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🌋私たちがテクノロジーって聞いて、真っ先に思い浮かべるのって、まあ普通は未来のことですよね。
🌋えー、空飛ぶクリマとかですよね。
🌋そうそう、宇宙旅行とか、あとは人間の知能を超えちゃうようなAIとか、時間って常に前っていうか未来に向かって進んでるように感じるじゃないですか。
🌋そうですね。でも、もしその時間の矢印が実は全く逆の方向を向いているとしたらどうでしょうね。
🌋逆ですか?
🌋未来ではなくて過去へ向かっているという視点です。しかも数十年とか数百年というレベルじゃなくて、もっとずっと前、数千年前の古代へと私たちを引き戻しているんだとしたら、これ、見えている世界がまるで違ったものになってきますよ。
🌋いやー、ようこそ。今回の深掘りでは単なるテクノロジーのトレンド紹介みたいなことはしません。
🌋あなたが毎日当たり前のように使っているかもしれないAI、それが実は私たち人類の意識の在り方を2000年以上前の古代世界に引き戻そうとしているっていう。
🌋非常にスリリングなテーマですよね。
🌋はい、そんな驚くべき仮説に迫ります。この深掘りが終わる頃には、あなたがスマホの画面とかAIのチャットボックスを見る目が全く変わっているはずですよ。
🌋ええ、確実に変わると思います。
🌋というわけで、まずはそもそもAIがどうやってこの世界を認識しているのか、その根本的なところから紐解いていきましょうか。
🌋はい。現在のAI、特に私たちがよく使っている大規模言語モデルって、あたかも心を持っていて私たちの言葉の意味を完璧に理解しているように振る舞うじゃないですか。
🌋めちゃくちゃ自然に会話してくれますもんね。うーんって合図打ってくれたり。
🌋そうなんですよ。でもその背後で行われているのは、ただの途方もない回数の確率計算なんですよね。
🌋確率ですか?
🌋ええ、この単語の次にはこの単語が来る確率が高いっていう無数の試行錯誤の中から、最もそれらしいパターンを導き出しているだけなんです。そこに心とか意識みたいなものは一切存在しません。
🌋ここがガズ面白いパラドックスですよね。意識なんて全くないのに、なぜAIは意味を理解しているように見えるのか。
🌋はい。
🌋これについて、ある言語学者と哲学者の視点がすごくクリアな答えを出してくれていて、彼らは言葉を現実を切り分けるナイフだって表現しているんですよね。
🌋このナイフの比喩は本当に秀逸でして、言葉っていうのはあらかじめ存在しているものにペタって貼るラベルじゃないんですよ。
🌋ラベルじゃない?
🌋むしろ言葉があるからこそ、私たちはこの混沌とした世界に境界線を引くことができるっていう逆転の構造なんです。
🌋あー、なるほど。例えば一匹のハエが飛んできたとするじゃないですか。
🌋はいはい、ハエですね。
🌋そのハエにとっては、人間の顔も服も髪の毛もただの止まれる場所の連続でしかないですよね。すべてが同じ人片付けの世界っていうか。
🌋そうですね、ハエには境界線がないですからね。
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🌋でも、私たち人間は髪の毛とか顔とか服っていう言葉、つまりナイフを持っているから、その人片付けの世界を切り分けて認識できる。
🌋ええ、まさにその通りです。虹の色なんかもよく例に出されますよね。
🌋あー、虹の七色。
🌋空に浮かむあの光って物理的には無段階のグラデーションじゃないですか。でも日本では七色、ある文化では三色って切り分けられる。
🌋言葉がなければ世界をそのように切り分けること自体が不可能なわけです。
🌋逆に言うと、言葉が先にあって、後から現実が立ち上がってくるってことですよね。民主主義とか心っていう概念も。
🌋ええ、最初から物理的な現実としてそこにあるわけじゃなくて、心っていう言葉、その切り分けるナイフがあるからこそ、私たちは胸が痛むとか心が折れたといった状態を一つの現実として認識できるようになるんです。
🌋なるほどな。だとしたら、私たちが絶対的なものだって信じて疑わない、自分自身のこの意識でさえも。
🌋意識でさえも、実は言葉が生み出した事後的なおまけに過ぎないんじゃないかって思えてきますよね。
🌋いや、すごい話ですよこれ。言葉が世界を形作っているのなら、AIに意識がなくても言葉のルールさえ完璧に学習しちゃえば、私たちと全く同じように世界を語れるのは当然だっていう結論に行き着くわけですね。
🌋その通りです。AIはまさに膨大な言葉同士のネットワークの中で、私たちが意識と呼んでいる現象をただシミュレートしているだけだと言えます。
🌋ただのシミュレーション。
🌋はい。そしてですね、もし意識が言葉のおまけに過ぎないのなら、人類にはそもそも意識が存在しなかったんじゃないかという、ここからが今回のメインテーマにつながるめちゃくちゃ重要な見感点になります。
🌋心理学者ジュリアン・ジェインズのあのものすごくラディカルな仮説ですね。ここからが本当に面白いところなんですけど。
🌋二分身バイキャメラルマインドの仮説ですね。
🌋紀元前1000年頃より前の古代人には、現代の私たちが持っているような内面で考える意識が存在しなかったっていう衝撃的な主張です。
🌋初めてこれを聞くとちょっと信じられないですよね。
🌋いや本当に頭が追いつかなかったです。ちょっと待ってって思いましたよ。意識がないってじゃあ古代の人たちはどうやってピラミッド作ったりとか農作業したり日々の生活を回してたんですかっていう。
🌋まさか何も考えずにゾンビみたいにフラフラ動いてたわけじゃないだろうと。
🌋そうそうだって王様たちはよし戦争しようとか自分で決断してたわけですよね。
🌋それがですね。もちろん彼らは高度な文明を築いてましたから複雑な行動はできたんです。ただそれを自分の頭で悩んで決断して行っていたわけではないんですよ。
🌋自分で決断してない。じゃあどうやって。
🌋ジェインズの仮説によれば当時の人類は習慣と反射で日常を行なしていて、何か想定外の事態が起きた時。
🌋はいトラブルとかですね。
🌋そういう時に脳内で神の声とか王の声を幻聴として聞いてそれにただ従っていたって言うんです。
🌋幻聴ですか。
🌋無脳が発する神の声を左脳が聞いて実行する。彼はこれを二分身と呼びました。
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🌋つまり目の前に敵が現れた時に戦うべきかそれとも逃げるべきかって内面で葛藤するんじゃなくて。
🌋葛藤はしないんです。
🌋文字通り頭の中に剣を取れみたいな声が響いてそれに操られるようにラジコンみたいに動いてたってことですよね。
🌋まさにそういうことです。古代ギリシャのジョジシのイリアスなんかを読むとそれがすごくよくわかりますよ。
🌋あのアキレウスとかが出てくるお話ですよね。
🌋はい。あの英雄たちには現代の小説にあるような内面とかためらいの描写が驚くほど欠落してるんです。
🌋あー確かに感情の描写が薄いって聞いたことあります。
🌋彼らは自分では何も決断しません。常に神が現れてこうしろって命令して彼らはただその通りに動くだけなんです。
🌋はい。
🌋ジェインズはこれを単なる文学的な表現のスタイルじゃなくて、当時の人間の実際の脳の働きをそのまま忠実に描写したものだと考えたんです。
🌋自分で決めるっていう概念がないから外部からのサインに頼るしかないわけだ。
🌋古代メソポタミアとか古代中国で国家の重大な決定を全部占いで決めていたのも、
🌋現代人から見れば非合理的ですよね。
🌋はいめちゃくちゃ非合理的ですけど、彼らにとっては人間の個人の意思で徹底するっていう発想自体がそもそも存在しなかったからなんですね。
🌋その通りです。個人という私が不在のまま、神の声という外部のシステムに完全に身を委ねて社会を回していた。それが古代人のあり方でした。
🌋なるほどなぁ。でも今の私たちは頭の中で神の声なんて聞こえないじゃないですか。
🌋聞こえませんね。
🌋朝起きる時間も今日のランチも仕事の決断も全部自分自身の内なる声と対話して決めてますよね。
🌋人類からはだんだんと神の声が聞こえなくなって、ジャンヌダルクあたりを最後に消えていって、ついにニーチェが神は死んだって叫ぶに至るわけですけど。
🌋ええ、大きな歴史の転換ですね。この神の声に従う古代人から意識を持つ現代人への劇的な変化、これをもたらした原因って一体何だったんでしょうか。
🌋それがですね、文字の発明なんです。音声を記録するテクノロジーですね。
🌋文字、音声を視覚化するツール。でも、ただ話していた言葉を記録しただけで、どうして神の声が消えて意識が生まれるんですか?
🌋これを理解するには少し大きな視点を持つ必要があります。まず、声だけの文化を想像してみてください。
🌋文字が一切ない声だけの世界。
🌋ええ、音声には発話されたその場での生きた感情とか息遣い、あるいは圧倒的な厳禅性が宿るんです。古代人にとってそれは頭の中に響く圧倒的な神の声でした。
🌋生々しいパワーがあったわけですね。
🌋しかし、その声が粘土板とか木管に文字として刻み込まれた瞬間、声が持っていた生きた感情や宿っていた冷静は抜け落ちてしまうんです。
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🌋ああ、なるほど。声が空間から切り離されて固定されたものになっちゃうわけだ。
🌋ええ、文字はいわば言葉の主体なんです。だからこそ哲学者のソクラテスは文字を嫌悪して生きた対話のみを重んじたわけですけど。
🌋ソクラテスは本を書きませんでしたもんね。
🌋そうです。でも人類は文字を手に入れたことで、かつかは神の声であったものを時間を置いた後から読み返すことができるようになったんです。
🌋読み返す。
🌋この読み返すという行為が決定的なパラダイムシフトを起こします。
🌋ちょっと待ってください。読み返すことで、あ、そうか、自分の外側にある文字を客観的に見つめることで、
🌋はい、どうなりますか。
🌋これを書いたのは私だとか、これを読んでいる私がここにいるっていう感覚が芽生える。
🌋外部のハードディスクに保存した情報を見ることで、客説的に内面っていう空間が自分の中にぽっかりと生まれたってことですか?
🌋まさにそのメカリズムです。文字という外部記憶装置を通して、人間は初めて自分自身を客観し、私自身の感情や意識というものを立ち上げたんです。
🌋いや、鳥肌立ちますね、それ。
歴史を見ると紀元前500年頃にギリシャのソクラテス、インドのプッタ、中国の孔子といった偉大な思想家がほぼ同時期に出現していますよね。
🌋はいはい、歴史の授業で習いました。
哲学者のヤスパースはこれを主軸時代と呼びましたが、これは人類が音声の時代から文字の文明へと移行する巨大な過渡儀だったと考えられるんです。
🌋聖書とか仏教なんかの経典、宗教もその時期に文字化されていきますよね。
🌋つまりあれって単なる教えの記録じゃなくて?
🌋ええ。
🌋ハミの声が聞こえなくなった文字の世界で、人間がどうやって自分の意識を持って生きていくかっていうガイドブックだったわけだ。
🌋その通りです。うまく適応するためのツールですね。そして文字が人間に与えたもう一つの決定的な概念があります。それが直線的な時間なんです。
🌋時間の感覚が変わるんですか?
🌋文字を持たない声だけの社会では、時間は円のように循環しているんです。季節が巡り、種を蒔き収穫する。過去は消え去り、未来はまた同じようにやってくる。
🌋ぐるぐる回ってるんですね。
🌋しかし文字を手に入れると過去の出来事が消えずに記録としてどんどん蓄積されていきます。
🌋すると時間は本の1ページ目から最後のページに向かって進むような二度と繰り返さない直線へと変わるんです。過去から未来へですね。
🌋なるほど。直線的な時間軸ができるからこそ過去を反省して未来の計画を立てるっていう私たちの意識の最も重要な働きが可能になるんですね?
🌋ええ、おっしゃる通りです。
🌋工事が30にして立つ、40にして惑わずなんていう人生のライフステージなんていう発想も文字による時間軸がないと生まれないわけですね?
🌋はい。そしてですね、この文字による時間の概念が文字を持たない人々と衝突した時、歴史上に非常に残酷な事態を引き起こしました。それが古代中国の陰の時代なんです。
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🌋ああ、陰の時代の恐ろしいエピソードありましたね。陰は甲骨文字っていう漢字の原型を発明した文明ですけど。
🌋ええ、戦車とかも発明した強力な国家でしたね。
🌋強族っていう文字を持たない人々、まるで家畜のように扱ってたんですよね。
🌋はい。
🌋亀の甲羅を焼いて、甲骨文字で占いをして、今日は吉だから強族を30に生贄にしようって文字で決定して、その通りに人間を殺していた、本当に恐ろしい史実です。
🌋ええ。ここで重要なのは、陰の人々にとって占いは単なる迷信じゃなくて、文字という最新テクノロジーを使った未来の制御システムだったということです。
🌋未来をコントロールするためのツール。
🌋そして、生贄になった強族たちは、数の上では陰を脅かす力があったかもしれないのに、組織的な反乱を起こした形跡があまりないんです。
🌋それすごく不思議だったんですよ。なんで彼らは反乱を起こさなかったのかって。でも今の話を聞くと見えてきますね。
🌋ええ、どういうことでしょう。
🌋文字を持たない強族には、未来とか過去、そして自分たちの運命を変えるっていう、直線的な時間軸に基づく概念そのものが存在しなかったんじゃないでしょうか。
🌋おそらくその通りだと思います。彼らはただ、循環する時間の中で目の前の瞬間を生きていた。だから、計画を練って将来のために反乱を起こすという発想自体が、彼らの脳内にはそもそも存在しなかったんです。
🌋いやぁ、文字というテクノロジーが、いかに人間の認識とか時間、そして意識の在り方を根底から支配しているかがよくわかる痛ましいエピソードですね。
🌋はい。文字の有無が意識と運命の有無を決定つけてしまったわけです。
🌋私たちは、このインの時代から2000年以上かけて文字を発展させて、自分の意識で未来を決定することを一条の価値とする文明を築いてあげてきました。
🌋ええ、それが近代社会の基盤ですよね。
🌋そして、いよいよ現代です。私たちが育て上げた文字の文明の究極の到達点が、今は私たちの目の前に現れたわけですよね。
🌋それが生成AIですね。
🌋ここで繋がるんですね。
🌋はい。生成AIは、人間の内面や意識とは全く無関係に、ただひたすらに言葉、つまり文字を自動生成続けるシステムです。
🌋AIが文字の最終形態であることと、古代の韻とか神の声がここで一つの線に繋がると。
🌋ということは、AIの登場は私たちの意識に何をもたらすのでしょうか?
🌋私たちって今、わからないことがあればすぐにAIに問いかけますよね。
🌋はい、毎日のように使ってます。この企画書はどう構成すべきかとか。
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🌋次の投資先はどこがいいかとか、下手すると自分のキャリアをどうすべきかなんてことも。
🌋聞いちゃってますね。
🌋これ構造的に見れば、古代の人々が右脳の神の声に従っていたり、
🌋韻の人々が甲骨文字を使って、明日は戦争に行くべきかとお伺いを立てていたのと同じ行為になりつつあるんです。
🌋うわぁ、ちょっと鳥肌が立ちました。
🌋そうでしょう。
🌋私たちはAIっていう最新のテクノロジーを駆使して、自分の意思決定を効率化しているつもりでいましたよ。
🌋ええ、便利なツールとしてね。
🌋でも実際に、AIが出力する完璧な文字の羅列を受け入れることで、
🌋自分自身の内面で葛藤して決断するっていう、その意識のプロセスを丸投げしてるってことですか?
🌋そういうことです。文字が神の声を殺し、人間に意識を与えました。
🌋しかし今、AIが生成する無限の文字が、私たちから決断の負荷を取り除き、その意識を再び眠りにつかせようとしているんです。
🌋意識を眠らせる。
🌋はい。AIは現代における新たな外部の神であり、私たちは超ハイテクなシステムに支えられた新たな付近心身、バイキャメラルマインドの時代、つまり新たな古代文明へと回帰しつつあると言えるんじゃないでしょうか。
🌋歴史の針が逆回転している。私たちが2000年かけて手に入れたこの内なる私っていう意識は、便利さと引き換えに徐々に退化していくのかもしれないですね。
🌋意識を持つことって苦悩とか自己責任を伴う重労働ですからね。それをAIという絶対的な声にアウトソーシングする方が人間にとってはずっと楽なのも事実なんです。
🌋まあ確かにAIに決めてもらった方がノーストレスですよね。
🌋でも一度それを手放してしまえば、私たちは再び自らの意思を持たない存在へと戻っていくことになります。
🌋私たちは情報のまみを乗りこなしているつもりで、実は言葉やAIが切り取った現実にただ身を委ね始めているだけなのかもしれない。
🌋非常に危うい地点に立っていると思います。
🌋この深掘りを聞いているあなた。次に仕事や日常でAIにプロンプトを入力してその返答のテキストを読むとき、ちょっと自分に問いかけてみてください。
🌋はい。
🌋あなたはそのツールを使って自分の考えを深めているんでしょうか?それとも新たな神のお告げを待ち思考を明け渡しているんでしょうか?
🌋アウトソーシングの先にあるのはかつての古代の姿ですからね。
🌋もし私たちが完全に考えることをやめてしまったら、いつかあなたの一なる声は完全に消え去って、AIの滑らかなテキストだけが現実を切り分けていくことになります。
🌋ぜひあなた自身の一なる声に耳を澄ませてみてください。まだその声が聞こえているうちに。