度に詰め込めるようになったかを表す、いわばブランド名みたいなもんね。
で、その2nm世代を、SamsungはスマホチップのExynos 2600で、
Intelは18Aっていう独自プロセスを使ったノートPC向けのPanther Lakeで、それぞれ商用化を始めた。
この秋にはTSMCの2nmを使ったAppleやGoogleのチップが出てくると予想されていて、
さらに2027年には日本のラピダスが量産に参入する予定なのよ。
いやー、これは胸が熱くなるでしょ。最先端の半導体が作れる会社あって、この10年ほぼTSMCの独創だったじゃない。
それが4社横並びで比べられる時代が来るかもしれない。これ結構な知覚変動なんですよ。
それでね、機械屋としてマジで唸ったのが、分解の中身なのよ。
MacBook Proに入ってるM5 ProとM5 Maxを開けてみると、1枚のでっかいチップが鎮座してるんじゃなくて、複数のシリコンチップの組み合わせでできてる。
こっちはTSMCの3ナノ世代で、M5 MaxはGPUのコア数がM5 Proの倍の40コア、メモリは最大128GBっていう化け物構成ね。
インテルのパンサーレークはもっと露骨で、CPUは自社の18A、GPUはまた別のチップ、AI処理用や外部接続用のチップも別っていう役割の違うシリコンたちを、インターポーザーっていう配線の土台の上に並べて、一つのパッケージに仕立ててるの。
チップって、でかい一枚岩で作るほど、ウェハ状のたった一個の欠陥で丸ごとお釈迦になって、ぶどまりが苦しくなるのよ。だから微細化が極まるほど、小分けに作って、いいやつだけ選んで組み合わせる方が合理的になる。
適材適所のチップをどう並べて、どう繋ぐかっていう、詰め方の勝負に土俵が映ってきてるのよね。さっき、1バイトに4個詰めるって話をしたでしょ。予算の桁は天と地ほど違うけど、限られた枠にどう詰めるかで性能を作るって本質は、実は同じなんだよね。
で、この地殻変動、日本のものづくりにとってひとごとじゃないのよ。半導体工場って、路口装置に搬送に温度管理に行って、実は機械技術の塊でね。ラピダスが立ち上がるってことは、装置屋さんや機械屋さんの出番が増えるってことでもある。
工場ひとつに長円単位のお金が動く世界だから、裾野の広さが桁違いなのよ。もちろん、AppleやGoogleのチップ搭載は現時点では予想だし、ラピダスの量産もあくまで予定。断定はできないけど、流れは間違いなく来てると思ってて。
聞いてるあなたも、この秋、新しいスマホやパソコンのニュースを見かけたら、スペックの数字だけじゃなくて、この中でチップがどう詰まってるんだろうって想像してみてください。分解記事のリンクも概要欄に貼っておきます。カタログの数字より、現物の中身の方が何倍も面白いからね。
エンディング:性能を向上させる「詰め方」の知恵
今日は、50年前のCPUがカセットテープでAIを読み込んだ話。台を揺らすだけで3Dプリント部品が15%強くなった話。そして、二ナノ商用化元年。この3本をお届けしました。
振り返るとね、50年前のレトロ機から人類の最先端まで、全部詰め方の話だったのよ。パラメータを1バイトに4個詰める。溶けた樹脂をギュッと詰める。役割の違うチップを1つのパッケージに詰める。性能って材料の新しさとか設備の値段で決まるんじゃなくて、詰め方の設計で決まるんだよね。
だから、あなたも今日、自分の仕事や趣味で、性能が足りない、スペックが足りないって諦めてるものを、1個だけ思い浮かべて、新しい道具を買う前に、今あるものの詰め方を疑ってみてください。案外そこに、一番おいしいのびしろが眠ってるからね。
というわけで、今回はここまでとさせていただきます。私は、技術ブログ、支部長技術研究所も運営していますので、そちらの方もぜひチェックしてください。Xの方も毎日、ものづくりに関する投稿をしていますので、よろしくお願いします。
ポッドキャスト、ものづくりのラジオの方も、毎週土曜日、週一で配信中です。お時間あれば、ぜひ聞いてください。
というわけで、今回はここまで。以上、支部長でした。ではでは。