脳は指令を出す重要な臓器であり、そこには血液脳関門と呼ばれる強固なバリアが存在します。
普通の血管には隙間があり白血球などが通り抜けますが、脳の血管は細胞同士が「タイトジャンクション」と呼ばれる密着結合で塞がれており、隙間が全くありません。
この密着結合の正体は長らく謎でしたが、これに使われているタンパク質、クローディンを発見したのは京都大学の月田承一郎先生でした。
この鉄壁の守りがどう機能しているのか、この壁を抜けるアルコールやカフェインはどうすり抜けるのか、脳関門の為に薬を届けられない脳にどうすれば薬を届けられるのかなどを解説しています。
— 読む「生命科学の冒険者」 —
放送内容のまとめや文字起こしなど。メンバーシップ準備中です!
https://note.com/lifesciquest
— 各種SNS —
X : @LifeSciQuest
https://x.com/LifeSciQuest
https://www.instagram.com/aki_life_sci_quest/
YouTube : あそぶかがく
https://www.youtube.com/@%E3%81%82%E3%81%9D%E3%81%B6%E3%81%8B%E3%81%8C%E3%81%8F/videos
感想
まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!
00:06
生命科学の冒険者
ようこそ、生命科学の冒険者へ。
プレゼンターのあきです。
アシスタントのとみーです。
この番組では、生命科学における画期的なブレイクスルーを成し遂げた偉大な研究者たちの人生と、その背後にあるドラマをお届けします。
この番組に関しまして、Xを始めましたので、生命科学の冒険者で検索してみてください。
感想や励ましの言葉などを投げてくれると嬉しいです。
またですね、ノートで応援してくれる方のための有料プランを始めました。
カミカミやな。
まだですね、ちょっと記事あんまり書けてないんですけれども、
ぜひですね、ちょっと応援してやってもいいよという方はご支援いただければ助かります。
お願いします。
はい、そういうことでですね、今回ですね、科学系ポッドキャストの日っていうですね、イベントがありまして、
それにですね、それの2月のテーマに初めてちょっと参加させていただくことにしました。
このテーマはですね、ひよこ研究者のサバイバル日記っていうですね、
チーさんとハチさんという方が、現役の研究者の方ですけれども、
がですね、されているポッドキャストから、このテーマどうでしょうということで2月のテーマになったんですけれども、
チーさんとハチさんはですね、女性研究者でですね、
いろいろと、昔ですね、リケジョっていう言葉がなくなればいいのになみたいな、
そういうですね、配信なんかもされていて、
なんかいろいろこう、女子としての研究者っていうのが一般的になればいいなっていうところなのかなと思うんですけれども、
ちょっとすいません、意図がちゃんと捉えられていなかったら申し訳ないんですけれども、
っていうような形で、たまにそういった配信もされていてですね、
なるほど、こういうような問題とかもあるのかなと。
あとですね、ご妊娠なんかされたそうでですね、
それで休みを取るっていうのも、なかなかなんかいろいろと大変だとかっていうようなお話なんかもお聞きしましたけれども、
生徒があってもですね、大学の研究者として、生徒はあるけれども実際なかなか取るのが難しいというような、
そういうお話なんかもされていて、こういう問題がまだまだあるんだなというのをちょっと聞いててですね、
思ったこともありました。
そういったですね、お話と、あといろいろ本当に面白いですね、お話をされているポッドキャストですので、
僕もたまにですね、聞いて、なるほど、なるほどと思いながら聞いているような、そういう番組になりますけれども、
03:03
そこからの出てきたテーマになります。
はい。
テーマとしてはですね、バリアというテーマで、今回ですね、私はちょっとバリアで考えてみたんですけれども、
富ちゃんはバリアという言葉を聞いて、なんか思い浮かぶこととかありますか?
今すっごいしょうもなくて、しょうもないとか言ったらあれなんですけど、
LINEスタンプで私お気に入りのスタンプがあって、それがうさまるっていうキャラクターがバリアって、
前で手をバッテンにして、自分を守るシールドを作ってるみたいなスタンプがあって、
バリアって言われたらもう私はそれしか今浮かびません。
すいません、全然科学系じゃない、ただの私のお気に入りのLINEスタンプの話になっちゃいました。
そうですね、なんかですね、そんなことを聞いてみたかったんですけど、
たぶん、もしかしたらエヴァンゲリオンのATフィールドとか出てくるかなってちょっと思ったんですけど、
SFなんかでもよくバリアが出てきたりとか、
あとは社会的なバリアっていうところで、ちーさんとはちーさんはこのテーマを選んでられますけれども、
僕はですね、ちょっと今回バリアでいろいろ考えてみたんですけれども、
体の中のバリアっていうことでですね、ちょっと考えてみまして、
脳のバリアについてちょっとお話をしたいと思います。
脳はですね、我々の体の中でも特にですね、体を動かすためのいろいろな資料を出している臓器ですので、考えたりもしますし、
とてもどの臓器も大事なんですけど、特に大事な臓器ということでですね、
脳はそのためにですね、すごい重要なバリアが存在します。
それがですね、血液脳関門っていうですね、英語だとブラッドブレインバリアっていうんですけれども、略してBBBっていうんですけれども、という関門があります。
これはどういったものなのかというとですね、脳はですね、普通の血管と違って脳の中の脳細血管というのは、
非常に細胞が胸口にひっついててですね、隙間が全然ないような血管になっています。
体の血管っていうのは、普通はちょっと隙間があってですね、
例えば、白血球さんなんかがですね、輸送するためにちょっとこの隙間をぐいぐい通り抜けてですね、体の中に入ったりまた血管の中に戻ってきたりっていうようなことをやるんですけれども、
06:09
脳の中の脳細血管は白血球も通れないような仕掛けというか、隙間が全くないような形になります。
血管壁に穴がないって話?
そうですね。血管は細胞と細胞がつながって、管状になっているんだけれども、それが体の中の血管はちょっと緩いんですね。
で、それが脳の中の血管っていうのは、もう糊みたいな感じでビチッと塞がれているっていうような、タイトジャンクションって言うんですけれども、
そういうふうな形でビチッと引っ付いちゃってて、で、隙間がゼロになっているので、そこを通り抜けることができないというような形になっています。
で、そんなこと言ってたら、脳も、脳の細胞も呼吸もしてるし、栄養も取らないといけないよね、というところで、
どうやってそのカチカチの血液が運んできてくれる栄養とか酸素を通り抜けさせているのかというようなところなんですけれども、
血液の壁といえども、やはりこれは細胞ですので、細胞膜でできています。細胞膜っていうのは油なんですね。
なので、油に溶けやすい性質のものっていうのは通り抜けることができます。
なので、例えばですね、この壁抜けのチート能力を持っているものをちょっと紹介するとですね、
アルコールとかカフェインとかミコチンなんかは油に溶けるのが得意な性質なので、脳幹も容易く通り抜けて、
それで神経に入り込む、脳細胞に入り込むことができるので、それで酔っ払ったりとかシャキンとしたりとか、というようなことが起こります。
あとですね、油に溶けなくて水に溶けやすい浸水性の物質ですね。
例えば、脳の栄養のグルコースとか、あとアミノ酸なんかなんですけれども、
これはですね、細胞同士のタイトジャンクションですね。
ここをやっぱり通り抜けることができないんですけれども、浸水性の物質としての栄養は通り抜けることができないんですけれども、
その代わりですね、そこを通り抜けるためのトランスポーターっていうですね、専用のエスカレーターみたいなのがあります。
09:09
そのエスカレーターは糖とかグルコースとかアミノ酸しかエスカレーターには乗ることができないようになっていて、
そこの場所に着くとエスカレーターに乗ってそれで脳の中に入っていくというような形が取れます。
ウイルスとか細菌なんかはですね、やっぱりこれも通ってもらっちゃ困るんですよね。
だけど脳で炎症が起こったりとかしてしまうようなことって起こるんですけれども、
こいつらはどうやって脳管を通り抜けて脳の中に行っちゃったりするのかっていうとですね、
こいつらはですね、力づくで血管の壁を壊してそれで入っちゃうというようなことをしたりとか、
あとHIVウイルスなんかはですね、白血球の中に潜むんですけれども、脳管もたまに白血球を通してあげることがあります。
HIVに感染した白血球なんかは隠れてですね、脳の中に潜り込んだりするというような、
こういうですね、鳴りすましみたいな感じで侵入をするというようなことがありますよという形ですね。
この血液の関門と専用エスカレーターは違うものなの?
血液の関門の中にエスカレーターが通っていくトンネルみたいなのがあって、
そこは普段はふたされてるんだけれども、グルコースがエスカレーターに乗り込むとグイーンと動いて内側に行けるみたいな感じになってます。
グルコース以外はそのエスカレーターには乗れないみたいな感じですね。
結構なんか、細胞の内と外側でもそういう仕組みって使われてて。
血液の関門は何を通すための仕組みなの?
血液の関門は何も通さないための仕組み。
何も通さないための仕組みなの?
ちょっと話が戻っちゃうけど、脳以外の部分の血管は血管の内と外を結構自由に行き来できるぐらい、
穴が空いている状態で、脳はその隙間が全然なくてピッチリしてますよねっていうところがスタートでしょ。
12:06
血液の関門はセキュリティゲートみたいな話だったけど、何も通さないためのものってことは?
基本は何も通さなくて、栄養とかだけは通すことができるよっていう感じ。
だとしたらさっきのグルコースとかアミノ酸は血液の関門を通って行き来してるってこと?
アルコール、カフェイン、ニコチンとかはその血液の関門じゃないところから油に溶けやすいっていう性質を利用して行き来してると。
裏ルートで行き来してるって話だよね?
そうですね。ちょっとまとめると、血液の関門は血管の壁がガチガチに硬い状態なんだけれども、
グルコースとかアミノ酸とかそういう栄養素はそれ専用の通路があります。
他の分子は何にも通さない専用の通路がありますよっていう形で、それは通ることができるよっていう形ですね。
じゃあ他の脳以外の血管はどこからでも通れるけど、脳の血管に関しては血液の関門を通さないと栄養の行き来ができませんよっていうのが基本の仕組み?
それで、かつ油っぽいものは、油に溶けるものは通せるっていう性質もあるので、
通しちゃう?
通しちゃうっていう、だからそれは勝手に通っちゃうっていう感じかな。
守ってるんだけれども、
本当は通したくないのに通っちゃうっていう話だよね。
なので、それはアルコールとかカフェインとかニコチンは油に溶け込んで脳に作用することができますということですね。
ウイルスとか細菌は、細菌なんかは本当に壁を直接ぶち壊して中に入っていっちゃったりとか、
ウイルスは白血球に隠れてとか、他の細胞に隠れてその細胞が通れる状態の脳関門が開くときがあるんですよね。
そのときに一緒に紛れ込んじゃうとかっていうような形で脳の中で病気を起こしたりとかしますっていう形になります。
ちょっとバーッと喋っちゃって、ありがとうございます、まとめていただいて。
この脳関門を血管の細胞同士を強く引っ付けているタイトジャンクションと言われる接着剤なんですけれども、
15:08
これは築田翔一郎先生という京都大学の先生がこの接着剤について見つけました。
タイトジャンクションを発見した人?
そうですね。これは1960年代に電子顕微鏡が普及したんですね。
いろんなものを科学者たちは電子顕微鏡で見ました。
それ以前は光学顕微鏡という普通の顕微鏡しかなかったんだけれども、
その光学顕微鏡よりもさらに波長が短いものを見ることができるのが電子顕微鏡というものなんだけれども、
それで光学顕微鏡よりもさらにちっちゃな世界を見れるようになったんですね。
それがだいたい1960年代に一般化するというか、バーッと普及します。
いろんな科学者たちがいろんなものをさらに細かく見ていって、
その中で今まで見つからなかったウイルスなんかが見つかったんだけれども、
それで脳の血管細胞というのは他の血管細胞とまるで違うということが見つかったんですね。
それがピタッと隙間なくくっついているタイトジャンクションというような密着結合をしているということが分かりました。
一体何がこの細胞同士をこんなにきつきつにつなぎ止めているのかというのをずっと謎だったわけなんですけれども、
このツキタ先生はそこに対して接着剤の正体がわからないんだったら、
細胞を徹底的にバラバラにしてその接着部分だけを凝縮して集めればいいじゃないかというふうに考えられまして、
膨大な数のネズミの肝臓から細胞同士がくっついているごくごくわずかな部分だけを気の毒になるようなステップを経て取り出したという形です。
脳以外にも肝臓にもそういう細胞同士が非常に密に引っ付いている部分というのがあって、そこをとにかくいっぱい取り出してきました。
1998年にその細胞同士をくっつけているタンパク質の正体を突き止めます。
1998年ですね。
めちゃくちゃ時間経ってますね。
そうですね。先生自体がずっと最初からこれをやってたわけじゃないんですけれども、
それで1998年ですね、1960年にまず電子顕微光でそういった謎があるというのがわかりまして、
18:07
それで先生は長い時間いろいろ研究をされている中で、1998年にこのタンパク質を突き止めるという形になります。
その名前はラテン語で閉じるという意味をする言葉がありまして、それからこのタンパク質の名前を付けます。
クローディンという名前を付けるんですね。
これは結構センセーショナルな研究となります。
とにかく一生懸命研究してこのクローディンを見つけましたよというところで、
先生自体は実は2006年に52歳だったかな、お亡くなりになられているんですね。
なんですけれども、研究者というのは誰も見たことがないものを見たいという、
ただそれだけのある種の病気のようなものなんだという言葉を残されています。
そういう純粋な好奇心がこの研究をずっと取り組み続けて、最終的にこのクローディンを見つけるというようなところになりました。
2005年に52歳の若さで亡くなっていられますね。
奥様はこの築田幸子先生がその遺書を引き継いで、このクローディンの研究を大きく発展させていってられます。
タイトルジャンクションの正体はクローディンだというのを見つけたというのは、
日本の築田先生という先生でしたよというところですね。
このバリアが壊れるとどんなことが起こってしまうのかということをご紹介したいと思います。
単純にバリアが壊れたら病気になるというのはわかると思いますが、
一つには脳の中に白血球が入り込んでしまうということが起こります。
白血球自体は脳の神経を適当に間違えて攻撃をしてしまうんですね。
脳の中に白血球が入らないようにしているバリアとしているのは攻撃されてしまうからなんですけれども、
バリアが壊れると攻撃されてしまうというところで、これが多発性硬化症という難病の一種になります。
このバリアが緩むと脳の中にゴミがたまりやすくなって認知症の進行に関わるという研究もあります。
脳関門は認知症にならないように守ったり、多発性硬化症にならないようにしてくれているという役割もあります。
21:18
逆にこのバリアが強すぎるせいで脳の中に起こっている病気に対して薬を届けられないという問題もあります。
これをうまくハッキングしてバリアを潰して、そして薬を届けてやろうというような形でいろいろな研究がされています。
その中で一つ、二つご紹介したいと思います。
まず一つがトロイの木馬作戦です。
これは実用化されている作戦です。
脳の中に栄養を通すための特別なトランスポーターがあるという話をしました。
鉄分も脳が要求する物質の一つなので、鉄も脳の中に通っていくことができます。
この鉄分に薬を引っ付けてやるというような形で脳に薬を届けるというような技術を日本のJCRファーマという会社が実用化しています。
脳に特定の酵素が足りないハンター症候群という難病があるのですが、これの治療薬として使われています。
脳が鉄欲しがっているというところを騙して、そこに薬を引っ付けて送り込んでやるという作戦です。
これが見事に成功して難病が今では治療できるようになりました。
もう一つは超音波を使った作戦になります。
これは収束性の超音波といって、超音波の振動をある一点に集中させるようなことができるのですが、
血液の中にナノバブルという小さな泡を注入してやるのです。
あとは薬も入れてやります。
脳の特定の病気がある部分に外から超音波を当ててやります。
24:03
脳関門で覆われている脳細血管のところに小さな泡が超音波で当てられると振動を起こします。
ブルブルブルブル震えるのです。
そうするとタイトジュンクションが一瞬緩むということが起こります。
血液中に溶けている薬がバッと入っていくという形です。
超音波の振動を当てるのをやめてやると、体が回復しますのですぐに脳関門は閉じられます。
それで通常に戻るという形になります。
なので病気の部分だけに集中的に薬を送り込んでやることができるという作戦になります。
これはアルスハイマー病や治療が難しい脳腫瘍に対して
これで治療ができないかということで研究が続けられているという形です。
こんな感じで今回はバリアというテーマで
体の中で何かバリアっぽいところで血液の脳関門についてご紹介させていただきました。
また生命科学の冒険者っぽく
築田翔一郎先生の功績について少しだけご紹介させていただきました。
というところで終わりにしたいと思います。
本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
26:09
コメント
スクロール