#010|アート×テック|開かれる現場|京都モダン建築祭|61件の非公開建築|ラピダス|公的支援2.6兆円|国産2nm半導体|OptQC|光量子コンピューター|常温で動く量子計算|ディープテック|資金調達5倍|石上純也|バラガン賞|MeeFM
2026-10-26 20:24

#010|アート×テック|開かれる現場|京都モダン建築祭|61件の非公開建築|ラピダス|公的支援2.6兆円|国産2nm半導体|OptQC|光量子コンピューター|常温で動く量子計算|ディープテック|資金調達5倍|石上純也|バラガン賞|MeeFM

今朝の通常回「アートの扉が開くとき」の続きとして届ける特別編。テーマは「開かれる現場 ― アートの扉も、テクノロジーの扉も」です。普段は入れない61件の建築が開く京都モダン建築祭(10月31日開幕)、公的支援の総額が約2.6兆円にのぼる国産2nm半導体プロジェクト「Rapidus」、常温で動く光量子コンピューターを開発する東京大学発スタートアップ「OptQC」――閉じていた現場が開くとき、何が起きるのかを掘り下げます。ディープテックへの資金調達が10年で5倍になったお金の流れ、世界の投資家が大阪に集まったGlobal Startup EXPO、そして石上純也のバラガン賞受賞まで。番組の中盤には「今日の1曲」(ジャズ)を挟む特別構成でお届けします。英語の姉妹番組「MeeFM Tokyo Tech」も本日スタートしました。

この番組を作っているチームのアプリ「Moshilin」では、世界中のアート好きやエンジニアと音声ルームで直接話せます。日本のテクノロジーの話題を、海外のエンジニアと現地の声で話してみてください。

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♪今日の1曲:ジャズ(番組中盤)


■参照サイト

ELLE/京都モダン建築祭で見逃せない、一般非公開の名建築5選 - https://news.yahoo.co.jp/articles/063bed329cbd2fb66ac1f4346625315c711bc32f

朝日新聞/Kyoto Modern Architecture Festival to show 150 buildings - https://www.alojapan.com/1556627/kyoto-modern-architecture-festival-to-show-150-buildings/

京都モダン建築祭 公式サイト - https://kyoto.kenchikusai.jp/

Casa BRUTUS/石上純也、国際建築賞「バラガン賞」の初代受賞者に - https://casabrutus.com/categories/architecture/495488

美術展ナビ/「種と根っこー都市の耕し方」東京オペラシティ - https://artexhibition.jp/topics/news/20261025-AEJ3024098/

東京オペラシティ アートギャラリー 公式サイト - https://www.operacity.jp/ag/

TRILL/詳しくなくても楽しめる美術館 300名調査 - https://trilltrill.jp/articles/5085336

三鷹の森ジブリ美術館 公式サイト - http://www.ghibli-museum.jp/

Artful Japan/Seed and Root Opening Report - https://artfuljapan.com/news/article/01M5E5J9KF3GQYNBACK8950KQE/

TrendForce/Rapidus Launches Back-End Prototype Line; Japan Adds ¥631.5B - https://www.trendforce.com/news/2026/04/13/news-rapidus-reportedly-launches-back-end-prototype-line-japan-adds-¥631-5b-to-support-2nm-push/

Japan Local Insights/One Fab, One City, One Very Expensive Land Boom - https://japanlocalinsights.substack.com/p/one-fab-one-city-one-very-expensive

Storm Media/Japan Floats U.S. Listing for Rapidus - https://world.storm.mg/articles/1168251

産経ニュース/創業2年で200億円超調達 東大発のOptQC - https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-_economy_business_2RODECX7QNL2DJMMFCI2F3Q45E

Initial/国内ディープテック・スタートアップの現在地 - https://initial.inc/articles/japan-deeptech-startups-2026

Funds Startups/100億円規模のオールステージ・ディープテック・デットファンド - https://startups.funds.jp/news/xxFDuAf-

PR Newswire/Global Startup EXPO and Nippon Startup Awards 2026 - https://www.prnewswire.com/news-releases/global-startup-expo-and-nippon-startup-awards-2026-meti-showcases-japans-deep-tech-results-302912264.html

EIN Presswire/Jurin AI Selected for Singapore and UK Accelerator Programs - https://globalization.einnews.com/pr_news/951214528/jurin-ai-selected-for-singapore-and-uk-accelerator-programs-as-it-expands-beyond-japan

The SaaS News/DJ Insight Raises ¥20M Debt Financing - https://www.thesaasnews.com/news/dj-insight-co-ltd-raises-20m-debt-financing/

HackerNoon/Top 30 Best Cities to Launch a Startup in 2026 - https://hackernoon.com/top-30-best-cities-to-launch-a-startup-in-2026

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00:04
重くて分厚い鍵のしっかり閉まった扉の前に立った時って、あなたはどう感じますか?
そうですね。なんか中に何があるのか知りたくてワクワクしますよね。
ええ。でもその反面、その扉がずっと閉ざされていたのには何でしょう、何か深い理由があるんじゃないかって。
ああ、なるほど。
なんかそういう恐れみたいなものを感じませんか?
確かに、閉ざされていること自体がある種の権威というか、神聖さとか安全性を担保していることはよくありますからね。
私たちは守られていると感じる一方で、同時にそこから完全に排除されているとも感じるわけです。
そうなんです。でも、もしその分厚い扉が外の世界に向けて一斉にバーンって開かれたとしたらどうなるでしょうか?
ええ。
そこにどんな熱狂やあるいは摩擦が生まれるのか。
いつもお聞きいただきありがとうございます。
ありがとうございます。
今回は毎朝のアートニュースミニFMの特別編として、いつものアートの話題に日本の最新テクノロジーとかスタートアップの動向を混ぜた特別な深掘りリサーチをお届けします。
はい、楽しみですね。
今日のソース全体を貫くテーマはズバリ開かれる現場、アートの扉もテクノロジーの扉もです。さて、これを紐解いていきましょうか。
アートとテクノロジーって一見すると全く異なる分野に見えるじゃないですか。
全然違う世界ですよね。
でも、実はどちらの世界でも今、閉じて守る時代から開いて生き残る時代への強烈なパラダイムシフトが起きているんです。
パラダイムシフトですか?
はい。まずは物理的な扉が開かれるという非常に美しくて、かつ切実な事例から見ていきましょうか。
あ、京都の話題ですね。
はい。
10月31日から開幕する第5回京都モダン建築祭のことですね。
まさにそれです。
本当にすごい規模になっていて、今年は過去最多となる61件もの名建築がパスポート形式で公開されるんです。
61件ってすごい数ですよね。
そうなんですよ。前期と後期、それぞれ3000円で、両方投資で買うと5000円なんですけど、なんと昨年は7万人もの人を動員したんです。
7万人。
しかも驚くことに、その半数が40代以下だったそうなんですよ。
へー、それは興味深いですね。
普段は絶対にアクセスできない空間が可視化されることで、若い世代の知的好奇心を強く刺激しているんでしょうね。
特に注目なのが、普段は一般飛行会の京都ハリストス聖教会なんです。
ああ、あの有名な。
1903年春光で松室重光が設計した日本最古の大型木造聖堂ですね。
あのロシア・ビザンチン様式の荘厳な空間がついに開きます。
それはぜひ見てみたいですね。
それから安藤忠夫さんが1984年に設計した商業建築、タイムズも新規参加します。
高瀬川の川面を庭として取り込んだあの名建築ですよね。
建築として素晴らしいのはもちろんなんですけど、ここで私たちが注目すべきなのは、
03:00
なぜこれほど貴重な、しかも個人所有だったり現役で使われている施設までが一斉に扉を開くという決断を下せたのかっていうその仕組みなんです。
仕組みですか。
背景にあるのは極めて現実的な維持費という経済課題なんですよ。
ああ、維持費。でもちょっと待ってください。
素朴な疑問なんですけど、貴重なアンティークの箱みたいな木造建築に、
いくらお金をもらうとはいえ、7万人もの人間を入れたら維持するところが痛んでしまいませんか?
まあ、確かにそう思いますよね。
湿気とか床のすり減りとか、保存と公開って完全に矛盾しているじゃないですか。
それは単なるジレンマではなくて、保存に関わる専門家たちの間で常に激しい議論の的になる残酷な現実なんです。
おっしゃる通り、保存だけを考えるなら、真空パックにして誰も入れないのが一番痛まないんです。
ですよね。
しかし、完全に閉ざして国や自治体の補助金が下りるのを何年も待っていれば、建物はあっという間に朽ち果ててしまいます。
なるほど。待っている間に壊れてしまうと。
ええ。だからこそ、あえてリスクを取って開く戦略を取っているんです。
企業からの協賛金とかパスポートの収益を修繕資金に直接回す仕組みですね。
ああ、自分で稼ぐわけですね。
そうです。さらに開くことで次世代のファンを獲得して、将来的な寄付や支援の基盤を作る。
これは単なる文化イベントじゃなくて、歴史的建造物が現代の資本主義社会で生き残るための非常にしたたかな生存戦略なんですよ。
閉ざして朽ちるのを待つくらいなら、リスクを取って開いて生き残るということですね。
その通りです。
そして、この生き残るために莫大な資本が必要だから外部に扉を開くという力学は、何も建築の維持費の話に留まりません。
と言いますと?
これをより大きな視点、つまり国家レベルの巨大な産業に当てはめてみると、
日本の半導体産業が今、まさに同じ理由で世界に向けて再び扉を開き直していることが見えてくるんです。
ここからが本当にスケールの大きな話になってきますね。
舞台は京都の歴史的建造物から北海道の広大な大地、千歳市へと移ります。
日本の半導体産業が世界に開き直す国家プロジェクト、ラピダスですね。
はい、ラピダスですね。
2027年度上半期の2nm世代ロジック半導体の量産化という、ものすごく野心的なスケジュールを掲げていて、
最新ニュースだと、後工程の試作ライン、RCSも本格稼働を始めたそうです。
いよいよ動き出しましたね。
ニュースではさらっと言われるんですけど、正直に言っていいですか。
どうぞどうぞ。
2nm世代とか後工程って一体何のことなんでしょうか。なぜそれがそんなに重要なんですか。
専門用語が多いですよね。ちょっと整理しましょうか。
まず、ロジック半導体というのは、データの記憶ではなくて、計算や処理を行う頭脳にあたるチップのことです。
06:03
ふむふむ、頭脳ですね。
そして、2nmというのは、そのチップの中にあるトランジスタというスイッチのサイズの指標なんです。
1nmは1mmの100万分の1ですね。
1mmの100万分の1、想像もつかない小ささですね。
このスイッチが小さければ小さいほど、一つのチップにたくさん詰め込めるので、計算速度は上がり、消費電力は下がるわけです。
なるほど。
現在主流の最先端が3nm世代ですから、2nmは次世代のトップランナーというわけです。
じゃあその後工程というのは?
後工程というのは、作られた細かいチップを実際にスマートフォンとかAIサーバーに組み込めるようにパッケージングする工程のことです。
パッケージングですか?
はい。今はもうトランジスタを小さくする技術が物理的な限界に近づいているので、
複数の小さなチップをブロックのように立体的に組み合わせる後工程の技術が、性能を左右する最大の鍵になっているんですよ。
なるほど。頭脳を極限まで小さくして、それを立体的に組み立てる技術の最先端を北海道で作ろうとしているんですね。
そういうことです。
でもお金の規模も規格外ですよね。経済省庁が新たに6,315億円を追加して、これまでに投じられた国費の総額は、なんと2兆3,500億円以上です。
この巨額の投資の背景には、実は過去の強烈なトラウマがあるんです。
トラウマですか?
ええ。1980年代、日本の半導体産業って世界市場の半分を握る圧倒的な王者だったんですよ。
聞いたことあります。
しかし、日米半導体摩擦によって市場の扉を閉ざされてしまって、その後は完全に競争力を失ってしまったんです。
つまり、閉ざされて朽ちてしまったわけですね。
はい。だからこそ今回は、設立当初からアメリカのIBMと提携して、NINANOの技術を共同開発しているんです。
なるほど。最初からアメリカと。
ええ。ラピュタスは伝送や記憶試やMUFGなど日本企業8社の出資と、国からの2,500億円の支援で立ち上がりましたが、
自民党の山際議員が将来的な米国での上場や米国生産の可能性にまで言及しているのはそのためです。
アメリカ進出まで見据えているんですね。
かつて閉ざされた扉を、今度は自らアメリカへ、そして世界へ開くことで、台湾のTSMCとの2年の遅れを一気に取り戻そうとしているわけです。
過去の教訓から世界と組む戦略を取っているのはよくわかります。でもここであえて厳しい見方をさせてください。
はい。何でしょう。
ラピュタスって、まだ量産を約束した顧客が確定していないですよね。
まあそうですね。
それなのに千歳市の地下だけはホテルやマンションの建設需要で爆上がりしていると国土交通省の調査にも出ています。
これって出口である顧客が見えないまま、数兆円規模の工場という巨大な箱の扉だけを開けようとしているとんでもないギャンブルに見えませんか?
それは非常に重要で、かつ痛いところをつく指摘ですね。工場というハードウェアを作っただけでは当然誰も買ってくれませんから。
09:07
ですよね。
しかしラピュタス側もただ黙って顧客を待っているわけではないんです。
彼らが今急ピッチで進めているのがラピュタスコアという設計支援のエコシステムなんですよ。
設計支援のエコシステム、それはどういう仕組みなんですか?
半導体の設計というのは信じられないほどお金と専門知識がかかるんです。
はい。そこでラピュタスは自社の工場でチップを作りやすくするための設計図の土台とかツールを海外の半導体設計会社、
特にインドや東南アジアのデザインハウスに向けてオープンに提供しようとしているんです。
オープンに?
ソフトウェアの世界で言うオープンソースのような発想ですね。
顧客がアクセスしやすいように設計の扉を世界にフルオープンにして自分たちへの道を作っているんです。
なるほど。工場が開くのを待つんじゃなくて設計の段階から外部を巻き込んでいるんですね。
そういうことです。
ただ、一企業の工場が地方都市の経済をこれほど急激に変えてリスクを集中させている事実は、私たちは注視し続けなければいけない問いですね。
この開かれたエコシステムが本当に機能して顧客を呼び込めるのか、まさに今が正念場だと思います。
さて、ここで少し私たち自身の番組を振り返ってみたいと思います。
はい。
今朝の通常放送第7話をお聞きいただいたあなたにはおなじみですが、今朝は専門知識がなくてもアートの扉は開かれるという話をしましたよね。
しましたね。
詳しくなくても楽しめる美術館の第1位に選ばれた三鷹の森ジブリ美術館や東京オペラシティアートギャラリーで開催中のタネとネッコ展。
どちらも、事前知識がなくても空間を互換で楽しめる非常にオープンなアプローチでした。
アートの世界における初心者への扉の開放と、ラビダスが海外の設計会社に向けて行っているエコシステムの開放、対象は全く違いますけど、
専門家や身内だけで閉じていた領域を外部に開くことで、新しい参加者と価値を呼び込もうとしている点では見事にリンクしていますよね。
そうなんです。そして、まさにその開かれる体験をリスナーのあなたにも直接味わってほしいんですよ。
ここで、今日の一曲をお楽しみください。今日はジャズでお届けします。
12:10
ここで、私たちの番組制作チームが手掛けているアプリ、モシリン、モシリンの話を少しさせてください。
はい。
実は私、昨日の夜、このラピダスのリサーチ資料を読みながら、モシリンの音声ルームに入ってみたんです。
ほうほう、どなたと話したんですか?
台湾の半導体エンジニアの方です。
え、台湾の?
はい。正直、台湾の技術者から見て、ラピダスの動きって脅威に感じるって直接聞いてみたんですよ。
それはすごい行動力ですね。何て言ってましたか?
そしたら、エコシステム作りは面白いけど、量産のノウハウはそんなに甘くないよって、すごくリアルな意見を聞けました。
それは面白いですね。でも専門的なテクノロジーの会話だと、言語の壁が大きな障害になりそうですが。
そこがモシリンのすごいところで、22言語以上のリアルタイムAI翻訳と字幕が付くんです。
ああ、なるほど。
だから、私は日本語で、相手は中国語で、普通にテックダンギが成立しちゃったんですよ。
それは画期的ですね。
テクノロジーの未来について海外のエンジニアと議論したり、京都のモダン建築の美しさについて海外のアート好きと語り合ったり、言語の壁という一番厄介な扉も、今はもう完全に開かれているんです。
へえ。
ぜひ、あなたも今日の話題を海外の人と話すのに使ってみてくださいね。
それは知識をインプットするだけでなく、自分の世界を開く素晴らしいツールですね。
さて、巨大な国家予算と広大な土地を使った開国の話の後は、ある東京のスタートアップが、研究室の奥深くから社会へと開こうとしているもう一つの究極の扉の話をしましょう。
光漁師コンピューターの話題ですね。
はい。東京大学初のスタートアップ、オプトQC、オプトQCです。
なんと、2024年の創業から、わずか2年で200億円超無の資金を調達して。
200億ですか。
はい。モクレン、モクレンという日本企業初の実機を既に稼働させているんです。このスピード感、ちょっと異常ですよね。
ここで重要なのは、彼らの技術がなぜゲームチェンジャーと呼ばれて、これほどの資金を集められたのか、そのメカニズムです。
メカニズム。
従来の漁師コンピューターというのは、極低温、つまり絶対冷度に近い特殊な冷却環境が必要だったんです。
めちゃくちゃ冷やさないといけないってことですね。
ええ。しかし、オプトQCの光方式は、なんと常温、常圧で動作するんです。
常温で動く、それってどれぐらいすごいことなんですか?
従来の漁師コンピューターは、例えるなら極めて繊細な氷の彫刻のようなものです。
ほんの少しでも熱を持った空気が触れただけで、漁師の状態が壊れて、ただの水になってしまう。
なるほど。
だから、巨大で複雑な冷却装置の中に閉じ込める必要がありました。
15:03
はいはい。
しかし、オプトQCが使っている光、つまり光子は、周囲の熱の影響をほとんど受けないんです。
例えるなら、部屋の中に張り巡らされた鏡にレーザー光線を反射させているようなものです。
レーザー光線ですか?
ええ。部屋が暑かろうが寒かろうが、レーザー光線は影響を受けずに飛び続けますよね。
ああ、なるほど。氷の彫刻とレーザー光線の違いですか?
そういうことです。
つまり、SF映画に出てくるような巨大な冷却装置に入っていたスーパーコンピューターの代わりに、
サーバーラックみたいなものを普通のオフィスの室温のまま置けるようになるってことですか?
まさにその通りです。だからこそ、消費電力も一般的な過電レベルにまで下がると言われているんです。
過電レベルの電力で利用者コンピューターが動くなら、産業界がこぞって投資するのもわかります。
でもちょっと待ってください。
はい。
専門的なスタートアップ用語になってしまいますが、ディープテックに関するスピーダのレポートデータを見ると恐ろしい事実がありますよね。
ああ、死の谷の話ですね。
はい。シード期、つまり創業直後の赤ちゃんの段階での資金調達は早くても、そこから技術を成熟させて量産化に向かうシリーズDと呼ばれる段階以降に進むには平均して112ヶ月、つまり9年以上もかかるというデータ
があります。
創業たった2年の企業が巨大なグローバル企業に飲み込まれずに、この長い谷を生き残れるんでしょうか?
素晴らしい視点です。
ディープテック企業というのは技術開発に莫大なお金がかかるのに、製品が売れるようになるまで途方もない時間がかかるという矛盾を抱えています。
ですよね。
しかし、ここで注目すべきは、今回70億円の増収を主導したNTTなどの大企業のスタンスなんです。
彼らは単なるお金の出し手、スポンサーではありません。技術を社会実装するためのパートナーとして動いているんです。
パートナーとして動くことで、篠谷を超えられるんですか?
ええ。オプティQCが生き残るための最大の鍵は、大学の研究室という閉ざされた環境から、いかに早く社会、つまり産業界へ扉を開いて、具体的な使い方、ユースケースを作れるかにかかっています。
なるほど。
NTTが持つ巨大な通信インフラや、共セラ、住友商事といった企業の事業基盤、そうした大企業の社会への扉を借りることで、9年も待たずに一気に社会実装へと駆け抜けようとしているんです。
だからこそ、この短期間での巨額調達が可能になったと。
そう言えますね。
なるほど。自分たちだけで技術を囲い込むのではなくて、他社の基盤を使ってでも社会に開くスピードが生存を分けるんですね。
まさにそういうことです。
さて、あっという間に時間が来てしまいました。結局なところ、今日のリサーチ全体を通して、これってどういう意味を持つんでしょうか。
そうですね。今日の事例を振り返ってみましょう。
はい。京都の歴史的建築が痛むリスクを取りながらもパスポートで一斉公開されること。
18:03
ラビダスが数兆円規模の工場を作り、海外の設計会社に向けてエコシステムをオープンにしていること。
そして、オプティキューシーの光量子コンピューターが大企業の基盤を借りて研究室から社会へと飛び出してきたこと。
はい。全てに共通しているのは、閉じて守る時代が完全に終わったということです。
リスクを取ってでも外部に開くことでしか、維持費や国家予算、巨額の投資といった生存のための資本は得られない。
それがアートであれ、テクノロジーであれ、現代のリアルなんだと気づかされました。
まさにその通りです。世界中がこれほど複雑に絡み合って資本の規模が巨大化する中で、孤立したまま生き残ることはもはや不可能ですからね。
はい。そして、この日本のテクノロジーやスタートアップが世界に向けて開いていく最前線を、海外の友人にも伝えたいと思いませんか?
いいですね。
実は本日から、私たちの英語の姉妹番組、「meFM東京テック」がスタートします。
日本のテックシーンの今を世界に届ける番組ですので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
はい。
そしてその感想はもちろん、モシリンを使って世界中の人と語り合ってみてくださいね。
私たちの番組もリスナーの皆さんに対して常に開かれていたいですよね。
はい、もちろんです。
リスナーのあなたも、今日の深掘りリサーチを聞いてどう思いましたか?
ええ。
Spotifyのコメント欄から、本日の感想や、今後こんな話題を深掘りしてほしいというリクエストをぜひ送ってください。
あなたの声が次の番組の扉を開きます。
では最後に私から一つ考えてみていただきたい問いがあります。
何でしょうか。
建築も産業も最先端の技術も、生き残るために全てが世界に開かれていくのだとしたら、
これからの時代、あえて絶対に開かない、閉ざされたままであることを選ぶ者には、
一体どんな究極の価値、あるいは究極の贅沢が宿るのでしょうか。
ぜひ、あなた自身の答えを探してみてください。
深いですね。
全てが開かれる時代における閉ざされたものの価値。
あなたが今心の中に持っているその重くて分厚い扉、開くべきか、それとも閉じたままにしておくべきか。
今日の考察がそのヒントになれば嬉しいです。
それではまた次回の深掘りリサーチでお会いしましょう。
20:24

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