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神戸金史 のCatch Up ノンフィクション作家 堀川恵子さんの著書「峠の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ」
2024-07-23 12:19

神戸金史 のCatch Up ノンフィクション作家 堀川恵子さんの著書「峠の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ」

RKB解説委員長 神戸金史
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【神戸金史のCatch Up】
毎週火曜日のこの時間は、神戸金史のCatch Upです。
はい。また暑い夏が来て、また戦争のことを考えることも多くなる時期でもありますけれども、
先月に西南学院大学の読書教養講座で、ノンフィクション作家の堀川恵子さんという方が講演をされました。
堀川さんという方は、1969年広島県生まれで、広島テレビの記者を経てからノンフィクション作家になっていますが、
作品が次々と受賞していまして、講談社ノンフィクション賞、大谷総一ノンフィクション賞、早稲田ジャーナリズム大賞などなど、すごい人です。
西南学院大学の国際文化学部の柿木信之教授のゼミの学生さん3人が、それぞれ堀川さんの著書を読み込んで書いた本人と意見を交わすというイベントだったんですね。
今日はそのうち、暁の宇品、陸軍船舶司令官たちの広島という本を紹介したいと思います。
おさらぎ次郎賞の受賞作で堀川さんと担当した吉田玲香さんという学生さんの意見交換です。
まずはこの歌を聴いてみてください。
この歌、聴いたことはあります?
いや、私は小学校の時に習ってます。
港という文部署、消火なんですよね。
実はこの消火は、広島市の宇品港の様子を歌った歌だと、知らなかったんですけど。
この宇品という港には、陸軍船舶司令部、通称暁部隊がありました。
陸軍の船舶司令部。
陸軍の船舶ですか?
なんかね、違和感がありますよね。
実は日本の場合、戦地へ兵隊や物資を運んだのは海軍ではなかったと。
陸軍自身が海洋運搬業務の全般を担っていて、補給と兵隊を担っていたと。
ただし陸軍なので輸送船がない。
民間から船と船員をセットで借り受ける形だと。
これは世界的にもとても珍しい形態だったそうで、
陸軍の船舶司令部は船と船員を持たない海運会社のようなものだったということです。
このノンフィクション、暁の宇品陸軍船舶司令官たちの広島の内容は、
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この本を読み込んだ吉田玲香さんの説明でお聞きください。
この本はなぜ人類発の原子爆弾は広島に投下されなくてはならなかったかという疑問を突き詰めることから出発しています。
アメリカが広島を原爆投下候補地として選んだ理由、
それは広島に日本軍最大の輸送基地である軍港宇品があったからでした。
長年船舶輸送の世界を牽引し、
船舶の神と呼ばれるも海戦に反対したことで罷免された田尻正治をはじめ、
船舶参謀として海戦から終戦までは歩んだ篠原氏、
宇品最後の船舶司令官として太平洋戦争下を行き、
原爆投下後、船舶部隊を直接指揮して広島の救援救護にあたった佐伯文朗という陸軍船舶司令部の3人の軍人が残した未公開資料などをもとに、
命がけで輸送をし、そして最後に和歌詞していった戦員たちの姿、
なんとかなるの精神で突き進んだ軍隊、太平洋戦争の破綻の構造、
そして最終的に宇品ではなく広島の繁華街が原爆投下地点となった背景が
宇品の歴史とともに描き出されるノンフィクション作品となっています。
私がこの本で一番印象的で、同時にこの本の焦点でもあると感じた部分が、
なんとかなるという精神論で突き進んだ軍隊や政府の姿勢にあります。
このなんとかなるという姿勢は現在の私たちにも当てはまる部分があるのではないかと読んでいて感じました。
自分たちはなんとか平和に生きられるのではないか、なんとかなるだろうという思いが私たちにはあるように感じています。
なんかすごいですね。正直びっくりしています。
とても深く読んでくださって、私がここを伝えたいと思ったところをまさにノンフィクションで伝えてくださっていて本当に感動しています。
こういう中身なんですけども、私もこの本を読んで初めて気づかされたんですね。
軍は民間から船員ごと借り受けるわけですけど、民間の船は国外から国内へ、国内から国内へと資源を運んでいるんですよね。
それがいつもの仕事です。
軍がどんどん徴用してしまえば資源を運ぶ船が足りなくなり、兵器も増産できなくなるということです。
民間の船が減ったら国民が生活を我慢すればいいという話ではないということです。
なのに軍隊はなんとかなるとどんどん借り上げてしまった。
武装も間に合わない。護衛する海軍もいない。借り上げの民間船はどんどん撃沈されていくんです。当たり前ですよね。
廃船の2年から1年前には南方から資源を運ぶことはほぼできなくなりました。
国力という観点から言うと、この段階で戦争の構図は決定的に破綻したと織川さんは見ています。
やっぱり日本という国は島国と言われますけれども、周りが全部海なんですね。
国境船を持っていません。だから外に出るときは必ず船がいります。
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もちろん飛行機は使えますけれども、輸送力の点では船しかない。
ということはですね、戦争になったときに船がなければ戦えない国なんですよね。
物を運ぶだけではなくて、外から物を運んでくる必要もあるわけです。
太平洋戦争のときにさっき吉田さんがおっしゃった、なんとかなるという言葉。
これはですね、本書の主人公である田尻昌司という陸軍船舶司令官が、
もう日中戦争の時代から日本は船が足りてなかったんです。
もうこのままだととてもじゃないけれども、国民の生活が冷やがっちゃうよ。
これでさらに太平洋戦争なんて起こしたら、負けるに決まってるじゃんというですね、非常に大雑把な言い方をすれば、
それを軍に進言したことによって、本当に罷免されてしまうわけです。
でもこれって考えてみたら当たり前のことなんですよね。
それでも太平洋戦争に進んだ。確かに船はない。
だけれども、今もし戦争が起きて海上封鎖にもされたら、
今自分たちが持っている石油は1年半しか持たないよと。
1年半しか持たないんだったら、今叩いとかないと大変なことになるという逆の論理を使ってですね、
やれば何とかなるということで、吉田さんがお伝えくださったような形で進んでいきました。
でも何とかならなかったというですね。
物を運ぶ、外から物を運んでくるという視点で考えれば、
最初から勝てっこない戦だったということは、後から考えればわかるんだけれども、
それを家中に置いて当時から勝てないと言っていたのがたじり中情であったということです。
どうしてこんな頭の良いはずのエリートたちがこんな愚かな判断をしてしまったのかということですよね。
誰もが分かっていても発言できない雰囲気とか、そういうのもあったのかなとは思います。
そして森川さんは現代の日本についてもこんな風に話しておられました。
吉田さん、日本の例えば石油ね。
戦争が始まらなくても海峡をいくつか封鎖されるだけで日本に船は入ってこなくなるよね。
そうすると石油はどのぐらい持つと思いますか。
ちょっと検討がつかないんですけれども、石油、今年ぐらい。
今は日本国が備蓄している石油は時々によって変わるんですけれども、
約数十日ぐらいと言われています。
だから太平洋戦争の開戦時よりも我々の国はより厳しい状態に置かれているということは、これは数字から明らかです。
そして船に関して言ってみても、当時は一生懸命民間の船員さんたちが
吉田さんが紹介してくれたように命を懸けて日本のために行って物資を運ぼうと頑張ってくれた。
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だけれども今日本の船員がどのぐらいいるか。
日本船席の国籍の船に乗っている船員さんの90%以上は外国籍の方々です。
日本のために命を懸けて物を運びますなんて言ってくれる人はいないんですよね。
周りを全部海に囲まれている日本というのは、戦争をしたくてしたくてたまらなくても戦争ができない国なんだというのが、
この本を書いた私なりの大きな結論の一つです。
だからもちろん最低限の自衛はしなくてはならないし、準備をすることはしなくてはならないのだけれども、
一番大事なのはどう戦争をやらないで済むかを考えること。
それは自衛隊さんとか防衛省だけにお願いすることではないですよね。
もちろんお隣に物騒の国がいっぱいあってね、なんかミサイルみたいなのがちょんちょん飛んでくるし、
とっても嫌なんだけれども、ただ単に戦ってあいつら悪い、あいつら嫌だって言うだけでいいのかっていう、
そういうことも多分問われてくる。
だからこれを書いた時に私が思ったのは、戦争できない国だな、戦争をやっても勝てない国だな、
じゃあどうしたらいいんだろう、これをみんなに考えてほしいなと思って。
言われてみれば、もっともかなという気もします。
敵基地戦勢攻撃の話もありますけど、その後どうなるのかとか含めると、
日本は決定的な弱点を持っているということは、実は前回の戦争の一番大きな教訓だったかもしれません。
その点について、しっかりと陸軍船舶司令部というところに光を当てて浮き彫りにした本は、
中身は本当に説得力がありました。
今日はこの赤月の宇品、陸軍船舶司令官たちの広島という本にサインを入れていただいて、
お一人の方にプレゼントいたします。
欲しいという方は住所、お名前、電話番号、そして番組の感想を書いて、
gu.rkbr.jp、gu.rkbr.jpまでお送りください。
ここまで、かんべカレムビのキャッチアップでした。
地下鉄祇園駅から徒歩2分、RKBスタービル博多祇園スタジオは、
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お問い合わせご予約は、スタービル博多祇園のホームページからどうぞ。
ご視聴ありがとうございました。
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