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ニュースや世間の気になる話題を、様々な角度から読み解いていきます。
さて、毎月最終金曜日は、「この歌詞が凄い」ということなんですけども、
毎月ね、1ヶ月って本当は早くやってまいりますが、
今日で3月も終わり、明日から新年度ということになりますが、
今日のこの歌詞が凄いテーマは、九段下の歌ということなんですが、
これはどういうことなんでしょうかね。おはようございます、潟永さん。
はい、おはようございます。
そうですよね、なんでって思われますよね。
お二人はご存知だと思いますが、福岡の方はあまりなじみがないので、
まず九段下から説明しますと、
皇居の近くの地名で、最寄駅は地下鉄東西線の九段下駅です。
東京の桜の標準北、開花宣言の目安にある桜は、
この駅からほど近い靖国神社の境内にありますよね。
東京は今、桜が満開というか散り始めですが、
九段下界隈にはこの靖国神社だけじゃなくて、
皇居のお堀に沿った千鳥ヶ淵にもね。
綺麗ですよね。
ここおよそ260本のソメ吉野があって、都内有数の花見の名所ですよね。
ごめんなさい、前置きが長くなりましたが、
その九段下にあるもう一つの名所が武道館でして、
実は4月の初め、武道館では大学の入学式が次々に取り行われます。
今年は2日の東京電機大学を皮切りに、
3日が法政、7日が明治、8日が西大など9校予定されていて、
取りが12日の東京大学なんですが、
ということで、1曲目はこの歌です。
ご存知、武道館を歌った最も有名な歌ですね。
はい、幕府スランプの大きな玉ねぎの下で遥かなる想いですね。
九段下駅の発車メロディでもあるので、
武道館で入学式を迎える大学生の皆さんはきっと聞くことだと思います。
作詞はサンプラザ中野さん、1989年。
時代が昭和から平成に変わる年の歌です。
タイトルの大きな玉ねぎは武道館の屋根の上にある岐阜市のことで、
あれ確かに玉ねぎに見えるんですよね。
そうそう、よく言い得てみよう。
なるほど、玉ねぎだなと思いましたもんね。
以来、あの存在は全国に知れ渡るわけですけれども、
もう一つこの歌が果たした大きな役割は、
文通という昭和の手紙文化を今に残したことだと私は思います。
冒頭に出てきましたよね。
歌詞の冒頭に出てくるペンフレンドという言葉ね。
ネット時代の今は考えられませんが、
私が中学生くらいまではまだ雑誌にペンフレンド文章が書いてあって、
例えば吉田卓郎大好き少女ですとか、
男子高テニス部員です、テニス好きの女子の方とか、
文面から相手を選んで、編集部宛に手紙を送って、
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そこから文通が始まったりしてましたね。
おそらくこの歌に描かれる二人も同じミュージシャンのファンで、
歌詞にある通り、若すぎるから遠すぎるから会えないから会いたくなるのは必然で、
貯金箱を壊して彼女に武道館のコンサートチケットを送るわけですよ。
貯金箱ですよ。
貯金箱ね。
払わないとお金が出せない。
豚さんですかね。
豚さんですね。
続く歌詞、定期入れの中のフォトグラフもそうですけれども、
もう50代以上の方、涙ちょちょ切れるほど懐かしい。
ちょちょ切れるも懐かしい。
ちょちょ切れるも懐かしいですね。
そして、初めて君と会えるっていう期待に、
九段下の駅から武道館に続く坂道を登る視線の先に、
武道館の玉ねぎが夕日に染まって輝いているっていう、
ここまでが一番でしたよ。
ところが彼女は来ない。
チケットを送った返事には、
たぶん楽しみにしてますとあったはずなのに、
コンサートが始まっても隣の席は空いたまま、
走りは君のための席が冷たいとありますけど、
ここまでが2番。
そしてついに彼はアンコールの拍手の中、
武道館を飛び出します。
一人で涙を浮かべて、
行き道はね、あんなに弾んだ気持ちだったのに、
帰り道は俯いた視線の先に見えるのが、
千鳥ヶ淵の水面に映る月です。
どうして振り向いた空には諦めきれないんでしょうね。
武道館の玉ねぎが光っていたという、
わずか数時間の物語なんですけれども、
それがその全ての情景と彼の心情が手に取るように分かるから、
この歌は時代を越えた普遍性を用いたのだと私は思います。
余談ですけれども、
私、なんで彼女が来なかったのか考えたんですが、
ただまあ普通ですね、
年頃の娘さんがですね、
会ったこともない男と夜のコンサートに出かけると言ったらですね、
普通は止めますね。
今の時代なら。
今の時代はなおさらだと思いますけれども、
だって言ったら怪しい親父かもしれないわけですよ。
もしくは彼に送っていたのは友達の写真だったとかですね、
会えないとかですね。
そんないろんなことを想像できるのも、
この歌の楽しみ方の一つですね。
ではもう一曲、
あの九段下に縁のある歌を、
こちらは冒頭お話しした千鳥ヶ淵の桜の風景、
これを歌った曲です。
お聴きください。
この曲です。
ごめんなさい、またユーミンです。
でも本当に優れた歌詞で、
私は個人的にですけれども、
数多ある桜の歌の中で、
この古時が最高傑作だと思っています。
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舞台はかつて千鳥ヶ淵に実在したフェアモントホテル、
この1階にあったカフェで、
ユーミンも訪ねたんですね。
残念ながらこのホテル、
老朽化のために2002年に取り壊されて、
今は超超高級マンションになってるんですが、
ちなみに、
最も高い部屋の分場価格はですね、
13億5000万円だったそうです。
すごいですね。
先ほど大きな玉ねぎの下での歌詞は、
数時間の物語だと言いましたけれども、
こちらは1年です。
主人公の女性が季節ごとに、
同じホテルのティールームを訪ねて、
窓の外を眺めながら、
通り過ぎた日々と帰らない人に思いを馳せる、
という物語です。
では歌詞を読み解いていきます。
冒頭登場するのは、窓際の席に座る老夫婦です。
仲睦しく膨らみ出した桜のつぼみを眺めています。
のどかな風景ですけれども、
この歌が収録されたアルバムタイトルを考えると、
この対比には深い意味が宿るんですね。
人生を終えようとしている二人と、
膨らみ出したつぼみっていう対比なんですが、
アルバムタイトルはリ・インカネーション。
日本語で言うと輪廻転生なんです。
という対比なんですね。
さて、桜のつぼみが膨らみ出す頃ですから、
東京だと3月の始め、2月の終わり、そのぐらいですけれども、
風はまだ冷たくて、桜並木は枯れ木立ちです。
歌詞はこう描きます。
薄火の差す枯れ木立ちが、桜並木であるのを誰もが忘れていても、
何も言わず、やがて花は咲き誇り、
かなわぬ思いを散らし、季節はゆく。
これまるで桜に意思があるかのように、
美しいとめでられるのは花の季節だけでも、
じっと冬の寒さに耐えて花開いて、
でも咲き続けたい、たいっていう願いを散らして季節は変わるっていう。
あえて擬人法を使ったのは、
おそらく人の一生もそうだという。
咲き続けたい。
咲き続けたい。
けれどまた新しい命が生まれて繰り返されていくんだ、
っていう暗喩だと私は思います。
彼女が輝いた季節はいつだったんでしょうね。
でもその時にこのティールームで微笑み合った人はもういません。
歌詞はこう続きます。
二度と来ない人のことを、ずっと待ってる気がするティールーム。
水路に散る桜を見に、さびれたこのホテルまで。
次のフレーズだけ、歌は転調してですね、季節の移ろいを伝えます。
夏から秋にかけての同じ千鳥が淵の風景です。
真夏の陰、深緑に、ペンキの剥げたボートを浸し、
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秋の夕日、細く長く、
カラスの群れはぼんやり、スモッグの中に溶ける、
っていう歌詞なんですが、
この何気ないこの歌詞がすごくてですね、実は。
それはですね、あえて美しくないものを歌に挟んだことです。
ペンキの剥げたとか、カラス。
そうなんです。
ご存知のように千鳥が淵の水って、夏は緑色に濁りますよね。
カカシボートも暑さで乗る人もなくて、ペンキが剥げてて、
水面に映る影はだから深緑色になります。
また、秋の夕日の中を飛ぶのはカラスってなってますけども、
それもスモッグの中に消え去るわけですよ。
美しい鳥の象徴ではないですよね。
ないですね。しかもスモッグの中に消えますからね。
でもこのリアルさが歌に奥行きを与えて、
さらに桜の季節の美しさを際立てるんですよね。
そしてこの歌で唯一、彼女が思いの丈をぶつけるのが次の歌詞でして、
どこから来て、どこへ行くの?
あんなに強く愛した気持ちも憎んだことも、っていう歌詞で、
けれどそれすら今は昔っていう風に閉じて、
視点は再び静かなティールームに戻ります。
最後の歌詞なんですが、私がとりわけすごいと思うのがこの部分でして、
4月ごとに同じ席は薄紅の砂時計の底になる。
空から降る時が見える、さびれたこのホテルからっていう歌詞でして、
この散りゆく桜が見えるこの席をですね、薄紅の砂時計の底で例えて、
空から降る時が見えるって言うんですが、歌のタイトルのフルはですね、
経験の計、つまり時間が経つという意味でフルを使ってるんですけれども、
最後のフルは落ちていく意味のフルの漢字が当てられてるんです。
雨が降るのフルですね。
だからつまりここね、書き言葉になってるんです。
タイトルとここの部分がですね。
だから徹頭徹尾完成度が高くてですね、
これユミ20代で書いてるんですけれども、
後でこれいつ書いたんだろうって年代見てですね、
えーっと思って私ももうとことん、
あ、作詞家なんて無理だったと打ちのめされた歌詞です。
これ本当に深い歌詞なので、
ぜひですね、歌を聴きながらですね、歌詞カードを読まれて、
読んでみていただければと思います。
今日は以上、九段下の歌2曲でした。
深いですね。
リンカーデーションってアルバムは多分ね、
カセットテープで僕買ってたような気がするんですけど、
そこまで深く叶えたことなかったので。
あまりこう、そんなに聴いた。
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あ、フルなんですけど、
私この曲そんなに聴いたことがなかったので、
改めて。
隠れたない曲ですね。
さすがガタガタさんですね。
ひょっとして作詞家になってたら、
もっともっと成功してたかもしれませんよ。
いいえ。
これ読んであーって絶望しちゃったんでね。
はい、ということで、
今日はですね、九段下の歌ということで、
2曲紹介していただきました。
元サンデーマイチ編集長、
ガタナガ周一郎さんのこの歌詞がすごいでした。
どうもありがとうございました。
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