そして1990年3月、キリン一番しぼりがついに発売されます。
90年か。
90年なんですね。
今から36年前になりますと。
そう考えると結構若い感じがする。裏側に比べて全然若いね。
で、出ますと。
ただ、打倒スーパードライのさ、打ち手というか一手として満を持して作られたはずなんだけど、
なんか初っ端からね、ひっそりと発売せざるを得ないというか発売する形になっちゃいますと。
へえ、なんで?
ご存知の通りなんですけど、この一番しぼりはスーパードライを倒す存在になったのかと言うと、
この物語の結論はもうその存在にはなれなかったというのはご存知の通りなんですけど、
スーパードライは今も最強ですと。
ただ、一番しぼりはポテンシャルは実は今も含めて当時も結構あったかもしれない。
だけど、それ以外のところであんまりうまくいかなかったんだよ。
へえ、売り方とかってそういうこと?
今話をこれからさせていただこうと思うんですけど、
一番しぼりの品質が商品としてスーパードライに劣ってたというより、
キリンの戦略ミスというか、
ラガーへのこだわりが捨てきれない、プライドを捨てきれないキリンの優柔不断さとか。
うちはやっぱ、ラガーがあってこそでしょみたいなのが根強かった。
根強かったとか、
あとは、やっぱアサヒが強かった。
アサヒの戦略とかがめっちゃ強かった。営業もそうだし、戦い方が。
でもアサヒはもうスーパードライ1本でやってたの?もう。
えっとね、他にもいろいろ出してるはずなんだけど、
でも超主力は基本もうスーパードライにほぼ集中みたいな感じだったと思うね。
まずキリンの戦略ミスみたいなところを話していくと、
一番しぼり企画して作ってたんだけど、
一番しぼり以外の他にも他の製品とかを作ってたんだね。
でそのいろいろさ、あとは社内政治とかにより、
ラガーの派生商品のマイルドラガーっていうのを実は同じ時期に発売されてました。
マイルドラガー。
マイルドなラガーを作ってましたの。
これなんかそのドライが似たような感じだよね。
スーパードライもドライってついてるけど、
もうちょっとそのマイルドに飲めるというか苦味がちょっと薄いみたいな。
マイルドってそういうことだよね。
そういう意味そういう意味。
苦味がマイルドなラガーを作ってましたと。
一番しぼりとは別に。
キリンドライのなんかまた系風だよね。
ノリとしては。
名前は違えたね。
でマイルドラガー売りますみたいな。
広告、告示して。
ここにひっそりと一番しぼり新登場みたいな。
感じの位置付けで出ちゃったのよ一番しぼり。
自信なかったのかな。
自信ないかもしれない。
自信がなかったのかな。
ラガー以外を売って売れるかなみたいな。
その時一番しぼりドーンみたいな。
だったらちょっと違ったかもしれないけど、
マイルドラガーみたいな感じだったんですよ。
ひっそり。
一番しぼりも出しますかみたいな。
ちょっとあれだね、出し方がちょっと。
結局ラガーでしょみたいな。
キリン社内は、
ラガーはまだ市場のトップブランドではあるのよ。
キリンラガーは。
だからスーパードライはラガーで止めるっていう勢力が多かったのよ。
一番しぼりじゃなくてね。
ラガーで止めるんだと。この勢いだと。
それがやっぱその方針が強くて。
一方で一番しぼりも作ってるから、社内で割れて意見が。
めっちゃ混乱してましたキリンは。
結局これは驚くことに、
読んだ本だと2015年ぐらいまで、
うちの主力商品ってどれなのってのはあんま決まりなかったの。
そんな割と。
15ぐらいになってやっとキリン一番しぼりですと。
いうぐらいになるまでずっとどっちだみたいな。
その時代が続いてたらしいですよ。
混乱ぶりがね。
思ったより最近だね。
めっちゃ最近だよね。
ただひっそりと世に出たんだけど、
結構人気出るんですよ一番しぼり。
もう卸業者とかから、
一番しぼりはもう発売したばかりだろと。
なんで品切れなんだっつって。
めっちゃ文句言われるぐらい結構人気あったの。
その一番しぼりは、
一番爆獣しか使ってない贅沢なビールなんで、
他のビールより生産量が少なくて追いつかないんです。
って謝すのね。
っていう贅沢なビールなんで。
事実ではあるか。
事実ではあるし、
生産体制もひっそりぐらいだから、
乗ってないんで、
やっぱね売れるんだけど、
追いつかないって感じだったんですよ。
っていうのが、
キリンの戦略ミスみたいな、
面の一つですと。
もう一個が、
アサヒの戦略というか、
アサヒの罠。
罠みたいなやつで。
罠?
面白い。
生ビール売り上げナンバーワンっていう、
広告を、
アサヒスーパードラゴンが出しますと。
95年に、
生ビール売り上げナンバーワンどんっつって、
出すの。
これがアサヒの作戦というか、
罠で。
キリンのプライドを逆手に取った、
アサヒマーケティング戦略。
これですね、ちなみに、
中国の、
中国の孫子とか好きですか?
名前は存じてるよ。
孫子など含まれる、
兵法36家のうちの、
第15家の、
超古離山っていう。
知らないな。
ちょっと詳しすぎるなそれは。
超古離山は、
調べる、
重複する虎の、
離す山、
と書いて、超古離山って言うんですけど。
強力な虎を、
騙して、虎の本拠地である、
山から離れさせるっていう、
計略があるんですね。
36家のうちの、
15家に、これを使ったんですよ。
アサヒが。
本当にそうなの?
やったことを見れば、
実質そうだと。
アサヒの当時の課題は、
スーパードライが売れてたけど、
95年の課題は、
やっぱりどうしても切り崩せない、
中高年男性の、
ラガー支持層。
これが課題だったんです。
どうにかしたい。
アサヒとしてめっちゃ困るのは、
ラガーで、
中高年男性の支持層を守りつつ、
キリン一番絞りを、
スーパードライにガンって当てられてきたら、
一番困るって思ってた。
マジでやられるって思ってた。
そこで、
打ち出すんですね。
生ビール売上ナンバーワンっていう。
この後もうちょっと、
詳しく話すんだけど、
ラガーは、生ビールじゃないんですよ。
熱処理ビールっていう、
生とは定義したい、
今のルールだといけない、
ジャンルのビールなんですね。
だから、生ビールじゃないんですよ、ラガーって。
はいはいはいはい。
ビール市場のトップ人気は、
ラガーだったんだけど、
スーパードライが生ナンバーワンと、
出しますと。
それでやっぱキリンがね、
いやっつって、
ナンバーワンとか、
マジ、マジうるさいんだけど、
みたいな感じになって、
ちなみにすごいややこしいことに、
今今日村田君の前にある、
キリンラガーは、
生ビールです。
それは、
さっき僕生じゃないって言ったけど、
今のキリンラガーは、生ビールです。
生ビールなんですよ。
生ビールなのか。
逆にクラシックラガー横にもう一個あるんですけど、
生ビールじゃないです。
どういうことだと。
生ビールかどうかの違いを、
ちょっとおさらいしたいんだけど、
これはもう単純にその、
熱処理をしているかどうかなの。
ちょっとここで、
今後のためにめっちゃ役立つから、
教えますね。
解説しますね。生ビールとか、
生ビールじゃないみたいな話を。
ちょっと昔の歴史から。
その上で、キリンのこの失策を
説明するんで。
まず、19世紀以前の、
めっちゃ古いビール。日本とか来る前の。
ヨーロッパとかつくすと。
殺菌とか、まだそういう概念がない。
発明されてない頃のビールってのは、
もう賞味期限なんで、
数日とか、数週間ですよ。
だからもう、できたて飲む以外にも
選択肢がない時代。
19世紀以前のずっとビールの
歴史ですと。
19世紀後半に、
低温殺菌法、低温って温度のね。
低温殺菌法っていう、
なんか発明されるの。
手法が。 手法かな。
フランス人の人がなんか考えたんだけど、
これは、その
60度ぐらいで、瓶に入った
ビール、瓶じゃなくてもいいんだけど、
温めると、そのビールの中に
入ってる、あの酵母とか、
乳酸菌が殺菌できるよと。
っていう、まあその
やり方が発明されて、これで一気に
賞味期限が数ヶ月ぐらい
伸びますと。ビールのね。
で、これぐらいのタイミングで
日本にもビールはやってくる。
だから、基本
やっぱこう、熱処理で
殺菌された
ビールっていうのが、まずは
できますよと。 へえ、なんかさ、
昔はさ、
それこそその、衛生的な
観点から、水なんかも
飲めたもんじゃないから、ビールの
方がなんならマシみたいなさ、
時代があったりとか
したじゃん。あれは熱処理
をしているとか。 してないしてない。
あ、してないの? だからもう、修道院
とかで、日本で
寺とか神社とかで、ビール
作ってましたと。多分いっぱいあったんだ
と思うよ。その周りでしか飲めないからさ、
運べないし。で、そこ行って
飲むみたいな感じ。
出来立て飲むみたいな。
多分時代だったんだと思う。 なるほどね。
で、
だから日本に来たときには、熱処理を
したビールっていうものと、
ほんとにその、スプリングバレーブルーベリー
ができて、
その工場周辺で
すぐ飲む。フレッシュなビール
飲めた。 出来立てを。 2パターンが。
まあ、日本にありましたと。
だからその、
まだその、ビールの中に
元気な工房とかもいる、
超新鮮ビールが、
一応、生ビールっていう風に
当時の人は呼んでた。
で、キリンラガーができて、
で、キリンラガーは運んでいくから、
まあ、えーと、
熱処理をしていました。ずっと。
結構やっぱその、
熱処理しないと、工房とか
凍らさないと、発酵してって、
ビンの中で、爆発とかするのって普通に。
運んでる途中に。 そうなんだ。
だからやっぱ、危ない。
っていう感じでしたと。
え、でもさ、それはさ、
スーパードライとかは、
いわゆるその、生だとして、
数日しか持たない、
新鮮じゃないと飲めないビールだったの?
当時。
いや、あのね、これは
ラガーができた時だから、まだその、
1900年の初頭とか、
スーパードライとかは全然ない
頃の話を、
時代が違う。 これ変わるんですよ。
生の定義が変わるんですよ。
当時の、ラガーが出たっての頃の
生ビールとはっていうのが、
工場周辺で
飲む、まだそのビールの中に
殺菌されてない工房とか、
いろんな菌が来たフレッシュなビールのこと、
生ビールと言うんですよ。
当時。 はいはいはい。
当時がそうだという。
時代が一気に進んで、
1960年代に、
サントリーが、
めちゃくちゃ超精密な、
ろ過フィルターを導入するの。
なんかNASAの
技術を使ったかどうかわからないけど、
そこにビールを通すと、
熱処理一切してないんだけど、
ビール工房を全部
取り除けるっていうフィルターを作るの。
へぇー。
工房って取り除いていいの?
旨味をなんか決してしないの?
ここがやっぱ結構面白いところですね。
面白いところですね。
で、サントリーは
熱処理してないじゃんと。
その工房を除いたビールを、
生ビールだっつって言ってたの。
だけど、
他の他社は
工房取り除いてんじゃんと。
それ本当
生じゃないよねっつって。
だって取り除いてんじゃんみたいな。
生とは工房がいて、
取り除かれてなくて、
故に賞味期限が短くて、
周りでしか飲めないもの。
工房が生きてるから生だろっつって。
文句言うの。
で、これで生ビールとは
何だロンソが、
勃発して、
1970年代後半ぐらいに、
国がルールを決めます。
日本がってこと?
日本が、厚生取引委員会が決めますと。
以降は、
熱処理を
工房がいようがいまいが、
していないなら、生ですと。
へー。
熱処理をしていないなら、
工房が入っていようがいまいが、すべて生だっつって。
つまりサントリーの
フィルターで通されたものは、
生ビールなんですよ。
あーなるほどね。それ認められたんだ。
認められて、以降日本においては、
熱処理を
せずに、フィルターで
工房を除くと。
これは全部生ビールっていう定義になったんですね。
へー。その定義はちなみにつるぽん的にはどうなの?