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ニュースや世間の気になる話題を、さまざまな角度から読み解いていきます。
元サンデー毎日編集長、潟永秀一郎さんです。
潟さん、おはようございます。
はい、おはようございます。
お客さんからの嫌がらせなどのカスタマーハラスメント、略してカスハラを防ぐということで、
全国で初めての条例が先週、東京都議会で成立しましたね。
全会一致で、来年4月から施行されるということですけれども、
今日はこの話題ということですね。
はい、そうです。おはようございます。
条例の話の前に、まずカスハラの実態について、
スーパーや外食、福祉関係などサービス業の組合が加盟するUA全選が実施したアンケート結果をご紹介します。
今年1月から3月の調査で、210の組合から3万件以上の回答を得た調査が出そうなんですね。
それによると、直近2年以内にカスハラの被害に遭った人は、実に全体の47%。
2人に1人で。
多いね。
回数別に見ると、1回から5回が64%で最も多いんですが、
6から10回が20%。
11回以上も16%ありました。
当然ながら、カスハラを受けた側は傷つくわけで、
嫌な思いや不快感が続いたと答えた人が半数。
腹立たしい思いやすっきりしない気持ちが続いた人が2割ちょっと。
それから、中には不眠になったり診療内科になった人もいる一方で、
金無先のカスハラ対策はどうかというと、特にされていないが4割以上だったんですね。
4割以上もあるんですか?
特に何もされていないんですか?
されていないですね。
被害の内訳なんですけれども、暴言、これが最も多くておよそ40%。
ついでですね、威嚇や脅迫が15%。
何回も同じ内容を繰り返すクレーム、これが14%。
それから長時間の拘束が11%などです。
自由記述欄には具体的な体験が書かれているんですけれども、
女のくせにと暴言を吐かれて、後日木刀を持ってまたやってきたとかですね。
冬の屋外で2時間以上詐欺させられたとかですね。
冬、外ですよ。
中には車で引こうとしてきたといったですね。
でも犯罪ですよ、これ。
といった記述もありました。
相手はですね、男性がおよそ7割を占めて、
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推定年代、相手に全部年齢聞いてるわけじゃないので推定なんですけれども、
60歳代がおよそ29%。
ついで50歳代が27%。
70代以上が19%。
40歳代が16%でですね、
中高年が実に全体の9割を占めました。
イメージ通りと言えばイメージ通りかな。
つまり、メインは中高年の男性で、
ど真ん中の私は胸が痛い。
本当に気をつけます。
ほんまそうですよ。
じゃあなんでこの年代の男性なのかなんですけども、
専門家はですね、ストレスの影響をあげます。
ある意味厚当たりですね。
サラリーマンの場合50代は多くが管理職で責任が重い上に、
このご時世なので定年延長と引き換えに役職を外されたり、
出向を命じられたりですね。厳しい年代です。
また40代は多くが中間管理職となって上司と部下の板挟みになりやすいですし、
60代の多くは妻子を扱いで、
かつての部下が上司という例も少なくありません。
一方で比較的社会的地位の高いこの年代は、
自分の正しさに自信があるので、
特に相手が年下の場合はですね、
リズムで徹底的に攻める傾向があるそうなんですね。
悪いと思ってないんですよ。
だからといってもちろん許されるわけじゃないんですが、
私も胸に刺さるところがある一つの傾向ではあります。
またご高齢の方の場合ですね、
思い込みなどですね、軽度の認知症の影響も指摘されます。
東京都のカスハラ防止条例はこうした背景から制定されたんですね。
ただですね、じゃあ条例の話なんですけども、
カスハラはですね、パワハラやセクハラと違って法律上の定義がないので、
東京都は制定にあたってまず有識者らによる部会で検討を重ねました定義についてですね。
その結果、顧客などから就業者に対する著しい迷惑行為で
就業環境を害するものと定義をしてですね。
じゃあここにある迷惑行為って何かというと、
暴行や脅迫、その他の違法な行為、
または正当な理由がない過度な要求、暴言などとしました。
たかが定義と思われるかもしれませんが、たかが定義されど定義でして、
これまでですね、今自分がされていることはカスハラなんて言っていいのかなと迷ったり、
会社や上司が対処してくれなかったことに、
毅然と対応したり対処を求める根拠ができるんですね。
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定義されることで。
条例はその上で何人もあらゆる場面において、
カスタマーハラスメントを行ってはならないと厳しく言いましめていて、
雇用主にもカスハラの防止や従業員の安全確保などに主体的に取り組むよう求めてます。
罰則はないんですが、上場企業の本社の半数以上が集積する東京で条例が制定されることの
波及効果が大きくてですね。
すでにANAやJALなど航空会社やJR東日本や東急電鉄などの電鉄会社、
それからNTTやKDDIなどの通信会社、それからローソンとか高島屋など小売業界をはじめとして、
条例に先立っても多くの企業で対策方針が定められていて、
条例化によって今後さらに対策方針が広がるというふうに見られています。
改善されるといいですよね。
さらになんですが、都は今後どういう行為が笠原に当たるのか、
具体的な行為や態度をガイドラインで示してですね、客側に実践を促すほか、
企業側の対応に生かしてもらう方針です。
都の部会では一つの例として、3000円で買った子供の誕生日ケーキに書かれていたプレートですね。
この名前が違っていた場合を挙げて、それはいけないんですけども、
笠原に該当するケースとしてですね、店員の胸倉をつかみ1億円を要求するとかですね。
3000円なのにケーキ。
丁寧な口調で1億円を要求するとかですね。
悪質だ。
店員の胸倉をつかみ3000円の平均を要求することを挙げました。
というか、胸倉をつかんだり1億円を要求したらですね、これはもう笠原以前に犯罪行為になります。
暴行や強拡といった刑事罰の対処になりますし、他にもですね、土下座などを無理やりさせられたら強要罪ですし、
大声を出したりしつこく電話をかけるなど業務を妨害したら威力業務妨害罪ですし、
椅子あって帰らなかったりしたら不退去罪に該当する可能性があって、この辺になると警察に通報すべきなんです。
そうですね。
一方で、丁寧な口調で3000円の返金を要求することは、部会での議論では笠原に該当しない可能性があるとしていて、
実際にはですね、さっきみたいな分かりやすい例じゃなくて、判断が難しいグレーゾーンの方が多いんじゃないかと言われています。
実際そうでしょうね。いきなり胸ぐらつかんで1億円要求する。そこまでの屈出が。
聞いたことはそこまではないはずなのにね。
ないかもしれないけれど。
そうなんです。ですからガイドラインは現実に即してできる限り具体的な例を積み重ねていく必要がありますし、
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じゃないと対応の参考にもならないんですね。
先ほどの3000円の刑期の例で言うと、金目当ての人はおそらく法に触れないように1億円なんて言いません。
誠意を示せ。ですよね。
そう言われた時どうしたらいいのかとかですね。
また電話で延々苦情を言ったり何度もかけてくる場合ですね。その限度はどのくらいなのかとかですね。
あと最近で言うとネット上の店の評価で、事実をそのまま書かれて評価が星1つっていうのは仕方ないとしても、
悪意を持って誇張したり、それからSNSで拡散した場合はどうなのかとかですね。
これ難しいですよね。
この弁護士がいるような企業ならともかくですね、個人経営のお店とかそう簡単に弁護士さんにも頼めませんから、
ガイドラインの拡充だけじゃなくて、相談窓口の充実もこれからは自治体に求められてくると思いますし、
すでに弁護士会もですね、一部でカスハラの無料相談を行うなどですね、対応が始まっているようです。
国何してるのかって言うと決して雑誌してるわけじゃなくて、
厚生労働省は2022年にカスハラ対策企業マニュアルを作ってですね、
翌23年にはカスハラを労災認定基準に加えました。
さらに旅館業法を改正して迷惑なお客さんの宿泊を拒めるようにしました。
さっき東京都条例化したと言いますけども、国も対策の法制化も検討をしていてですね、
東京都が、首都が条例化したことによってこうした動きが加速してですね、
被害が減ることを、半数以上の人がですね、
しかも何回も何回も痛めつけられるような、心が傷つくようなことがなくなることを期待してるんですけれども。
とりあえず条例に関わる話はここまでで、
ここからは少しカスハラを生む一員ともされる、日本独特のお客様は神様という考え方について少しお話しします。
まずはですね、私も出版に関わった広告業界という無法地帯へっていう、
前に新聞出版から出てる本があるんですけど、
その中で著者の前田翔太さんが紹介した、アメリカのあるレザーショップのオーナーの宣言があるんですけれども、
それはこう書いてるんです。
我々は従業員とその尊厳を、カバンを売ることよりも大切にしているって書いてあるんです。
前田さんはこの言葉にびっくりしながら感じてですね、
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ひるがえって日本企業の悪兵を嘆くんです。
いわくこう書いてあります。
お客様は神様的プロトコル。
まあ考え方や決まり事ですね。
これを疑わない人が日本企業には多いから、取引先に対して、
いやそれは違うでしょって意義を唱えると、日本では何が起きるか。
その人は味方であるはずの同僚や上司から、
君、なんてこと!などと、背中から打たれるのである。
だから日本のビジネス界の悪兵器は一向に好転しないまま、ずっとそのままであるって書いてあるんですけどね。
何か言いたいだけの指示とかですね。
今さらそれを言いますか?みたいな変更などで、何人も残業になるような場面ですね。
ちょっと激しくうなずいて膝を叩く方もいらっしゃるんじゃないかと思うんですが、
運転中だったらお気をつけください。
冗談じゃなくてですね、国会の委員会審議でも、
このお客様は神様だという経営者の意識が、
カスハラの一員だとして問題視されてるんですね。
ご存知の通りこの言葉は、国民的歌手だった南波郎さんの名文句なんですが、
南さんの長女の美雪さんは審議とは違う形で一人歩きしてしまったと嘆いています。
今年8月26日の毎日新聞が伝えていますので、最後にご紹介させてください。
発端は1961年、地方都市での巡業コンサートだったといいます。
会場は学校の体育館、老若男女であふれて、
司会者に大変な満席です。このお客様を見てどう思いますかと聞かれたとき、
南さんは神様のようですねと応じて会場は歓声と拍手に包まれたといいます。
これ以降各地の主催者から同じ発言を求められるようになって、
人気漫才トリオだったのレッツゴー三匹が南波郎でございます。
お客様は神様ですってモノマネしたこともあってさらに広まったんですね。
けれども2001年に77歳で亡くなった南さんは生前、
言葉の真意について尋ねられたときにこう答えていたそうです。
歌うときは神前神様の前で祈るように雑念を払って、
まっさらな澄み切った心でなければ完璧な芸をお見せすることはできないと思っています。
ですからお客様を神様と見て歌うんです。
プロとしての心構えを表した言葉だと。
南さんはシベリアの浴流も経験してて、
20歳で召集されて旧満州で終戦を迎えるんですが、
捕虜になって4年間浴流されてるんですね。
寒さと空腹で亡くなる仲間もいる中、南さんが老曲を披露するとその場は明るくなった。
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お客様を神様と見て歌う強いプロ意識の背景にはこの経験があるというふうに三浴さんは言います。
一緒に生きて帰ることが叶わなかった仲間の分まで歌う。
人生の辛い涙が流れるときにせめてその辛さを薄めたい。
そんな思いだったんじゃないでしょうかって。
詳しくはぜひ前に新聞デジタルでお読みいただきたいんですが、
これ決して客の無理無態も聞けという意味ではなかったことをですね、
改めてお伝えしたくて今日ご紹介しました。
衆議院は解散して間もなく総選挙ですけれども、
国会議員こそですね、南波郎さんほどの覚悟を持ってですね、
有権者に向き合えば裏金づくりなんてそもそも考えもしなかっただろうと思うんですが、
政治家さんの覚悟をしっかりと見極めて私も一票を投じたいと思います。
ありそうですね。
ありがとうございました。
元3年毎日編集者、がたながしういちろうさんでした。
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