はじめに:写経に関する質問
はいどうも、こんにちは。ライトノベル作家の片沼ほとりです。 この番組では、普段は小説を書いたり、創作を教えたりして生きている片沼ほとりが、日々の日常で思ったことだったり、創作のあれこれをザックバラに話していきます。
今日はですね、創作の質問がmondに届いていたので、答えていきます。 まずは読み上げます。
こんにちは。以前、良い作品を一言一句違わず映すのが良い勉強になると見た記憶があるのですが、それをする場合、映した文の横に、なぜこういう表現なのか、なぜこうするのが良いのかを考察し書き込むのが良いかなと思いました。
他に書き込んだ方が良いことはありますか? あとパソコンより手書きの方がいいですか?ということで質問ありがとうございます。答えていきます。
写経の有効性と片沼ほとりの経験
まあいわゆる社教って呼ばれるものですね。 自分が好きな作品とか気に入った作品の文章っていうのを写して勉強しましょうというもので、確かに効果的な方法だなと言われています。
ただ多分僕の書いたことではないですけど、良い作品を一言一句違わず映すのが良い勉強になるっていうのは多分僕が過去に発信してきた内容じゃない気がするんですけど、あんまりこういうこと言った覚えがないので、僕だったらすいません。
というのもですね、僕はこの社教っていうのをやったことが実はそんなになくて、これ自体は有効な方法だと思うんですけど、僕はやってなかったという話です。
やろうとしたことも何回かあるんですけど、2、3ページやってみて、なんかもういいやって言って効率悪いなと思って一瞬でやめちゃいました。
まずその理由を説明しておくと、僕はねかなりいろんな勉強法を思いつく限りやってきたんですけど、社教をやらなかった理由としては、
身も蓋もないことを言ってしまうと、元から文章力がある程度あったというか、読める文章が欠けた。こういうと元からできたんじゃんっていう話ですけど、
ライトノベルの自体、そんなに文章力が求められてないジャンルだったからっていうのがあるかなと思います。
なので、自分は今は文章力っていうところがボトルネックなわけではないな、もっと他に伸ばす場所があるなっていう判断をしたので、
やってこなかったし、今も特にやってないんですけど、今の自分にとっても文章力がボトルネックとは考えてないんでやってないんですが、
とはいえ、今文章力が必要だって思うんだったらやるべきだと思いますし、ちょっとやったことはないんですけどっていう前提で、
自分がもしやるんだったらこういうことを考えた方がいいんじゃないかなという体で答えていきます。
写経で考察すべき点:読者視点
じゃあどういうことを書いていくかっていうときに、なぜこういう表現なのか、なぜこうするのがいいのかを考察して書き込むっていうのは、これはもうめちゃめちゃいいと思いますね。
やっぱり漠然と右を見ながら左に書いていくみたいな、何も考えないっていうのは、それはそれで全く身にならないわけではないと思うんですが、
やっぱり創作っていうのは自分の頭で考えた分だけ成長するので、自然に考えますよね、こういう分析みたいなのをしていくと。
なので、それはすごくいいかなと思いました。
というか、なぜこれがいいのかっていうのが社教のほぼ全てだと思うんで、この2つ以外に書き込むことがあるのかって言われると難しいんですけど、
ちょっと絞り出して考えて、強いて言うんだったらこの2つどうかなっていうのを提案してみます。
まず1つがですね、この文章を読んだ時に読者はどんな感情になっているかっていうのは1つ要素としてあっていいかなと思いました。
読者視点大事みたいなのはずっと言ってるんですけど、文章っていうので、悪い文章みたいなのを僕もアマチュアさんの原稿とかよく読むんで見るんですけど、
悪い文章どうなってるか、あるいはどういうアドバイスをすることが多いかっていうと、ちょっと読者の視点に立ててないよねっていう話をするんですね。
というのはどういうことかっていうと、作家の頭の中には全部あるんですよ、もう。
そのストーリーとか状況、起こってる状況とかがあるから、それを原稿にする時に何か読者視点が欠けてると、読者にとって不親切な説明とか不親切な描写っていうのが起こったりすることがあるんですよね。
例えばそれは文章で言うと情報の順番かもしれないですね。
読者っていうのは前から順番に情報を読んでいって、情報が前から順番に入っていくんですけど、それがふさわしくない。
順番になってると混乱するとか。
作者の頭の中ではキャラクターの行動原理っていうのが筋が通ってるんだけど、その筋が通ってる理由っていうのが提示されていない。
後から出てくるとか前に出てないせいで納得感がないみたいな、こういうことはあります。
なので、この文章を読んでいる時に読者はどんな感情か、あるいはどんな情報を持っているかとか、あるいは何に期待しているかとかね。
そういう読者の感情っていうのを一個一個考えながら、感じながら社協していくと、それに応えてる文章になってるなぁとか、そういうことがわかってくるんじゃないかなと思います。
これが一つです。
写経で考察すべき点:自分ならどうするか
もう一つは、自分ならどうするかですね。
これは商業作品に転作するのかみたいな話なんですけど、この思考はあってもいいと思っています。
別に商業作品が全て100点正解だっていうわけではないので、自分だったらこうするよなとか、こっちの方が絶対いいだろうみたいなのはあると思うし、
やっぱりいろいろ考えながら読んでいると浮かんでくると思うんで、それを素直に書いておく。
基本的には、特にアマチュアの場合は商業作品の方が正解であることは多いと思うんですけど、そういうことを考える一環としてやっていってもいいんじゃないかなと思います。
なぜこっちの方がいいのか。商業作品の方は自分だったらこうするけど、なんでこうやってるんだろうみたいなことを考えてもいいし、いろいろ考えた結果、やっぱり自分が思いついた表現の方がいいわみたいな。
でもいいと思うんですが、そういうところをやっていくのがいいんじゃないかと思いました。
まあでもこの2つぐらいですかね。
映してね、しかもその横にどんどん分析書いていくってめちゃめちゃ時間かかると思うんですが、やるんだったらこういうところを気にするのがいいかなと思います。
写経の方法:手書きかパソコンか、音読のすすめ
で、パソコンと手書きどっちの方がいいですかっていう話ですけど、
まあこれもね、さっき言った通り考えれば考えた分だけ、あるいは時間をかけた分だけ良くなると思うんで、
まあ効率を度外視すれば手書きの方が効果は高いんじゃないかなと思いますけど、
まあ現実的に難しいというか時間がないっていうことだったらパソコン、というかまあ普通はパソコンでやるんじゃないですかね。
もし僕が仮に今何か文章力を課題に感じたとしてやるってなったら、まず音読から試す気がしますね。
やっぱり普通に読む、目読より音読、音読よりパソコンでのタイピング、タイピングより手書きっていう風にどんどん効果が上がっていくかなと思います。
どんだけ時間が許すか考える量が増えるということなんで。
もし大変でだったら手書きでずっと続けててやっぱりやってられるなみたいな僕みたいに思ったとしたら、
最初は手書きでやって10ページとか、そんだけは手書きでやって何か掴めてきたなと思ったら、
その掴めたものを感覚に染み込ませるためにタイピングに移っていくみたいなのもいいかなと思いますね。
結局自分で文章を書くときはタイピングでやるんで、そこでその感覚っていうのを染み付けるのもいいのかなと思います。
というわけで、僕の社協をするんだったらこういうのがいいんじゃないかとか、社協に対するスタンスの話でした。
ライトノベルにおける文章力と構成の重要性
最後なんですけど、今まで言ってきたことをちょっとひっくり返すような話になるんですけど、
先ほども言った通りですね、一般的なライトノベルを、この方がラノベを志しているか質問からはわかんないんですけど、
僕みたいにラノベで新人賞とかウェブ小説デビューしたいってなったときに、文章力はそこまで重要ではないっていうのは一個理解はしておいていいかなと思います。
どちらかというと、細かい文章とか表現の綺麗さとかよりキャラストーリーの方が大事だっていうのがラノベです。
これがちょっとジャンルが違えばまた変わってくるのかなとは思うんですけど、そういう綺麗な表現が求められるジャンルっていうのは僕は詳しくないんで、
ラノベの話をするとそういう感じです。
特にライトノベルだと、特に最近ですね、漫画の原作になるとか将来的にアニメ化するみたいになったときに、
そういう作品になった、メディアミックスしたときには文章力っていう要素って一番最初に剥がれるというかなくなる部分なんで、
そういう意味でも重視されてないのかなっていう業界的に思いますね。
文章が悪くてもストーリーが面白ければ、漫画とかアニメになった時には面白いわけです。
たまにありますよね、漫画がすごいヒットして原作の文章力めっちゃ下手だみたいな叩かれるみたいな、
まあまあなんかそれ残念だなと思うんですけど、でもストーリーがキャラクターがそんだけ良いっていうことなんですね。
良ければ作品としては成功するんで、どちらかというと新人賞の審査員であったり、
web 投稿サイトをチェックする編集者も文章が上手いかというよりはキャラクターが良いかストーリーが良いかっていうのを重視しています。
なので今ここに質問者さんが書かれているようなことをそのまま構成でやるのがすごくおすすめですね。
構成っていうのはストーリーですね。キャラクターでもいいんですけどキャラクターってちょっとやりづらいと思うんで、
ストーリーを本一冊バーって読んで、そのストーリーがどうなってるかっていうのをプロットを逆算して作るみたいな形ですよね。
作ってみて、なぜこういう構成なのか、なぜこうするのがいいのかとか、読者はこのシーンでどんな感情かとか、
自分だったらどういう構成にするかみたいなのを考えるのもすごく役立つし、
こっちだったら僕も相当やってましたね、アマチュアの時。構成力の方が文章力より大事かなと思ってたので。
というところで、もちろん文章を鍛えるのも大事なんですが、それ以外のところも一緒にやるといいんじゃないかなと思いました。
せっかく社協するんだったらそれと一緒に構成も分析してみるということです。
まとめと質問の呼びかけ
というわけで今回の質問はこんな感じにしようかなと思います。
モンドに質問投げていただけるといろんな考え方とか、僕がやってたこととかこういうふうにお話ししていきますので、ぜひ投げてみてください。
ありがとうございました。