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【神戸金史のCatch Up】
三菱電機
毎週火曜日のこの時間は、神戸金史のCatch Upです。
先ほど原稿の話もありましたけど、やっぱり大陸、朝鮮半島と日本との関係っていうのは、僕ら日本人が思う以上にですね、歴史の中では本当に重要だなとこのところ感じてるんですね。
日本史学ずっとやってきましたけど、そういったことをもっと意識しないとダメだなーってよく思うようになってきました。
先日、北九州市和田西区の折岩にある九州朝鮮中高級学校で、フォトジャーナリスト安田夏樹さんの講演会が開かれたので行ってみたんですね。
生徒さんや保護者、一般の方もたくさんおられましたけど、体感が一般になるような人が集まっていました。
安田夏樹さんといえば、TBSテレビのサンデーモーニングのコメンテーターで、よく顔も知られていらっしゃいます。フォトジャーナリストですが、
現在の中東情勢とか、改正された入管難民認定法がどれほどひどい内容になってしまったのかなど、いろんなお話が滝に渡ったんですね。
その中で、ご自身のルーツについても安田さんが語っているんです。
今日はそのお声を紹介したいなと思っています。
16歳だった安田さんは、その当時まで全く思ってもみなかったことを知ることになります。
安田さんが中学2年生の時に亡くなった父親が、在日コリアの2世だったということを初めて知るんですね。こんなふうに、その時のことをおっしゃっていました。
パスポートを作るためには、戸籍を求められますね。
何が書いてあるんだろうって何気ない気持ちで、その戸籍を見た時に、父親の欄に見慣れない文字を見つけました。韓国籍って書いてある。
そこで私は、中学2年生の時に亡くなった父が、初めて在日コリアンだったということを自面で知ることになりました。
思いもよらないことだったので、アイデンティティの前でフリーズをしたまま家に帰って、恐る恐る、これって聞いていいことなのかなって思いながら、母に尋ねてみました。
母親は知っている限りのことは全て話してくれたと思っています。
父が日本生まれの在日コリアンの2世代目であったこと。1948年生まれなので、まだ戦後の混乱を残してた頃ですよね。
出児もあってか、とても複雑な家庭に生まれて、教育の機会にうまくつながることができない人だった。
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何かは具体的には言ってくれなかったけど、話しぶりからどうやら自分の出児によって嫌な思いをしたことがあるみたい。
だから日本人として生きよう。日本人になりきろうって、それを徹底しようとした人だったんだよ。
でもそれ以上のことは、家族がどんな人で、どこからやってきて、いつやってきたのか、私には一切話してくれなかった。
母はとてもどこか寂しそうにそれを話してくれたのを覚えています。
このルーツの話ですね。知ったら衝撃だったでしょうね。それまで考えてもみなかったことが初めてわかった。
これは安田さんが出された著書、国籍と遺書、兄への手紙、ルーツをめぐる旅の先に、という本の中で詳しく書かれています。
5月に発売されて、現在3回目の増刷となっています。ヘウレイカという出版社から出ているんですけど、これを私読んでみましたが、いろんな考えさせられることがありました。
安田さんは小さな頃に自分が父親に言った言葉というのを忘れられないでいます。
小学校上がる前ぐらいだったか、上がったすぐぐらいだったか。
お父さんお帰りっていう風に駆け寄っていって、いつものように自分が読んでいる絵本をその日は父親に差し出して、今日はお父さんが読んでってお願いをしました。
仕事帰りだったので多分疲れていたと思いますが、父は嫌な顔ひとつせず、私のことを膝の上に乗せてくれて、その絵本を読み始めようとするんですが、スラスラと読むことができませんでした。
一つの文章の中でも何回も何回も、なんでそんなところでつっかえるの、おかしいよっていうところで何度も何度もつっかえる。
私は一冊その絵本を読み終える前にしびれを切らして、もういいって、その絵本を突き返して父にこう言いました。
ねえお父さん変だよ。お父さんはどうしてお母さんみたいに絵本が読めないの。ねえお父さん日本人じゃないみたいだよ。
と私が言い放った時の、あの時の父親の顔を多分私は一生忘れないと思っています。
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私が言い放った一言が父親にとってどれぐらい残酷な一言なのかっていうことを、あの時はまだ知らない頃でした。
この言葉に対して、いつものようににこやかに笑っているだけだったと。
ただ目の中でそれだけではない表情を読み取ったようで、何か変なことを言ったのかなって思ったので覚えていたそうです。
すごいことだなこれもと思いますね。
お父さんのことを思うとつらい一言だったろうなと思いますけども、でも娘には隠していたからいたしかたのないこととも思っていたでしょうしね。
学ぶ機会を持てなかったことがあったんだろうと思われますね。
亡くなった父親が在日コリアンだったことを明らかにしている安田さんは、ネット上ではですね、朝鮮半島に帰れとかですね、差別的な言葉を投げかけられるようになっています。
あまりに酷いので、このうち2件について裁判を起こしたんですね。
ちょっとこの講演聞いてて衝撃的だったのは、そのうちの一人は福岡県に住む人だった。
この方とは和解しましたが、もう1件は今年6月に相手方に30万円の賠償命令が下りているそうです。
こうしたことを受けてヘイトについて安田さんが語りました。
地域の方々が声を上げ続けて、2016年の5月に成立をしたのが理念法ではありましたが、ヘイトスピーチ解消法でした。
理念法ではあるんですけれども、私自身のヘイトスピーチの裁判の中でもヘイトスピーチ解消法が引用されたということもあって、決して無駄な法律ではないというふうに思っています。
そして2019年の12月、これが川崎というコミュニティの中ではとても大きなことだったんですが、
全国に避けかけて初めてヘイトスピーチを刑事罰の対象にするというヘイトスピーチ禁止条例が、2019年の12月、全会派一致で可決をされます。
川崎市議会にだって、いろんな歴史認識のいろんなバックグラウンドのいろんな議員さんたちがいます。
その中でも、でもこれは許されないよね、という一点で議会が一致できることがあるんだっていう、そういう意味でも川崎市議会の決定は、とても希望的なものだというふうに私自身は感じました。
ヘイトスピーチ禁止条例ができたところで、全てのヘイト行為が全部やむということではなくて、
駅前では相変わらず突発的なヘイト凱旋は繰り返されてはいるんですけれども、それでも一時期の大規模なデモというものは起こらなくなりました。
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私自身は日本人、日本国籍者として生まれ、けれども父親のルーツは朝鮮半島にあるという、私自身の立場だからこそ、もしかしたら届けられるものがあるかもしれないというふうに考えています。
ここにこんな問題がある、気がついていますか。気がついたあなたはどんなふうに感じますかという投げかけを写真と言葉で私自身も続けていきたいというふうに思っています。
自分ならではの立場だからこそ、やることがあるんじゃないかと考えて、今、ジャーナリストとしての活動を続けているとおっしゃっていましたけれども、
実はこの本の中で安田さんはこんなふうに書いてたんですね。
この社会に存在する国籍や羊、ルーツや文化の違いはなくすものでも乗り越えるためのものでもない。
だからこそ、みんな地球人というフラットにならしてしまう語りにも違和感がある。
違いが違いとして、ただしそこに自然と存在することができる社会が生き心地のいい場所なのだと私は思うと書いてました。
自分のアイデンティティにこだわっていろんなことを調べていって、祖父母がたどった、住んでいた場所を全く痕跡も残っていないとがっかりしながら、
でもそれでも少しずつルーツを探っていく旅をしていったことがこの本に書かれているんですね。
これを読んでいくと私たちの社会が朝鮮半島を見ると日本が合わせ鏡のように見えるなといつも思うんですけど、
この本を見ながらも日本の一つの姿が安田さんを助けようとしてくれるいろんな人々の優しさなんかも出てきますし、
一方でもう本当にひどいヘイトも出てきます。
これも合わせて日本の姿だなとも思いながら読みました。
非常に面白い本だったので手に取っていただけたらなと思っています。
その本ですが安田さんの著書、国籍と遺書、兄への手紙、ルーツをめぐる旅の先に。
ヘウレーカー館ということでヘウレーカーから出版されております。
税別1900円となっております。
興味のある方は手に取って読んでみてください。
ここまで寒米カレムミのキャッチアップをお送りしました。
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