「普通って、いったい何?」――そんな戸惑いを抱える大人たちに、一つの言葉を与えた人がいました。AC(アダルトチルドレン)の概念を世界に広めたジャネット・G・ウォイティッツ。彼女が見いだした「13の特徴」は、なぜ多くの人の心を捉えたのでしょうか。アルコール依存症の家族への支援から生まれたAC概念の歴史と、親を責めるのではなく「世代間連鎖を断ち、自分の人生を生きる」という彼女のメッセージを考えます。
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サマリー
本エピソードでは、アダルトチルドレン(AC)の概念を世界に広めた心理学者ジャネット・G・ウォイティッツに焦点を当てる。アルコール依存症の家族に育った子どもたちの生きづらさに着目し、「ACの13の特徴」を提唱。彼女の研究は、親を責めるのではなく世代間連鎖を断ち切り、自身の人生を生きる希望を与えた。ウォイティッツの功績は、現代の愛着理論やトラウマ研究の先駆けとなり、心の傷の問題が注目されるきっかけを作った。
ジャネット・G・ウォイティッツの紹介とAC概念の発展
精神科の知識を学べる番組、歴史から学ぶ精神科ラジオ。 この番組では、精神改良を作った人々、現在のトピックスを精神科医が解説します。
精神科専門医30年、医学博士で、現在、開業医のマリモ等。 その姉で、障害を持ちの方の就労支援事業所を経営していて、最近車に乗っていてもとても暑いので、毎回日焼け止め、日焼けをしないような手袋をするんですが、
それの付け外しさえ辛くなってくる暑さに参っている、さくらがお送りします。 アダルトチルドレンの行方です。
ありがとうございます。 今回はアダルトチルドレンの話を、もう少し発展させた方を中心にお話ししていきたいなと思うんですけれど、
アメリカのアルコール依存の治療の一環としてアダルトチルドレンという考え方が出てきたんですけどね。 そのアダルトチルドレンという考え方を、もう少し進展した方がいています。
その方がジャネット・ジ・ボイテッツさんです。 前回言ったブラックさんよりも若干年上ぐらいになるんですけれども、この方は心理学者、カウンセラーなのかな。
カウンセラーの方で、このアダルトチルドレンの考え方を世界中に広めた心理学者と言ってもいいと思うんですけどね。
この方の人生や考え方をちょっと見ていきたいなと思うんですけど、ジャネットさんです。
1938年3月ニューヨーク州のグレートネックに生まれました。
アンティオック大学卒業後、モントクリア州立大学で修士号を取られて、34歳からライトガース大学で教育学の博士号も取得されてて、ライトガース大学のアルコール研究センターの教員として研究人生を始められます。
大学附属のアルコールの研究機関ですよ。アルコール依存症に関するね。研究もするし、実際の臨床現場でも患者さんと触れ合うということがあるという方みたいですね。
このジャネットさんというのは、臨床現場でいろんな相談を受ける中で、大人になっても人間関係がうまくいかないとか、自己評価が極端に低いとか、優秀なのに幸せになれないという、アルコールとは直接関係のない患者さんからいろんな相談を受けたということがあるんですって。
その人の話を聞くと、どうも親がアルコール依存症だったっていう背景を持つことが多いということに気づくと。
つまり、親がアルコール依存症だった子どもさんっていうのは、人間関係がうまくいかなかったりとか、自己評価が低いみたいなね、あるいはちょっと幸せになれないと感じている人が多いということに気づくわけですよ。
当時、こういった領域ってあんまり研究されてなくて、彼女はここのところに研究というか、注意を向けるわけですね。
子ども時代の家庭環境が大人になっても、その方の人生に影響を及ぼし続けるんじゃないだろうかということをテーマに研究とか臨床活動に入っていかれます。
ちょうどその頃なんですけども、彼女は結婚して3人の子どもを出産されています。デイビーとダニエル・リサさんなんですけれども。
このジャネットさんは、あんまり自分のことを語っておられないので、よくわかんないんですけれど、ただこのリサさんっていうのはですね、そこそこ有名な企業の方になられてて。
そうなんですか。
ちょっと自分のことを述べたりしてるんですけれども、その中でこのリサさんはですね、お母さんがアルコール依存症の旦那さんとの結婚生活で苦労して、
その中で3人の子どもさんを育てて、その3人の子どもの支援をしないといけないなっていうことを痛感したっていうことが、このお母さんのジャネットのですね、アダウントチルドレン研究の出発点だったんじゃないかって語っています。
ジャネットさんの娘さんの旦那さんが。
違う違う違う。リサがお父さんとお母さんのことを語ってるんです。
そうなん。
そう、つまりジャネットの旦那、つまりリサのお父さんがアルコール依存症だったよっていうふうに娘のリサが語ってる。
なるほど、はいはい。
つまりジャネットが結婚した旦那さんは、おそらくアルコール依存症だって、そこで子どもさんが3人できて、この3人の子どもを育てるのが大変というか、どうすればいいんだろうっていうことを、きっとこのジャネットは気にしてた。
なるほど、自分の子どもさんについてね。
そうだったんじゃないかなって推測するんですけどね。
ジャネットは自分の人生については語っておらず、アルコール依存症の家庭で育った子どもさんの治療ということに満身してですね。
それの本とかたくさんは書くんですけど、自分のことは語ってないので、わかんないんだけど。
リサのこの発言からすると、やっぱりご自身の問題っていうのも結構これは噛んでたんじゃないかなという、あくまで推測ですけどね。
っていう背景を持たれてるジャネットさんがということを考えると、割と納得しやすいというか、なるほどねと思う。
当事者という言い方はあれですけれども、必要に迫られてた彼女自身がね、母親としてっていうことなのかなと思うんですけどね。
なるほど。でもなんかよく気づいてくれましたよね、ジャネットさんが。気づいたよね、我が子どもをね。しんどいとこを。
そう、だからジャネットは本気でどないかしようと思う。っていうか当然やね、自分の家庭やもんね。
自分の家庭をどないかしないといけないと。これっていうのは普遍的な問題に違いないときっと考えて。
アダルトチルドレンという考え方をより発展させたということになるんだと思うんですけど。
代表作『アルコール依存症のアダルトチルドレン』と13の特徴
ジャネットの一番有名な本っていうのが1983年に出版されます。
アダルトチルドレンオブアルコホリクスというですね、アルコール依存症のアダルトチルドレンという本なんですけど、これがですね、最も有名なアダルトチルドレンの本ですね。
これが日本でも翻訳されて売られることになります。
前回説明したですね、クラウディアブラックの本もそうなんですけれども、このクラウディアブラックの本とこのジャネットの本っていうのが割と日本でも流行ることになりますね。
ジャネットが書いた方のアルコール依存症のアダルトチルドレンの方が、割とですね、きっちりアダルトチルドレンのことを書いています。
アダルトチルドレン、どんな特徴を持っているかっていうのを明確にしたんですよね。
この13の特徴があるよと。具体的な内容を覚える必要はないんですけども、簡単に何個か説明すると、自分が普通なのかどうなのかわからないと。
最後までやり遂げることが苦手。他人の評価を過度に気にする。自分に非常に厳しい。楽しむことに罪悪感を覚える。
密接な関係が苦手。必要以上に責任を引き受ける。などの特徴があるということでね。
これは別に診断基準とかそんなんじゃなくて、こんな特徴があるよって書いてるだけなんですけれども。
これジャネットはですね、臨床でいろんな相談者から相談を受ける中で共通して見えた特徴ですよっていうようなことを紹介します。
このアダルト治療でねっていうのが出てくる中で、子どもさんを治療対象にしないといけないよねっていうことを、社会というか医療界に示すわけですよ。
子どもも支援が必要ですよということを言って、生きづらさっていうのが子どもさんも持っているので、生きづらさっていうのが幼少期に持っているのが大人に引き続いていくと。
その方を生きにくい人生にしてしまうということがあるので、ここのところに注意をしていきましょうということをジャネットは言うということですね。
ウォイティッツのカウンセリング活動と講演
ジャネットさんはその後ですね、カウンセリング研究所というのをニュージャージー州に設置してですね、開いてですね、相談者の方と面接したりします。
よくね、ジャネットさんっていうのは講演に呼ばれることになるんですけれども、その中で語っているのは患者さん自身が先生だったと。
私が教えたのではなくて、患者さんが全て私に教えてくれるんですよみたいなことをよく言ってたっていうことですね。
実際、講演が非常に人気でですね、全米を飛び回って年間数百回も講演を行ったっていうね、いうようなことがあって、
講演の後に多くの聴衆者が自分のことを彼女に理解してもらえたというふうに感じたというふうに語っています。
あと、自分はあまり飾らずにですね、専門用語とか使わずにユーモアを交えながら話すことができて、
心理学者というよりは親しみやすいカウンセラーやなというふうなことを感想を持つ人が多かったということみたいですね。
そういうカウンセラーとしても人気だし、講演をする方々になるわけですね。
その後もいろんな本を出して、The Struggle for Intimacyとかっていう1985年に出した本があるんですけれども、
密接な関係を築くための苦闘みたいなね、恋愛関係とか夫婦関係の問題の本なんですけれども、
こういった本もアダルト・チルドレの視点からですね、説明したりとかして、一般の方に向けての出版の活動も行うということになります。
AC概念の拡大と世代間連鎖の断ち切り
ジャネットさんなどが活躍する中でですね、アメリカの中でなんですけれども、
このアダルト・チルドレンという意味が拡大してくるんですね。
この80年代の後半には、このアダルト・チルドレンというような障害を持っている子供っていうのは、
アルコール依存症のいる家庭に子供以外にもいるっていうことがわかるんですよね。
そういった子供さんっていうのを、機能不全家族で育ったアダルト・チルドレンと呼ぶようになった。
つまりアルコール依存症だけじゃなくて、それ以外にも問題を持っている家庭っていうのがあるから、
そういった中で育った子供さんっていうのも、同じような傾向を持つと。
そういった方がアダルト・チルドレンというふうに呼ばれることになるということなんですね。
だからアメリカの中でも、このアルコール依存症だけではなくて、機能不全家族で育った子供たちということで、
意味が若干拡大してくるわけになるんですよ。
そうですね。
あることかなと思うんですけどね。
その中でジャネットが言ってたのが、一貫した考えとして、この世代間を断ち切ると。
つまり親と同じことを繰り返さなくてもいいよっていうことを、実際行うようになるということが大切ですよねと。
それがするためには、親を責め続けるのではなくて、自分の人生を回復することを目標にしましょうと。
ということを繰り返して伝えていたそうです。
つまり、いい親に育てられなかったとしても、自分はいい親になる可能性はあるよと。
そういうことは可能ですよということを伝えたということですね。
それもいろんな工夫をしないとということになるんだと思うんですけれども。
これは現在の逆境的小児期体験とかですね、エジリエンス研究とも共通する視点を持っているので。
先進的、80年代からこんなことも言ってたっていうことは非常に先進的なのかなと思うんですけどね。
ウォイティッツの早逝と現代からの評価
ところがこのジャネットさんっていうのは、94年にがんのために55歳で亡くなっていました。
若いですね。
私たちの年齢よりも下の年齢になりますけれども。
それで亡くなります。亡くなる直前まで執筆とか講演活動も続けられたと言われてますけれども。
現代からですね、2026年から彼女がしたアダルトチルドレンへの評価を考えてみると、
彼女が本に示したアダルトチルドレンの重差の特徴っていうのは、
疾患特異性っていうのはないし、十分に証明はできなかったし、
若干これはアダルトチルドレンという疾患というか証拠群ですよということはできないなとは思うんですけれども。
これって今から考えるとどうやったかというと、いわゆる不安症とか鬱病とか、
愛着障害とかトラウマ反応とかっていうようなことと、現在では診断されるんですけれども。
一つの病像っていうのはちょっと言い過ぎなんちゃうかなっていうのは正しい。
現在の考え方なんですけどね。
ただ彼女が社会に広めたっていう歴史的な功績もあるなって言われてるんですけど。
そうですね。
これがその依存症の家族で育った子供っていうのは、
今までは医学とか心理学の周辺部分に置かれてて、
あんまり中心には考えられてなかったんやけれども、
でも実はその影響が成人後も続いて、
その方の人生に大きなウエイトを占めることがあるので、
この考え方っていうのは結構大切ですよということを社会に提示したという意味で言うと、
結構大きな働きがあったんちゃうかなって言われてますね。
2000年代以降、精神学の中で注目されるこの愛着理論とかね、
トラウマ理論とか逆境的傷肉体験とか言われる、
結構子供の頃に受けた心の傷問題っていうのが注目されるんですけれども、
これの先駆けになってたんですよね。
もちろん現在のこういった研究っていうのは、
より厳密な科学的な手法で発展してくるので、
科学になってるんですけれども、
このジャネットとかが言ってた時代のアダルトシルデンっていうのは、
もっとふんわりした、こんな感じっていうことがあるんですけれども、
ただでもその内容自身っていうのは、
現在の科学の内容と通じるところがあるのでね、
非常に臨床的な洞察というか、
勘が鋭かったんだなと思うんですけどね。
30年経っても彼女たちが言うてたことっていうのは確かにそうですよねっていうことで、
直感的には支持されるところもあるという意味で言うと、
優れた臨床家だったんだなと思うんですけどね。
AC概念のまとめと現代への影響
まとめますとですね、
このアダルトシルデンっていうのは、
アルコール依存症の家庭で育った子供から、
機能不全家族で育った子供たちにも注目しないといけないし、
そういった障害というか辛さっていうのは、
大人になっても続くよっていうことを提唱して、
そういったことをちょっと注目していきましょうという考えの始まりだったっていうことですね。
広がった広域的な解釈っていうのが、
やっぱりアメリカでもあったんですね。
80年代後半にね。
日本ほどじゃないんやけれども、
アメリカでも割と流行ったみたいですわ。
そうですか。
このアダルトシルデンっていう言葉についてね。
やっぱり生きにくいって感じてる方が多かったってことよね。
そうですね。
いろんなきっかけがあったとしても。
生きづらさっていうのはどっから来てるんだろうって考えたときの一つに、
自分の幼少期のいろんな出来事っていうのがあるんやねっていうのに、
みんな気づくようになってきたっていうことかな。
それをみんな多くの方々がそうですよねって支持するようになってきたってことなんかな。
まだ学問的な成熟は待たんといけないんですが、
それよりも先にこういった言葉とか考え方っていうのを広げたっていう功績があったんかなと思いますね。
なるほど。
何か桜さんありますか?ここで振ったりして。
前回もそうだったんですけど、
生きづらい環境になるのが、
親がアルコール依存症だったり、その他いろんな原因があると思うんですけど、
そういう子たちに目を向けられる世界っていうか、世の中になってきたっていうのは、
言い流れではあったんやろうなと思って。
そうね。
患者さん本人じゃなくて、子どもさんに目を向けようっていうのは、
ジャネットさんがご自身のお子さんのことっていうのがきっかけだったかもっていうことなんですけど、
すごく今、現代に通じては非常にありがたい気づきというか、スタートだったんじゃないかなって思いました。
本当ですよね。やっぱりそういったことに気づいて発表してっていうようなことがね、やっぱりすごいですよね。
誰も言ってないというか、自分で気づいてっていうことでもね。
今ね、私の障害福祉なんかでも、個人のご本人さんの情報だけじゃなくて、必ず家族の情報って若干入ったりするんですよね。
必要な場合に。
これがフェーズシートみたいな関係図でもあるんですけど、どういう方が関わっててとかっていうのもあるんですけど、
こういうアダルト、チルドレみたいな生きにくい方のところから、多分脈々と成長しながら育ってきてるんだろうなと思って想像してました。
こういった積み重ねで、現代の医療というか福祉のですね、考え方が一つ立ってきてるんやろうなと思うんですね。
そういう背景とかを知っていると、その方を対応するのにより適切にしやすくなりますよね。
本当にそれはそうなんです。本人さんだけではどうしても解決できないことっていうのが繋がっていることありますからね、家族さんが。
みんながみんなじゃないですけどね。
中にそういった問題って意識しないといけない方っていてますもんね。
そうですね。
ただ、そこを知っててより適切にというか、いい声かけができたりとか、いい介入ができるっていうことがあり得るので。
番組の告知
じゃあ一旦終わりましょうかね。
はい。
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