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夕焼けひとりきり、始まりました。
昭和、二桁生まれのパーソナリティー、ミッキーロンリーがご案内します。
昭和レトロ、今は懐かしい思い出、
明日の心配もせず駆け抜けた昭和の時代、
暖かく優しい昭和の情景、心もままにお話しできればと思っています。
どうぞお付き合いください。
今日は、昭和レトロのお話、
ある地方の都市の文化会館での、
芸術祭でのお話。
昭和の世代の皆さんは、幼い頃、
自分を含めて、友人が文化活動を行っていて、
その応援に行ったり、
発表会でその姿を見た時に誇らしく思えて、
そんな元気をもらったことはございませんでしたでしょうか。
そんなエピソードを、私ミッキーがご案内します。
どうぞお付き合いください。
時は昭和50年代、地方都市の文化会館で、
芸術祭が行われております。
プログラムは午前中から始まり、
フラランスのサークルとか、
津軽ジャミセンとか、合唱コーラスの、
素敵な演奏、演技を披露してくださり、
観客の皆さんはとても喜んでいます。
そして、ある少女がピアノの前に立ち、
お辞儀をして発表します。
その彼女の名は時代。
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観客の中には、Jさん、ホープさん、
そして、北海道さんも、
彼女の出演にギリギリ遅刻しそうであったけれども、
間に合いました。
そして、秋和くんがこっそりと見ています。
秋和くんは、実は中学生を卒業して、
高校生になった時に、
違う学校になって、
時をちゃんとは少々疎遠になっていました。
出演の知らせを聞いて、
少し応援するのが気恥ずかしかったようです。
なぜなら、学業の成績も。
そして、彼女は幼馴染で、
気心を知れた、一番身近な存在だったんだけれど、
彼女は学業も成績が優秀。
そして、スポーツも運動神経抜群。
あまりにも自分の存在と開きがあって、
彼はその立ち位置に悩んでいました。
彼女の迷惑になることはしたくない。
自分の幼い頃から、
大和のように彼は思いにふけている。
富士山公園で一緒に遊んだこと。
自分の野球の応援に来てくれたこと。
彼女はゴム飛びが得意で、
そして、おみこしの応援にも来てくれて、
チョコレートをくれたこととか。
そして、自分の初恋の時も、
何ひとつ嫌な顔せず応援してくれたこと。
そして、勉強のことも教えてくれることも、
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彼女は試みようとしたのを自分は拒否してしまった。
やはり大事な人だから迷惑はかけたくない。
彼の精一杯の気持ち。
中学に入る時、桜並木で誓ったのを覚えている。
自分の強がりだったんだけれども、
強くて優しい人になりたい。
そして、彼女は世の中の人を助けられるような、
そんな人になりたいっていうことを地面に手をかざして言ってた。
そして、もうひとつの手は天に向かってた。
やはり少女の頃から、まるで女神のような存在だった。
眩しすぎる。
そして、今、彼女はアカシという曲と、
旅立ちの日に素敵なピアノの演奏を聴かせてくれている
観客の人たちは、まるで彼女が天国から降臨したかのように。
そして、黙って。
胸の中にメッセージが届いて、
人それぞれの思いの花を開かせているかのような演奏だ。
Jさん、ホーブさんは瞼を閉じたまま。
そして、北海道さんは、なぜか天井を見上げている。
なぜか、涙が頬を伝っている。
こぼれないように真上に向かって、北海道さん、涙もろいんだな。
あれ、僕、秋和も、どうしてだ。
なんで、悲しくないのに、この頬に伝わるものは涙なのか。
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演奏が終わった。
みんな、拍手だ。
話は変わります。
今日は、石川玲人のお話として、
ある市民の文化ホールで、
芸術祭が行われていました。
様々な地元のサークルが発表する中で、
ある少女のピアノの演奏が、
観客の皆さんの空気を変えてしまいました。
もちろん、皆さんの発表や演奏は、とても素晴らしく、
感動しましたけれども、
やはり、ジェイサン・ホープさん、北海道さん、
そして、秋和くんには特別な思いがあったようです。
そんな一日を取り上げてみました。
今日は、夕焼け一人きり、
この辺りでお話を終わりたいと思います。
お付き合いしていただき、本当にありがとうございます。
次回の番組、お楽しみに。