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088.【求婚状】”私には財産が一切ありません”――貧乏研究者が学長の娘を射止めるまで『ルイ・パスツール04』
2026-08-17 31:22

088.【求婚状】”私には財産が一切ありません”――貧乏研究者が学長の娘を射止めるまで『ルイ・パスツール04』

前回、酒石酸の光学異性体という化学史に残る大発見を成し遂げたルイ・パスツール。しかし今回は少し時計の針を巻き戻し、その発見の裏側で何が起きていたのかをお届けします。

実はあの大発見のわずか3ヶ月前、フランスは「二月革命」の真っ只中にありました。市民蜂起の熱狂に飲まれた25歳のパスツールは、なけなしの全財産150フランを新政府の寄付金箱へ投げ入れ、「銃をとって街を守る!」と義勇軍にまで志願します。しかし元軍人の父からの一言でハッと我に返り実験室へ戻ると、その3ヶ月後にはあの歴史的発見を成し遂げるという、振れ幅の大きすぎる青春時代でした。

しかし大発見の”ご褒美”として言い渡されたのは、まさかの地方高校教師の辞令。地方に飛ばされて教育者になるより、研究を続ける化学者でありたかったパスツールは師匠たちに泣きつき、なんとかストラスブール大学で得たのが「補佐教授」という不安定な立場でした。そんな極貧生活のさなか、パスツールは大学総長の娘マリーに一目惚れし、出会ってわずか1ヶ月後に求婚状を送ります。

「私には財産というものが一切ありません」

自分の貧しさを包み隠さず告白したこの手紙が、なぜか学長とマリーの心を動かしました。結婚後も貧しい新婚生活は続きますが、パスツールの実験中毒はむしろ加速。前回発見した”右手と左手を持つ分子”の知識を武器に、当時”神の領域”とされていた超難問へ挑みます。それは、天然の酒石酸(右利きの分子)を人工的に”裏返し”、右手と左手が半分ずつ混ざったラセミ酸を作り出すという前代未聞の挑戦でした。170度の高熱で薬品を密閉加熱するという爆発の危険と隣り合わせの実験の末、1853年、ついに分子の右手を左手にひっくり返すことに成功します!

【今回のハイライト】
・大発見のわずか3ヶ月前、革命の熱狂に全財産を投げ込んだ25歳パスツール
・研究者であり続けたい一心で師匠に泣きついた”教師人事回避劇”
・”財産ゼロ”を正直に告白した伝説の求婚状
・貧乏研究者を支えた妻マリーの無償の献身
・170度、爆発覚悟の命がけの実験
・賞金1,500フランと父と同じ勲章を勝ち取った瞬間

 

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生命科学の冒険者
ようこそ、生命科学の冒険者へ。
プレゼンターのあきです。
アシスタントのとみーです。
この番組では、生命科学における画期的なブレイクスルーを成し遂げた偉大な研究者たちの人生と、その背後にあるドラマをお届けします。
さてですね、前回なんですけれども、
学生から学者へとのぼり詰めました、若きルイ・パスツールがですね、
主席さんっていうですね、ものを研究します。
で、同じですね、科学式なのに、
性質が違うというですね、ラセミさんっていうものをですね、があるということで、
これがですね、同じ科学式なのに、
で、結晶の構造も同じなのになぜ違うのかというところをじっくりと顕微強化で観察してですね、
そうしたところですね、同じように見えてた結晶がですね、鏡に映したように左右が逆になっているということをですね、発見しまして、
これが光学非正体と呼ばれるものなんですけれども、
科学式が同じでも光学非正体というですね、
左手と右手のような関係のものがあるということを、
若きパスツールは学者になりたてでですね、大発見をするという形になりました。
今回はですね、その大発見をする時からですね、ちょっとだけ時を戻してですね、
当時のフランスで吹き荒れていたですね、フランス政治の大嵐をお伝えしたいなという形で、
その後ですね、後半でパスツールの2つ目の異業について紹介をさせていただきたいと思っております。
フランスなんですけれども、フランスで大嵐というとフランス革命というのをですね、
皆さん思い浮かべると思うんですけれども、
こちらすでにお伝えしましたが、1789年ですね、市民革命が起こりまして、
ヴェルサイル・ユーノ・バラっていうですね、有名な少女漫画がありますけれども、
そこの舞台となった時代ですね、ルイ16世とマリア・アントワンネットが最終的にギロチンで死刑になってしまいまして、
自由・平等・白愛という精神が世の中を席巻したということになります。
ただですね、王様を倒して万々歳という形では終わりませんでした。
そこから60年間のパリはですね、もう本当に激動のジェットコースター状態で、
王様を倒したと思ったら次、皇帝が生まれてですね、その皇帝がですね、倒されるとまた王様が帰り咲くという風な形で、
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もう本当にジェットコースター状態になりましたよっていうのをちょっと皆さんに知っていただければなと思います。
1789年にですね、市民革命ですね、フランス革命が起こった後にですね、周辺国はですね、ビビって、
それでですね、この市民たちを倒そうという風な形ですね。
周辺国っていうのは王様の国たちですので、フランスで王様が倒れたら自分たちも倒されるかもしれないということでビビったわけですね。
それであちこちの国が詰め込んできます。
そんな中でですね、それに対抗していって一人の英雄が現れます。
それがですね、戦争の大天才のナポレオン・ボナパルトになります。
彼がですね、率いたフランス軍なんですけれども、これは市民軍ですね。
市民の中から兵隊になるという形で、貴族の兵隊ではないという形ですね。
なのでですね、もうフランスを守らないといけないというですね、
なんていうんですかね、高揚感というか、そういうのがめちゃめちゃあった軍隊になります。
なので周りのですね、王国をですね、どんどん倒していくということで、
フランス軍、フランス市民の軍を率いたナポレオンはですね、
ローマ帝国以来ヨーロッパを統一してしまうということが起こります。
ただですね、ナポレオンが半島に治めた国っていうのはですね、
左はスペインからですね、フランスの隣スペインですよね。
そこからですね、今度右側に行くとですね、ドイツとかオーストリアとかそのあたりも治めてしまって、
イタリアも半島に治めてしまって、ヨーロッパで残っているのはですね、イギリスぐらいですね。
あとロシアが接しているという形で、南の方はですね、オスマン帝国というような形で、
ほとんどヨーロッパを支柱に治めてしまったというような形でした。
そのナポレオンの栄光も1815年ですね、ワーテルローの戦いで敗北して終わってしまいます。
ヨーロッパのですね、王族たちがですね、集まってですね、
フランスがこんな状態になってしまったということで、今度はフランスをまた王国に戻そうということになります。
フランス市民抜きでですね、勝手にフランスの政治を決めてしまったということですね。
革命なんて起こったから大変なことになったんだということで、王様が戻ってきます。
それがですね、処刑されたルイ16世の弟であるルイ18世ですね、
この方がパリに戻ってきて、ブルボン王女が復活するという王政復興が起こります。
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このルイ18世の時にはですね、
この人結構、空気が読める人というかですね、市民にも気を使うし貴族にも気を使うみたいな形で、
八方美人な感じでですね、うまいこと政治を取り持っていって、
それで死ぬまでですね、王様でいることができたんですけれども、
その次に即位した弟のシャルル10世というのはですね、
結構頑固者というかですね、ちょっと空気読めない人でですね、
昔の王様みたいに絶対的な権力を取り戻すということで、暴走し始めるという形ですね。
新聞の検閲なんかを強行したりとか、国民の意見を聞く議会を勝手に解散させたりとか、
というようなことをいたします。
もう一回授与を知ってしまったですね、パリの市民たちはこれに怒り狂うということで、
1830年7月に、またですね、7月革命ですね、市民の怒りが爆発するという形で、
バリケード戦法ですね、市中にですね、家具とか馬車とかを積み上げてですね、道を塞ぐという形で、
貴族の軍隊、騎馬兵とかが攻めてこれないようにするというような形ですね。
これの様子をですね、描いた有名な絵がですね、ドロクロアが描いた絵になりますけれども、
民主を導く自由の女神というですね、絵が非常に有名ですけれども、
それはこの7月革命を描いた絵になります。
3日間のですね、街頭戦でですね、パリは制圧されて、シャルル・ジュッセイはですね、
気の利きのみままでですね、イギリスへ亡命するという形で逃げちゃったということでですね、
また市民の手に政治が戻ってきたということになります。
ただですね、これはですね、市民の中でも金を稼いでた人たちですね、
銀行家とかですね、工場なんかを経営してたオーナーの人たちですね、
そういった金持ちのブルジョア人はですね、ビビり倒しますというのはですね、
フランス革命後にですね、市民が政治をした時に、いろんな派閥が乱立してですね、
それでお互いに政治の中で殺し合いになって、いろんな人がギロチンにかかって死んでいくということになったので、
また共和制にしたらですね、ギロチンの嵐になるかもということで、ブルジョア人がビビり倒したんですね。
それでちょっとまずいだろうというので、王族でありながらですね、市民の側にも理解があった
ルイフ・フィリップという方が連れて来られまして、
09:03
彼がですね、市民の王ですということで、王様に即位をいたします。
これがですね、7月王政と言われるやつですね。
この市民の王として期待されたですね、ルイ・フィリップですね。
ルイばっかりですけれども、ルイ・フィリップなんですけれども、
蓋を開けてみると、彼が味方したというかですね、彼が政治でですね、
組み上げた人たちっていうのは、もうブルジョア人の中の、それもごく一部という形ですね。
当時はですね、納税額で選挙権を持つということが決まっていたので、
政治家たちも金持ちから選ばれた、金持ちのための政治をする人たちということで、
全人口のですね、1%未満の人しか選挙権がないという形で、
大半の労働者とかですね、若い学生とかは完全に茅野外に置かれるという状態になります。
さらに悪いことにですね、1840年代の後半に、ヨーロッパ全域を大規模と復興が襲うということで、
パンの価格が跳ね上がってしまうということですね。
町には失業者があふれます。
政治に不満を言いたい民衆たちなんですけれども、政府はですね、
集会を厳しく取り締まるということをいたします。
人々はですね、宴会なら文句はないだろうということでですね、
食事会の亭を取って、酒を飲みながら政治の不満を語り合うというようなことをいたします。
これが改革宴会、バンケットと言われるやつですね。
1848年の2月22日なんですけれども、政府がですね、その宴会も危ないということで、
宴会ですら禁止するという形で潰しにかかってきます。
市民たちはですね、宴会まで奪う気かということで、ブチ切れたわけですね。
それで、その次の日の23日ですね、軍隊との衝突で流血騒ぎが起こると、
またですね、パリ中の路地にですね、バリケードが築かれるという形になりました。
このですね、市民の怒りにビビったルイ・フィリップはですね、
変装してイギリスへ逃げると、亡命するということになります。
たった3日間のですね、革命というか暴動で、王国はまた崩壊したという形で、
これが2月革命と呼ばれている形ですね。
この2月革命によってですね、ついに王政は終わりを告げて、
それでですね、20歳以上のすべての男性ですね、
この時男性だけなんですけれども、
選挙権が与えられる男性普通選挙というのが導入されましたよということになります。
この時なんですけれども、ルイ・パスツールはですね、25歳でした。
この熱狂の中にいたという感じですね。
彼はですね、多分お父ちゃんがですね、ナポレオンの軍隊で英雄だったので、
12:08
その話も聞いてたというところもあってですね、
自分も市民の一人としてですね、何かこう熱いものがあったのかなと思います。
で、パスツールはですね、この広場にですね、
新政府がお金を集めるために寄付金箱をですね、置いてたみたいなんですけれども、
そこにですね、自分が安月給の中から一生懸命貯めてたですね、
全財産の150フランを全額寄付するということをいたします。
ちなみにですね、当時の大学の若手の研究員の給料というのが100から150フランぐらいという形で、
150フランというのは月給の1ヶ月から1.5ヶ月分ぐらいになるというような感じですね。
現代の感覚でいうと3、40万ぐらいをですね、寄付金として投げ入れたという形ですね。
で、さらにですね、自ら銃を取って町を守るんだというふうな形で国民義勇軍に志願しまして、
さらにですね、元軍人の父親へ向けてですね、激烈な手紙を書いております。
自由万歳、祖国万歳、私の心は新しい共和国への熱情で満たされていますというような形ですね。
で、これにですね、お父さんもこうしてくれるかなって思ったんだと思うんですけれども、
お父さんからはですね、政治に関わらずに研究に専念しなさいというような形でですね、
たしなめられた形になりました。
ということでですね、非常にお父さん尊敬してましたので、そうかということで実験室に戻るということになります。
で、このですね、熱狂から戻ったですね、パスツールは前回紹介したですね、
主席さんの工学遺生体を発見したということになりまして、
そこからですね、科学界のスターに上り進めていきますよということになります。
でですね、大発見ですね、これも本当に科学史に残る大発見なんですけれども、
それがですね、認められていいポジションにつけるかなというふうに彼は思ってたんですが、
当時のですね、フランス政府からですね、最初のこの業績の後ですね、命じられた仕事というのがですね、
地方の高等学校の物理教師になれというようなものでした。
で、研究設備もないですね、高校で教育現場の仕事にですね、パスツールは絶望します。
もう全然研究できないんじゃないかということですね。
で、師匠であるですね、ビオとかギマとかといったですね、大物学者に働きかけをしてもらいまして、
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で、なんとか研究環境のあるですね、ストラスブール大学へのですね、着任を取り付けることができました。
で、ただですね、そこで与えられた肩書きっていうのがですね、
補佐教授とかですね、代理教授とかって言われるような正式な資格じゃない教授みたいな、そういう立場になりました。
で、この補佐教授という立場はですね、いわゆる抗体要因の教授みたいな形でですね、
正式な教授が病気とか不在の際に講義を代行したりとか補助をする立場という形で、
給料はですね、正教授に比べると半額というような金額になります。
身分としても契約は不安定でですね、いつ打ち切られるかわからないというような非常に不安定な職業でした。
当時のパスツールはですね、実家からの仕送りももらっていたみたいでですね、非常に切り詰めた生活をしていました。
またですね、実験機材とかそれに使う試薬とかも独自調達だったみたいでですね、
なので生活費を削っては研究費に回して実験をするというようなですね、非常に極貧研究生活を送っていた模様です。
で、ストラブル大学にですね、着任してわずか2週間後にですね、パスツールは運命の出会いをするという形になります。
で、それがですね、大学総長のロラン氏という形、ロラン氏のですね、自宅を挨拶で訪れた際にですね、
娘のですね、マリー・ロランさんにですね、一目惚れをしてしまったという感じですね。
まあ例えて言うと、社長礼状に一目惚れした新入社員みたいな、そんな感じなのかなと思います。
相手はですね、大学のトップのご礼状で、自分はですね、本当に新入社員というか、いつクビになるかもわからない給料の安い代理教授という立場ですね。
普通なら気をくれしそうな感じなんですけれども、パスツールはですね、もうとにかく頑張ります。
で、出会ってわずか1ヶ月後にですね、彼女の父親ですね、学長へ旧婚状を送りつけるという形ですね。
で、それがですね、私には財産というものが一切ありません。
で、あと健康状態も並ですと。
分かっているのは、私の将来の全運命がマリーさんに気に入っていただけたかどうか、それだけにかかっていると。
で、私にあるのは誠実な心と科学への情熱、そしてマリーさんを幸せにするために全力を尽くすという決意だけですというふうに書いて送りつけます。
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こういうですね、自分の貧しさとかですね、弱い立場っていうのを書いてですね、
ただ誠実さと情熱だけで娘さんをくださいというふうに送ったわけなんですけれども、
なかなかですね、返事は来なかったみたいなんですが、学長も最後にはおりてくれたみたいで、
マリーと結婚することができましたということですね。
多分結構、ルイの業績とか将来性は学長も分かってたのかなという気がしますね。
なので将来見て、後々こいつはビックリになるんじゃないかなって思ってくれたんじゃないかなと思います。
結構長い間返事が来なかったんで、ルイは悶々としてたみたいなんですけれども。
結婚後ですね、もちろん給料が良くなった立場がですね、学長の娘もらったからといって立場が変わったわけではなかったので、
全然裕福ではないという形ですね。
非常に疾走な生活を送ってたみたいなんですけれども、
マリーは例上でありながら夫の貧しさを責めるというか、彼の最大の理解者となってくれます。
例えばですね、実験助手をやってくれたみたいなんですね。
助手を当然雇うお金がないので、マリーは自ら実験ノートを取ったりとかですね、
論文の講述筆記を行ってくれたりとかしたみたいですね。
あとですね、夫が研究に必要な薬品を買えるようにですね、
食費とか生活費を徹底的に工夫すると、カットするということもしてくれたみたいです。
いいとこのお嬢さんなのに、一目惚れでこんな献身的な妻を見抜けるパスツールの見る目すごいね。
マリーさんもかわりぶりもすごいよね。
一目惚れされたから別にマリーの方からってわけではないのに、
こんだけ支えをって思ってくれたっていうのはすごいよね。
いいカップル。
で、パスツールがですね、後にこの大学の正教授ですね、
正式の教授に昇進するという形になっていくんですけれども、
これはですね、やはりこのマリーさんの存在があったからかなと思います。
間違いない。
でですね、結婚から4年の間に仲が難しかったんだと思うんですけども、
3人子供が生まれるということで、
ただでさえ苦しかった経済状態はですね、ますます苦しくなっていくと。
これはマリーさんロラン家からの援助とかはなかった?
21:05
あんまりなかったんじゃないかなと思いますね。
特にそこについて調べてはないけど、
とにかく苦しいっていうことはよく書いてあるので、
ちょっとは助けてくれたりもしたのかもしれないですけどね。
ご飯くれるとかね。
それこそお野菜もらって帰るとかあったかもしれないですけど、
ちょっと実家行ってきてみたいな。
それでですね、
こんだけマリーさんに愛してもらってたパスツールなんですけれども、
彼はですね、もう実験中毒ですね。
とにかく実験に熱中するとですね、
家に帰るのも忘れて実験しちゃうみたいな。
そんな方ですね。
どんどん加熱していくわけなんですけれども、
彼がですね、次に狙いを定めたのは、
当時の科学界がですね、
ゆぐえを加えて、
もうどうやったってこれ解けるわけないだろうっていう難問ですね。
天然の主石さんですね、
からラセミ酸を人工的に作り出せないかという難問ですね。
左手を右手に変えれないかというような問題を
パスツールは解こうとします。
なんでですね、
これが人々が目指していたのかということなんですけれども、
これ、パリの薬学会からですね、
これができたら150フランっていうですね、
1500フラン?
1500フランですね。
だからパスツールが100フランから150フランぐらいで
働いているという形なので、
月給の10倍ですね。
年収にも匹敵するような額の賞金がかかっていました。
なのでパスツールはこれに挑んでやろうというふうに思ったわけですね。
じゃあなんでパリの薬学会がですね、
そんな賞金をかけたのかということなんですけれども、
当時ですね、
主石さんっていうのは布染料を定着させるための薬剤として使われていました。
あと医薬品とかですね、
写真技術なんかでも欠かせないものだったんですね。
ただ天然の主石さんですね、
右側の物質なんですけれども、
これはですね、水に溶けやすくて、
溶けやすいせいでですね、
すぐに湿気を吸ってベタベタになっちゃうという形で、
工業的にちょっと厄介な特性がありました。
それの左右が混ざったらですね、
左と右が程よく混ざったラセミさんはですね、
これに対して性質が違ってまして、
水に溶けにくくてですね、
さらさらの美しい結晶になりやすいというですね、特性を持っていました。
で結晶になりやすいということはですね、
不純物を取り除きやすいというのもありまして、
なので純度を高めれるという形で、
24:00
工場での長期保存に非常に便利だということで、
工業的な特性は同じなんだけれども、
保存しやすいというところで、産業界からするとですね、
ラセミさんを量産できれば、
これまでの主石さんの弱点を克服できるということで、
期待されたということになります。
ただですね、自然界の中ではですね、
ほとんど主石さんしか、
ワインの樽の底にですね、
どんどん出てくる、勝手に作られてしまう結晶なんですけれども、
ワインの樽の底に出てくるものっていうのは、
ほとんど主石さんで、
ラセミさんがあんまり取れることがなかったんですね。
なので、この主石さんをラセミさんにするっていうのは、
何が何でもやりたかったんですけれども、
どうにもやり方がわかんないということで、
ここにパスツールが飛び込むということになります。
パスツールはですね、これを熱してみたりとかですね、
強力な酸をかけてみたりとか、
いろいろなことを試してみます。
なんですが、一向にちょっと拉致が開かなかったんですけれども、
主石さん単体で何かいろいろやっちゃってもダメだということで、
別の物質も使って、それで加熱してみたらどうだろうかっていうので、
当時ですね、キナっていう樹皮ですね、
南米からの木みたいなんですけれども、
そのキナの樹皮から取れるですね、
マラリアの特効薬がありまして、
それがキニーネって呼ばれるもので、
今でも薬で使われてますけれども、
キニーネを抽出する際に出てくるですね、
シンコニンっていう、また別の物質があります。
このシンコニンと主石さんを混ぜ合わせて、
それで熱をかけてみたらどうだろうっていうふうに考えつきます。
パスツールはですね、この2つをですね、混ぜ合わせまして、
厚手のガラス缶の中に入れて、
それでバーナーでですね、
そのガラス缶の口を閉じるという形ですね。
それからですね、高温にするために、
そのガラス缶をオイルで満たした鍋の中に入れまして、
170度というですね、高温で数時間に渡って加熱するということを試みます。
当時ですね、この耐熱容器とかなかった、
完全密閉できる耐熱容器とかがなかったので、
170度を作り出すというのはこんな危険な方法しかなかったんですね。
もしこれがですね、ガラスが熱に耐えきれずに破裂するとかってなると、
今度油の中につけてますんで、
油がまたさらに、高温の油がですね、飛び散りまくるみたいなことが起こりますので、
27:08
大変危険な実験だったわけですけれども、
これしかやりようがなかったんで、
これをやったということですね。
それでですね、熱と圧力をかけて、
シンコニンの力を使って主石酸を右手から左手にかえるということを
何回かやってみたんですけど、見事にですね、これが成功しまして、
それで150フランを獲得することができました。
1500フラン。
1500フランの賞金を獲得してですね、
それで、それによってだいぶ家計が楽になったということですね。
この1500フランを獲得してですね、
このやり方っていうのが世の中に出てきますとですね、
これを使ってラスミ酸が量産できるぞっていうふうに
世の中はわいたわけなんですけれども、
かなり手間のかかる実験ですね。
シンコニンっていう物質も結構高かったみたいで、
なのでそもそもこんな高温を作るっていうのも
簡単にできない時代ですので、
このパスツールが開発した方法っていうのは
世の中で使われることはなかったみたいですね。
という形で、世の中には全然この当時は役に立たなかったけれども、
D体、光学位星体でD体とL体って言うんですけれども、
D体からL体に変えることができるようになってきました。
そういうことができたということですが、
結局のところ、それは役に立たなかったけれども、
そんなことができるんだっていうことは、
世の中に広まったという形ですね。
これが化学史に残るというような、
次のパスツールのステップアップになったという形になります。
実験に成功したパスツールはですね、
これを本市の美容に報告を手紙で送ります。
美容はですね、この報告を受けてですね、
これすげえということで、
化学アカデミーへこんなことができたよっていうのを発表いたします。
そしてですね、
ルーパスツール自身はですね、この偉業を称えられて、
フランスのですね、最高栄誉であるですね、
レジオン・ドヌール勲章というのを授与されることになります。
これはですね、かつてですね、兵隊であったお父さんですね、
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ナポレオン軍の中で英雄としてですね、
評価されたお父さんもですね、
同じ勲章をもらってまして、
立場は兵士と科学者というですね、違う立場ですけれども、
お父さんと同じ勲章が取れたということで、
非常にですね、ルーパスツールにとって、
お父さんを非常に尊敬しておりましたので、
誇らしいことだったようです。
というところでですね、
2つ目はですね、
D体、化学異性体のD体、L体をですね、
生きかえ、
左右が違うものを左手を右手にするということを
化学的にできるようにしたと、
化学的にできるやり方っていうのがあるんだよということを
発見したよというところで、
話を今回は終わらにさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
31:22

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