炉の製作過程
前回からの続きです。
溶かすために、炉をまず作らなきゃいけない。
はい、はい。
炉を作る材料は、耐火レンガ。これは買ってきます。
耐火レンガ。
そりゃあね。レンガを作るところからはできないよね、きっとね。
耐火レンガを組んで、煙突みたいなのを作るのね。
うんうん。
煙突の内側に泥を塗って、外側にも泥を塗って、空気がツーツーにならないように。
レンガで組んでも隙間ができちゃうから。
隙間ができる、うんうん。
そういう隙間ができないように、内側も外側も粘土のドロドロにしたやつで塗り込むのね。
うんうん。
で、カラカラに乾かして、水分がない状態まで乾いたら初めてその炉が使えるんだけど。
あー。
で、その中で炭をガンガンに焚いて、で、ちょっとずつ砂鉄を落としていくっていうのがざっくりとしたやり方。
へー。
そのレンガの炉の中で火を焚いて、その砂鉄を落とすのはその入れ物的なところの中に砂鉄を落とすって感じなのかな。
あのもうこの煙突にどんどんザーって入れていくの。
へー。
炭で火がぼんぼん燃えてて、その砂鉄は火の中で溶けたら、どこに溜まっていくの?
あのね、そう、わかる。
うんうん。
炭に触れないと鉄が高温にならないから、直に炭に当てるわけ。
へー。
で、どこにも溜まらないっちゃ溜まらないっていうか、
どっか器を作ってあってそこにドロドロになった鉄がサラサラと流れていくのではなくて、
ではないんだ。
そうそうそう、炭の中でなんとなく溶けていって、なんとなくいくつかの塊ができるみたいな状態に。
なるほどー。
だからまん丸な鉄が取れるとかじゃなくて、ギッチャギチャグッチャグチャの、これ炭なんだか鉄なんだかなんなんだかみたいな、
謎の塊のような塊じゃないようなものができるの。
へー、そうなんだ。
そうそう。
うんうん。
でそれを、まあ最後、最後というか、炉は一回使い捨てだから。
製鉄の技術とその課題
あー使い捨てなんだ。
うん。
へーすご。
その製鉄の創業って、あの、創作の創意、技っていうか、その創業の時、一回こっきりのものなんだね。
へー。
朝から始まって、夕方ぐらいまでひたすらずっと炭を燃やし続けて、破鉄をずーっとくべ続けて、
うん。
夕方頃に火を落とすまで、で一回なんだけど、それでもう壊しちゃう。
へー、ボロボロになっちゃうってこと?
その中の鉄を、鉄というかケラっていうその鉄の塊を取り出すためには、手突っ込んで取り出すわけにはいかないから、
おー。
組んだ炉の煙突状になってる炉の外壁をもうぶっ壊して、
おー。
粉々に、粉々っていうか、引き倒して中身を取り出すって感じ。
へー。
そうなんだ。
うん。
それが、その、なんだ、島根の、ちょっと地名忘れちゃったけど、そこでも毎回そうやって炉を壊してってやってる手法?
えっとね、ちょっとそれは私もちゃんとは分かってなくて、いろいろなんかテレビ番組とか見たりしたんだけど、
うん。
あのー、もうね、規模が違いすぎて、
おー、はいはい。
うんうんうん。もうなんか、なんていうの、
うん。
うちのトイレと東京ドームぐらい規模が違うっていうか、
たとえ。トイレ出してくるたとえ。
その、そこまで差はないけど、
うんうんうん。
まあ、えっと、うちのトイレとプールぐらい、学校のプールぐらい違うかな、規模が。
うんうんうん。とにかくトイレは外さないのね。
うちの風呂でもいいや。
うちの風呂と小学校のプールぐらい規模が違うから、
うんうんうん。
どこまでが、その、なんていうの、ほんと、
うん。
てかまあ、今の働性で言っても、商業ベースにはほとんど乗ってなくて、
あー、そっかそっか。
絶滅危惧種なのね。
うんうんうん。
もうほんとになくなるんじゃないかと言われて久しいんだけど、
あー、うんうん。
そう、どうなるのか、ギリギリ続くのか、
うんうんうん。
ほんとに刀鍛冶の皆さん方も困ってらっしゃると思うんだけど。
タタラ製鉄との出会い
うんうんうん。
うん。
本気のやつは、もうめっちゃ規模が大きいので、
うんうんうん。
私たちと同じように毎回ロー組んで引き倒すっていうのでは少なくともなくて。
うんうんうん。
なるほどねー。
その、でもロー組んで壊すっていうのを考えた人すごいね。
うんうん。
超規模。
うん。
うん。
で、やるにはこのやり方みたいなのにきついたんだもんね。
うーん。
すごい。
うん。
そもそも、
うん。
趣味でタタラ製鉄やってる人がこの世にいるなんて想像もしなかったし、
うん。
自分が所属してることも未だになんかあんまり理解できてないんだけど。
いやー、すごいよねー。
ねー。
コグマちゃんらしい感じもするけど。
うん。
うん。
でもきっかけが、
うん。
私っぽくて。
うんうんうん。
今日はお客さん、仕事のお客さんに紹介してもらったんだけど、
おー。
そのお客さんとの出会いが私はすごい気に入ってて、
おー。
近くの図書館で毎年健康講座をやらせてもらってて、
あ、えーすごい。
うん。
で、その講座に参加してくれてた方が私をその講座で気に入って、
常連さんになってくれたの。
おー。
で、その気に入ってくれたきっかけが、
うん。
どうしてあの会をきっかけだけど、
うちに通ってくれるようになったんですかって聞いたら、
うん。
話が面白かったからって言われて、
ほうほうほうほう。
なんていうの、腰痛予防とか肩こり対策についてレクチャーする会だったんだけど、
うん。
その内容とか全然そんなんじゃなくて、
ほう。
私のそのとあるトークが面白かったって言って、
とある?気になるな、気になるな。
本編が終わってだいたい1時間ぐらい喋って、
30分を質疑応答のコーナーにだいたいすると、
はいはいはい。
で、本編の時にはあんまり質問で出ないんだけど、
おー。
終わった後がすごい盛り上がるのがだいたいそういう講座で、
おーそうなんだ。
基本的には自分の健康相談はしないでください。
今日の、
え?
そんなことしてたら時間がいくらでも足りないし、
みんな自分のあそこが痛いここが痛いって言っちゃうから、
なるほど。
その健康相談を受け付けてない、その質問コーナーでは。
はぁはぁはぁ。
そういうのしたい人はもううちの治療室にお金払ってきてくださいって言うんだけど、
うんうん。
今日の講座の内容について何か質問があれば、
なるほど。
お答えしますっていうコーナー、30分なんだけど、
はいはいはい。
そんなのをガン無視して、
うんうん。
あの、とあるおじいさんが、
うん。
はいって手を挙げて、はいどうぞって言ったら、
うん。
なんか自慢したいおじいさんで、
え?うんうん。自分のことを?
そうそうそう。
私はもう80を過ぎていますが、
うん。
もう生まれてこの方、痛いところが一つもありません。
へぇー。
しんどいこともありません。
うん。
これは異常なことでしょうか?って言われて、
うん。
はいはい話聞いてほしいだけねと思って、
あははは。
でもそれに付き合ってる時間はないので、
うん。
あの、何ですって?痛いところがないんですか?そのお年で?
それは神様とご先祖様に感謝です。皆さん拍手をお願いします。
はい次の方どうぞって言って、
あははは。
話をぐったぎった。
うんうんうん。
そしたらそれがすごくよかったって言って、
あははは。
おぉ。
それが気に入ったから来ましたって言われて。
へぇー。すげー。
そっか。そのおじいちゃんは素直に引き下がったんだよね?
だってもうみんなから祝福されて、
あ、そっかそっか。
大拍手されて、
そっかそっか。
もう次の方どうぞって言われたら、
うんうん。
うむってなって、全然もう次の言葉は出てこなかったから。
あーなるほどね。すげー。
確かにそんなんよくパッと思いつくね。
あははは。
ほめで殺す。
うーんすごいわ。
いやーいつかやろう。
ご先祖様に感謝ですってなんか結構使えるよ。
あははは。
いやーすごいなー。
うんうんうん。
確かにそれは気に入るわ。
うん。
あははは。
それでその人が週に1回来てくださるようになって、
うんうん。治療受けてくれるようになったってこと?
そうそうそうそう。
うんうんうんうん。
神経治療。
うんうんうん。
で、なんか結構、なんていうかな、偉い人で、
偉い人っていうのがそのなんていうのかな、エコノミスト、経済学者みたいな人なんだけど、
うーん。
まああの、経済、今後の経済とか、今までの歴史とかいろいろ、
今までの歴史を研究して研究して、これからの経済の先行きを予測するのがお仕事の人で、
うーん。
でもお勉強たくさんしてらっしゃるから、
うんうん。
その人も喋りたい。
うんうんうん。
で、私の治療中、基本的に、
うん。
一コマ、いくら払ったらこの話聞けんのかなっていう、
おー。
経済学のお勉強コーナーになってたの。
すげー。
そう。
へー。
うんうん。
自分がこの1年読んで、よかった、おすすめの本の1時間とか、
うーんうん。
会わせについて1時間とか、先進国の経済事情1時間とか、毎週1時間、
すごい。
私は治療するし、ずっとその患者さんが経済について話してくださってて、
うんうん。
これ、1回の金額すごいんだよって言いながら、ずっと多分その人は喋りたいから喋ってて、
へー、すごいんだよって自分で言うんだ。
そう。
へー。
うんうん。
基本自慢をじさない方だったから、
そうなのね。
これはすごいのでってずっと言ってた。
うーん。
でも実際本当に、私は全然経済とか政治とかそういうことうっといから、
何もかもが新しい知識で。
うんうんうん。
うん。
へー。
で、なんかそんな話の中で、
うん。
どういう流れか、その方の高校の同級生が、
うん。
たたら製鉄の会をやってて、自分も所属してる。ただし1回も出たことないけどっておっしゃってて。
へー。
で、なんで?と思って、
うんうん。
私たたら製鉄すっごい興味あるから、紹介してくださいって言ったら、
自分は急には紹介できないけど、主催者に聞いといてあげるねって言われて、
うんうんうん。
聞いといてあげるけど、自分でも入りたいって言ったら入れるかもよって言われて、
その連絡先聞いて、
うんうんうん。
で、ホームページもあるからホームページも見て、
うんうん。
誰々さんに聞いて入りたいと思ってます?って言ったら、
あーもうどうぞどうぞって入れてもらって、
へー。
直接連絡してって感じだったの?
うん。
へー。
うんうんうん。
ただ中途半端な参加は受け付けておりませんって言われて、
おー、なるほど。
結構電波が届かないような山奥でやる作業だから、
あーそうなのね。
自分で車がない場合は、連れてってもらうしかないから、
はいはいはい。
ちょっと行って、今日は早めに帰りますみたいなことが事実上不可能なのね。
うんうんうんうん。
だから参加するってなったら、その1日は丸1日作業に参加できなければ、
ちょっと正直お断りします。
はいはいはい。
まあそれはしょうがない、しょうがないっていうか別に。
うん。
うんうん。
で、参加させてもらうようになって、
おーすごい。
うんうん。
へー。
この朝5時に起きて、
おー。
そう、集合場所まで行って、お迎えに来てもらって、
うん。
で、山の中入って、
うん。
そう、電波届かないから丸1日私は行方不明になっちゃうんだけど。
え、車でどのぐらいの場所なの?
駅から車で20分とかなんだけどね。
タタラ製鉄のはじまり
あー、そこまでじゃないんだね。
うん、そこまでじゃん。
うんうん。
しかもだって人んちの裏山?
あー、なるほどね。
って感じだから、そんな険しいとこではないんだけど、
どこもしか電波が入んないっていうだけ。
うんうん、なるほどね。
うんうん。
へー、すげー。
もうどのぐらいやってるの?
3年くらいかな。
私はね、だけど会自体はもう何十年、何十年、20年とかやってるんだよ。
へー、すげー。
そこの発祥というか、スタートは公民館の勉強、勉強会というか課外活動。
あ、課外活動じゃない、公民館活動?
うーん。
今やってらっしゃるリーダーの方の、近所の公民館で、
タタラ製鉄興味ありませんか?って言われて。
うんうん、その人が誰かに言われたって。
公民館の主事さんに誘われたんだって。
ほうほう、へー。
で、まあ、ものすごい強引に巻き込まれる形で、
リーダー、今のリーダーが、タタラ製鉄とは何かみたいなのを考える会みたいなのに入会させられ、
へー。
1回か2回やったのかな。
それででも、主事さんが転勤になっちゃって、
その勉強会自体はなくなったんだけど、
そんな感じで結局、続ける。
そのリーダーの方が個人的に続けて、今に至っている。
作業のプロセス
へー。
続けるにあたって、
東京工業大学の製鉄の研究者の方のところに頼もうって言って、
勉強させてもらいに行ったりとか、
いろんな日本中のタタラ製鉄の研究者とか、
そういう方のところに勉強に行ったりとか。
されて、やり方をどんどんどんどんブラッシュアップしていって、
へー、すごいね。
基本的には、私コロナの最中に加入したから、
活動があまり活発じゃないときに入会してて、
そのときは、集まれれば年に一度、
炉を作って、その炉でもう一回集まって、
溶かす、創業するっていう、年に2回しか集まってなくて。
あー、作るときと創業するときとっていう感じだね。
そうそう。
今はできれば年に3回か4回集まろうっていうのがあって、
だから2回創業できたらラッキーで、
暑い時期も炭焚くのにものすごい高温になるから、
真夏はちょっと作業がどうにもできないので、
春先と今の秋冬に作業をまとめてやろうっていうの。
プラス、黒金会ってメンバーが何十人とかいるんだけど、
変態しかいないよね。
ゆっくり言ったところで単語は変わんないから。
変態さんしかいらっしゃらないよね。
そもそも日常生活の中にタタラ星鉄があるっていう、
心の中にタタラ星鉄を持ってるっていう人が多分あまりないと思うんだけど、
いないだろうね、俺も初めて聞いた。
それを結構真面目にやろうっていう人たちは変わってて、
私もそうなんだけど。
いやいや。
スペシャリスト、多分多いのが大学とか国立の研究機関の研究者の方とか。
割合が多分多いっていうのと、
会のリーダーの方の出身校の関係で、
すごいエリートの方が多くて、
結構企業の従業員とか社長さんとかがワイワイ集まってて。
何人くらいいるの?
30人メンバー多分いて、
作業に集まるのは多くて12,3人1回。
少ないと5,6人の時もあるんだけど。
ロー作る時ってあんまり実は人数がいらなくて、
ロー作る作業自体は2人くらいでしかできないんだよね。
そうなんだね。
4,5人いたら全然できる。
ただ創業の時は結構いろいろ手が必要だから、
10人くらいいたらいいなっていう感じなんだけど。
手がいるっていうのもあんまり、
電気で風を送るのであれば、
風を送っている間はただ見ているだけなのかなとか、
思っちゃうんだけど。
分かる。
手がいるんだろうと思って。
さっきはざっくりとしか説明しなかったんだけど、
まずちょっと炉が完成している状態っていうのを前提に話すと、
炉がありますが、そこに炭を入れるって言ったでしょ。
炭って3×3cmの立方体であることが理想。
そうなんだ。
この小規模の炉ではね、って言われてるんだけど。
私はそう聞いているんだけど。
でも3×3cmのキューブの炭なんて存在しない。
売ってないから。
見たことない。
炭を炭だわらで買ってきて、
炭切りっていう作業がまず発生する。
股で炭を切って3×3にするの。
それがすごい大変で。
粉、あれ多分粉塵素って肺に悪そうなんだけど、
すごいマスクして、眼鏡もして、
さらにグルグルに手拭いとかで隙間を埋めて、
耳も鼻も髪の毛もなるべく粉浴びないような状態で、
ひたすら炭を切り続けないと、
莫大な量の炭を1日で燃やすから、
まずその炭切りに4,5人は必要なのよ。
そうか。
だから炉を作ってる間も、他に人数が余ってたら、
その間に炭切りもしちゃっとくんだけど、ストックのために。
だけど間に合わないぐらい炭が必要なので、
炭切り作業するチームがまず4,5人必要で、
で、炉の方で砂鉄の量を測る人とか、
あと温度見る人とか、
炉に実際に炭を入れたり鉄を入れたりする人とか、
水汲んでくる人とか、
ちょろちょろちょろちょろ作業が必要なの。
ごめん、温度ってどうやって分かるの?
今どきのやつで、レーザーみたいなのいって当てると、
表面温度を計測してくれる、
コロナの時におでこで体温を測ったやつあるじゃん。
ああいうやつがあるのよ。
それで分かるんだ。
表面温度だけでね。
あとは、厳密にずっと温度を測り続けるわけじゃないんだけど、
なんとなくの温度は、炉の上は穴が開いちゃってて、
そこから炎がバンバン見えるんだけど、
炎の色でなんとなく温度が分かる。
分かるんだ。
だから下がってきちゃったねって言ったら、
風をちょっと多くしたりとか、炭をどんどん入れようとか、
テンポを変えようとかっていう。
言われてみれば。
すごいね。
ただ好きでやってるんだもんね。
はい。
ちょっとおかしいよね。
いやー、でも素敵だなと思うけど、やれるのすごいと思う。
実際その出来たタタラはどうなるの?その後。
私はまだそこまでに至ったことがなくて。
え?
ひたすら材料をまだ集めてる状態。材料だけ。
ケラっていう砂鉄から1回溶かされた鉄の塊。
鋼になる前の状態っていうのをひたすら作り続けてて。
3年。
まだその先にはほとんど進んでないの。
私が加入する前に鋼にまでして、
それで小刀を作ったという歴史はあるっぽいんだけど、
私が加入してからまだ物にまでは行けてないんだ。
量が足りないってこと?
製鉄の先行って、刀鍛冶のゾーンに入ると、
もう我々には到底できない技術の世界だから、
刀鍛冶の人にお願いして、材料持ってって、
記録と反省
溶かして形にして、
刀なり小刀なり、そういうナイフみたいなのにしてもらうのって、
すごい大変だし、その人を1日雇わなきゃいけないから、
なかなかやるの大変っぽい。
なるほど。
そうか。
すげー。
すげーんだよ。
全然想像の遥か上を行ってた。
すごいな。
さっきの作業の中に記録係も必要で、
炭が落ちるって言うんだけど、炉の中に炭をどんどんくべて、
高温になると炭がどんどん燃えるから、
例えばその炉の一番表面まで炭をバンバン詰め込んだとしても、
燃えたらガンって下に傘が下がって、
炭の表面がバンって落ちる瞬間があるのね。
その炭がどのぐらいのスピードで落ちるかとかで、
また中の様子が変わってくるから、
そのペースを最適に保つために、
どのぐらい炭を入れるかとか、どのぐらい砂鉄をくべるかとか、
何分ごとに炭を入れましたとか、
砂鉄をその間に何グラム入れましたみたいなのを
ひたすら細かく書いていかなきゃいけなくて。
それでうまくいったら、次もその記録通りにやってみるとか、
うまくいかなかったらどこがダメだったのかなっていうのを
振り返るための記録係は常にいて、
それはずっとデータが蓄積されてて。
いやー、すげー。
だけどおかしいのが、
私、初めてその会に参加したときに、
本当にこの人たち賢くて、
本当にこの人たちはデータを蓄積して
今日があるのかなって疑問に思って口に出しちゃったんだけど。
え?
なんか、もうそろ…
まず創業の日、今日砂鉄を溶かしますよっていう日に
到着したら何をするかって言ったら、
炉の周りの草を刈るところから始まるんだけど。
草を刈って、だいたい道が開けたら、
炉の中に少量の炭を入れて、
炉を乾燥させて、
予熱というか、温度を上げていくっていう作業があるんだけど、
その、炉の温度を十分に上げるまでに
2、3時間かかったりするの。
次回に続きます。