大学進学と格差
2026-04-10 18:28

大学進学と格差

元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎と毎日新聞出版代表取締役社長・山本修司、2人のジャーナリストによるラジオコラム。毎月第四金曜日には、元作詞家志望だったという経歴も生かして、潟永秀一郎がヒット曲の歌詞を読み解く「この歌詞がすごい」をお送りします。

※RKBラジオで毎週金曜日に放送している『立川生志金サイト』内のコーナーです。

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サマリー

本放送では、大学進学における男女間および地域間の格差について掘り下げています。かつては女性の大学進学率が男性より著しく低かったものの、近年その差は縮小傾向にあります。しかし、地方では依然として男女間の進学格差が大きく、その背景には経済的要因や地域特有の価値観が存在します。また、都市部と地方では、経済成長に伴う世帯収入格差の変化が、地方出身者の難関大学への進学率に影響を与えていることが示されています。教育機会の不均等が固定化されることへの懸念が表明され、教育への投資が家庭の私的投資か国の社会的投資かという根本的な問いが投げかけられています。

進路選択における格差の影
さて、4月から新年度が始まりまして、新しい職場や学校での生活が始まった方も多いと思いますが、
今日の学ぼう社会のカギは、そんな進路選択に格差が影を落としているというお話なんだそうですよ。
元サンデー毎日編集長、潟永秀一郎さんです。
潟永さん、おはようございます。
はい、おはようございます。
このお話をしようとしたきっかけはですね、
毎日新聞の記事でした。
BME、私らしくっていう連載で、性別の違いによる不平等をなくして、
誰もが私らしくいられる社会を目指すという企画なんですけれども、
もう6年前に始まって、これまでに400本近い記事を展開しているんですけれども、
見出しだけ言うとですね、例えば、結婚も育児も台所も当然、
田舎を出る女性の本音とかですね、
女子アナの声はうるさい?男性ばかりのスポーツ実況に服真布とかですね。
水木さんも読んでみたくなるんじゃないですか。
気になりますよね。見たいですよ。
亡くなったリューチェルさんも生前インタビューに応じて苦しかった夫らしさ、
夫婦卒業家族にっていう記事が残っています。
全て前に新聞デジタルで読めますので、ご興味のある方はよければぜひ。
地方女性の進学格差
この連載の中で最近読んだのが、
娘にだけ進路の条件、今も大きい地方女性の進学格差という記事でした。
娘が大学に行くなら国公立で、しかも資格を取ることが条件だと。
でも息子は自由に進学していいという。
ご両親がそういう方針だった大分県出身の27歳女性の話だったんですけれども、
この方一度は望まない進学をしたものの、
新人のバランスを崩して、そこから1年復帰して別の大学の編入試験に合格して、
今は都内の大手IT企業で働いていらっしゃるんですけれども。
このストーリーは前に新聞デジタルで読んでいただくとして、
その中に日本の大学進学率には依然として男女格差があり、
それは都市部より地方で大きくなるっていう記述があったんですね。
ですので格差の一つ目はこれ、男女です。
内閣府の2025年版男女共同参画白書によると、
現役の大学進学率は全国平均で、男性は57.8%、女性は52.3%で、
5.5ポイントの差があります。
これでもずいぶん縮んでてですね、
1970年代まで女性の4年生大学進学率は1割に満たずですね。
男性の5分の1程度でした。
80年代に入ってようやく1割を超えるんですが、
男性がおよそ35%に対して女性が12%なので、まだ3分の1でした。
以降90年代はおよそ男性40%と女性15%、
2000年代は45%と25%、2010年代は52%と40%と、
年を追うごとに格差は縮まってですね。
ほぼ傾向したのは、ようやく2020年代に入ってからなんですね。
2020年代、最近ですよね。
ところがこれも地域差があって、都市部より地方で大きくなる格差がですね、傾向が顕著なんです。
男女進学率の推移と地域差
ここからはこの都市と地方の格差を説明します。
25年版の共同参画白書によると、都道府県別で最も男女差が大きいのは青森県で、その差はおよそ10.5ポイント。
差が大きいところは秋田、岩手、山形、宮崎、鹿児島などですね。東北と南九州に集中します。
逆に最も低いのは東京都でその差はほぼゼロです。
都市によっては僅かに男女が逆転することもあってですね。
男女差が3ポイント程度と低いのは神奈川や京都、大阪など、東京を含めて都市部ですよね。
福岡は静岡や愛知、兵庫などとともに差が4から7ポイントの中間層です。
でも4から7ですからちっちゃいですね。
白書はその地域差の要因としてですね地方は4年生大学が少なく自宅から通える選択肢が限られるため
学費以外に家賃など生活費がかかる状況では兄弟の誰を進学させるかという判断が生じやすく
依然として男子優先の意識があると。
また地方ほど女性は地元または早く就職結婚という価値観が相対的に残りやすく
女子の進学意欲を後押ししにくいことなどを分けています。
つまりですね単にこれ地域格差というよりも背景には経済格差と意識の格差がありそうです。
私昭和の鹿児島生まれですけれども実際ですね
いとこたちも私いとこで一番下なんですけども
女性で4年生大学に行った人は実は一人もいなくて
一方男性のいとこの半数くらいが大学に進みました。
また私が行った高校はほぼ大学進学率100%でしたが
女子の同級生で東京の南韓高に合格できる成績でも
地元で進学した子は少なくありませんでした。
これお二人の周りは当時いかがだったんですかね。
そう言われたら僕もガタガタよりちょっと年下ですけども
成績めちゃくちゃいい子も就職を選んでましたね。
それも高校から日銀とかいろいろいいところへの就職をしている女の子は結構いましたよ。
女性は東京の大学へではなく地元で
地元の大学に進学するという周囲の友達だったりが多かった印象ですね。
私は母一人子一人でとても東京の大学に行ける経済状況じゃなかったんですが
母が行きたい学校に行きなさいと歯を食いしばって出してくれたんですね。
ただ正直私が女子だったらおふくろなんて言っただろうとも思います。
東北は暮らしたことがないのでわからないんですけれども
白書が指摘する意識の問題はかつて確かに九州にはありましたし
まだ名残はあるのかもしれません。
だから冒頭ご紹介した大分の女性のケースもそうですけれども
地方出身者の難関大学進学率の変化
解消すべき課題なのかなとは思います。
ただ今の地域格差を生んでいる要因はやっぱり経済の問題が大きいと思います。
少し視点を変えてみていきます。今度は性別は関係なく
東京のいわゆる南韓大学の合格者のうち占める首都圏の出身者の割合です。
データはサンデーマインチの合格者ランキングなどに基づきます。
例えば東京大学ですけれども都市部と地方の世帯収入の格差が2倍近かった1960年代まで
実は地方から東大に進む子は半数に満たなかったのですけれども
高度経済成長を経て収入の格差が縮まるとともに地方からの進学者も増えて
1970年頃に逆転して2000年代まで地方出身者が実は6割近くを占めました。
名田とかラサールとか地方にもいろいろ進学校ができたというのもあるのですけれども
ところが2010年代に入ると再び首都圏出身の割合が増えて
これ13年頃を境に逆転して今は首都圏出身者が6割以上を占めています。
去年の合格者を出身高校別に見ると上位10校のうち6位の名田を除いて
残り9校は海生とかアザブとか全て首都圏です。
さらに県庁なのは早稲田大学で1990年代までは地方の出身者がほぼ半数を占めて
バンカラ文化の象徴的な存在だったのですが
この後東大と同じく首都圏出身者の割合が増え続けて
去年はなんとおよそ8割です。
出身高校別に見るとこれもびっくりしたのですが
多い方から上位50校のうち41位の愛知東海高校を除いて
実に49校が首都圏の高校だったのです。
ちなみに同じく2025年度合格者のうち首都圏の高校出身者の割合は
国立のひとつ橋と東京科学大がおよそ75%
市立では慶応が80%
城池が85%
東京理科大が90%など
いわゆる南韓高といわれる大学はほぼ首都圏出身者で占められています。
そう考えると東大はまだそれでも全国区で6割ですからね
地方の高校生でも合格できる子は出してやりたいと考える方が多いと思います。
じゃあこの間何が起きたのか
教育費の高騰と奨学金
どんどん首都圏出身者が増えていくというか
大きかったのはバブル経済崩壊後の失われた30年です。
この30年で国公立大の事業料は年間およそ25万円から53万円に2.5倍になって
市立大学も80万円前後から100万円前後あくまで平均ですけれども上がりました。
家賃もそうで都内でいうと学生向けワンルームは
30年平均4,5万円だったのが6万円から半分になって
食費などの生活費も1期5,6万円だったのが
合計すると6万円だったのが7万円から9万円ぐらいまで上がっています。
合計すると一人暮らしの大学生にかかるお金は年間150万円前後だったのが
250万円前後に7割も増えました。
ところがこの間、予定の収入は増えるどころか減りました。
世帯年収は1994年の664万円をピークに減少に転じて
2010年頃から500万円台で推移していますから
地方に暮らす親御さんたまったもんじゃないので
一人都会の大学に出せば平均年収の半分近く消えますから
兄弟二人重なると年間500万円近いから
年収が1000万円あっても大変ですよね
実際上京した大学生への仕送りも
90年代の平均12万円前後をピークに減り始めて
2010年代は8万円前後
2020年代は7万円前後
ほぼ家賃で消えますから
奨学金に絶え間ざるを得なくて
受給者の割合は90年代のおよそ2割から
今は5割強に増えて
4年間の奨学金は平均およそ400万円に達します
しかもこれ自宅勢を含む数字ですから
一人暮らしの学生に限ると
受給している割合も借りた総額ももっと増えるはず
だから卒業するときにこれだけの借金を抱えて社会に出る
これがかつて全国から学生が集まった東京の大学が
ローカル化している主な原因です
冒頭大学進学の大塾格差が小さいのは
大学進学率の地域差と医学部志向
東京や神奈川京都大阪などで
大きいのは東北と南九州と言いましたけれども
そもそも大学進学率自体がそうで
地元にたくさん大学がある都市部は78割と高くて
少ない地方は4割台と都会のほぼ半分です
通えるところに大学は少ない都会に出すのは経済的に厳しい
出せるとしても一人だから男子が優先されるっていう風のスパイラルですね
そんな中地方の成績優秀者の間では今
地元の国立大学の医学部を目指す傾向が高まっていて
一部では東大や京大の理工系と偏差値が逆転しています
医学部6年かかりますけれども
自宅通学なら親の負担は都会に出すより少なくて済んで
学生の側でも官僚の就職人気が欠けたり
それから研究者もなかなか生活が大変だったり
そもそも研究者自体が切られたりっていう中での
現実的な選択なんでしょう
理解するんですけれどもその反面もしかしたら
この中には将来研究や発明なんかで
大きな業績を残す人がいるのかもしれないなとも思ってしまいます
もちろんどんな選択でも自分の人生は自分で決めればいいんですけれども
教育機会の格差と国の支援
ただ教育を受ける機会が性別や生まれた場所とか
本人が選べないことで制約されるのは明らかにおかしいし
格差が固定すれば若者は夢を失って国は活力を失うと私は思います
国は支援策としてその事業料の免除とかですね
返済のいらない給付型奨学金の制度を設けましたけれども
平均収入の家庭だと子供が3人いても支給額合わせて年に十数万ですよ
2人兄弟だとそれすら出ず対象者は大学生全体の2割程度にとどまっているんですね
支援の年間予算は去年およそ5200億円で
同じ年ガソリン代の補助はおよそ1兆円でした
昔ですね事業料70年代3万6千で世帯年収の45分の1で済んだのが
今は540万の収入に対して554万円10分の1ですよ
だから収入はこの間3倍なのに事業料15倍なんですね
今の子は本当に空学生だと今の子の方が空学生だと思いますね
まとめます今問われているのは
教育を受ける機会が生まれた場所や家庭で決まっていいのか
学びたいと思う若者がそれで道を閉ざされていいのか
奨学金の貸し付けで借金を背負わせることが果たして支援なのか
そもそも教育は家庭の主的投資なのか
国の未来に向けた社会的投資なのか
これは政治以前にですね
税金をどう使ってもらうか
私たち納税者が問われている気がします
エンディング
はいありがとうございました
確かにねおっしゃる通りで
国のためにやっぱり考えていくことも大事なんじゃないですかね
今日はですねその格差で教育に関しての格差についてお話し伺いました
元サンデー毎日編集長が田中修一郎さんでした
どうもありがとうございました
ありがとうございました
聞きたいラジオ番組何にもない
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