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先日、昆虫学者の先生のお話をお聞く機会がありました。
蟻の巣やコロニーの中で生活の一部、またはほとんどすべてを蟻に頼って生きている昆虫を、
好蟻性昆虫と言うそうです。
これらの昆虫は、蟻という社会性昆虫と一緒に暮らすことで、
蟻を守ってもらったり、餌を得たりしながら生活をしています。
例えば、クヌギクチナガオオアブラムシは、口糞がとても長く、体長の1.5倍以上もあります。
この長い口糞を木の幹に突き刺して樹液を吸いますが、刺し終えるまでには非常に時間がかかります。
さらに、大きな体と長い口糞のため、素早く動くこともできません。
そこで、クヌギクチナガオオアブラムシは甘え蜜を出す代わりに、草蟻に守ってもらうという生活をしています。
草蟻は、外敵から守ったり、別の場所へ運んだりします。
さらには、卵まで世話をして育てることもあります。
しかし、この関係は必ずしも対等ではありません。
蜜の出が悪くなると、草蟻は守るどころか、クヌギクチナガオオアブラムシを食べてしまうこともあります。
そのため、この関係は強制というより、草蟻に管理され利用されている家畜のような存在だとも考えられます。
コウギセイ昆虫は、まだ研究が十分に進んでいないものも多く、進化を考える上でも大変面白い存在です。
どの蟻と関わるかによって姿や行動が変わったり、蟻に攻撃されないよう体の匂いを変えたりするしもいます。
長野県は南北に長く、山地から平地まで高低差も大きいため、様々な環境が揃っています。
そのため、昆虫の種類が非常に豊富で、国内でも有数の研究場所と言われています。
しかし、近年は地球温暖化の影響により昆虫の分布が変わったり、数が減ったりする例も見られます。
コウギセイ昆虫を調べることは、生物多様性を守る上でも大切な研究なのです。