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こんばんは、石水のあです。
こんばんは、はやかよえです。
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さあ、前回は韓国のエンタメでしたが、エンタメが続く感じですかね。
そうですね。ただね、もう、キングはエンタメだけではないです。
ここに書いてあります。20世紀後半の英語圏全てですよ。
で、最大の作家っていうのはもうみんなわかると思うんだ。一番売れてるから。
J.K.ローリングより。ただ、僕はもう、ここもそのうち必ず入ってくると思う。
文学的な評価がものすごくこれから追いついてくると思うので、
最高にして最大の作家、スティーブン・キングについて徹底的に今回は紹介していこうということですね。
ということは最強と言ってもいいかもしれないということですね。
そうだね。だから僕の考えでは、20世紀前半の英語圏で最高の作家って、
ジョン・スタイン・ベックと、ちょっと落ちて、ヘミング・ウェイが20世紀前半で英語圏で最高の作家なの。
僕の目からすると。
ジョン・スタイン・ベックは大教皇のときのものすごく苦しんでる普通の人たちのことを諸説にしてるわけね。
そして、キングは20世紀後半に何をしたかっていうと、全然選ぶらないで、
B級ホラーとかのテーマのまま、どんどんどんどんアメリカの普通の人たちの生き様を描いていく圧倒的な出力と物量で、
で、一番売れているということで、やっぱりね、今から100年経ったらキングはスタイン・ベック・ヘミング・ウェイ・キングになると思います。
だから文字通りキングになるってことですね。
本当のキングになる。
ただ正直英文学の研究者とかでそういうこと言う人はまずいないし、日本でもやっぱりきちんと評価されてないな。
もったいないよ。本当に才能のある人だから。
それはやっぱりそのジャンルがね、よく例えば直木賞とかでもSFが撮りづらいでしたっけ?
そうですね。
みたいなところにちょっと通ずるところが。
通ずる通ずる。
でも、
SFだけじゃなくてファンタジーもそうだし、
ホラーか。
あまりにも残酷な連続殺人なんかも撮りにくいので、やっぱB級テイストなんだよね。
ただ、キングで偉いところは頭いい方にいかないのよ。
立派の方にいけば文学的に評価すぐに得られるのに、徹底的にいかずに子供の頃好きだったものにこだわり続ける。
これがやっぱ強いかな。
それをさっきお昼の時にもうちょっとわかりやすい言葉で言ってましたね。
私すごく勘違いしてて、また人物特集じゃないですか。またインテリなキングか。
交渉。
交渉なキングか。
キングは交渉だと思ってたんだ。
思ってたんですよ。
で、今回初めてミストっていう短編を読んで、全然思ってたのと違うって思って。
読みやすいでしょ。
読みやすいし、すごくテーマが単純でわかりやすくて、誰もが思いつくようなテーマなんだけど、
それをあんだけ面白く書けるって、やっぱキングの技術の高さなのかなって思って。
それがすごい、どんどん食べれるスナック菓子みたいな感じで、もう読めちゃう感じだったから。
だからあるアメリカの編集者がこう言ってるんだよね。
キングだったら電話帳を書き直してもベストセラーになる。
面白い作り方。
それすごいわかる。だってミストってスーパーマーケットに閉じ込められて、外が霧で何がいるかわかんないという畑の話じゃないですか。
あれをあんなに面白く書けるって、相当天才ですよね。
そうなんだけど、だから逆に評価を間違っちゃうんだよね。
と言いますと。
要するにさ、動画配信とか見てると、映画の歴史もさ、テーマがどんどん一般庶民に降りてくる歴史じゃない?
スーパーヒーローものとか怪獣ものとか、誰もがわかりやすいファンタジーみたいに。
その中でいいものが作られて、それが今の時代のアートフィルムになるじゃん。
小説も同じ流れなの。
テーマが立派なもの、独立戦争とか人権の問題とか黒人差別からどんどん降りてきて、
化け物、ホラー、宇宙人、連続殺人とかをいかに内容を濃くしてアートにするかっていうのが現代の文学なので、
ほら、ちゃんと最大で最高の作家になるじゃん。
ちなみに、キングは1947年生まれ。
日本ですごく近い人がいます。
キング今76歳ですが、日本で今75歳の超大物作家といえば、
この番組でも取り上げて、今年のスマッシュヒットになった、
村上春樹さん。
春樹さんとキングがほぼ同じ世代だと思うと面白いよね。
春樹さんは真相心理まで降りていくけど、ファンタジーじゃん。
キングは真相心理まで起きていくエンタメで抜群に面白いけど、ホラーじゃん。
なんか日本とアメリカで裏返しになってる感じですね。
春樹さん自身がインタビューか雑誌かなんかで見ましたけど、
すごいキングのこと好きで、特に昔のシャイニングを上げてましたよ。
影響を受けてるんでしょうね。
イラさんってキングよくお話に出てきますけど、お好きなんですか?
好きは好きだけど、キングの本って60冊ぐらいあるのよ。
だからその中では4分の1ぐらいしか読んでない。15冊ぐらい。
だから後で出ると思うんですけど、キングの略歴見ると、
本当にデビューしてからほとんど毎年のように、
途中事故あったりとかいろいろありましたけど、出してたから多作ですよね。
すごいですよね。
しかも上下巻とか上下巻とか4部作とかで、
あれさ、3ヶ月とか4ヶ月で書いちゃうんだよ。
上編は1ヶ月で書いてるの。
どうやって書いてるんだ。
だから馬力があるの、この人の方が。
モンスターだよ、本当に。
ある程度頭にこういう構想っていうのは浮かんでて、
そのまま動くように書いてるって感じなんですかね。
キングは物語に関しては、ストーリーって最初から全部分かるものじゃないって言ってる。
要は今言ったみたいに頭に浮かんで全部決まってるっていうのではなく、
ストーリーは化石を掘り出すように作っていくものだ。
だから全部埋まってるものがどういう形かまでは分からないって。
でも、そういう意味でストーリーは分かんないけど、
化石の埋まってる土地というのは、
作品を横断して出てくる街なんかも出てきますけど、
ジャンルはいろいろあるけど、
アメリカの固い中というか平凡な街自体の中を今回どれを
化石出てくるかなみたいな感じで掘ってる感じないですかね。
あるね。要するに中西部で生きている平凡な、
特に貧しくもリッチでもない人の話を書くのが上手いんだよね。
アメリカ人の正直さとか誠実さとかとんでもないバカさとか、
ちょっとエロいところみたいなところをリアルにちゃんと書くのがすごく上手い。
で、それが僕でもアメリカの映画でも小説でもそうだけど、一番の魅力だと思うんだよね。
僕もそれこそ全然イラさんの半分も読んでないですけど、
やっぱり今の舞台がベースであって、やっぱり都会的な小説じゃないじゃないですか。
ハルキさんとホルっていう意味では通ずるかもしれないけど、全然違いますよね。
そうだね。ハルキさんは関西でも神戸とかのテイストがあるからね。
特にライフスタイル小説みたいな感じがありましたもんね。
キングはそういうとこ一切やんないから。
なぜかというとですね、ハルキさんはご両親が学校の先生かもしれないけど、
ところがキングの家は貧乏なんです。
なのでキングにとって一番最初に大きな条件はここの貧乏なことなの。
で、これが全作品に通じるスタインベック的なアメリカの庶民を描くっていうバックボーンになるんだよね。
だから、キングが貧乏でよかった。
キングがもしスティーブ・ジョブスの息子だったら、すごいおしゃれでかっこいいライフスタイル小説で哲学が入っているっていうのを
一生涯で5冊書いて終わって、名作家だって言われるけど誰も読まないってなってたと思う。
最初から見てるとこは地べたっていうかそっちに近いですよね。
近い近い。
貧乏ってどの程度貧乏?
あのね、キングのお父さんは、キングが2歳の時に、
ちょっとタバコ買いに行ってくるって言って、そのまま消えた。
え、2歳の時に?
事例にありましたね。
借金を、悪い借金を貸されてて、そのまま家族を捨てて逃げたの。
なかなかですね。
ってことは、お母さんが仕事を3つめっつも掛け持ちして、キングとキングのお兄ちゃんを育てるのよ。
兄弟がいるんだ。
だから子供の頃さ、アメリカでさ、お風呂がない家に住んでるなんて信じらんないでしょ。
曲がりのアパートにはお風呂がなくて、冬の夜でも近所の出席のところまで何十分も歩いて行って、
お風呂を借りて帰ってくるっていう暮らしをしてんの。
でもそれでも一応屋根はある家には住めてた感じだったんですかね。
でもまあ超貧乏だし、テレビがもう大復旧した後でもずっとテレビがない家なんだよ。
だからこそ、家の中の寒々しい空気感とか、書くの上手いですよね。
めちゃめちゃ上手いし、その頃一番安かったのがさ、パルプマガジンって言うんだけど、
パルプってドロドロになっちゃうじゃない。
あのドロドロの掃除紙の元みたいなやつだから、
雨に入れるとドロドロになって溶けちゃうような安い雑な紙に刷られた犯罪小説実はもの、脱獄もの、
連続猟奇殺人、宇宙人、怪獣、ファンタジー、これにハマるの。
だから子供の頃夢中になって、これは面白いってなったホラーファンタジー、エセイ編みたいなものが、
この貧乏と一緒に生涯を支えるテーマになるのよね。
素晴らしい出会いでしょ。
やっぱ強烈な感じだったんですよ、その時代が。
よかったよね。この時にさ、フランスの小説とかイギリスの詩にハマったとかじゃなくて、
アメリカで安いパルフマガジンにハマってくれて、もう中古だったらタタみたいな値段で売ってるから。
1冊1セントとか。
じゃあなんかそのおもちゃ屋さんに行ってなんか高いおもちゃ買って家で遊ぶとか。
おもちゃは一切買ってもらってない。
そういうことじゃなかったんですね。
で、ちなみに小学校低学年の頃に、初めてミスターラビットトリックっていう短編を4つ書くの。
で、それをお母さんに見せて、
これはいいよって言って、お母さんがその短編1個について25セントくれるわけ。
で、4本だから1ドルじゃん。
それが人生初の原稿料。
素敵。でもなんかその小学校2年生からあれですね、小説でお金稼いでたんですね。
そうだね。それからずっと書き続けて、
まあだから学校でさ、あの先生の悪口みたいなのをさ書いて、それをコピーして学校の中で売ったりしてるわけ。
で、見つかって奢られたり。
だから天和町で小説書けるよね。
ね、確かに。
だからなんだろうね、アメリカ文化のB級の一番面白いところを浴びるように読んだり見たりするんだよね。
中学校、小学校の上から中学校、高校ぐらいまで週末になるたびに映画館に行くんだけど、そこのさ映画館まで家から25キロあるのよ。
どうやって行くんですか?
ピッチハイク。
友達と一緒にピッチハイクで見に行って、これが見つからなかったら帰り、例えば半分歩いて、10キロ歩いて帰ってきて真夜中とかさ。
それでホラーね。
そう、それでもホラー映画を見たかったの。
だからいかにハマったかだよね、キングがその頃。いい話でしょ。
そういう人が20世紀後半で最大の作家になる。夢あるね。
好きこそものの上手なれじゃないですか。本当に好きなものを仕事にしたんですね。
まさに想像力で想像したものですね。
あとはやっぱりこのB級をもう一回よみがえらせたんだよね。
みんながバカにするものを、いやここにはもっとすごいものがあるって言って、よみがえらせているうちに世界がキングの方に寄っていった。
これがやっぱり本当に時代の次の目を見る力のある人のなんかあり方だと思うな。
まあ人によるかもしれないけど、アメリカって言うとロサンゼルスとかね。
それからたぶんニューヨークって感じですけど、実際その他がアメリカなわけですからね。
膨大に広いからね。
だからやっぱりそこの、本当にそういう意味では大衆をつかむというか、大衆小説家って言ってもいいんですかね。
もちろん、大衆小説家にして、僕はもう今文学の方でも一生一流だと思うけど。
ですよね。
ちなみに世の中の人たちにキングが知られたきっかけっていうのは。
もう映画のキャリーだね。デビュー作がすぐ映画化されるから。
そうなんですね。
でもそのすぐ映画化されるっていうのがまさに、やっぱり大衆のところをちゃんと、
本をすごい読む一部のインテリとかじゃない作品を書いてるってことですよね。
ここで本編にこれからいろいろ入っていくんですが、その前にお便りとご質問をお願いします。