紅麹問題の背景
おはよう、こんにちは、こんばんは。薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、薬剤師である私、うっちーが薬のことや健康のことなどで、ラジオ機の方や患者様からの質問などを紹介しながら、質問に答えたり、薬や健康についての話をしていくというラジオです。どうぞよろしくお願いいたします。
今回のテーマは、先日地域の勉強会で話をさせていただいた際に、地域の方からいただいた質問でございます。
普段の業務の中でも、患者様からも質問をいただいたりしたこともあったんですけども、不明点が多すぎて、なかなか話をする機会がなかった内容だったりします。
今回の件、発覚からは時間がある程度経過しておりますが、まだまだ不明な部分が多い内容ではあります。
そのため、現状どういうふうに不明な点が多いのか、といったところを中心に話をさせていただきます。
そして、今回話の都合上、ワンポイントはなしです。申し訳ございません。
それでは、今回のタイトルはこちら。
紅麹は結局何が悪いの?
言葉は多少違うことはありますけども、患者様や地域の皆様から、紅麹入りのサプリメント、今回報道で悪い意味で大きく取り扱われましたけども、
かなりの健康被害が出たこの問題、結局何が問題だったのかという質問をよくいただきます。
現在収録時点で5月13日なんですけども、この時点でも正直まだ不明な部分は非常に多いです。
では、なぜこんなにも不明な点が多かったのかというのを話をさせていただきます。
今回の紅麹問題、入院されたり亡くなった方、多くの方が腎臓を悪くされております。
その腎臓を悪くするということで、今回の紅麹問題の報道でよく出てくる、ヒトリニンというカビ毒の話題が出てきております。
このヒトリニンというものは一部の紅麹が生産するものとして知られておりまして、
今回の報道、紅麹で腎臓を悪くするとなると、じゃあこのヒトリニンのせいだろうというふうに多くの方が考えました。
このヒトリニンの毒性、現実問題としてかなり広く知り渡っておりまして、
欧州連合ごとEUでは紅麹菌が生産するこのヒトリニンについて、ある程度の規制を設けています。
フランスでは紅麹が入っているサプリメントを摂取する際は医師への相談するように注意喚起をされているとか、
日本と海外の規制
スイスにおきましては紅麹を成分とする製品、これは食品だろうと薬品だろうと売買することを違法としております。
こういったスイスの点などは日本でも大きく報道として扱われました。
その点から、なんでこんなにも危険な成分を日本では許可していたんだ、国の問題ではないかといったことがSNSや各種報道でも取り扱えておりました。
ただこの点注意が必要なんですけども、確かにスイスにおきましては紅麹を成分とするもの、売買を違法とされておりますし、
フランスでも摂取前の医師への相談、これを注意喚起されておりました。
ですがフランスでは注意喚起でありまして必ずしも医師への相談は必要なかったりしますし、
そもそもになりますけどもEU全般で規制をされているのは一部の紅麹菌株が生産する一人人のサプリメントの中での基準量を設定したというものです。
なのでこの一人人の基準量を守ってさえいればサプリメント紅麹だろうと販売をすることができます。
実際のこととしてこの紅麹入りのサプリメントを販売していくには多かったりします。
で今一部の紅麹菌株が生産するという表現をしましたけども、紅麹菌株の中にはこの一人人を発生させないものがありまして、
そういった紅麹に関しては問題ないとされている国が多かったりします。
そして今回問題になっております小林製薬に関しましても、小林製薬が培養していた紅麹菌株は一人人を作る遺伝子がないということを過去に報告しております。
また今回の紅麹問題で問題になっています、2023年の7月から10月に製造したであろうというサプリメント、
この原料からは一人人は検出されなかったとされております。
そういった背景もありまして専門家の中でも今回小林製薬が使っていた紅麹、これ自体は健康を害せることはなかったんじゃないかと考えている方もいらっしゃったりします。
未知の成分とその影響
今回の紅麹問題におきましても、紅麹の一人人が問題ですよであれば、
ああ一人人の腎臓炎の毒性だったんだということで、そこから様々な問題に対しての解明は早かったはずです。
しかしながら今回、安全と言われている紅麹を使っていたということで、解明しようにも様々な問題が複雑化してしまっているという状況です。
そのためまだまだ不明な点が多いという状況です。現在小林製薬の報告としましては、
今回健康被害を起こしている商品の中から未知の成分が発見されているという報告を上げております。
なのでその未知の成分が問題だったのではないかというふうに現在解明を進めております。
ただこの未知の成分についても不明な点は多いです。一応分析結果からは、カビ類が生成する成分と構造が似ているとしておりまして、
そのため今のところとしては紅麹菌自体が未知の成分を生み出した可能性と、紅麹菌とは別のカビなどの異物が混入してそれが未知の成分を生み出しているのではないかという両方の面から解析を進めておりまして、まだまだ解明ができていないという状況です。
また解明を進めていくことに対してもある別の問題が重なっていることで自体がより複雑化しております。
その別の問題と言いますのは紅麹原料を製造していた工場での過去の衛生管理におけるトラブルです。
昨年4月ですけども紅麹菌を培養していたその材料を混ぜる機械の蓋を閉め忘れていた。
それによって紅麹菌とかの材料33キロ分が床に落下したとのことです。
その際床や機械に触れていない11キロ分をすくい取りその分を食品向けの原料に加工したりして一旦5月末にその再利用した分の原料で作ったものを6社に納入したものの6月1日には回収を決定したということがありました。
小林製薬としましてはこの件に関しては納入したけどもすぐに回収もしている。
全部回収が済んでいるのでこのトラブルでの健康被害は関係ないよと発表しております。
ただこの問題におきましてこの工場の衛生管理って大丈夫だったのかという不安が拭いきれないのも現状であります。
今回の問題におきまして未知の成分が発見されたとこれ紅麹菌とは別のカビなどを購入したことでもあるという可能性があることから
この工場の衛生管理って問題なかったのかということも疑問されております。
そのためルール通りに作っていればそのルールに従って再現性と言いますかまた同じように作ればその未知の成分が生まれる可能性とかあります。
ただもしも衛生管理が十分ではなかったということが関係しているのであればどこでどう未知の成分が生まれたのか他の成分が混入してしまったのかが不明な点が多くなります。
このように紅麹問題は様々な問題点が複雑に絡んでおりまして不明な点が多いという現状であります。
現在調査中のことはまだまだ多く今後の報告次第では大きく流れが変わることもあると思われますけどもまだまだ不明な点は多く
なぜ解明が進めないかということの現状の話をさせていただきました。 今回はこんな感じです。
今回紅麹問題の話をさせていただきましたけれどもまだまだ不明な点が多いという現状でございます。
ただ今回の問題は小林製薬だけじゃなくて日本全体の製薬メーカーに何かしらの影響を与えることになると言われております。
そもそもで麹菌などを培養して作る製品、何か異物とか微生物を混入すればその混入した微生物とかも培養してしまうそういったリスクはあるというのを改めて問題されました。
今回も未知の成分が問題であるのならばこの未知の成分出荷前に発見することできなかったのか
発見されたら出荷できないよという厳しいルールを作っておくことできなかったのといったことも問題されております。
今後商品の出荷前の検査なので法律の改定であるとか様々なルール変更が行われていくんじゃないかとも言われておりまして
今後の食品や薬の安全性についても一石を投じている問題にもなっております。
そういった背景からも今回の紅麹問題は大きな問題として取り扱えているかなと思われます。
ただ今回の紅麹問題本当に小林製薬の問題だけだったのかという面もあるのではないかと言われております。
次回の第162回では紅麹問題において販売をしていた店であるとか
そもそも商品試作にまた医療従事者にも責任があったのではないかという一つの仮説を紹介したいと思います。
今回も最後まで聞いただきまして誠にありがとうございました。また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。
それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容はあくまで一つの説であったり一つの例です。
医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違いますので
自身がかかっている医師や看護師、薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。