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2023-07-24 17:44

第75回「なぜAGでないジェネリックを使ってる薬局が多いの?」/うっちーがAGを勧める裏の理由は?」

今回の内容 ・なぜAGではないジェネリックを使う薬局が多いのか? ・メーカーや医薬品卸会社との交渉‼️ ・流通困難が引き起こした薬局のジェネリック事情とは? ・AGを勧める理由は、新薬開発のため?

今回と関連したエピソードはこちら

第61回「ジェネリック医薬品について薬剤師としてはどう考えてるのか?」/「ジェネリックの方が良いこともある」 →https://spotifyanchor-web.app.link/e/uTVIe5wLLBb ご意見やご感想などお待ちしております!!      [Twitter] https://twitter.com/kusukenradio     [Instagram] https://www.instagram.com/kusukenradio     [gmail]kusuken.radio@gmail.com


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おはよう、こんにちは、こんばんは。薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、薬剤師ある私、うっちーが薬のことや健康のことなどで、ラジオ機の方や患者様からの質問などを紹介しながら、質問に答えたり、薬や健康についてのお話をしていくというラジオです。どうぞよろしくお願い致しまーす。
今回のテーマは、メールでいただきました質問です。
残念ながら匿名のメールでして、どなたからいただいたのかわからないんですけども、メールいただきまして本当にありがとうございます。
今回のテーマは、以前話したあるテーマの内容を踏まえた感じになりますが、よろしければお聞きくださいませ。
それでは今回のテーマはこちら。
なぜAGでないジェネリックを使っている薬局が多いの?
第61回の時にジェネリック医薬品についての話をさせていただきました。 その時と関連しての質問と思われます。
ジェネリックのメリットとかデメリット、こういったのは61回の時に話しておりますので、詳細は割愛させていただきますが、
今回の話、前提となりますので、ジェネリック医薬品とAGについて簡単に話をさせていただきます。
ジェネリック医薬品というのは先発医薬品。 僕はよくオリジナルの薬と表現しますけれども、このオリジナルの薬が特許は切れますと、
他のメーカーもその成分の薬作っていいよということになりまして、 これにより他のメーカーとか後から作られた薬をジェネリック医薬品と言います。
ジェネリック医薬品に関してはオリジナルの薬に比べると、薬の研究とか開発に時間やお金、人手をかけないで済む分、その分薬代を安くできます。
ジェネリックはオリジナルの薬と成分同じなので、効能とかは一緒だよというものが多いです。
特許の関係とかで効能が実は違うというものもあるんですけども、成分は同じなので効き目は同じとは言われております。
が、添加物の違いとか製造の工夫、こういったのが変わっているということはよくあります。
が、最近ではもともとオリジナルの薬を作っているよという医薬品メーカーが自社の医薬品のジェネリックを作ったりします。
また他の会社へ依頼して作らせたりすることもあります。
ただ、オリジナルの薬と製造過程も添加物も全く同じだよということになるので、ジェネリックに不安ある方にとってはより安全性が高いものになります。
こういったジェネリックをAuthorized Generic、通称AGと呼ばれるものです。
AGに関してもオリジナルと名前は変わってしまいますけども、中身は全く同じものです。
でもジェネリックなので値段は安くなりますよという。
ジェネリックにおける不安感をなくして医療費を安く抑えられるということで、今後はジェネリックはAGがどんどん増えていくんではないかとも言われております。
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薬局としてもAGだとオリジナルの薬と添加物も製造工夫も全く同じですよというふうに説明するのとても楽です。
ここまでが前提になるんですけども、ただ現実問題として多くの薬局ではAGではないジェネリックを取り扱っていることが大変多いです。
うちの薬局でもAGではないよという別のメーカーのジェネリックを扱っているものも実際あります。
AGがない薬品も多いので、まだAGがないんだ、そういう場合は仕方ないなとしても、もうすでにAGが発売されているにもかかわらず、AGではないジェネリックを取り扱っている薬局、これなんでかというのを今回話をさせていただきます。
理由としてはいくつかありますが、まず簡単なところですと、AGが後から発売されたパターン。
例えば何年何月何日からこの薬のジェネリックは発売してもいいですよとなっているんですけども、だいたいこの日から発売していいというときには何社かそのジェネリックを出すようになっています。
ただAGの場合が後から発売されるということもよくあります。
例えばCというメーカーが先に発売しているよという場合、もうすでにある薬局ではもうCのメーカーを使っている。
でもAGが後から出たと言っても、薬局としてはもうCのメーカーで何人もの患者様に渡してしまっている。
そうなってくると、いくらAGが発売されたと言っても患者様への説明が難しいということがあります。
すでにCのメーカーでもらっている患者様に別のメーカーになりますよと説明すると、なんで変わっちゃうのといった質問をよくされます。
また、AGだとオリジナルと同じ添加物ですよ、同じ製造過程ですよ、より安全ですよといったふうに説明しても、
じゃあ今までの薬は安全じゃなかったの?と思われてしまう可能性もありまして、大変難しいと。
また、CのメーカーとAGでは見た目が変わってしまう、例えばシートの色が違う、そういったこともあります。
なので患者様からしますと、飲み慣れている薬からやっぱり違う薬になると違和感を感じてしまう恐れがあります。
特に認知機能に不安のある方などでは、見た目が変わると飲まなくなることもありまして、いくら説明をしてもこれは全然違う薬だということで、後からクレームにつながりやすくなってしまいます。
また、こだわりの強い方でも、AGのことを説明しても、いやー今までと同じメーカーがいいよという方も大変多いので、
ここら辺はAGが後から発売されたパターンだと正直変えるのは難しいということもよくあります。
こういった形でAGの発売が遅れた場合は、AGに変えにくかったりもします。
ただ、今から話しますのは、薬局の都合という面が強くなる理由で話をしていきます。
薬局の都合、主に薬局と医薬品メーカーとか医薬品の卸しとの交渉の都合です。
ジェネリックのメーカーなどから、うちの薬を使ってほしいということで、そういった営業は薬局によく来ます。
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派手な接待とかは近年本当になくなりましたけれども、それでもこまめに挨拶に来る営業の方などで仲良くなったりすれば、その営業の方の薬を優先したくなったりしますよね。
例えば僕の場合でも、やっぱりポッドキャストを聞いて質問をくださっているメーカーさんとかは、ちょっと優先しちゃうなという時は正直あったりします。
ただジェネリックメーカーと薬局の営業の中で、場合によっては薬局の利益が出やすいというふうに営業をかけてくることもあります。
例えば、Eというメーカーの営業さんが来られたとします。 うちのEというメーカーの薬を使ってもらえたら、Eの仕入れ値安くしますよというこういった感じです。
またこれはジェネリックのメーカーだけではなく、医薬品を卸す卸し会社からもこういった交渉をされることもよくあります。
この時、仕入れ値が安くなったとしても、薬局で患者様へ薬を渡す際の値段というのは変わらないです。
これは国の方で、この薬とか例えばEのメーカーとかはいくらで仕入れようとしても、この値段決まった値段で患者様へ渡しなさいねというふうに国のルールとして決められています。
薬局で勝手に安くできるというものでもないので、薬局としては仕入れ値が安くなればなるほど利益が生まれやすくなります。
そうなると薬局としては利益が出やすいメーカーの薬を優先して使ったりもします。
これはまさに利益が絡むということで薬局の都合によってジェネリックのメーカーが決まったりもしています。
今挙げてきましたAGが後から発売になったパターン、ジェネリックメーカーや医薬品卸しの営業のかけ方、
こういったのでAG以外のメーカーを使うということはよくあったりします。
ただ昨今ですとある大きな問題で薬局としてはAG以外のメーカーを使うことになっているということも多いです。
それは薬の流通問題です。 2023年7月現在薬の流通が本当に悪いです。
風邪薬とかビタミンの薬その他諸々本当に流通が悪いです。
最近ではテレビとかでもニュースで取り上げられたりしてますけどもジェネリックだろうとオリジナルの薬だろうと全然手に貼らないという薬も本当に数多くあります。
でも手に入らないからと言っても患者様としては薬が手に入らないそれは本当に困りますよね。
なので薬局としても何とか薬をかき集めています。 こうなってくるとAGがいいとか言ってられないです。
どのメーカーの薬でもいいからとにかく入れてくれとメーカーとか卸しと交渉をしたりもします。
こういった面からもAG以外のジェネリックが入荷したりもします。 ただその交渉の一環にもなるんですけども例えばあるMという成分の薬がどうしても手に入らない。
どうにかしてほしいと薬局が医薬品の卸し会社に泣きついたとします。 卸し会社の方からはじゃあMという成分の薬なんとかしますよ。
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でもその代わりにJという薬をうちの卸し会に入れてくださいよとか他にはKという薬 この薬のジェネリックのメーカーをうちの卸しが推奨しているメーカーで卸させてくれませんか。
といった感じで実際には手に入らない薬と別の薬でもこういった風に営業をかけられることがあります。
でも薬局としてはMという成分の薬がどうしても手に入らない困ってしまう。
なのでMという成分の薬が手に入るなら仕方ないなということで別の薬でもAG以外のメーカーのジェネリックに変更したりすることがあります。
このように現在問題になっている薬の流通都合の問題でAGを使ってない薬局というのはどんどん増えております。
このように様々な理由でAGではないジェネリックを使っている薬局は多かったりします。
ということで質問に対する僕なりの返答とさせていただければ幸いです。
さてここからは本日のワンポイントですけども今回のワンポイント健康ネタという感じではないんですけどもAGの話題ということで話をさせていただきます。
それでは本日のワンポイントはこちら。
うっちーがAGを勧める裏の理由は?
私うっちー、AGを勧めることが大変多いです。その理由としてはオリジナルと同じ添加物だったり同じ製造過程なので患者ための説明で納得してもらいやすいとか安全性を説明しやすいというのが表の理由です。
ですけども僕にはもう一つ理由があってAGを勧めています。
今回の話様々なジェネリックメーカーの方聞いたら怒るかもしれません。
何名かはもうこのポッドキャスト聞いてくださっていると言われているんですけどもあらかじめ言っておきます本当に申し訳ないです。
僕がAGを勧める理由、どうせジェネリック使うんであれば先発医薬品メーカーに金が流れるようにするべきだと思っているからです。
多くのジェネリックメーカーでは様々な薬のジェネリックを作ることに特化しておりまして新薬の開発をしないというメーカーが多いです。
新薬の開発というのは新薬を作る会社に任せてジェネリックしか作らないよというメーカーが大変多いです。
もちろんジェネリックがメインとしている会社の中にも先発医薬品とか新薬開発している会社はあるはあるんですけどもそれでも新薬を作ることをメインにしているよく言う先発医薬品メーカーとかに比べれば圧倒的に新薬開発とかは少ないです。
ジェネリックメインのメーカーの売り上げが伸びて先発医薬品メーカーの売り上げが落ちればそれだけ先発医薬品メーカーの企業としての体力が下がるのでその分新薬開発で力を入れられなくなっていきます。
世界的にジェネリックを推奨する流れではあります。医薬品口頭の問題というのはどの国でもある問題なのでとはいえなんですけども新薬というものが開発されなくなっていけば
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例えば今治療進まないよう苦しんでいるようという方新しい薬とかがあれば治療の幅が増えていく選択肢が広がっていくにも関わらず新薬開発がされないということでいつまでも治療が難しいという患者様減っていかないことになります。
正直なところどうしても手術とかだけでは対応できないという病気が多いので薬が必要な方は大変多いです。
日本の製薬業界というのは世界と比較して別に遅れているというわけではないんですけども
一応日本の製薬業界はアメリカ中国について世界3位の力があると言われております。これはさすがの技術開発力だとも言われたりしておりますが
日本の医薬品市場としては2026年にはドイツに抜かれて4位になるとも言われております。
正直なところ日本の製薬業界、世界に比べて伸びが鈍い状況です。
近年の新型コロナに関しても世界に比べて日本のワクチンとか治療薬がかなり遅れた理由
これは日本は海外に比べて審査が厳しすぎるからだよと言われたりもしておりましたが正直なところ
海外に比べて先進医療の技術ちょっと遅れてきてるんではないかと言われたりもしております。
特に今回の新型コロナに関しては今までとは違った技術を使われたりしているのでまさに今までと違う先進医療の分野になってくるので
この点で日本遅れ始めてるんじゃないかというのは危惧されております。
日本は超高社会であることや国民会保険制度こういうのを取っていることもありまして
医療費高との問題は正直他国に比べても深刻です。そのためジェネリックを推奨して医療費を抑えるようにする
この取り組みは当然だと思われますし、近年では毎年薬の値段というのは改定が行われております。
薬の値段が適正かどうかのチェックが行われまして、多くの薬の値段というのは年々下がっております。
また最近では新薬が高すぎるよねということで様々なメディアで薬の値段が高すぎるということは取り上げられるようになっております。
そういったニュースはだいたい新薬が高すぎて使いたい患者様に使えないじゃないかというニュース
こういったニュースよく流れるんですけども聞いたことはありませんか見たことはありませんか
新薬の開発というのは本当に時間やお金が必要です。 10年以上の時間と500億円以上の開発費が必要と言われております。
薬によってはもっと必要なケースというのは多いです。 薬によってはもっと必要なケースは多々あります。
また、よく言う新薬を開発できる確率というのは3万分の1とも言われております。
いろんな化合物を研究して作ってそれでも新薬になれるかどうかというのは3万分の1ということです。
こういった莫大な費用とかを回収するためにもレアな疾患の方、使う患者様が少ない病気のような方ではどうしても薬の値段が高くなってしまいます。
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これを高すぎる値段を下げろと言われてしまいますと医薬品のメーカーとしては
この開発しても儲からないじゃんとなると儲からない新薬の開発は中断する。こういったケース正直珍しくないです。
この薬の値段が高すぎるというのは問題だというのはこれを世間の声だよねということを味方にしまして国としても新薬の値段を高くできないように仕向けているという状況があります。
国からのこともありまして今本当に新薬の開発というのが難しくなっている状況であります。
でも新薬開発の目を少しでも潰さないようにしないといけないと思っております。
とはいえやはり薬局の経営事情とかもありまして、また多くの患者様にとっては医療費が安く済むというのは大変やはり懐事情としてもメリットが大きいです。
なので薬局としてもジェネリックを推奨しなければならないというのはやはり避けられない事情でもあります。
ただどうせジェネリック使うんであれば少しでも先発医薬品メーカーにお金が流れやすいAGがいいんじゃないかと僕は思っております。
AGというのは必ずしも先発医薬品メーカー自身が作ってないということもありますが、その先発医薬品メーカーと同じ系列の会社が作ったりすることが多いのでグループ全体として見れば利益につながるということもあります。
また先発医薬品メーカーが自分のところではAG作らないけれども、じゃあと言って別のジェネリックメーカーにAG作っていいよと許可するとき、こういった時も製造とか販売はそのジェネリックメーカーになると言っても先発医薬品メーカーには先発医薬品メーカーにもある程度お金が入るように取り決めがされている、こういったこともよくあったりします。
ジェネリックにおいてAGを使った方が先発医薬品メーカーにお金が流れやすい、こういった理由から僕はジェネリックでAGを勧めたりもしております。
今回はこんな感じです。今回はジェネリックとAGについての話をしました。自分の主観的なものが強く出た回になりまして、誠に申し訳ございませんでした。
ただやはりジェネリックとかAGについての質問というのはよくいただいたりもします。 自分が飲んでいる薬でAGがあるのかなぁとか、また気になることあればいつでもご連絡お待ちしております。
今回も最後までお聞きいただきまして誠にありがとうございました。また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容はあくまで一つの施設であったり一つの例です。医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違いますので、
自身がかかっている医師や看護師、薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。
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