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おはよう、こんにちは、こんばんは。薬と健康に関するラジオ、略してくすけんラジオのうっちーです。
このラジオでは、薬剤師である私、うっちーが薬のことや健康のことなので、ラジオ機の方や患者様からの質問などを紹介しながら、質問に答えたり、薬や健康についての話をしていくっていうラジオです。
どうぞよろしくお願い致しまーす。 今回のテーマ、前回に引き続きということになるんですけども、
日本と海外の薬局の違いで話をさせていただきます。 今回は特に薬局というよりも薬剤師に近いかなと思われます。
それでは早速ですが、今回のテーマはこちら。
薬局最先端の国はイギリス⁉️処方権は薬剤師が得るべき❓
前回は日本とオーストラリアの薬局の違いについて話をしましたけども、今回はイギリスと日本の違いというのを話していきます。
で、なんでイギリスなのかなと言いますと、今回のテーマになるんですけども処方権の扱い。
これにおいて世界中の薬局や薬剤師にとっても最先端を進んでいる国がイギリスと言われるからです。
日本でも今後薬剤師の処方権というワードは耳にする機会が出てくるかもしれません。
なので現状最先端の国イギリスとの比較というのも今回話していこうかなと思います。
まず処方権とは何ぞやという話をしますと、薬の処方箋を発行する権利のことです。
日本の場合処方箋を薬局に持って行って薬剤師が薬の準備をして患者様に説明しながら薬を渡したりします。
ただこれは処方ではなくて張材です。薬剤師が持っているのは張材権でして、あくまで患者様を診察して薬を決めているのは医師です。
そしてこの薬を決めて薬を処方箋に記載するのを処方権と言います。
もちろん処方箋に不備があるってことはよくありますので、不備があれば医師へ薬局の方から確認をして処方箋の内容を薬局で訂正したりもします。
ただこれもあくまで患者様にとって正しく薬を準備するという張材という業務の一環でありまして、処方は医師、張材権が薬剤師というのは変わらないです。
たとえ薬剤師の働きかけによって処方箋の内容の薬が大きく変わったとしても、大元の処方箋を発行しているのはあくまで医師です。なので処方権は医師のものです。
現状日本において薬剤師には処方権はなく、処方箋を基にしての対応という張材権しかない状況でございます。
これ世界中の薬剤師がそうなのかと言いますとそんなことはないです。 例えばアメリカですとプロトコール処方権というものを薬剤師は持っております。
これはある条件下であれば薬剤師が処方を変えてもいいよということになっています。
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日本の場合は何か変更するときは医師へ確認をとって医師の承諾の下で処方箋の内容を変更するとなっていますけれども、
そうではなくてアメリカの場合は許された範囲であれば薬剤師の判断で変更していいということになっています。
例えばどんなことが許されているのかと言いますと、例を挙げますとインスリンとか糖尿病の薬が出た人に対して血糖値を確認した。
じゃあ今この患者様の血糖値はこうだから薬の量を増やしましょうとか逆に減らしましょうとか。
そういう判断ができますし、同じように血圧とかも血圧の状態とか確認して、今のこの人の血圧の状態だったら薬の量を変えましょうかというふうにできます。
あとは抗生剤とか出た時に抗生剤とかものによっては腎臓が悪い人とかですと量の調節が必要なんですけども、
この患者様って腎臓の状態良くないよな。じゃあ薬の量を薬局で変えますねというふうに判断して薬の量を変えたりもします。
その他にもAという薬とBという薬、これ同じ効き目の薬なんですけども、この患者様だったらAよりもBの方がいいかもしれないな。でも医師はAで処方してるな。
こういう場合、日本ではあれば薬局から医師で確認して変更してもいいですかという許可が必要です。でもアメリカの場合はAとBが同じ効き目の薬ということであれば、じゃあ変えちゃいますねというのができたりします。それが薬局の判断でできます。
こういった感じである程度の条件下であれば薬の専門家である薬剤師が責任を持って薬を変えてもいいということになっています。
これはアメリカとかですと医師の仕事が多くなりすぎていることで、いちいち医師に確認するという医師の業務の妨げになるようなことをするんじゃないよという考えもあって、このプロトコール処方権というのがアメリカでは認められております。
実際のところ、薬局業務において患者様と話をしている時とかで、あれこの人にこの薬の量多すぎないか大丈夫かといったことは確かにあります。
なのでこういった権限が薬局の方にあると、医師への隔離の手間が省けたりするのでスムーズな業務ができるかと思われます。
実際のところ日本でも処方権を薬剤師へということは様々な部分で意見として上がったりもしますし、呼びかけもされております。
ただそういった呼びかけの多くはこういったアメリカのようなプロトコール型処方権をイメージしている方が多かったりもします。
あくまで大元は医師が処方箋を発行して、その中で薬剤師の裁量を薬剤師の判断できるところをもっと増やしてくれというのが結構呼びかけをされております。
ですが、今回のテーマになりますイギリスの場合はこれよりも処方権が薬剤師が強いです。
イギリスの場合特定のプログラムを受けているという必要はあるんですけども、薬剤師には独立型処方権というものを認められておりまして、
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この独立型処方権を持っている薬剤師は薬剤師の判断でほぼ全ての薬を薬剤師が処方することができます。
薬局に来て薬剤師と話をして、その話の内容に沿って薬剤師が薬を処方していいということになっているのがイギリスです。
ただこれ当然全ての薬剤師というわけではないです。
2019年5月のデータになるんですけども、イギリスには薬剤師が約5万5千人いらっしゃいまして、そのうちこの独立型処方権を持っているのは約11%の薬剤師が認められております。
この約11%という数字なんですけども、当然5万5千人の中にはもう引退間近だし新しい業務は覚えたくないよ、したくないよという薬剤師もいれば、
薬剤師の資格を持っているけども薬剤師として働いてないよという方もいらっしゃったりします。
なのでそういった方も含めて薬剤師全体の9人に1人くらいがこの独立型処方権を持っていると考えていると意外と多いんじゃないかなと思われます。
イギリスの場合ですと、やっぱり医師の不足問題これが深刻化しておりまして、医師以外の職種の権限を強くしていこうという流れになっております。
それによって患者様の利益向上伸びではなくて医師の時間の確保とかコスト削減につながるんだというふうに考えられております。
ただこう聞きますと、あくまで薬剤師が独立型処方権を持っているのは医師の仕事を減らすため仕方なくなのかなというふうにも聞こえてしまいます。
ですが、実はこの独立型処方権、イギリスの場合ですと薬剤師だけではなくて看護師や理学療法士、あと目の検査をする見眼師の方、各分野の専門範囲において独立的処方権が認められています。
例えば見眼師の方であれば目の範囲で処方してもいいよとか、理学療法士の方も自分の担当する分野であれば処方してもいいよというふうになっています。
薬剤師の場合はほぼ全ての薬が出せるとなってますけども、各業種、専門分野に特化した部分に限られているとはいえ、各専門家が自分たちで判断をして患者様に合った薬を処方することができるというのがありまして、
当然医師の仕事を軽減するというのもあるんですけども、各専門家を大事にする、歴史とか専門性を大切にするというイギリスという国の風土だからこそ成し遂げられたこの独立型処方権とも言えます。
実際やはりそれぞれの専門家がそれぞれの専門分野において医師と同じような権限を得られるということで、各専門家にとってもやる気の出る良い制度なんだと言われております。
こう聞きますと、この処方権というのは各専門家が持つのはいいことじゃないか、ではなんで日本では医師以外の専門家とかが薬剤師とか看護師とかが処方権を得られないんだとなると様々な問題があります。
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一つは利権の問題があります。医師にとって処方する権利があることで患者様が通院をしますし、処方箋を発行すれば収入になるということで病院やクリニックにとっての大きな収入源と言えます。
なのでこれを他の職種に渡すわけにはいかないなという利権の問題は実際のところよく言われます。
ただ、これはあくまで医師側の問題であるんですけども、薬局とか薬剤師側の問題もあって処方権がなかなか許されないということもあったりします。
まず処方権を薬剤師にとなったとして、どういった薬剤師がこの処方権を得られるのかという問題が出てきます。
イギリスの場合は当然そういった専門的なプログラムを受けた薬剤師が認められているとなってますけども、当然日本ではまだそんな専門的なプログラムなんてありません。
また、日本の薬剤師はそういった処方権とか今までもらえてないので、薬を調剤をするにしても処方ということをしてきてないです。
なので処方をするための勉強ということをあまりしてないよという薬剤師が多いです。
実際勉強している薬剤師とかであれば、その勉強している分野とかを応用して処方するときはこういうふうにしなきゃなというふうに考え方をすぐスイッチできると思います。
ただ処方を慣れしてないということでやはり薬剤師がいきなり処方権をもらえたとなっても、おそらく多くの薬剤師が混乱をすることになります。
本来薬を処方するという時には患者様全体を見る必要があります。
血圧とか血糖値といった数値を見て、じゃあ数値高いから薬を出そうと簡単にやってはいけません。
この患者様の肝臓とか腎臓の状態ってどうだろうとか、薬の中には肝臓に負担をかけるタイプの薬もあれば腎臓に負担をかけるタイプの薬もあります。
なので患者様にとってそのタイプとかを見極めて薬を買えなきゃいけないですよね。
そもそも数値が高いというのはどういう理由から来ているのか。
血圧が高いと言っても腎臓に問題があるのか、食事に問題があるのか、太ってるから血圧が高いのかなど原因によって対応を変えないといけない。
他にもある薬を飲むことで副作用などをしっかり考えているのか。
ある薬を飲み始めたら下痢をするようになった、だるくなるようになった、これって薬のせいなのかねーとか、はたまた体調が一時的に悪くなったのか。
そういった一時的な変化が出て、これなんだろうとあたふたするようではさすがに難しいですよね。
様々なことを考えて行うのが処方するという行為でありまして、治療の専門家である医師が行ってきたことでございます。
これをいきなり薬剤師ができるようになりましたとなったとして、皆様はどうでしょうか。
薬をもらうだけだとか、簡単な痛み止めもらいたいんだとか、花粉症の薬とか風邪薬、病院行くの手間だから薬局でくれよという方、
こういった方は利用するかと思われます。ただ、やっぱり専門的なこと、特にやっぱり血圧とか糖尿とかもそうですけども、
がんのことだとか、そういった専門的なことをいきなり今後、薬剤師が責任を持って処方を出しますよとなっても抵抗あるんではないでしょうか。
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また、この処方権、すべての薬剤師が処方権を持てるようになりましたとなったとして、
勉強してる薬剤師もいれば、勉強してない薬剤師もいます。それで、勉強してない薬剤師にもしも当たったりしたら、事故が起こる可能性だったりします。
処方権を与えるにしても、どういう薬剤師がどこまでの権限を得られるのか、こういったしっかり話し合って決めていくという必要性がありますし、
また、薬剤師側も当然ですけども勉強が必要だったりします。その他、処方権の問題として、処方権を悪用する可能性だって出てくると思います。
薬剤師が処方権を得られたとして、患者様から相談を受けて、この薬を追加してよ、とかお願いされることがあると思います。
例えば、本当は必要じゃないけども、血圧の薬と一緒に痛み止めを出しておくね、とか、疾風とかビタミン剤を出しておきますね、とかあると思います。
今までは医師がそういった時に、本当はいらないよね、という薬を出してないかどうかという、これ薬剤師とか他の職種が医師の処方をチェックしていました。
なので、無駄な処方とか出ないよ、という風に少しでもフィルターになっていたのが薬剤師です。
で、薬剤師が処方権を得た場合、薬剤師が処方を得てそのまま薬剤師が懲罪したとします。
じゃあ、この無駄な処方が入ってるかどうかチェックする人、誰がやるのよ、とか、この無駄な処方をチェックする人いないかもしれませんし、
それをいいことに悪用して、じゃあ患者様にどんどん薬出しちゃえ、とかね、儲けようとする人間だって出てくるかもしれません。
なので、こういった悪用とか無駄を規制するルールって絶対必要だったりもします。
このように実際に処方権を得ようと思えば様々な問題がありますし、まだまだ日本では薬剤師の処方権というのは先の話だとは思われます。
ただ、もしも将来薬剤師に処方権がという話が出た時のためにも、信頼のできる薬剤師や薬局を見つけておくことをお勧めしております。
今回はこんな感じです。まだまだ処方権を薬剤師にというのは日本では難しい話ではあると思います。
とはいえ、イギリスだって1997年くらいにまず看護師が独立的処方権を得ました。そこから薬剤師も処方権を得るようになりました。
少しずつ使用できる薬を拡大して、2012年くらいに今のように薬剤師はほぼ全ての薬を処方できるようになったと言われておりまして、
独立型処方権の話が出てから15年くらいかけてイギリスでも薬剤師の業績とかを認められるようになってきました。
だから日本もいきなり処方権をというのでなくて、少しずつ薬剤師ができる範囲を増やしていけばいいんじゃないというのはよく言われております。
ただ個人的な話をしますと、イギリスみたいに完全独立した処方権までは正直いらんだろうと思っています。
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アメリカのプロトコール処方権みたいなのがいいんじゃないかなと正直思っています。
よくこのアメリカのプロトコール処方権をもらった時に日本でだったらどうなるかと言いますと、要は薬局で多少のことは義技なしでもできるというふうにイメージされております。
義技紹介、薬剤師が処方箋とかを確認して医師へこれ本当に大丈夫ですかとか確認する義技紹介なんですけども、確かにめちゃくちゃ大事な義技紹介とかもあるんですけども、正直なところ、この義技紹介しなきゃダメ?時間の無駄じゃない?ということは結構あったりします。
例えばの例を出しますと、軟膏とかが1本5gの軟膏があったとしてこれが処方されたと、医師としてはおそらく1本処方したかったんでしょう。
処方箋には1gという記載になっていました。おそらく1本とgを間違えたと思われます。これ病院に電話して1gじゃなくて5gということでよろしいでしょうかという義技をするんですけども、この義技ってこれいりますか?というのはよく思います。
他にも例えばある薬、Aという成分の薬があったとします。処方箋にはそのAという成分の薬10mgを1日1錠飲むようにというふうになっているんですけども、
このAには10mgだけではなくて5mgという薬もあり、患者様の体調的にこれ調節しながら飲んだ方がいいな、だからわざと5mgで飲んだ方がいい日も出てくるかもしれない。そういった時にあえて5mg2錠に処方して変えてもらった方がいいことがあります。
5mg2錠にしておくことで体調に応じて1錠だけの日も作れば2錠飲んでもらう日も作るという風にそういう風に調節してもらった方がいいということもあります。
で、この10mg1錠を5mg2錠に変えてもいいですかというのは、これジェネリックの場合であれば疑義紹介がいらないんですよ。
でも先発医薬品の場合ですと医師へ疑義紹介しなきゃいけないんです。
これなんでジェネリックだったら疑義なしでOKなのに先発の時は疑義しなきゃいけないのよって正直思ったりします。
薬の中にはジェネリックがなくて先発品しかない薬があります。そういう時は疑義紹介がいります。
なのでこの疑義紹介いらんでしょうって思うことは正直多々あります。
こういった本当にいるのという疑義紹介をなくすことはおそらく薬剤師にとってもそして疑義紹介で時間を取られる医師にとっても時間を削減できるとかコスト削減になるのでいいんじゃないかなと思いますので
こういったところで簡単なところから薬剤師のできることを増やしてもらえないかなぁとは思っております。
というところで今回の話はここで本当に終わります。
次回で海外と日本の薬局事情の違いというのを一応のしみっくりにさせていただく予定です。
次回ついにと言いますか北極や南極のような極地での医療体制について話をしようかなぁと思っておりますので
よろしければ次回もお聞きくださいますと大変嬉しいのでどうぞよろしくお願い致します。
それとですけども今回の配信12月の14日を予定しているんですけども
12月16日には下北田ボーナストラックにおいて第3回ポッドキャストウィークエンドが行われます。
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僕は過去のそういったポッドキャストのリアルイベント参加しておりませんでしたので今回参加してみたいなと是非思っております。
ただあいにくその日仕事が入っているために仕事が終わってからの参加となるため大体3時ぐらいからの参加になるかなぁと思われます。
それでもどなたかもしよろしければ僕とお話ししていただけると大変嬉しいです。
せっかくのイベントということもありますので会場では何かちょっとした栄養ドリンクとかも配っていこうかなと思っておりますので
おそらく白衣着てるかなというような格好で行きますので
もしかしてこいつウチかなと思われましたら声かけていただけると大変嬉しいです。
その時には栄養ドリンクをお渡しさせていただこうかなと思っております。
なので12月16日はよろしければ皆様どうぞよろしくお願いいたします。
今回も最後までお聞きいただきまして誠にありがとうございました。
また次回も聞いていただけると大変嬉しいです。
それではまたお会いしましょう。
このラジオで話す内容はあくまで一つの説であったり一つの例です。
医師の方針や患者様それぞれの状態で治療方針は違いますので
自身がかかっている医師や看護師薬剤師などの話を優先するようお願いいたします。