これはですね、とにかくこういったものがCD4の役割ですね。
それで司令官だよということを表しているということになります。
CD25はですね、Tレグが持っているものになるんですけれども、
これは司令官がですね、そういった指令を受け取るとですね、
あと他の細胞もそうなんですけれども、いろいろなところで敵が来たよというふうになると、
免疫細胞にお前ら頑張れというような形でですね、敵が来ているからガンガン戦ってくれよというような形で、
栄養ドリンクみたいなものをですね、どんどんどんどん外に放出するんですね。
それがIL-2という物質になるんですけれども、
そのIL-2がガンガン出ていると、普通の免疫細胞はですね、活性化して、
それでどんどん分裂して増えたりとかして敵に立ち向かおうとします。
これが出過ぎると自己免疫疾患が起こってしまうので、
T-REGはですね、これが出過ぎているなというふうになると、
このIL-2をどんどん受け取って体内に取り入れて消化してしまうという形で、
IL-2の濃度が体内で高まりすぎないように調節してくれています。
そのためにCD25というのはIL-2を吸い取る掃除機みたいなものだと思ってください。
はい。
そんな形でCD4とCD25というのはそういう役割がありますよということになります。
はい。
CD4とCD25を持っているということは、ちょっとまとめると、
T-REGはこの2つを持っているという形なので、司令官の資格があるよと。
そして免疫が暴走しすぎないように栄養ドリンクを吸い取るような掃除機も持っているよというような
そういう役割を持っていますよということになります。
ここでですね、このT-REGがCD4ポジティブでCD25ポジティブという話なんですけれども、
実はですね、もう1つCD4ポジティブでCD25ポジティブの細胞というのがいます。
そうするとですね、これがT-REGなのかそれ以外の細胞なのかというのを見分けるというのは、
これだけでは不十分だということになります。
そのCD4ポジティブ、CD25ポジティブのT-REGでない細胞なんですけれども、
なぜかというとY染色体がほとんど遺伝子に乗っていないんですね。
X染色体だけ遺伝子が乗っているというような状態になるので、
Xが1個が駄目でも、女子の場合はもう1個の方が正常であれば大丈夫と。
男子の場合はX1本しか、お母さん側からしか引き継げないので、
それが異常だった場合は異常になってしまうということになります。
男の方がハゲが多いのは、ハゲの遺伝子もX染色体上にしかないからですね。
なので男はハゲになりやすいというのがあります。
アイペックス症候群に起こっている症状は、糖尿病や腸疾患や皮膚炎だったために、
もともとはそれぞれの臓器に何か異常があって起こっているのではないかと考えられていました。
これがX染色体上にリンクしているだろうということで、
免疫調節系、自己免疫疾患がいろんな場所で起こっているんだという風な形で考えられ始めたというようなところだったんですけれども、
それがこの論文で自己免疫疾患だよという風な形でまとめられて報告されたということになります。
そこからどういう風に調べていったのかというところなんですけれども、
ロバート・ウィルデンとシエル・ベネットというワシントン大学のシアトル子ども病院の研究員の人たちなんですけれども、
このアイペックス症候群の家計を調査するということをしました。
家計で患者さんの血液とか、それからご家族の血液なんかも集めてきて、
どこに遺伝子的な違いがあるのかというのをガーッと調べていったんですね。
それで最終的にフォクスP3遺伝子が壊れているということを見つけるわけなんですけれども、
X染色体上のフォクスP3遺伝子が壊れているよということを発見したということなので、
これに対して堀さんは気がついて、坂口先生とともに、
おそらく自己免疫疾患が起こっているということはTレグだろうと。
フォクスP3はTレグに関係する遺伝子なんじゃないかなという形で直感的に思って調べることにするという形になります。
ちなみにフォクスP3がアイペックス症候群の原遺伝子だというふうに、
ロバート・ウィルデンとかシエール・ベネットさんは行き着くわけなんですけれども、
フォクスP3がなぜこの症状を起こしてしまうのかというところに関してのメカニズムは、
彼らは解明できませんでした。というのが、遺伝的に調べただけで、
免疫のことに対しては多分そんなに明るくなかったんですね。
なのでそこまでは調べきれずに、とりあえずここで論文にしてくれたという形になっているんだと思います。
それでこれは絶対Tレグだという形で坂口先生たちが調べ始めるということになります。
もう一つ、スカフィーマウスについてお話をさせていただきたいと思います。
1949年、第二次世界大戦直後のオークリッジ国立研究所というところで、
放射線が遺伝に与える影響を調べていた遺伝学者のウィリアム・ラッセルという方が、
研究用のマウスの群れの中に、オスのマウスで生後間もなくすぐ皮膚がカサカサになったり、
フケだらけのような形になって耳やしっぽが赤く張り上がって、
生後3、4週間で死んでしまうというマウスを見つけます。
これがフケだらけなので、フケだらけというのが英語で言うとスカフィーというらしいんですけれども、
これでスカフィーマウスというふうに名付けて、
これ変なマウスだねという形で報告されます。
ちなみにこのオークリッジ国立研究所というのは、いろんな研究をやられているんですけれども、
放射線が哺乳類にどういう影響を与えるのかというのを、
マウスに放射線を当てていろんな影響を調べるというようなことをしていた感じなんですね。
日本に原爆を落として、放射線というのがどれだけ恐ろしいものかというのをアメリカもよく知ったわけですよね。
広島と長崎に戦後すぐに研究員というか、現地調査員を派遣して、
いろんな放射線の影響を受けた人間の患者さんを見たりとか、死体を解剖したりとかして、
それでどういう影響があったのかというのを詳細に調べていたので、
それに対してさらにデータを保管するために、ここの国立研究所は、
マウスに放射線を当てていろんな実験をするということをやっていました。
国立研究所はアメリカ?
アメリカですね。
人体実験の延長線上みたいな感じで、ちょっと怖いなというところもありますけれども。
人理的にどうかというところは考えるところですね。
サイエンスというのはなかなか資金の高い雑誌で、
ここに論文が載るというのはなかなか大変なんですね。
なので、論文を読んだ茶読館というんですけど、
その分野に明るい科学者の人たちにその論文が配られて、
それに対してこういう実験が足りてないんじゃないかとか、
やりとりがスタートするんですけれども。
そんなのでですね、なかなか載せてもらえないとかですね、
それとか全然別に新しいことじゃないから、これ載せないよとかですね、
注目するような内容じゃないから載せないよというような形で
リジェクトされるとか、というのがしょっちゅう起こるわけですけれども、
坂口先生はですね、先に挙げた柴区先生のおかげで、
ちょっと有名になってきてまして、
坂口が出したT-REGの論文であれば、
ちょっとこれは注目しないといけないということで、
茶読も非常に早く進んだみたいで、
1回の追試実験だけでですね、すぐ載せてもらえるということになったそうです。
はい。
実はですね、このアイペックス商工群の論文が出てきた時にですね、
坂口先生のチーム以外にもですね、
FOXP3とT-REGが関係あるだろうというふうに考えたチームがいたみたいなんですね。
なんですけれども、坂口先生たちの方の論文の方が、
この2003年の2月14日ですね、バレンタインデーの日に載せることができまして、
ライバルチームはですね、その論文をですね、
3月3日にNature Immunologyという別の雑誌に出したらしいんですけれども、
近差でですね、負けたっていうことになります。
なかなか、すごい10日ぐらいの違いでって感じですよね。
っていうような形で、勝てたっていうことになりますね。
で、この論文はですね、現在でも引用され続けてまして、ちょっと調べたんですけれども、
引用件数はですね、14,000件ありますという形なんですが、
これがどれぐらいすごいことかっていうとですね、
科学論文の世界ではですね、10回引用されれば読まれている論文かなっていう形ですね。
100回引用されたら名作、論文として名作だというふうな形です。
1000回を超えればですね、その分野の教科書と言われるような感じなんですけれども、
14,000件引用された論文っていうのはですね、論文の中の0.01%らしいですね。
だから1万本に1本っていうような形の驚異的な数字ですね。