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インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。 この番組では、インターン生2人が株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話をながら劇する感覚で一緒に勉強していきましょう。 おはようございます。インターン生の和之江です。
おはようございます。インターン生の武井です。 和之江さん、今年も感染症とか花粉の季節がやってきて、外出が嫌な季節になってきましたよね。
そうですよね。そういえば病気や医学関連で言うと、日本の医薬品業界が世界的なものだって知ってましたか?
そうなんですか。確かに海外企業の連携とかってよく聞きますけど、 海外でのポジションという意味だと自動車、商車のイメージが強いですよね。
それが実は日本の医薬品市場は世界4位の業界なんです。
2024年度は薬価ベースで全年度比1%増の11兆4874億円ほどとなりました。
結構な市場規模なんですね。ということは今製薬企業の業績は好調なんですか?
はい、その通りです。2026年3月に決算の営業利益予想値を見てみると、
武田薬品工業は前期比約20%増、塩乃木製薬は前期比18%増、そしてなんとアステラス製薬は前年の8倍超となる見込みなんです。
すごい好調ですね。今日はその好調の理由と注目企業について詳しく教えてください。
はい、なぜここまで好調なのか、その中でも特に注目できる企業は何なのか、徹底解説していきます。
お願いします。その前に恒例のちょこっと株式会社のコーナーです。今日の用語は何ですか?
はい、今日の用語は円安効果です。円安効果とは円の価値が下がることで、海外で稼いだ外貨を円換算したときに売上高や利益が増加する現象のことを指します。
為替の影響で業績が変わるってことですよね。でも円安って全ての業界にプラスではないんですか?
いいですね。いい質問だと思います。実は円安で追い風になる業界と向かい風になる業界があるんです。
あ、そうだったんですね。具体的にはどんな違いがあるんですか?
はい、円安で追い風になりやすいのは輸出型企業や海外売上比率の高い企業です。
具体的には自動車メーカー、電気メーカー、そして今回のテーマである製薬会社などがあります。
海外で稼いだドルやユーロが円に換算すると増えるからですか?
その通りです。実際の販売数が変わらなくても、買わせだけで売上が1.5倍に見えるんですよね。
なるほど。じゃあ逆に向かい風になる業界はどんなところですか?
はい、先ほどの反対で輸入型企業や原材料を海外に依存している企業です。
外食チェーン、食品メーカー、航空会社などがその典型例かなと思います。
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なるほど。輸入するものの値段が上がっちゃうということですよね。
そうなんです。また企業ごとの海外売上比率も重要なので、それらを踏まえて本編に入っていきましょう。
それでは製薬業界が好調な理由の一つ目、円安効果について詳しく見ていきましょう。
2024年以降、円ドルレートは150円を超えることが珍しくなくなってきましたよね。
ニュースでもよく見ました。製薬業界って具体的にどれくらい海外で稼いでいるんですか?
先ほども製薬業界が円安効果で恩恵を受けているという話をしましたけれども、
日本の大手製薬企業の海外売上比率は驚くほど高いんです。
2025年3月期では首位の武田薬品工業は約90%、第2位の大塚製薬が約60%、そして第3位のアステラ製薬は約80%が海外売上となっています。
ということは円安の影響をものすごく受けているということですね。
その通りです。輸出に有利という側面もありますけれども、そもそも現地でビジネスを行っている場合は、日本円で換算するとかなりの為替利益を獲得できています。
輸出と海外展開のどちらの要素もあるんですね。でも円安っていつまででも続くわけじゃないですよね。
そうなんです。そこが結構難しいポイントで、円高に触れる可能性がもちろんありますし、
為替に頼った業績拡大には限界があるといった指摘もあります。
だからこそこれから説明する事業成長性というところが重要になってくるんです。
なので次の2つ目の要因として、主力製品、特に抗がん剤の売り上げ増加を挙げたいと思います。
抗がん剤って最近すごく進歩しているって聞きましたよ。
はいそうなんです。代表的なのが抗体薬物複合体、略してADCと呼ばれるタイプの薬です。
日本企業では第一産協のエンハーツが有名で、この商品の2026年3月期の売り上げは前年の25年3月期よりも20%以上増加する見込みで、今後もさらに伸びていくとされています。
そんなに注目されてるんですか?どういう薬か簡単に教えてくれますか?
簡単に言うとがん細胞だけを狙い撃ちできるピンポイント攻撃型の抗がん剤です。
ADCはがん細胞だけに薬を届けられるので効果が高く、しかも副作用が少ないとされています。
それは結構革命的ですね。これも海外で注目されてるんですか?
そうなんですよ。エンハーツはイギリスのアストラゼネカと連携してグローバルに展開されていますし、今後国内外での成長に期待できるんです。
なるほど。エンヤスだけじゃなくて実際に優れた製品を持っているから業績が伸びていってるんですね。
おっしゃる通りです。そして3つ目の要因として海外事業展開での成功が挙げられます。
さっき海外売上比率が高いって話は出ましたけど、具体的にどの地域で成功しているんでしょうか?
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実際に現地で成功しているところとして圧倒的に強いのは北米市場、特にアメリカなんです。
アメリカは薬の価格が日本よりも遥かに高く同じ薬でも売上が大きくなります。
日本の製薬会社はこの巨大市場で確実にシェアを獲得してきた、そういうことが成功の鍵なんです。
そうだったんですね。具体的にはどんな戦略で進出しているんですか?
大きく2つの戦略があります。1つはM&A戦略です。
アメリカではないんですけれども、武田薬品は2019年にアイルランドの製薬会社シャイヤーを約7兆円で買収し、グローバルでの存在感を一気に高めました。
7兆円ってそんな大きなスケールだったんですね。
そうなんですよ。かなり大きい金額でした。
2つ目として、提携戦略も挙げられます。
第一産業はアストラゼネカと、アステラス製薬はファイザーと連携するなど、欧米の大手企業とパートナーシップを組んで市場開拓を進めています。
自社だけで進出するより現地の強い企業と組む方が効率的ってことですよね。
そういうことなんです。
さらに、欧州市場でも日本企業は存在感を示しています。
特にドイツ、フランス、イギリスといった主要国で、ガンの治療薬や希少疾患治療薬などが承認されて売り上げを伸ばしているんです。
ここまで業界全体の好調要因を聞いてきましたが、具体的にはどの企業に注目しているんですか?
まず1社目はアステラス製薬、証券行動4503です。
国内3位の大手製薬企業ですよね。
そうなんです。アステラス製薬は2026年2月4日に2026年3月期第3四半期の決算を発表しました。
売上収益は前年同期比10.2%アップの約1.6兆円。
営業利益はマイナスだった前年同期とは異なり、3000億円超えと大幅な増収増益を達成したんです。
すごい伸びですね。そんなに上がってたんですね。
何が良かったんでしょうか?
主力の全立腺癌治療薬イクスタンジが引き続き好調だったことに加えて、
膀胱癌治療薬パドセブや胃癌治療薬ビロイが大幅な売上アップとなりました。
どれもあんまり聞かないんですけど、パドセブって初めて聞きました。どんな薬なんでしょうか?
パドセブは先ほど説明した抗体薬物複合体ADCの一種で、2021年に承認された比較的新しい薬です。
2025年度は2100億円の売上高を見込んでいます。
2000億円以上ですか。量積にも大きく影響しそうですよね。
その通りです。
さらにアステラセイ薬は遺伝子治療や細胞治療といった次世代の治療技術にも積極投資しています。
そして通期の業績予想も売上収益2兆1000億円、営業利益3400億円とどちらも増収増益を見込んでいます。
株価も好調で市場からの期待も高い目柄なんです。
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主力製品と新製品の両方で好調で、将来への投資もしっかりしている。バランスが取れた企業なんですね。
その通りです。
ただしイクスタンジの特許切れが2027年以降に予想されているので、その影響をどこまでカバーできるのかというのが今後の中長期的な所定になるかなと思います。
そして2つ目にアステラセイ薬と全く違うタイプの企業、サンバイオ、証券コード4592を紹介します。
サンバイオですか。初めて聞く名前ですけど、どんな会社なんでしょうか。
サンバイオは再生医療のベンチャー企業で、当初グロース市場に上場しています。
脳損中や外症性脳損傷といった、これまで治療法がなかった脳の病気を細胞医薬で治療していこうというような会社なんです。
再生医療ベンチャー?大手の製薬とはちょっと打って変わってきますよね。
はい、その通りです。
サンバイオの主力製品候補は、SB623、別名アクーゴという細胞医薬品で、
患者自身の骨髄から採取した肝溶系肝細胞を使って、損傷した脳組織の修復を促すという画期的な治療法なんです。
なるほど、なんかちょっと難しいですね。
脳の病気ってあんまり治らないイメージがあったんですけど。
そうですよね。特に脳卒中は日本でも年間数十万人が発症する結構大きな病気になってるんですけれども、
アクーゴが承認されれば多くの患者さんに希望をもたらすことができると思われています。
そうだったんですね。それは結構社会的な意義も大きいですよね。開発状況はどうなんでしょうか?
はい、実は2019年にはアメリカの臨床試験で主要の評価項目を達成できないというような危機に直面したんですけれども、
2024年7月に厚生労働省の条件付き承認を受けまして、早ければ2026年の3月に出荷が始まっていく、そういう見込みになっています。
ほんとにもうすぐなんですね。諦めずに開発を続けた成果ですよね。
そうですね。まさにこれからというところだと思います。
再生医療は世界的にも注目されている分野で市場規模も急拡大しています。
ただし、サンバイオに関しては現在売り上げがほとんどなく、研究開発費で赤字が続いている状態です。
つまり悪雨後が軌道に乗らないと利益が出ないということですか?
そうなんですよ。そこがかなり難しいポイントで、それでも革新的な治療法の開発に挑戦している企業だということは間違いありません。
このサンバイオについてはインベストメントブリッジが運営する投資メディアカブリッジでも取り上げていますので、ぜひそちらもご覧ください。
ここまで校長の話ばかりでしたけど、製薬業界にも課題なんかあるんでしょうか?
はい、大きな課題が2つあります。
1つ目は中間年度薬価改定の問題です。
中間年度薬価改定、それはどういうのなんでしょうか?
市場価格をもとに薬の価格を見直す制度なんですけれども、
医療費削減のために毎年様々な薬の価格が下落しています。
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安く手に入るのはいいんですけど、製薬会社や病院にとっては板手ですよね?
そうなんですよね。
実際、医薬品の欠品や出荷調整が社会問題になりました。
薬の価格が低すぎて開発や製造の採算が合わなくなっているという現実があります。
必要な薬が間に合わなければ患者さんにとっても深刻ですよね?
はい、もう1つパテントクリフの問題もあります。
医薬品は特許で保護されている期間は独占的に販売できるんですが、
特許が切れるとジェネリック医薬品が市場に出てきて売り上げが急激に落ちるんです。
どれくらい落ちるんでしょうか?
一般的には特許切れから1年で売り上げが50%以上減少すると言われています。
場合によっては70から80%も減ることもあるんです。
70から80ですか?それはすごい減り方ですね。
そうなんですよ。だからこそ製薬会社は常に新薬を開発し続けなければならないんです。
特許切れで失う売り上げを新薬で補うというイノベーションのサイクルを回し続けることが重要になってきます。
新薬開発ってリスクも大きそうですけど、薬価引き下げが続けばより深刻ですよね?
しかも新薬開発は成功率が非常に低く、構想段階から承認に至る確率は約3万分の1とも言われています。
あ、そんなに低いんですか。だから製薬企業は複数の開発パイプラインを持ってリスクを分散させてるんですね。
課題が分かったところで、今後の展望はどうなんでしょうか?
そうですね。やはり大きいのは抗がん剤市場の継続成長です。
世界的に高齢化が進む中、がん患者数は増加傾向でして、特に日本企業が強みを持つADC技術への需要が囲まっています。
第一産業のエンハーツも適応拡大で複数のがんに使えるようになれば、さらに売り上げが伸びる可能性があるんです。
すごいポテンシャルですね。先ほどの再生医療、細胞治療の発展にも注意できますもんね。
3バイオのような再生医療ベンチャーが開発している次世代治療法は、これまで治せなかった病気を治せる可能性がありまして、日本企業もこの分野で競争力を持っています。
今後の成長に期待したいですね。では懸念材料はどうなんでしょうか?
先ほどの薬価改定や特許切れという日本の製薬会社が抱える問題もそうですし、アメリカでの薬価引下げ圧力の影響も重要です。
トランプ大統領がこの政策を強力に推し進めていて、日本企業への打撃も考慮しないといけないのかなと思っています。
アメリカでも薬価を下げる動きがあり、政治的な圧力が関わっているんですね。
医薬品業界は長期的には成長が期待できそうですが、これらのリスクとリターンをよく理解した上で判断することが大切ですね。
医薬品業界って身近なようで専門的に少し難しかったですが、私たちの将来に大きく関わる業界ですよね。
そうなんですよね。業界としてとても好調なんですけど、投資的な側面だけではなくて生活の目線からも考えることができるので、奥が深いなと僕も調べていて感じました。
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なるほど。技術革新が進む成長産業である一方で、政治や規制、為替の影響も大きく受ける複雑な業界なんだと実感しました。
そうなんです。よくわかっていただいてありがとうございます。
なので、投資する際は単年度の業績だけではなく、パイプラインや海外売上比率、特許切れのスケジュールなど、本当にいろんな面で企業を分析することが重要になってきます。
なお、本日ご紹介した企業情報は、2026年2月時点での公開情報に基づいており、投資を推奨するものではありません。投資判断はあくまでご自身の責任にてお願いします。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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また概要欄にはご意見フォームのURLも貼っておりますので、番組へのご意見をお待ちしております。
いただいたコメントにより改善を進めていきますので、よろしくお願いします。
それではまた次回お会いしましょう。