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俺は、ミラー。かっこいいミラーなんだぜ。
俺には仕事がある。
俺の仕事は、写すこと。みんなの姿を写すこと。
正確に写すことが仕事なんだぜ。
その昔、性格性を取り乱し、人をより良く見せようとしたことがある。
そう、みなさんもご存知なんじゃねえか?
あの昔話、あの童話、白雪姫。
白雪姫で、俺はやっちゃいけないことをやってしまった。
そう、魔女だよ。
魔女の姿をちょっぴりより良く見せようと、そんな見せかけをしようと、
俺は屈折という技術を使って魔女の姿をより良くした。
なぜなら、俺は魔女を昇天させたかったから。
魔女は聞いた。
鏡よ鏡、この世で一番美しいものは誰だい?と聞かれたんだ。
そりゃあもう、ご主人様、魔女様、あなたしかおられません。
そう答えながら、俺は屈折の技術を利用して、魔女の姿をより良くして、
魔女のことを昇天させた。
昇天させちまったんだ。
でも俺は、やっぱり性格性、こっちの方を重視したかった。
だからある日言ったんだ。
鏡よ鏡、この世で一番美しいものは誰だい?
そう聞かれたときに、こう答えた。
それは白雪姫さんです。
白雪姫さんか?一番美しいんです。
そう、俺の仕事は映すこと、性格に映すことなんだぜ。
だからやめちまったんだ。
魔女を昇天させるのを、やめちまった。
そんな話、それがこの俺、鏡ミラーの話ってわけ。
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お聞きいただき、ありがとうよ。
ありがとうよ。また聞いてくれるね。