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字幕科学監修 山崎 詩郎さん)
黒木瞳の映画ここだけ話、今日も聞いていただきありがとうございます。
映画に携わる様々なジャンルの方々とここだけ話していきます。
今回のゲストは、前回に引き続き映画テネット字幕科学監修の山崎 詩郎さんです。よろしくお願いいたします。
山崎 よろしくお願いします。
テネットもそうですけれども、インターステラーの話をちょっと聞いてみてみたいと思うのですが、今回も。
宇宙への船では、星から星へ渡るインターステラーの旅だ。
っていうセリフがあるんですけれども、説明してください。
山崎 いきなり振られましたね。
そうですね。よく英語でインターなんちゃらって英語がありますね。
例えば海外なんか行くとインターシティとか、インターシティっていうのはシティからシティをつなぐ電車っていうことで、インターシティトレインとかそういうの。
インターステラーはそれと同じでして、インターでステラーですから、ステラーっていうのは日本語であんまり聞き慣れない単語ですけれども、
スターたちっていうことなんですね。スターの形容詞かもしれません。
そうすると、星々の間のっていうことになりますので、星から星に渡り歩いていくこととか物たちっていう、そういう映画のタイトルになっているということですね。
もうそれだけでもすごく情緒のあるタイトルですよね。
大好きなタイトルでして、なんか宇宙のなんとかとかそういう派手なタイトルじゃなくて、インターステラーということで、しかも人間は今地球にたまたまちょっと休憩している渡り鳥みたいなものだっていうイメージもあるのかもしれません。
永久に地球に住み続けるっていうのもそれは一つのいい考えですけども、地球は儚いもので人間も儚いもので、
今たまたま地球の上に苔のように虫てるのが人間であって、いずれは別の星に渡り鳥のように飛んでいくっていうのがインターステラーっていう単語にちょっと込められた気持ちかなというふうに思いますね。
考えるとやっぱり、ただ地球を救う、地球を去るっていうだけのことではなくて、我々が日常生活の中でどういったことを心がけなきゃいけないかとか、地球と共にどうやって歩んでいくかとか、そういうようなことも考えさせられる。
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哲学も考えられますよね。宇宙だったり哲学だったり人間愛だったり。いろんな思いが込められた映画ですね。
確かに地球環境今だんだん悪くなっていってるのは多分確かでして、2つの考えがあると思います。
地球を絶対に守るってことで、地球に永久に住み続けるつもりでそこに住むという考えは1つ、ベストの考えの1つだとは思いますが、ただ人間ってのは実はもともと海の中に漂ってた原始的なアメーバみたいな生き物だったのが、頑張って頑張って地上に登ってきて、地上からいろいろ広がって地球全体に広まっていったということで、
やっぱり外に活路を見出すっていうのは生き延びていく最高の方法ではあるんですね。
例えばもしずっと渋谷に住んでたとしましょう。全人類が渋谷にもし住んでたとしたら、たまたま渋谷に隕石が降ってきたら全人類が滅亡してしまうわけですけども、今こうして世界中に散らばっているので、
どこかで何かあっても人類は新しい密地を見つけて生き延びていくわけですね。地球がどうなるか今後千年正直分かりませんが、でも地球は守りつつもやっぱり次のフロンティアである宇宙に活路を見出して広めていくっていうのはもう1つのプランBとしては必ずやっておかなきゃまずいことかなと思いまして、インターステラーはそれをやったということになりますね。
そうですね。このインターステラーの中では土星ですけれども、違う星に住み着いたっていう映画って他にあります?
他のSF映画ではそういうの結構ありまして、そもそも例えばスターウォーズとかだったら初めから別の映画でやってまして。
地球神話っていう。
地球神話っていうことですよね。
星を探して。
例えば銀河ヒッチハイクガイドみたいなそういう映画があるんですけども、ちょっとすいません急にB級のマニアックな映画が出てきてまいりましたが、地球を去っていろんな星を見つけてっていう映画がありました。
やっぱりインターステラーみたいな。
ただしインターステラーほどリアルにああいう状況を描写したのは僕は見たことはないですね。
ちょっと違う路線ですけども、コンタクトという映画がありまして、これは第二の地球を探すのとはちょっと違うんですが、宇宙人を探すという意味では新しいフロンティアを見つける。
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新しいフロンティアの存在を初めて発見するっていうそういうニュアンスの映画がありまして。
外に飛び出していくわけじゃないけれども、外をまず見てみたいと思いまして、私はそのコンタクトという映画はインターステラーと並んで二つ一番好きな映画になっています。
古い映画ですけれども、私も見ましたけれども。
行って戻ってきた、ジョディ・フォスターが行って亡きお父さんに会って、あの頃の技術なので少し技術は劣るんです。今見ると劣るんだけれども、戻ってきて地球に戻ってきてたった30秒なんですよね。
そうですね。
長く宇宙にいたんだけど、だから時間の間隔が地球では30秒だけど、向こうでは長いんですよね。
このインターステラーと逆のバージョンなんですけどもね。
確かに逆ですね。
逆だとちょっとどうやって説明したらいいかわからないところがあるんですけども。
重力で説明するんじゃないですか。
でも重力は時間を遅めるだけなので、ちょっと逆になってしまう気がしますね。
まあでもアインシュタインさんに聞けば何でもやってくれると思うので、なんかあるんでしょうきっと。
私も十二卑怯きた悪魔という映画を撮ったんですけども、それでもタイムトリップ、源氏物語の世界にトリップして、20何年、源氏物語の中で生きるんですね、男の子が。
で、若かった男の子が40ぐらいになって、40、50ぐらいになって、それであるきっかけで戻ってきたら5分ぐらいしか経ってないんですよ。
それはコンタクトをちょっと参考にさせてもらったんですけどね。
そういう描写があると、時空をいたずらしている感が出るので、すごくそういう演出大好きですね。
ぜひ監修したかったです。
重力が強いから、宇宙での1時間が地球では7年と。
人類の滅亡を防ぐために、次元を超えられるのは重力だけ。どういうことなんですか。
これはですね、映画の中にそういうセリフが出てきたのは知ってますが、直接ストーリーとは関係ないんです。
関係ないけど、気になる。
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気になりますよね。
ちょっとだけ話しますと、普通世の中、今身の回りの世界が何次元の世界か。
3次元。
ご存知ですね。3次元です。
ご存知ですね。
この紙は2次元ですね。
私ね、3次元を2次元に描けないんです。絵が下手なんです。
本当ですか。
3次元を描けないから立体が描けないんですよ。
本当ですか。
でもそれ実は私の講演会で、ワークショップでいつもやるんですよ。
紙を用意してくださいって言って、皆さんじゃあ紙に正方形描いてくださいってまず言うんですね。
当然誰でも描けます。
じゃあ次に紙に立方体を描いてくださいっていうクイズだそうです。
だいたいの人は立方体を描くことができるんですけど。
次の質問が本番でして、あなたが今紙に描いた立方体は本物の立方体だと思う人、手を挙げてくださいとかってやりますと。
これ2次元じゃないですか。
そうなんです。
なので3次元の立方体を紙に描いたんだから、それは2次元なので本物の立方体じゃないって答える人が8割ぐらいで正解なんですけども、ただ言いたいことは逆なんですね。
3次元の世界なのに当たり前のように皆さん2次元にこうやって描けてたってことは、じゃあ4次元の世界を3次元の例えば彫刻として表現できるかもしれないっていう。
より上の次元のものを下の次元に持ってきて表現できるかもっていう可能性があるんだよっていう。
そんなお話をよく講演会の時にしているんですけど。
山崎さんは4次元を描けるんですか。
僕ちょっとだけ描けますよ。
描いてください。
本当ですか。
どういうことですか。
例えばちょっとこれね。
3次元は描けますよ。
あれですけど正方形はこうやって皆さん描けますよね。
立方体っていうのは実は正方形を2つ並べてその間をこうやって4本の線でつないだものが立方体なんですよ。
これは描けますね。
これはそうですよね。
でもこれも本物の立方体じゃなくて立方体を2次元に描いた風のものってことです。
ってことは4次元のものだって描けるかもしれません。
例えばちょっと雑に描きますが、もうちょっと大きな立方体を先ほど描いた小さな立方体の外側にこんな感じで描きまして、
それぞれの辺をこうやって放射状に結ぶっていうことをこうやってやるんですね。
そうするとこれは3次元の立方体を内側と外側で動かして間を線で結んだというものになるので、
実はこれが4次元の立方体の絵、視聴者の皆様ぜひ見てくださいっていう感じなんですけども。
つまり3次元の立方体の絵をもう1個大きな立体の中に入れて、
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それで頂点をこの大きな立方体とつなげる。
そうすると広がるってことですか?
そうですね。これがでも4次元の立方体の形っていう。
これただ大きな箱に小さな箱が入ってる。
そうですよね。
アマトリオシカですね。
アマトリオシカ。
じゃなくてこの頂点と頂点を結んでいるところに何かが意味があるんですね。
そうですね。これ実はちょっと話飛びますというか戻りますが、
これの中にクーパーと娘さんが住んでたっていうのがインターステラーのラストシーンなんですよ。
本棚のシーンあったと思うんですが、上下左右前後どっちにも本棚があって、
ありました。
どっちにも娘さんがいたじゃないですか。
いました。
そのシーンは実はこの今書いた4次元立方体、ちょっとこれを実は展開しなきゃダメなんですが、
この4次元立方体の中にクーパーとか娘さんが住んでるっていうイメージで描かれた、
演出されたシーンがそのインターステラーのラストシーンの本棚のシーン。
でも本棚の外は5次元って言ってましたよね。
5次元のところはあんまり気にしない方がいいかもしれない。
外のところは4次元で、外側また5次元。
ここにまた大きな箱を描いたら5次元になるんですか。
これはですね、まずは上下左右前後に娘さんがいたっていうことで、まず4次元の世界ですよね。
あと未来の娘さんとか今の娘さんとか過去の娘さんとか、どの時代の娘さんにも会うことができたので、
それが時間の軸なんですよ。
数字でプラス1でして、4次元立方体上下左右前後に娘さんがいたので、まず4次元の4でして、
あと過去未来現在全部の娘さんに会えたという時間の軸でプラス1があって、
4たす1で5になるってことで、5次元空間の世界を描出してるっていうのが一つの解釈。
一つの解釈。
解釈ですね。
これは私の講演会で30分間ぐらいずっと延々とこの話をしますので、よかったら今度。
見えてきた。
そういうこと、時間軸。
時間軸と4次元立方体の中に住んでるっていうので。
でも、でもって言ったら失礼ですけど、軸が超えられないんでしょ?
そうなんですね。
本当はっていう、何が本当かわからないけれども。
少しだけ、その話は実はちょっと比喩的に出てるだけなんですけど、一応説明しておきます。
普通は我々が例えばこの紙の上に住んでるとしまして、
AさんとBさんがこの紙の上に右側と左側にこうやっているとしまして、
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普通だったらこんな感じで、例えばAさんからBさんに物を送ったりするってこんな感じで、
二次元的に広がるんですけども、
でも三次元方向、つまりこの上ですね。
紙に今垂直にペンが立ってます。
こっちのほうに行ってこう行くような、
そういう紙の外に一回出て、紙の中に戻ってくるような、
そういうパスっていうのも考えられるんですね。
それが重力だっていうような言い方なんです。
この我々の世界が今この紙の中で全部起こってるとして、
これが今、三次元の世界だと思いましょう。
紙の世界。
二次元に表現してますけども、
でもそれとは別の次元、五次元目とかに重力が伝わってBさんまで行くことができる。
つまりこの我々の住んでいる三次元の世界とは、
別の次元に重力が伝わってるんじゃないかっていうふうに考えてる人がいるんですね。
それと時空は関係ないですよね。
一応関係があります。
一応関係ない。
もうちょっと時間になってしまいましたので、
ちょっとその続きを次回また伺ってもよろしいでしょうか。
コピーしておいたほうがいいかもしれませんよ。
どんどん前のみりになってきました。
時空が足りなくなってしまいましたので。
ありがとうございます。
今日も山崎さんでした。
ありがとうございました。