2025-06-06 18:36

刑罰が「懲らしめ」から「再犯防止」へ

毎日新聞出版社長 山本修司
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さて、6月1日から改正刑法が施行されまして、刑罰の在り方が大きく変わることになったということなんですね。
刑罰の概念が、懲らしめから立ち直りや再び罪を犯すことの防止へと軸足を移すことになったということで、
これは1907年、明治40年に刑法が制定されてから初めてのことだということなんです。
明治40年以来。
すごいよね。それまでも全然効率変えてないっていうのも、なんかすごいなと思いますけども。
これで世の中、社会がどう変わっていくのか、このあたり司法の制度に詳しい毎日新聞出版の山本修司社長に教えていただきたいと思います。
山本さん、おはようございます。
おはようございます。
5月16日のこのコーナーで、保護士の制度についてお話をしますけれども、
今回の改正刑法の問題というのは、実はコインの裏表のような関係にあるんですね。
改正法の施行が今週初めだったという、大変タイムリーな話題ですので、似たような話で恐縮なんですが、
今日お話ししたいと思っているところなんです。
先ほどちょっと言いましたが、一度罪を犯した人が再び罪を繰り返すことを再犯というんですが、
2023年の刑法犯として検挙された人の中で再犯者が占める割合というのは47%。
約半数に上るんですね。
刑務所に入った受刑者のうち2回目以降という入所者の割合を示すのが再入所率というんですが、
これは55%。非常に高い割合を示していると。
いうことで、日本の保護士の制度が再犯の防止とか再入所率を下げることに役立っているということは、前回お話ししたんですが、
保護士の活動っていうのは刑務所外のことですね。出所した人へのアプローチなんですが、
今回の話は刑罰のあり方を変えることで再犯を防いでいこうという刑務所の中でのこと、
出職を見据えた受刑者へのアプローチということになるんですね。
これはどちらでも極めて大事なことだということなんです。
これまでの刑法、主な刑については、死刑、懲役、金庫、罰金、拘留、課料、こういったものがあったんですね。
懲役というのは刑務作業が義務づけられているということなんですが、金庫というのはこの作業がないという違いがあったんですけども、
実際は金庫の受刑者も大半が希望して作業をしているということで、
2つの刑罰を区別する意義がそもそも薄れていたんですね。
それで今回懲役と金庫が廃止されて、金庫刑というものに統一されるということで。
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懲役と金庫が金庫刑になる。
拘留の拘に禁ずる拘禁刑という。
これ6月以降に起きた事件で有罪になった人は、裁判で判決処分で拘禁刑3年に処すなんて言われるわけですね。
私も裁判記者やってましたけど、
僕は処分被告人を懲役3年に処すなんていうのを何回も聞いたんですが、
ちょっと言葉として慣れるのは時間がかかるかなという感じはあるんですけども、
刑罰の話っていうのは実は奥が深くてですね、
話を始めるともう大変なことになるんですが、
ちょっとだけ紹介しますとですね、
死刑っていうのは生命刑、命ですね。
生命刑というふうに分類されていて、
もちろん強制的に命を奪う刑ですね。
虚刑とか処刑などとも言われますけども、究極の刑ですね。
この死刑制度いろいろと批判もありますし議論があるんですけども、
今日はこの議論は置いておこうと思います。
懲役とか金庫それから拘留っていうのは自由刑というんですね。
これは自由を奪う刑罰。
その中で作業を強制的に課すのが懲役、
課さないのが金庫と拘留で、
拘留は一般に30日以内という短期のものだという違いがあったんですね。
これ全部今回は公勤刑になります。
罰金とか仮料っていうのは財産刑っていってですね、
これはお金で償わせるということで、
罰金は一般的に1万円以上、
仮料はそれ未満という金額で分かれているということです。
他にも身体刑っていうのがあって、
身体に与えるということで、
鞭打ちとかですね。
移動時代にあった百叩きなんか。
これが身体に苦痛を与える刑罰なんです。
これはもう近世以降見られないわけです。
他にも名誉刑っていうのが、
理論的にはあるんですが、
文字通り名誉を奪う、
恥ずかしみを与えたりすることで、
江戸時代で言うと秘駐引き回しとかですね。
さらし首極門ですね。
これなのかそれに当たるんですけど、
これも今はないということなんですね。
ちょっと話細かくなったんですが、
今回の刑法の改正で大きいのは、
先ほど公勤刑のことを言いましたけど、
刑罰への考え方が大きく変わるということなんですね。
改正前の刑法には十二条に、
懲役は刑事施設に放置して所定の作業を行わせる。
十三条は金庫は刑事施設に放置する。
作業の部分がないというふうに書かれてたんですけども、
今回これが公勤刑に統合されますんで、
改正後の十二条には公勤刑は刑事施設に放置する、
ということに加えて、
公勤刑に所定られたものには改善・構成。
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構成っていうのは過去を清算して生活態度を改めることですね。
構成を図るため必要な作業を行わせ、
または必要な作業を行うことができるという書き方なんです。
この改善・構成を図るためという記述、
それから必要な作業、または必要な指導を行うことができる。
これが実は非常に重要なんですね。
例えばこれまでも薬物依存の犯罪、性犯罪とかですね、
こういったものに関しては受験者に対して特別プログラムっていうのが組まれてたんですね。
これは再犯防止には一定の効果があったんですけども、
懲役の場合には刑法にその作業を行わせると書いてあるので、
刑務作業をこなすことが優先されてですね、
なかなか指導を十分に行えないっていう面があったんですね。
ただ今回は必要な作業または指導を行うことができるという書き方になってますんで、
例えばもう作業を行わないでですね、指導だけをすることもできるというように非常にですね、
受験者の事情とか特性に応じてですね、
作業とか指導を柔軟に組み合わせて、
言ってみればオーダーメイド型の処遇が可能になるということ。
これが画期的なんですね。
先ほど松下さんおっしゃられた、今まで全然改正なかったんですけども、
その背景にはですね、刑務所内の環境の変化っていうのがあるんですね。
昭和の時代は受験者というと若い人ですね、
20代、30代が圧倒的に多くて、
あと暴力団関係者が3割を超えた時期もあったんですね。
悪いことをする人はだいたい決まってるみたいな雰囲気があって。
ヤクザ映画なんか見てるとね、兄貴の出身を迎えに行くような人がね、
そうですね。
ですからなんていうか、ある意味力で抑えつけるみたいなところがあったんですね。
ところが平成以降は高齢化が顕著になってきてですね、
障害を持つような受験者が目立ってきて、
2023年に刑務所に入った受験者っていうのは14,085人いるんですが、
ここでも高齢化が進んでて、65歳以上が14.3%。
この20年で10ポイントも増えてるんですね。
それから精神障害とか知的障害、
それから認知症ですね。
こういったこともあって、こういった受験者が全体の2割もいてですね、
非常に多様化してて、当然その対応が必要になってくるという背景があったわけですね。
かつて受験者の処遇っていうのは、
犯罪の傾向がどんぐらい進んでるのかっていうことを主に見てきたので、
何回も万引きをするおじいさんとですね、
何回も犯罪を犯す暴力団の関係者が同じグループにいたりとかいうことが起きてたんですね。
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ところが受験者が多様化していく中でですね、
これをもっときめ細やかにしなきゃいけないということになってきたと。
それからもう一つは、これ法律内に書かれてないんですけども、
これまで受験者を呼び捨てらってるんですね。
ですがこれから何々さんとさんづけをするようにすると。
ここも変わるんですけども、結局先ほどちょっと触れましたけど、
受験者一人一人に対してですね、やはりその社会復帰した後のことを想定しながら、
丁寧に処遇していかなければいけないなということになってきたということなんですね。
非常に望ましいことなんですけども、
一ついろいろと問題もあるんですね。
一つは被害者感情っていうのがありまして、
被害者の立場から言えばですね、
加害者とか受験者の方もできるだけ重い罪を与えてほしい。
法廷なんかではできれば死刑にしてほしいもんね。
そうですよね。
ですからその再犯防止が大事だっていうことはもちろんその通りで、
論を待たないんですが、
やっぱりまずは凝らしめてですね、
自分の罪に向き合って、
出処後を見据えるっていうのは出処というより、
出処を見据えること自体にですね、
ちょっと納得できないみたいな、
ましてや算付けですかみたいなところがですね、
被害者の感情としてはあるんですね。
算付けしたからって本当にその人が反省して公正するのか。
僕これ確かニュース落語で、
このニュースを題材にして落語を作りましたよ。
中身は覚えてないんですけど。
オチは公正するのか。
オチも覚えてないですけど、
ただこのニュースはすごく印象に残ったニュースなので。
本当複雑ですね。
算付けってどうなんだろう。
算を付けてね、その人、受験者を丁寧に扱うってこと自体はね。
人権をちゃんと守るっていうことは、
きっと成熟した社会にとっては大事なんだけども。
果たしてその人たちが算付けされて、
今までは監修さん、監修の先生と呼んだりとか、
そこの関係がバランスが本当にそれで良くなるのかなって思いますよね。
呼び方とかはどっちでもいいとかどうでもいいんですけど、
本当に公正するのかどうかっていうところにもっと焦点を当てて。
僕らは思いますけどね、普通市民感情として。
そうじゃないと社会復帰してもまた再犯って感じ。
そこを山本さんは実際、いろいろ裁判とか、
刑務所のこととかもお詳しいと思いますが、
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そこはどうなんですかね。
そこがバランスが問題なんですね。
公正する受刑者もいれば、公正しない受刑者も。
暴力団っていうのは基本的に犯罪を犯すのが仕事なので、
公正しないでしょうねっていうところもあるんですね。
いろんな人がいると。
私は特に感じるのが、刑務官ですね。
知り合いいっぱいいるんですけど、
やはり刑務所内の秩序を保つために、
これまで一定の上下関係というかですね、
この刑務官の指導には絶対に従うというような形を取ってきたんです。
ですから呼び捨てで、
田中っていうのと田中さんっていうんじゃやっぱりだいぶ違うと。
お薬あげるわけじゃないからね。
そうなんですよね。
今回一つは、
その主従関係に問題があったのではないかという視点もあったんですが、
ただ刑務官にしてみればですね、
やはり刑務所内の秩序っていうのは大事ですよねという方はやっぱり多い。
いやそうだと思いますけどね。
やはりいくらやっても従わない受刑者もいたり、
ということで表沙汰になるものもありますし、
障害には出てこないトラブルもたくさんあるんですね。
刑務官っていうのは結構、
お父さんが刑務官とかですね、
おじいさんから刑務官っていう人が結構多くて。
そうなんですか。
結構高知県の刑務所内に監査があったりとかっていうことで、
刑務所の中から投稿する生徒がいたりとか。
なるほど。
東京高知県の中にも住宅がありますけども、
それで結局そういう人たちっていうのは、
そういう悪いことをした人たちを立ち直らせる。
社会に戻して、
先ほども半分が再犯者だっていうことでしたから、
この人たちが犯罪を犯さなければ世の中は良くなるっていうことを十分に知ってる人たちなので、
公正に燃えて刑務官を志すんですが、
やはり思ったようにいかずにですね、
心を病んで退職する人ってのは少なくない。
そうでしょうね。
実際私の知り合いにもそういう人がたくさんいまして、
刑務官になって、
やっぱり公務員ですし、安定してるっていうこともあってですね、
素晴らしい仕事だっていうのはおめでとうって言ったんですけど、
何年中で辞めてしまったっていう人たちもいると。
ですからこの改正にはですね、
消費者さんおっしゃるとおり、いろんな光と影がありまして、
こういった先ほどの犯罪被害者の感情もそうですけども、
こういった刑務官へのケア、
たぶんこれからは懲らしめなくて再犯防止ですよとなればですね、
全力でそれに取り組んでいく真面目な人たちが大半ですので、
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ただ手間も苦労も多くなることは間違いないので、
先ほど言ったさんづけでどうなるんですかということも含めて、
これを全部否定するわけではありませんから、
大変なことが起きることは想像できるわけですね。
だからそういうふうなことを取り決めていく、
分かります、諮問機関とか大学の先生とか専門家が集まって、
何か提言していくんでしょうけど、
やっぱり現場の声もちゃんと聞かなきゃダメですよね。
刑務官と受験者の信頼関係とかそういうところをどう構築していくかっていうのが、
別にさんづけしなくったってそれが、
人間関係ができてればいいわけですからね。
そこですよね。
ですから先ほど言ったように、
お父さんが刑務官、おじいさんが刑務官みたいな人がいるということは、
やっぱりその任務に対する誇りというかですね、
これを持っているということなので、
これまでずっとこの問題報道されてるんですけど、
被害者の問題は若干触れてましたが、
刑務官の問題ってあまり触れられてないことがありまして、
私も知り合いも多いこともありましてですね。
ですから刑務所内での刑法改正による取り組み、
それから保護士出職の取り組みに加えてですね、
犯罪被害者へのケアも必要ですし、
こういった刑務官の方々へのケア。
またこれから特に外国人の犯罪も今は増えてるので、
そういった対応もしていかなきゃいけないので、
そういう意味では、
こうやって刑法が改正刑法となった明治以来というように、
他の法律も柔軟に、
今の時代にあったように変えていかなきゃいけないことなんでしょうね。
その通りですね。
ですからこれに派生してですね、
やっていくことがたくさんあるんだということを、
今回知っていただけるとありがたいなと思っているところです。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
今日はですね、改正刑法についてお話を伺いました。
毎日新聞出版社長山本修司さんでした。
ありがとうございました。
どうもありがとうございました。
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