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おはよう、こんにちは、こんばんは。薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。このラジオでは、薬剤師である私、うっちーが、薬のことや健康のことなどで、ラジオを聴きの方や患者様からの質問などを紹介しながら、質問に答えたり、薬や健康についてのお話をしていくというラジオです。どうぞよろしくお願い致しまーす。
今回の話は、あるポッドキャスター様から頂きましたテーマです。誠にありがとうございます。 テーマを頂きましたのは、30代男性B型ラジオの田山さんです。
ツイッターでやりとりをしていた際に頂きましたテーマでございます。 田山さんからは、以前にも体を温めるものを紹介して欲しいというテーマを頂きまして、第12回、第13回でその話をさせて頂きました。
その際にも、そして今回もテーマを頂きまして、本当にありがとうございます。 30代男性B型ラジオ様、毎回欠かさず聞いているんですけども、
妄想癖の田山さんとパシプロンWさんによる30代男性B型のお二人が、様々なテーマについて楽しく掛け合いしながら話していくというラジオです。
テーマの内容は大体、主に田山さんの方から何かしらのテーマで話そうとしまして、それについて妄想とかを広げていく、そしてWさんがツッコミながらも、二人でわきあいあいと話していくという内容です。
最近では、また流行してきているというミックシーについての話をしたりとか、自分の分身AIを使って人間禁止のツイッターに参加させてみる、それを観察した内容を話す、
そういった様々なテーマをしております。 ご興味のある方はぜひとも聞いただければ幸いでございます。
では早速今回のタイトルコールをさせていただきまして、タイトルコールの元になったテーマの発表させていただきたいと思います。
それでは今回のタイトルはこちら。 副作用が主作用に逆転の発想で薬が生まれることもある。
今回、田山さんからいただきましたテーマは、薬の開発秘話を聞いてみたいとのことでした。
薬の開発秘話について話をしていくんですけども、今回のこのテーマ、今回を前編、次回を後編とする予定でございます。
もしかすると前3回になる可能性もあります。 一応前2回話す予定ですけども、このエピソードも話したいなとか思いついていけば前3回にしようかなと思っております。
ただ、2回に分けるにしろ3回に分けるにしろ、それぞれ単独で聞いても分かるような内容にしていこうかなと思っております。
なるべく続かないようにしようと思っています。 例えば今回の第1弾では副作用を利用して薬を作ったという話をメインに話をしていきます。
次回予定している第2弾では有名なお薬、製品としてすごい流通しているお薬なんですけども、
これなんでそもそもこんな薬生まれたんだという薬の話をしようかと思っております。
こういったように第1弾第2弾では別の薬の話をしていきますよ。 第3弾がもしかするとボツかなと思ってるんですけども、話をしてみてその話の方向性とかでいろいろ考えようかなと思ってるんですけども、
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薬にまつわる発想とか天才記載の話そういったのできればなと思っております。 ただ第3弾はコンプライアンス的にアウトになるかなというのもあるので収録してみて今後の配信考えてみようかなと思っております。
こういった形でそれぞれ違うエピソードの話をしていきます。 それともう一点今回なんですけども薬の開発秘話について話をしている間、
この前2回か前3回の間、本日のワンポイントは話さない予定でございます。 開発秘話だけでも話が長くなりそうということもありますし、ワンポイントとちょっと合わないなという、健康というより薬の歴史とかになってくるので、ちょっと健康ともまた変わってくるかなということなのでワンポイントはなしで話をする予定でございます。
では早速今回の内容に入っていきます。 田山さんからもメッセージいただきました。あるお薬の話をさせていただこうと思います。
そのあるお薬というのは、これは元々は狂心症という心臓の病気のための治療薬を研究している段階で生まれた、そういった薬です。
ちなみになりますが、狂心症というのは狭い心、心臓ですね。 心臓あたりの血管が狭くなる、細くなってしまうという疾患でございます。
血管が細くなってしまうことで、酸素や栄養素をうまく運べなくなったりしますし、他にも血管が狭くなることで、余分なものが血管に溜まりやすくなります。
血管に余分なものが溜まりやすくなる、このイメージとしましては、血管を道路と考えていただければいいんですけども、
道路の中を栄養素など大事なものを運ぶ、そういったものもあれば、余分な糖や余分な油、こういったのを運ぶものもその血管の中の道路を通っています。
普段はみんなスムーズにこの道路を走っているんですけども、血管が狭くなるとなると道路が急に狭くなります。
今まで4車線くらいで走っていたのが急に2車線とかになるので、大事なものも余分なものも一気に運べなくなる、渋滞をしてしまいます。
ただ、体としてはとにかく大事なもの、栄養素とか酸素を体中に運ばなければいけない、となりますので、そうなった時には、そういった大事なものを優先して通すんですけども、
余分なものとか、そういったものを狭くなったところに捨ててしまえ、となってしまいます。
その捨てられたものが血管に蓄積していくと、塊のようになったりして血管の流れをいずれは止めたりもしてしまいます。
よく言う血栓の原因になったりします。そして、心筋梗塞の原因にもなったりします。
血管が細くなっている病気なんだから、血管を広げればいいんじゃないか?と思われませんか?という。
実はこの発想、単純なように見えて、とても大事な考えです。
実際、漫画とか医療ドラマでもよく出てくる、心臓が苦しくなった時に使うニトロというお薬、聞いたことがございませんか?という。
このニトロ、まさにこの原理です。狭くなった血管を広げることで、心臓発作とか、狂心症の発作、そういったものの対策をしてくれるというお薬です。
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なので、狂心症対策として、心臓付近の血管を広げる、これはもう一般的によくある研究です。
話を戻させていただきますと、今回のテーマになるあるお薬も、まさにこの研究をしておりました。
心臓付近の血管を広げるという研究をしてたんですけども、実はこの治験の効果がイマイチでした。
なので、狂心症としての開発を中止しようということになりました。
ところが、この時の治験薬を返したがらないという人が属出しました。
普通だったら効かないお薬なんていらないものなのに、なんで返さないんだ?ということで、研究者たちは調査をすることにしました。
調査したうちにある副作用が見つかりました。その治験薬は副作用として心臓付近ではなく、陰経の血管を広げやすくするという副作用が発見されました。
陰経の血管、これを拡張させることで陰経の血の巡りを良くします。これによって陰経が膨らみやすくなります。
これ陰経という言葉を使ってますけども、いわゆる勃起しやすくなります。
いわゆるバイアグラの元になりました。バイアグラは共心症の薬の副作用から生まれたという薬です。
ただ一般的に副作用というと、副作用?じゃあ悪いものなの?とイメージする方が大変多いです。
確かに副作用という言葉はあまり良いイメージでは使われないです。例えば、痛み止めを飲んだら胃が荒れやすくなりますよ、腎臓が悪くなりやすくなりますよ。
こういったのは有名な副作用ですし、やっぱり悪いイメージで使われます。 ただ副作用の副というこの漢字、これ副産物の副と同じ意味です。
メインではないようとか付随しているようという意味での副です。 なのでこの副作用というのは別に悪い意味じゃなくても使われる言葉です。
確かにバイアグラに関しては元々は共心症に対しての薬ということでメインの研究をしておりました。
が、勃起しやすくなるという副作用。でも勃起しにくい人にとってはこれ大事ですよね。主作用になりますよね。
メインになりますよねという可能性が生まれます。 そうやって本来は副作用だったはずの薬も他の人にとっては主作用になるということで新たな薬として生まれ変わったりします。
実際のところ製薬会社としてもその副作用を主作用にということでバイアグラ、勃起しやすくなるという薬で大々的に宣伝をしていきました。
ただ実はなんですけどこれ続きがありましてこのバイアグラ、成分名でシルデナフィルというんですけども、バイアグラ発売後も研究が進んでおりまして
現在レバチオという肺動脈性高血圧という病気に対して効果のある薬として今有名になっております。
これは肺の動脈が硬くなってうまく広がらなくなったために起こる病気です。 このうまく広がらなくなったところにこのシルデナフィルを使うと血管を広げるということで治療するという
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薬でしてそうやってまた新たな薬としても生まれ変わったりしております。 ちなみにこのレバチオ副作用の記載欄には頻度不明で持続勃起という記載があったりも
します。やはりそこはシルデナフィルという薬の定めだったりもしております。 共振症での薬として開発していたものが様々な形に変わって研究者たちの努力によって色々と
身を結んだりもしております。さて今話してきたのはバイアグラの話ですけども、このバイアグラのように本来は副作用だったものが治療目的とは
違う方にとって主作用になるという薬は結構あったりします。 他に有名なものとしてルミガンというお薬があります。
これ、まつげを伸ばしたいという方ではお使いになったことがあるかもしれないというお薬です。 このルミガンというお薬は元々は
緑内障の方への目薬でした。実際に医療現場でも緑内障の方に大変使われている薬です。 この目薬なんですけども30%以上出ると言われる副作用にまつげが長くなる、
濃くなる、太くなるといった副作用があります。 まつげへの異常、これを利用しましてまつげを伸ばしたい方に使えばいいじゃないか
まつげ美容液としてルミガン使ったらいいじゃないかという風になって ルミガンはまつげ美容液として今結構有名だったりします。
ただルミガン30%の副作用という話しましたけども、普通に目薬として使って30%以上の副作用で出るということです。
まつげ美容液として使う場合は目薬として使うのではなく、そのルミガンを直接まつげ部分に塗るということです。
これによりより30%よりも高い確率でまつげを伸ばしやすくなると言われております。 またバイアグラやルミガンと厳密にはちょっと違うんですけども
プロペシアやザガーロというお薬、 これらはAGAの治療では大変有名なお薬です。
これらの薬は元々は前立腺肥大という男性が年を重ねることで、 あとは膀胱飲膜食そういったことを理由にして前立腺が大きくなっていく、
そして大きくなった前立腺が尿の通り道を圧迫する、 そして尿の出が悪くなるという病気です。
これに使われる薬として元々は発売されていたものです。 ただこのお薬が実際に副作用として多毛症、多くなる毛の症状という
男性の毛が濃くなるようという副作用があるので、 これは毛が少ない方にとっては大変有効なんじゃないかということで新たに開発をしなおされました。
商品名を変えてAGA用の薬としてまた発売をされております。 ただこれに関しては確かに副作用として多毛症というのが実際出てくるんですけども、
もともと理論的にも前立腺肥大を抑えるときに男性ホルモンにも関与するよね。 このメカニズム的に薄毛の方に使えるのではないかというのは元々わかってたというところもありまして、
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厳密には副作用が出たから新たに開発しようというのとは厳密には違うんですけども、 ただこれも副作用を利用して主作用に変えたという薬では先ほどの
バイアグラやルミガンと同じようなことだったりします。 このように薬というのは以前の薬のデータとかを基にして目的を変えて新たに世に出る
ということも結構多かったりします。 ただこれ少し薬の開発秘話とはずれるんですけども、
中には薬は変わってない、でも時代が変化したことで評価が逆転した薬というのもあります。 例えばメトホルミンという薬があります。
この薬は血糖値が高い方用の薬なんですけども、 1961年に日本で発売されておりますが、メーカーさんによりますとこの薬
発売後40年くらいは全然売れなかった薬と言われております。 理由としましてはもともと発売された時に糖尿病の中でもこういった糖尿病の方に
より効果がありますよと言われたのが結構レアな方向けだったということや この薬は血糖値を下げるというよりも上げないための薬です。
血糖値が高い方に対して使うのだから下げた方がより効果的じゃないか という当時の意見が強かったということもありましてあまり見向きされなかったりしておりました。
またこの薬なんですけども飲みすぎると気持ち悪くなるとか お腹が張る下痢をするそういった副作用もありましてむしろ危険な薬と思われていたとのことです。
こういった理由もありまして糖尿病の薬の中では脇薬も脇薬という扱いを長年受け続けておりました。
メーカーとしてもただ少しでも売れるようにということで飲みすぎての腹下痢を起きないようにするにはこういう飲み方がいいよとか
発売してからも様々な使い方の研究を続けたりもしました。 国内での発売から16年経ってメーカーからはメトホルミンという薬
適正な使い方が変わりました。今までの半分くらいの量でも効果があることがわかりました。 量を減らせるので副作用も出にくくなりますよ。
色々な人に使いやすくなりますよ。レアな疾患だけじゃないですよ。もっと幅広く糖尿病の方に使えますといったことを宣伝もしました。
ただやはり一番最初にイメージついたイマイチな薬とか使えない薬危険な薬 そういったイメージを払拭することがなかなかできませんでした。
さらに発売されてから16年も経っているもう十何年前の薬じゃん 古い薬よりも新しい薬の方が効果あるよねといった考えも多々ありました。
がそのうちに時代の方が変わりました。血糖を下げようとする薬 よく言う体の中のインスリンこれを出させるという薬です。
インスリンが血糖を下げるのでこれを出させればいいじゃないか。 そしたらより血糖は下がるじゃないか。これが考え方として主流でした。
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ただこのインスリンを無理に出させようとすることで水蔵に負担をかけてしまうとか 水蔵の状態をそれによって疲れさせて悪くしてしまうということがわかってきました。
またインスリンが出ることで太りやすくなるということも判明してきました。 他にも血糖値を一気に下げすぎたりすると低血糖が起こってしまう。
そうすると意識を失ってしまう。そういった怖さも浸透してきました。 血糖を強く下げる薬のデメリットが知り渡るようになりました。
それまではとにかく薬で血糖を下げればいいという考え方から、やっぱり食事とか運動も大事だよ。 薬に頼りすぎないで無理なく血糖値を下げていく。
そういった治療が必要だよというふうに考えが変わってきました。 そんな時血糖を下げるよりも上げないようにするメトフォルミンが最注目されるようになりました。
そしてメトフォルミンには発売後何十年も経ったということで様々なデータが集まっておりまして 安全な使い方そういったのも確立されておりました。
また気持ち悪くなりやすいこの副作用 これすらも現在では重宝されております。
気持ち悪くなるとかお腹が張るこういったことこれ食べ過ぎ抑えるのに非常に良いよねということで食事療法にとって大変有効な薬と言われるようになりました。
また下痢をしやすいこの副作用が出過ぎるのは正直良くないんですけども 少し便通が良くなるということでは便通が悪くなりやすい糖尿病の方にとっては
重宝しやすいという風にも考えが変わってきました。 もちろん副作用が強く出ないようにということで調整はしなきゃいけないんですけども
こういった副作用すらも糖尿病治療にとっては大事だと言われるようになりました。 こうしてメトフォルミンは発売後40年以上経ってから評価が一気に逆転しました。
今ではメトフォルミン製剤は糖尿病治療において主力と言えるような状況になっております。
今話したメトフォルミン確かに開発秘話としては少しずれた内容でありますが今話した メトフォルミンの特徴を参考に開発されたり研究されているという薬もあります。
それは痩せる薬とかネットとかで検索するとすぐにヒットしてくる薬 リベルサスといったGLP-1といった種類の薬です。
こういったGLP-1は太りにくくするという特徴的な効果ももちろんあるんですけども お腹が張りやすいムカムカしやすいといった作用もあります。
これによって食欲を抑えることで太りにくくするという目的もあります。 これもある意味副作用をうまく使っているという薬も言えますし、
メトフォルミンのようにそういったお腹の張りとか糖尿病に良いんだという考えもにも後押しされて、今大変注目を浴びているのがGLP-1製剤でございます。
ここらでまとめに入らせていただきますが、薬というのは副作用が他の効果に使えたりすることで別の薬として新たに生まれたりすることがよくあります。
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そしてパッと見では良くないような副作用、これも発想を変えることで、説明の仕方を変えることで主作用にも負けないような薬の売りにするということもできたりします。
どんなものにも言えるかもしれませんが、副作用を発想を変えてみてみると意外な発見があるのかもしれません。
今回はこんな感じです。今回は薬の開発費は第一弾として副作用が主作用に化けるということがある、そういった話をさせていただきました。
次回では皆様も聞いたことがあるであろう市販薬についての話をさせていただければと思います。一応予定としては精露ガンの話をしようかなと思っております。
改めましてテーマをいただきましたB型ラジオの田山さん、本当にありがとうございました。
ご希望に沿えた話にできていたが不安であります。 もしもっと違う話をしてほしかったなぁとかあればまたメッセージいただければ幸いです。
今回も最後までお聞きいただきまして誠にありがとうございました。 また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容はあくまで一つの説であったり一つの例です。 医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違いますので、
自身がかかっている医師や看護師、薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。