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2023-12-07 15:59

第114回「先発医薬品は保険が効かなくなるの?」/「先発医薬品の金銭負担が増えるのは、医療従事者のせい❓」

今回の内容
・先発医薬品希望すると薬代が大幅に上がる⁉️
・先発医薬品とジェネリック医薬品の差額が自己負担になる⁉️
・何年も目標達成できていないジェネリック使用率の現状
・薬局潰しの一環になる⁉️厚生労働省による新しい案の薬局への効果とは❓


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サマリー

今回のエピソードでは、先発医薬品の薬代が高くなる可能性とその影響について解説されています。厚生労働省の提案が示され、患者が自己負担で支払う金額が増える懸念についても触れられています。また、先発医薬品の負担が増える可能性について、厚生労働省の新たな案が検討されています。ジェネリック医薬品の使用率向上を目指す中で、患者にとっても負担の変化が生じるかもしれません。

先発医薬品の保険適用の変化
おはよう、こんにちは、こんばんは。薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、薬剤師である私、うっちーが薬のことや健康のことなどで、ラジオ置きの方や患者様からの質問などを紹介しながら、質問に答えたり、薬や健康についての話をしていくというラジオです。
どうぞよろしくお願い致しまーす。 今回の配信ですけども、患者様からいただきました質問から話をさせていただきます。
先日から様々なメディアにあげられているニュース、このことで話すんですけども、普段病院から処方箋もらって、それから薬もらっているよという方にとっては身近なニュースなのかなぁと思われます。
では早速ですが今回のテーマはこちら。 「先発薬品は保険が効かなくなるの?」
テレビや新聞、ネットニュースなどでこの記事見たことあるよという方もいらっしゃるかもしれませんが、
11月の初め頃から先発薬品を使用の方の薬代が高くなるんじゃないかという記事が出ております。
このニュースに関しては、うちの薬局をご利用いただいている患者様の何名からか質問いただいているんですけども、皆様同じような解釈をされております。
その同じような解釈というのは、先発薬品を頂材された場合、頂材された薬代は保険が効かなくなると思われている方が多いです。
一部正しくて一部違うんですけども、確かにあのニュースの記事だとそういうふうに捉えちゃうよなぁというのは正直感じております。
今回その解釈は違うよという点と、なんで薬代が高くなるのかについて話をさせていただきます。
まず先日発表されましたニュースの内容を前置きとともに話をさせていただきますと、
昨今医療費が国家予算を圧迫しております。その対策として先発薬品よりも薬の値段が安く済むジェネリック薬品の推進をしようと厚生労働省は行っております。
薬の中にはジェネリックが存在しないという薬もあるんですけども、ジェネリックが存在する薬であればそれをジェネリックに変更しているかどうかという割合、
ジェネリック使用率なんて言うんですけども、これが全国平均で80%を目標にしております。
将来的には82%85%なんて言われておりますけども、ただその80%を達成できてないという状況です。
今現時点で79%で足踏みしておりまして、これがしばらく続いております。
そのため厚生労働省としては新たなジェネリック薬品の推進として案を出しまして、それが先発薬品を頂材された場合、
先発薬品とジェネリック薬品の差額分、これを全て自己負担、要は保険が効かないで実費にしようという案です。
この案自体は厚生労働省において過去から何度か議題とかでも上がっておりまして、様々な議論を繰り返されていたんですけども、
ついに各メディアの報道がされるぐらい具体的な案になってきておりまして、今後本腰を入れて検討実施へ向けて話し合いが行われていくという状況でございます。
ちなみになんですけど来年2024年には診療報酬改定という2年に一度病院とか薬局の報酬のルールが変わる年です。
2024年6月にこの案が間に合うかどうかはちょっとわからないんですけども、もしかすると来年6月に薬局で薬をもらう際、値段が大きく変わるという恐れはあります。
ただ現実問題としてはちょっと来年は間に合わないだろうと言われております。
厚生労働省がメディア向けに今回の案を発表したということは近い将来実施をされる政策なんじゃないかなと思われます。
と言いますのも診療報酬改定に向けて本格的に議論された内容というのはほとんど将来的に実施されます。
実際に今回の政策が開始される際には議論の内容により大きな変更点とかもあると思われます。
ただ近い将来には先発医薬品を希望される方の薬代上がっていくと思われます。
もう少しちょっと内容に入らせていただきますと、今回厚生労働省がメディア向けに流した案、話させていただきますと
薬剤費の試算
先発医薬品を希望した場合、後発医薬品の自己負担額に加えて、先発医薬品とジェネリック医薬品の差額を自己負担にするという報道がされております。
今話した内容、わかりにくいと思いますのでもう一度あえて話しますと、
先発医薬品を希望した場合、後発医薬品の自己負担額に加えて、先発医薬品とジェネリック医薬品の差額を自己負担にするという報道がされております。
この話を聞いて皆様どう思われたでしょうか。 ちなみに今回の質問いただきました複数の患者様からは、要は先発医薬品を希望したら薬代全部自己負担になるってことなんじゃないの?
という質問を何名からいただきました。 はっきり言います、そうではないです。後発品の分の金額は保険が効きます。
薬代全額ではなくて一部は保険が効きます。 ジェネリック医薬品の値段と先発医薬品の差額分、ここを保険を効かなくしようというのが今回各メディアから報道された案でございます。
例を挙げて話をさせていただきますと、ある薬、先発医薬品とジェネリック医薬品のどちらもあるよという薬ですけども、
例えば1日分で先発医薬品が200円したとして、ジェネリックの場合は1日分が100円という薬があったとします。
今までは保険が効いておりましたので、3割負担の方であれば先発医薬品の場合は200円の3割負担で60円、ジェネリックの場合は100円の3割負担で30円が1日分にかかりました。
これが例えば30日分だとして、先発医薬品の場合は60円×30日で1800円、ジェネリックの場合は30円×30日で900円でした。
実際にはこれに調剤基本料とか様々な金額が付け加えられるので、この金額も変わるんですけども、その分に関して調剤基本料とかに関しては今後も保険が効くので、今回は話を省かせていただきます。
今回は薬代に集中して話をさせていただきます。
今回発表されたり議論されている内容としましては、ジェネリック医薬品を使っている方の場合は先ほど挙げた数字の通り900円で済みます。
3割負担が900円で残りの7割分に関しては保険が効きます。
では先発医薬品を希望された場合どうなるのかと言いますと、まずジェネリックの金額分は保険が効きますので、100円の3割の30円、これを30日として900円分の支払いが発生します。
これに加えて先発医薬品は200円でした。
で、ジェネリックは100円でした。
200-100の100円分、この差額の100円分は保険が効かない、自腹で払いなさいよというものです。
なので、ジェネリックと同じ金額の900円分、これに加えて200円から100円を敷いた差額の100円、これの30日分で3000円が新たに自己負担で発生するということになります。
900-3000円で3900円が支払いになるというものです。
今までは保険が効いて1800円でしたが、先発希望になった場合これが3900円にもなりまして、差額が今までの値段から2100円も上がります。
ジェネリックの場合は変わらず900円ですので、先発希望の3900円から900円引いたら、ジェネリックに変えたら3000円もお得になるよという政策でございます。
医療従事者の役割と影響
なので、このお得分があるのでジェネリック変えたくなりますよねというのは国の狙いでございます。
国としましてはジェネリックを推奨しているにも関わらず、ジェネリックに変更しない方が大変多いと。
国としては全国平均でジェネリックがある薬をジェネリックに変えられているか、先ほども話しましたけども、この割合を85、82、80とか、要は80%台に載せたい。
でも79%台。
何年間も目標に達し切れていないので、ついにゴーニアして新たな政策を打ち出しているという状況です。
これが今回報道された内容です。
とはいえ、この案、まだまだ議論を進める余地は多いにあります。
例えば、生活保護とか公費を使って薬代の負担がない方、これどうするんだよとか、ついに生活保護の方も支払いが発生するようにするのかといった議論が必要ですし、
今現在、薬が入手困難です。
この状況だとジェネリックを入手するのも難しい状況で、
ジェネリックにしたいのに変更できない、こういう人の場合どうするんだとか、
ここまで金額に差が出ちゃうと、当然ですけどもジェネリックを選ぶ人激増しますよね。
これさすがにジェネリックメーカーへの利益供与になりすぎるんじゃないかとか、
まだまだ議論の内容によって変更される部分は多いにあると思われますし、
実施される場合には薬の供給案は確保できてからじゃないかとも言われます。
ただ、もう何年後からにはこれに近い政策が実施されると思われます。
実際導入された際にはここまでの差は出ないようにすると思いますけども、
将来的には先発医薬品を希望される方の薬代の負担の一部、これが保険が効かなくなるとかで、
先発希望の方の場合は薬代の負担が増えるんじゃないかなと思われます。
以上が質問に対する僕なりの返答です。
それではここからは本日のワンポイントです。
本日のワンポイント
先発医薬品の金銭負担増えるのは医療従事者のせい?
引き続き先日から報道されております先発医薬品の負担の一部、保険効かなくなるよという案の話をするんですけども、
なぜこの案が本御書を入れられることになったのかと言いますと、医療従事者のせいという面もあったりします。
今でこそ多くの医療機関でジェネリック医薬品が勧められておりまして、
医療費が圧迫しているからジェネリックが推奨されてますよ、国の方から言われてますよとか、
ジェネリック医薬品を勧めるのも薬剤師の責務だ、などと言われております。
ただ、かつてはジェネリックを推奨する医療機関というのは本当に少なかったです。
今ではジェネリックを使う人が当たり前のようになってますけども、ジェネリックが浸透しなかった頃は、
ジェネリックが先発医薬品と同じ成分だとしても、じゃあそれだったら別に先発医薬品のままでいいじゃん、わざわざ買える必要ないじゃん、とか、
ジェネリック医薬品ってコピー品だろ?というような意見が、医療機関でも当たり前のようにされておりました。
今でも医師の中では、やはり薬はジェネリックはダメだ、先発医薬品じゃなきゃダメだ、と処方性に指示を出してくる医師も少なくないです。
また、薬局としましても、患者様にジェネリックを説明するの正直手間だよな、とか、
先発医薬品で満足している人にわざわざ説明するのって面倒だし、先発医薬品の方がジェネリックよりも、薬局としては儲かる面もあるんだよな、だから先発のままでいいや、ということになってました。
今の先発医薬品の儲かるというのを補足しますと、保護士から仕入れて患者様に薬を渡しする際に、例えば5%くらいの利益、差益が生まれたとします。
先ほどまでと同じ例で話しますと、先発医薬品が200円、ジェネリックは100円だとしますと、5%の利益が生まれるとすると、先発なら10円、ジェネリックなら5円の利益が1回ごとに生まれていくということになります。
先発医薬品の経済的影響
これが多くの薬とか患者様でこの差が発生していきますと、1ヶ月で見ると20万とか30万とか、薬局によってもっと差が生じることもあります。
当然ですけども、先発医薬品の方が値段が高いので、この利益は生みやすいですよということですね。
ただ、今ではこの仕入れと渡しの間で発生する利益、薬化差益と言いますけども、この差益生まれにくいようにルールが変わっているので、実際にはこんな簡単には利益は出ないようになっています。
先発医薬品よりもジェネリックの方が実は卸やメーカーと交渉して、この差益を生み出しやすいこともなっているので、必ずしも先発医薬品の方が利益を生み出しやすいという状況では今はないです。
ただ、かつてはやっぱり先発医薬品の方が利益を生み出しやすかったとか、説明の手間が省けるということで、薬局としてもジェネリックはあまり進めておりませんでした。
ですが、厚生労働省としては医療費削減のためにはジェネリックを推奨していかないといけないということで、薬局に対してジェネリック医薬品の推奨、頑張っている薬局にはボーナスをつけようという人心をぶら下げました。
ジェネリックを進めば薬局に利益が出るということで、薬局としては必死にジェネリックを進めました。
また、病院やクリニックに対しても先発医薬品じゃなきゃダメだという処方箋の書き方ではなくて、先発でもジェネリックでもどっちでもいいよという処方箋の書き方にすればボーナスがつくよという風にルールを変えました。
それならばということで病院やクリニックでも先発かジェネリックどっちでもいいよというスタンスを取るようになりました。
そういった案の効果もありまして、2007年にはジェネリックの使用率は34.9%、これが15、16年間くらいで79%まで上昇しました。
ただ、国としては80%を超えたいというか、超えているべきだったという風に考えております。
79%で近年踏みとどまっている状況にやきもきしております。
また、ジェネリックの推奨を頑張っている薬局へ対してのボーナス、これいつまでも配っていたら、せっかくジェネリック勧めて医療費削減しても、
ボーナスのために削減した分薬局に払わないといけないじゃないかと考えまして、
ジェネリック推奨している薬局へのボーナス、これなしにしたいなと厚生労働省は考えております。
ただ、このボーナスをなしにすると途端に薬局はジェネリック推奨しなくなる恐れがあります。
そうなるとまたジェネリック使用率が下がっていくということで、国としては患者様自らがジェネリックに変えさせてくれというような案が必要でした。
そして今回の案が生まれました。
先発とジェネリックの差額を保険を効かなくする。
この案を採用すれば、先発とジェネリックの差額からジェネリックに変えたがる人増えるだろう。
もしもこの案でも先発希望するような人であれば、差額分は保険が効かない。
事故負担です。だから国の医療費としては痛まないということになりますので、国としては今回の案を進めることで、患者様が先発にしようがジェネリックしようが構わないというふうになります。
そして患者様の方からジェネリックに変えてほしいという状況が作れれば、薬局がジェネリック推奨頑張ってるというボーナス、これいらないよねとなります。
だって薬局がジェネリック推奨頑張ってるからじゃないじゃん。患者様がジェネリック求めてるからじゃん。
となりまして、薬局へのボーナスも剥奪しやすいということになります。
ただこのボーナスというのは本当に大きいものでして、例えば月に1000回処方箋を受け付ける薬局とかであれば、これが月に20万以上ものボーナスを受け取ることができます。
薬局経営においては大事なものだったりします。
ボーナスがなると経営的に厳しくなる薬局、正直出てくると思われます。
今後の医療費問題
ただ、もともと厚生労働省としては薬局を減らしたいという考えなので、この点については問題ないと考えております。
この案が採用された場合、患者様としても負担が増える恐れがあるとか、薬局としても経営的に厳しくなると言われますけども、
そもそもジェネリックの使用割合がもっと高ければ、今回の案が採用される流れにはならなかったということを考えると、
ジェネリックを推奨していくことの努力不足、これが招いた結果なんじゃないかなと思われます。
今回はこんな感じです。
今回は、今後、先発薬に使用していくと負担割合とか自己負担が発生するかもしれないよという点を話をさせていただきました。
とはいえ、具体的にはいつから実施なのかはまだ決まってないですし、実施されない可能性だってやっぱりあります。
とはいえ、医療費削減の必要性は高まっているので、今回の案がいろいろ議論を重ねられて変わった形になるかもしれませんけども、
いずれはどういった形になるかわかりませんが、採用されるんだろうなぁと思われます。
今回のようなジェネリックとか、先発薬のこととか、お金のこととかでも気になることなどあれば、いつでもご連絡いただけると幸いでございます。
今回も最後までお聞きいただきまして誠にありがとうございました。また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容はあくまで一つの説であったり、一つの例です。
医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違いますので、自身がかかっている医師や看護師、薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。
15:59

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