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#58自己PRについて
2026-07-13 09:07

#58自己PRについて

自己PRは面接のためだけにあるものではありません。それを考えることで自分と向き合えることが重要なのだと気づかされました。

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サマリー

本エピソードでは、自己PRは単に自分の能力をアピールする場ではなく、自己と向き合い成長の物語を語る機会であることが強調されています。レスリング部の生徒が挨拶という長所を語るまでの、弱さと向き合い努力した過程に焦点を当て、そこから「無理しない」「自分らしく」という考え方の極端な側面にも触れつつ、苦手なことに一歩踏み出すことの重要性が語られます。最終的に、教員は生徒が変わるきっかけとなる環境を作り、生徒自身も年齢に関係なく成長し続けることの大切さが説かれています。

自己PRの捉え方とレスリング部生徒のエピソード
こんにちは。岐阜県の工業高校で教員をしているすみです。 この番組、未来をつなぐものづくりでは、日本の製造業を支える企業の技術や、そこで働く人たちの思い、そして工業高校の教育の魅力をお届けしていきます。
皆さん、自己PRとはどのように話しますか? どうしても自分はこれこれできますっていうことを一言で終わってしまいがちなんですよね。
なので今回は、その自分ができること、もしくは自分が頑張ってきたことから、その状況や、もしくはそこに至るまでの行動や、そして結果的にどうなったかみたいなことを具体的な例とつなげながら話そうという、
まあそんなようなフレームワークを元に自分のアピールポイントを話せるように探していったんですよね。
セミナーも終盤に入り、何人かにでは自己PRをしてもらいましょうっていうことになった時に、ある一人の生徒の自己PRが私の心に刺さったんです。
それがどんな話だったかというと、レスリング部で活躍している生徒の話だったんですね。 彼は堂々と最初に私の長所は挨拶ですって言ったんです。
最初私は挨拶?挨拶結構当たり前でしょう?なんて思いながら、まあその後話を聞き進めていったんですけども、
実は彼は人と話すことは苦手だったんです。人と接することが苦手で、しかも声が小さく、そして自信も持てない、そういうスタートからレスリング部に入ったんですね。
私は彼を見ていると、のほほんとこうのんびり高校生活を送っているなぁっていうぐらいにしか思ってなかったんです。
挨拶もそれ相応にしっかりできるなというふうに思っていたので、そんな風なコンプレックスを持っているとは思ってもみませんでした。
それは多分周りの友人も知らなかったんじゃないかなと思います。しかし高校でレスリング部に入って、
レスリング部ではもっと声を出せとか、もっと大きな声を出してやれっていうふうに言われるんです。
そして挨拶もしっかりしなさいっていうふうにも言われる。声がなかなか出ない中でも一生懸命声を出し続けて練習に励み、
そして自然と挨拶の声も大きくなっていったっていうことなんですね。最初は苦しかったと思いますけども、でも毎日毎日続けて、そして今に至っているということだったんです。
そして彼は最後に会社に入っても自分から元気よく挨拶し、周りと良い関係を築いていきたいというふうに話を締めくくったんです。
私は本当に感動して涙が出そうになったんです。なぜかって言ったら挨拶ができるからすごいとかそういったことではなくて、
できなかった彼が本当に努力して挨拶ができるようになったんだっていうことを知ったんです。
たぶん同級生も周りの先生も誰も知らなかったんじゃないかなと思うんです。
彼は自分の弱さを初めて話し、そして普通ならそれは隠したいとか恥ずかしいとか、あまり知られたくないっていうことかもしれませんけども、
これをみんなに開示しながら、そしてレスリング部で頑張って、そして今自分ができているよっていう、そんなところを自己PRしてくれたんですよね。
彼がそんな思いを抱えながら一生懸命学校生活を送ってきたんだということを思うと本当に胸が熱くなったんですよね。
やっぱり人の話って聞いてみないとわかんないですし、また彼も口にして初めて自分自身の努力っていうのを認めてあげれたんじゃないかなっていうふうに思うんです。
自己PRの本質と成長の価値
面接では成長できる人かどうかを見ていると思うんです。
だから結果的に挨拶ができる人が良いではなく、挨拶ができなかった人が努力してできるようになったっていうここに価値があるんだと思うんですよね。
だから自己PRってどうしても自分のできることとかやれることを話したいって思いがちなんだけども、
自分をもったりとか自慢する場ではないですよね。
自分を飾る必要ないんです。
自分自身の人生を振り返って成長した物語を語ればいいんじゃないかなっていうふうに思いました。
「無理しない」という考え方への考察
ここで彼の話聞いて私思ったことあるんですよね。
コロナ禍以降こんな言葉をよく聞きました。
無理しなくていいよ。
自分らしくね。
嫌なら離れていいよ。
もちろんこの考え方に救われた人もたくさんいますし、心の健康を守ることができた人もいると思います。
だからこの考えを否定するっていうことではないんです。
しかし一方でその考えが極端になっていないかなっていうふうに思うところもあるんです。
例えばこの授業、この先生が嫌だから授業受けたくないとか、
注意されるから嫌だとか、
自分を変えようと思っていないとか、
もしくは人に従うこと、強制されること自体が悪いことだなんて、
そんな風な空気も感じるんです。
でもそれ本当にいいのかなって思うところもあります。
成長への一歩と可能性の拡大
今日のレスリング部の生徒も、
自分は人付き合いが苦手だからとか、
声を出すのは嫌だからって言っていたら、
今日の自己PRの文章って出てこなかったんじゃないでしょうか。
成長って何かって考えたときに、
好きなことを続けることも成長には繋がると思いますが、
実は少し苦手とか、少し逃げたいとか、
そんなところへほんの一歩だけ踏み出したときに、
人は変わることも大きくあるんじゃないかなと考えているんです。
もちろん自分自身を無理やり変えることでもないし、
人格を否定するっていうことでもないんですけども、
今の自分の可能性を広げるってことは、
今までの自分の枠から飛び出ないと、
変わっていく可能性ってないと思うんですよね。
レスリング部の彼は、あえて自分自身の弱さに向き合ったんです。
向き合い続けて今があるっていうことに、私も心打たれたんですよね。
行動を促す要因と教育者の役割
ではどうしたら弱い自分と向き合うことができるのか、
ということなんですけども、これは一番難しいです。
頑張れ頑張れ、やった方がいいぞ、やれやれ、
みたいな感じでは絶対人は動きません。
ではどうしたら動くのかということなんですけども、
やはり人は、今日私が感動したように、
ストーリー、物語があって感動して、
初めて行動に移すんじゃないでしょうか。
だから成長した人の話を聞くっていうのも一つ手でしょうし、
もしくは一回だけやってみて、
その経験で次もっていうふうに少しずつ変わっていくのも手でしょうし、
なぜそれをやるのかっていったところを深く考えることも大事でしょう。
そしてやってみて失敗した時に、
それでも安心安全でいられる環境にいるっていうのも大事なことですよね。
そして一番大きいことは、
信頼できる大人の助言だと思うんですよ。
あの先生が言うならやってみようとか、
これって結構目に見えない力だと思うんです。
これが教員の磨いていく力なんじゃないでしょうか。
この存在が教育には絶対必要だなっていうふうに感じています。
自己PRと成長の再定義、そして継続的な自己更新
今日は自己PRのセミナーから感じたことをお話をしました。
最初から優れている必要はないです。
過去の弱さは隠すものでもなく、
時には努力して乗り越えた証になります。
自己PRとは自分をよく見せることではないです。
昨日までの自分より少し成長した、
その物語を自分の言葉で相手に届けることなんです。
そして私たち教員は生徒に変われと命じることではなく、
変わってみようかなと思える環境を作ることなのだと、
今日改めて感じました。
どうしても自分自身にベクトルが向いて、
自分さえ良ければいい、
今の自分がいいというマインドでは、
なかなか成長というのは訪れません。
成長とは今から変わることなんです。
だからこそ今が完璧に良い状態ではなく、
もっと成長できるんだ、
まだまだ自分は変われるんだという気持ちをですね、
これは年齢関係なく持ち続ける必要があるんじゃないかなと、
改めて感じています。
私も50歳です。
まだまだだと思ってますよ。
今日からまた自分自身を更新できるように、
あらゆる気づきがあればいいなというふうに思っています。
番組情報とエンディング
未来をつなぐものづくりは毎週月曜日、
朝7時に配信しております。
皆さんの便りは私の励みになります。
航空機械工学課とインスタグラムで検索してもらえれば、
日々の取り組みがご覧になります。
ではまた来週お会いしましょう。さようなら。
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