国際刑事裁判所を守る
2026-09-04 16:33

国際刑事裁判所を守る

元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎と毎日新聞出版代表取締役社長・山本修司、2人のジャーナリストによるラジオコラム。毎月第四金曜日には、元作詞家志望だったという経歴も生かして、潟永秀一郎がヒット曲の歌詞を読み解く「この歌詞がすごい」をお送りします。

※RKBラジオで毎週金曜日に放送している『立川生志金サイト』内のコーナーです。

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サマリー

本エピソードでは、国際刑事裁判所(ICC)の日本人初所長である赤根智子氏が、トランプ政権から制裁対象に指定された問題を取り上げます。毎日新聞出版の山本修司社長が、ICCの設立経緯や役割、そして個人を裁くという点で国際司法裁判所(ICJ)との違いを解説。特に、アメリカやロシアといった大国が加盟しない背景や、日本がICCに多額の拠出をしている事実を指摘します。また、赤根所長の経歴や人柄、制裁の実態とその影響、そして日本のリーダーシップに期待される役割についても議論されています。

国際刑事裁判所(ICC)と赤根所長への制裁問題
さて、今日の学ぼう社会のカギはですね、オランダのハーグに本部を置きます国際刑事裁判所ICCの日本人初の所長となりました、
アカネ・トモコさんがアメリカのトランプ政権によって制裁対象に指定されたことが大きな問題になっております。
国際社会で戦争犯罪などを裁く最後の取り出と呼ばれます組織のトップが大国の制裁を受けるという前例のない事態だと
報道されておりますが、一般に馴染みのないこのICCという組織なんですけれども、毎日新聞出版の山本修司社長は
ICCが発足した2003年当時から関心があったということですので、今日はそのICCをめぐる問題を丸ごと解説していただきたいと思います。
山本さんよろしくお願いします。はい、おはようございます。
ICC設立の背景と山本社長の関心
確かにちょっと馴染みのない組織ですね、日常生活にあまり関係ない国際機関なんですが、今回の騒動で知ったという人もいるかと思うんですね。
私は2003年に設置される以前に知ることになったんですが、それは2002年頃ですね、この時は
東京知見特措部による国会議員の汚職事件の捜査が進んでいて、私は検察担当の記者とか裁判担当の記者を束ねるキャップというのを務めてたんですが、
この事件の全体像とか意義を俯瞰して把握したいなということで、検察の幹部に会いに行ったんですね。
その時にその幹部が言ったのは、今回の国会議員の汚職事件というのは、正解にできたガンを雪上するようなものなんだ。
ところが刑事司法全体を世界的に考えればですね、もっと大事なものがあるんだと。
司法記者ならそういうことをぜひ知っておくべきだと言ってですね、ICCについて説明始めたんですね。
私はもう目の前の汚職事件のことで頭がいっぱいでですね、どんな国際的なとか言われてもと思ったんですが、大変大事な話でしてですね、
遡るのは日本の敗戦後からなんですね。
1951年にサンフランシスコ平和条約を受託して、日本は国際社会に復帰したということですね。
この第11条に極東国際軍事裁判所の裁判、いわゆる東京裁判ですね。
これを受け入れることが当時前提になっているので、日本は東京裁判の結果を受け入れて復帰した、というように言われているわけですね。
裁判では日本の指導者が戦争犯罪人としてですね、処罰、死刑になった人もいますけども、
しかしこれ裁判官も検察官も、戦争国側、戦いに勝った側が占めていたので、
裁判の正当性とかですね、歴史的な解釈、全て受け入れたわけじゃないんだというような主張が今も残っているというのは自立なんですね。
それは置いておいても、東京大空襲などを含む旅重なる本土の空襲でですね、
おびただしい数の日本人の一般人が殺害されてですね、さらに原爆の投下ですね、
こういったものは戦争犯罪の可能性があるのに、
戦争国だからといって一切裁かれないというのは不条理じゃないかと、この検察官は言ってたんですね。
ですからやっぱり国際社会での紛争の被害者ですね、日本で言えば空襲で亡くなったとか、
そういった被害者のためにはですね、やはり公平に裁く期間が必要なんだと。
それがICCで、これが来年設立されるんだよということを教えてくれたんですね。
ICCの役割と国際司法裁判所(ICJ)との違い
今ちょっと触れましたけど、ある国が一方的に別の国に侵攻したりですね、今のロシアですね。
民間人が大量に殺害されたり、ジェノサイドなんて言いますが、
こういった時にですね、関係する国が捜査とか処罰する意思がないというのはよくあります。
ロシアなんかまさにそうですね。
またその能力がないという場合もあってですね、そういった時にこの登場するのがICCということになるんですね。
これは国連からも独立した組織でですね、
裁判官とか検察官は正当な資格を持つ加盟国の中から裁判官を選ばれるんですね。
これ18人なんですけども、今そのトップがアカネさんだということなんですね。
実は似たような組織に国際司法裁判所というのがありまして、戦後からあったICJというんですけどね。
ICCは個人を裁くんですけども、ICJというのは国同士の紛争を担当するという違いがありまして、
ちょうどいい機会ですので、こういうのもあるというのは知っておくといいかなと思うんですね。
大国の不参加と日本の立場
それでちょっと検察官部の話に戻りますと、東京裁判を主導したり関与したアメリカとかロシア、中国ですね。
こういった国は多分ICCに加盟しないだろうなというようなことを20年以上前から言ってたんですね。
というのは今後起きるであろう戦争や紛争にですね、自ら裁かれる可能性を彼ら一番よく知っているんだろう。
だから加盟しないだろうと言ってたんですが、実際そうなってるんですね。
しかも今回の制裁はアメリカ政府が発動したものですし、プーチン大統領に至ってはですね、
ウクライナ戦争をめぐって当時のICCの裁判官だったアカネさんを指名手配したりもしてるんですね。
ひどいことなんですけども、この組織は日本は2007年に加盟してましてですね、
この組織を抱える拠出金というのは日本が一番多く払っているということなんですね。
これがICCという組織についてなんですが、このアカネ所長さんですね、アカネさんなんですが、
赤根所長の経歴と実績
この方はどういう人かというと日本の検察官なんですよね。
東大法学部在学中に手法試験に合格してですね、優秀な方ですね。
1982年に任官してですね、国内だけじゃ視野が狭くなるっていうので、
自分のお金で私費留学でアメリカのジャクソンビル州立大というところに留学したりですね。
あとアジア地域で刑事司法の国際的な研修機関というのがあるんですが、
これは国連アジア極東犯罪防止研修所というんですね。
これは通称アジ研が事件なんて言うんですが、アジアを研究するアジ研なんて言われるんですが、
この教官とか次長も務めた国際派なんですね。
当然、検事としては裁判も担当しましたし、事件も担当して、
公判部、刑事部というところですけれども、こういったところで勤務して、
現場が一番好きだという根っからの検察官でもあるという方なんですね。
残念ながら私はお付き合いしたことがないんですが、
教官なんかしてた関係から教え子は何人も知っていて、
検察に留まる日本の司法界、弁護士とか裁判官、こういった人からも大変尊敬されている方なんですね。
2018年にICCの裁判官になったんですけれども、
その前年に裁判官選挙というのがありまして、18人のうち6人が改選されるんですけれども、
ここには12か国から候補者が擁立されたんですけれども、
赤嶺さんトップ当選だったんですね。
その評価がこの方の実力というか、そういったものもあって、
2024年3月に初の所長に選出されたという大変立派な方なんですね。
アメリカによる制裁の実態と影響
その制裁についてなんですが、
トランプ政権が出したのは昨年2月にですね、
アメリカとかイスラエルを標的に不当で根拠のない行動を取って、
ニタニアフ・シュフランに逮捕状を出したと。
これ権力の乱用だということで、ICCに対して制裁を課したんですね。
今度は今年8月になって赤嶺所長が個人に訴え貸したということなんですね。
これ制裁というのは結構ひどくてですね、
本来これ大統領令に基づくんで、
アメリカ国内でしか効力を持たないはずのものなんですよね。
小さな国出したら何の影響もないんですけれども、
アメリカは世界最大の金融市場を持っているということですし、
ドルですね、基軸通貨のドルも運営してますし、
ですからその影響が全世界を呼ぶんですね。
報じられてますけど、プレジ使えなくなるとか、
預金が引き出すとかですね、
GoogleとかApple、みんなアメリカの会社ですから、
ソフトウェアとかオンラインのサービスが受けられなくなると。
話に聞いたんですけど、急にアレクサが話なくなったとかですね。
Kindle読んでいたら、
蓄積したら全部消えちゃったとかですね。
ひどいことになるんですね。
通常制裁って言ったら国連の常任理事国なんかが制裁したりしますけど、
こんな一刻の制裁が実はものすごい影響を受けると。
ひどいんですね。
赤根所長の会見と加盟国への訴え
あかねさんこれを受けて記者会見したんですけども、
ICCは先ほどちょっと私も触れましたが、国際犯罪、戦争なのでですね、
この被害者にとっては最後の希望なんですと。
だからこれは法の支配の危機なんですということを訴えてるんですね。
またICCは決して負けないんだと。
この言い方がなかなか冷静なんですけど、
正義は常にこれと対極にあるものに優越しなければならないとの信念を貫くと。
相手が不正義だということは裁判も経ていないんであえて言わない。
という非常に冷静で力強い語りなんですね。
それで加盟国、今アメリカの圧力で脱退しようとしている国もあるし、
実際脱退した国もあるんですが、これ何とか食い止めてくださいと。
制裁がさらにこれ以上、自分以上に拡大しないようにすることをアメリカに働きかけてほしいと。
これ高橋さんの仕事になるんですが、こういうことをおっしゃってるんですね。
現状への懸念と国際機関の必要性
現状を本当に見るとですね、
アメリカもロシアも国連の常任理事国でありながら、他国に一方的に攻め込んでいると。
またこういう国際的な機関そのものとかトップに対して制裁を課すと。
この状況については行きどおりというか、どうにもできないもどかしささえ感じてしまうような状況なんですけれども、
やはりこういった状況を把握しとく必要があると思うんですね。
なぜ国際機関が必要なのか、こういった制裁がどんなに影響が強いのか、
この裁判官どんな方々がやっていて、どういうことを守っているのかということをやはり知っておくことが大事だと思いまして、
今日この話をしたわけなんです。
日本政府の対応とリーダーシップへの期待
日本でもね、朱音さんの制裁解除を求めるデモや署名ってすごく動きが大きくなってますよね。
ヨーロッパ諸国は朱音さんを支持すると言っているけれども、
日本の高市さんはトランプさんに遠慮してだか、最初は残念だとかね、
そんな言い方をしていて、もうちょっとそれより踏み込んだ言い方をもう一回変えてましたけど、
もっと言っていいでしょう。
やはりこういったことについては、完全と既然とした態度を取らないとですね。
それとトランプさんとの親しい関係があるとするならば、やはり一番そこを期待されているんだと思うんですね。国際社会も。
こびるばかりが、
本当に親しいのかという話ですかね。
ただもう本当に尻尾を振っているだけですか、みたいなことになると、
逆に言うと、アメリカではなく他の東南アジアの諸国とかが、
日本ってアジアのために経済力もあるし、やってくれるんじゃないのっていう期待もきっとあると思うんですよ。
それをアメリカにこび打って、
こういう自分のところの日本人が、そうやって制裁を個人的にかけられている国から、
これは日本の元首としては守らなきゃダメでしょう。
自国民を保護するべき。
法の支配を明確にというICCの理念というか、
それに対して、難しいと思うよ。トランプって難しい人だろうから。
でも日本国としてはこうなんですということは言うべきですよね、リーダーは。
しかもここのICCの所長を出しているし、裁判官も含め3人出したことがあって、
非常にお金もいっぱい出しているし、非常に日本は主導しているということで、
より一層責任があるということなんですよね。
だってどう考えたって、ネタニアフに逮捕状というのは、
あれもどう考えたってガザ地区にやっていることは、
本当にジェノサイド、ネタニアフは自分の立場を守りたいがためにやっているようなことですからね。
誰も裁く人が、当然イスラエルの政府が今の状況で裁くことはないわけで、
そこは出番だということですから、
本当に誠実に職務を果たしただけなんですよね。
だから我々は、そういう機関があるということをまず知っておくべきだし、
赤嶺さんが今どういう立場で、そして日本の権力者は、リーダーは、
どうやってやっているのか、動いているのか、
法の支配というものをちゃんと世界に訴えられるのかということをやってもらいたいというのが、
今回の一件で、高市さんの行動はやっぱり逐一見ておかなきゃいけませんよね。
その通りですね。
まとめ
ということで、ありがとうございました。
今日は国際犯罪についての裁判所であるICCについて、
詳しく解説をしていただきました、毎日新聞出版社長の山本修司さんでした。
ありがとうございました。
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