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057.免疫学者『坂口志文』:Part8〜母校への帰還と「奇跡のネズミ」
2026-01-12 22:19

057.免疫学者『坂口志文』:Part8〜母校への帰還と「奇跡のネズミ」

1998年、教授として母校・京都大学への凱旋。しかし当時、京大が高く評価したのは、代名詞であるTレグではなく「SKGマウス」でした。人間と同じリウマチを発症する奇跡のモデルマウス。坂口先生のキャリアを決定づけた、もう一つのエピソードを解説します。

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では始めていきたいと思います。
よろしくお願いします。
前回はですね、アメリカの免疫学会の大物、イーサン・シバックが、
坂口先生の研究に注目して、制御性T細胞、Tレグの宣伝をしてくれるということになりました。
ようやくですね、ちょっと認められる兆しが出てきたのかなというところになります。
これはですね、1995年に伝説の論文と言われている坂口先生のTレグの研究に注目したイーサン・シバックが、
1998年にですね、1995年の坂口先生の研究に注目して、
密かにですね、Tレグ本当かもしれないなということで、坂口先生の研究をいろいろと、
追試ですね、再現実験をしてみて、これはもう本当だということを確信して、
彼自身がですね、Tレグについて調べ出して、それを論文に書いたんですね、1998年に。
で、これ結構坂口先生もびっくりしたらしいんですけれども、
ある日突然免疫学会の大物が論文を書いてくれたということでですね、
逆に言うとですね、3年間シバック自身はそれ隠れてというか、
研究ってそんなものなんですけれども、で突然成果を出して論文が出てきたということですね。
それでTレグはすげえぞということで、シバック自身ですね、2000年に
制御性T細胞再生復活、名誉挽回という形でですね、
サプレッサーT細胞で自己免疫疾患ですね、免疫細胞を抑えてくれる細胞がいるという概念がですね、
あったよということをですね、高らかに謳った、そういうタイトルの総論を発表してくれたというような形になりました。
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いよいよですね、サプレッサーT細胞でですね、信用を失ってたその概念がですね、
いよいよ坂口先生の研究とともに注目され始めるようになったというような時系列なんですけれども、
そのあたりの時のお話でですね、坂口先生がまた京都大学に戻られるということになりましたよというお話をさせてもらいたいと思います。
この時期ですね、シェバックが最初の論文を発表したぐらいの時ですね、1998年になりますけれども、
坂口先生の母校の京都大学にですね、新たに立ち上げられた再生医科学研究所というところでですね、
教授として迎え入れられることになったということですね。
いよいよ教授になられたということでおめでとうございますという感じなんですけれども、
これはですね、後に分かったことを坂口先生自身が分かったことらしいんですけれども、
Tレグの研究がですね、評価されたわけでは全然なかったみたいでですね。
おっと。
おっとなんですね。
ちょうどE3シェバックが最初の論文を投稿してくれた時っていうのが1998年で、
それと同じぐらいの時なので、Tレグの研究っていうのはあんまりまだ世の中に知られてなかった時期ですね。
じゃあ何を評価されたのかというと、ちょっともう一つ大きな仕事を坂口先生たちのチームはやっておりました。
それがですね、SKGマウスというですね、マウスを確立したというところになります。
で、SKGマウスですね。
こちらはですね、坂口先生たちのチームがですね、飼っているマウスの中に関節が張れているマウスっていうのを見つけたというところがスタートになります。
この実験動物でですね、何かこう面白い形態のものが見つかるとですね、
その兄弟を駆け合わせて、その形態が維持されると、そのファミリーの中で維持されるということをよくやるんですけれども、
注意深くですね、動物実験を見てたんだと思うんですね。
それで関節が張れているマウスがいるということで、これちょっと何か面白い病気を持っているマウスで、
遺伝的にずっとこう、兄弟って言うんですけど飼い続けると、
このままですね、その系統が維持できるんじゃないかということで、
兄弟姉妹をずっと駆け合わせていくというような、近親父後輩をずっと行っていくということをするんですけれども、
そういったことを坂口先生たちも取り組みます。
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それでですね、このマウスのファミリーが維持できるようになりまして、
常にだから生まれてくる子供はマウスの関節が張れているというような状態が作れるようになったということで、
病態が維持できるような家系のマウスができたというところで、
このマウスがですね、実際体の中でどのようなことが起こっているのかというのを解析していったということになります。
そうするとですね、このマウスですね、関節リュウマチを発病していることが分かりましたという形ですね。
リュウマチが起こっているので、関節が張れているというような形。
手とかがですね、ぷくっと張れちゃっていて、なかなかかわいそうな状態なんですけど、
人間で起こっているリュウマチがマウスでも作れたということになります。
京都大学はですね、このモデルマウスを持っている坂口先生を評価しました。
坂口先生たちのチームをですね、教団に迎え入れることで、
リュウマチの原因とか病態の研究を教題で発展させることができるだろうということで、
先生を教授として迎え入れたということになります。
このマウスなんですけれども、SKGマウスというふうに名付けられています。
これはですね、坂口のですね、SKGですね。
なるほど。
このSKGマウスはですね、すぐになのかなと思うんですけれども、
動物実験のですね、そういうマウスをですね、系統を維持して販売してくれるというようなですね、
そういう業者さんというのがいるんです。
民間会社があるんですけれども、
そちらの方にですね、威嚇されて、
維持とですね、販売がされているという形になっています。
あとですね、樹精卵とかなんかは凍結されてですね、
理科学研究所なんかで保存されてたりとかもして、
バイオバンクっていうか、実験動物で非常に研究対象として面白いような系統が出てきた場合にはですね、
それを維持管理するっていうことを民間会社とか、
あとは理科学研究所なんかは国立なのかな、の施設になります。
研究機関になりますけれども、そういったところがですね、
管理して置いといてくれるっていうことをするんですけれども、
そういった形で管理されて販売されてますよっていう形になっています。
これはあれですよね、
そういってできた研究の資材っていうんですかね、
広く他の研究者たちにも使えるようにというような形で、
簡単に使えるようにというような形で、
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そういった形で広く使えるようにするというような取り組みっていうのがあるということになります。
坂口先生たちはですね、このSKGマウスを使って研究を始めます。
リュウマチになっているということで、
しかもですね、この病態は親から子へと、それから孫へと遺伝していくということで、
遺伝子のどこかに異常があるんだなということが推察されます。
一台限りだとですね、たまたまその子だけが何か起こってしまった病気っていうことになりますけれども、
これが維持されるっていうことは、遺伝子上に何か異常があるんだろうということで、
それでですね、ポジショナルクローニングという手法を使って、
このマウスの遺伝子のどこに異常があるのかっていうのをですね、
正常なマウスとこのSKGマウスとのDNAをですね、並べて、
それでですね、解析していけば異常がある部分ですね、違っている部分がおそらく病気に関係する部分だろうと、
病気に関係する遺伝子だろうということが推察できるので、そういったことをやろうとしたということになります。
ただしですね、正常なマウスと異常なマウスですね、SKGマウスとのDNAを並べるといっても、
マウスのですね、DNAは26億文字、2.6ギガ文字の文字数ですね、があります。
これはですね、本にすると6500冊ぐらいの本のデカさになります。
デカさというか膨大な量になります。
1ミリメートルですね、一文字を書いていったとすると、
ATGCというDNAの並びをですね、1ミリメートルで書くとすると、
この2.6ギガ、26億文字はですね、2600キロ、北海道の輪っか内からですね、
沖縄の石垣島ぐらいまでの長さになっちゃいます。
とにかくマウスのゲノムとかですね、人間のゲノムというのは膨大な量があります。
これをですね、どういうふうにそこから違いを見つけ出すのかなんですけれども、
アメリカ人のですね、フランシス・コリンズ博士っていうのが考えた手法が
ポジショナルクローニングという形になるんですけれども、
まずですね、遺伝子の中にですね、目印がついている部分というのがあるんですけれども、
その目印がついている部分を読むということをします。
そして、違っている部分というのを洗い出していくということをするんですね。
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その違っている部分に関しての近傍に遺伝子があるだろうというふうに、近くにあるだろうというふうに想定します。
その原因の遺伝子が、言っても違っている部分なんかいっぱい出てきちゃうんですけれども、
それでですね、坂口先生たちのチームはとりあえずですね、
30万文字ぐらいの範囲にまで絞り込むことに成功するというか、そこまで絞り込めましたよということになります。
これは1ミリの文字で書くとですね、300メートルぐらいの長さになると。
むちゃくちゃ絞りましたね。
そうですね、2600キロから300メートルまで行きましたんで、
本当にもうグーグルアウスでぐぐぐぐぐっと寄っていってですね、地球規模のサイズからですね、
多分大阪市とかそれぐらいまでは行けたかなみたいな感じですね。
で、犯人となるその原遺伝子、そこまで絞り込めたんで、
あとはもう力技で読んでいくだけだみたいな感じになるんですけれども、
この当時ですね、DNAシーケンサーっていうDNAを読むための機械ですね。
これがですね、1回に読めるのが500文字ぐらい。
なので300万文字って言っても膨大な量なんですね。
平たく読んでも600回は読まないといけないっていう形で、
それで600回だとですね、文節と文節のつながるところがブチブチ切れてる、読んでいく形になるので、
重ねて読まないといけないんですね。
で、重ねて読むっていうこともするといけないので、
おそらく3倍から5倍ぐらいは読まないといけないという形になります。
で、当時ですね、ちょうどこの時代に自動のDNAシーケンサーっていうのも出てきてて、
そんなのもですね、あったんだと思うんですけれども、
ここからどんどんどんどん絞り込みを重ねていくことができまして、
ZAP70っていう名前の遺伝子のところで、
どうも一文字だけ正常なマウスだとですね、そこがグアニンっていうGっていう配列だったところが、
Aっていう配列に入れ替わってるっていうことがわかりました。
で、このたった一文字が違うためにですね、
DNAは3文字で一つのアミノ酸を決めて、
その3文字で一つのアミノ酸に置き換わって、
それがアミノ酸が何個も並んでいってタンパク質ができるんですけれども、
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このZAP70っていうですね、
タンパク質はその一文字が違っているために、
ある一つのアミノ酸がタンパク質の中のアミノ酸ですね、
がアラニンっていうものからバリンっていうものに変わってたということですね。
で、たったこの一文字の違いのせいで病気が発症してしまうということがわかったという形ですね。
たとえばすごく有名な病気ではですね、
一延期違いって言うんですけれども、
一つの遺伝子だけの違いで、
黒人の方に多い病気なんですけれども、
カマガタ赤血球病っていう病気がありまして、
これは赤血球の形が普通は真ん中がくぼんだようなですね、
ドーナツのような形をしていて、
赤血球自体は非常に丸くて柔らかい感じになっています。
なので、毛細血管なんかもですね、
実は赤血球よりも細かったりするんですけれども、
それもぐいぐい進んでいくことができるんですね、形を変えながら。
なんですけれども、カマガタ赤血球の人は一延期、DNAが違うだけで、
あるアミノ酸が別のアミノ酸に変わってしまって、
赤血球の形自体がカマガタって言うんですけど、
本当に三日月みたいな形をしています。
しかもすごく硬いんですね。
なので、この方たちは、
毛細血管の中で血液が詰まってしまうっていうことが起こったりとか、
あと酸素を運ぶ能力が低いので、
いつも酸素欠乏に体が晒されているような状態になっていたりとかして、
非常に生活も大変ですし、
なかなかいろいろな支障があるというような病気になるんですけど、
本当にたった一文字の違いで病気になっちゃうっていうことはあるんですよっていう形なんですけども、
このマウスもですね、この坂口SKGマウスですね。
たった一文字の違いのせいで流末になっちゃうということですね。
流末になっちゃってたっていうところで、
この遺伝子が違いを見つけた結果、おかしいということがわかったんだけれども、
じゃあ今度これをどうすればさらに証明ができるのかというところで、
今度は逆にこのSKGマウスに正しい遺伝子を掘り込んでやって、
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それで流末が治るのかどうかっていうのをやってみたらどうなるだろうと。
それで病気が治すことができれば完全な証明になるよねというところで、
実際にやってみますということになります。
レスキュー実験をしてみようということで、
このSKGマウスに正常なZAP、その一文字入れ替わってない遺伝子を掘り込んでやるということで、
この当時は今はゲノム編集という技術があるので結構簡単にできるんですけれども、
この当時はその技術がなかったので、まず正常なZAP70のDNAを作るというか取ってくるというかという感じで取ってきて、
それをレトロウイルスベクターというマイクロインジェクションで入れたんだ。
マイクロインジェクションと言いまして、
まずマウスの受精卵を、マウスが妊娠して受精卵ができた時に受精卵を取ってくるんですね。
その受精卵に針を刺してこの遺伝子を注入してあげます。
そうすると正常な遺伝子が組み込まれたリュウマチを発症する遺伝子を持ったマウスというのができあがるわけですけれども、
これがこの遺伝子が働いてくれればリュウマチが治るだろうというところが期待されるわけですね。
その結果なんですけれども、やはり思った通りリュウマチがないマウスというのができましたということになって、
完璧な証明実験ができたようということになりました。
そのおかげでZAP70が、まずアミノ酸が一つ切り替わっちゃってるよと。
このせいでリュウマチが起こっちゃってると。
それが今度戻してやるとリュウマチが起きなくなったというところになりまして、
これがどこでその遺伝子が働いているのかということになるんですけれども、
これがT細胞の中で働いて、なぜSKGマウスがリュウマチになっているかというと、
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ZAP遺伝子が働いていないおかげでTレグがなくなっていたんですね。
それが実は復活している。
この入れてやることによって復活したということがわかりまして、
そのおかげでこのマウスはリュウマチを起こしててということが証明できたよというような形になります。
今日は坂口先生のもう一つの大きな仕事のSKGマウスについてご紹介をさせていただきました。
はい。
以上になります。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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