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インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。 この番組では現役の大学生が株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の話をながら劇する感覚で一緒に勉強していきましょう。 おはようございます。インターン生の松井です。
はい、今回は私の一人が初めての一人語り会ということで、皆さんに情報を分かりやすくお伝えできるように頑張っていきたいと思います。
では、導入から。 前回私が担当した回では、BYDのラッコーという中国製の軽EVを入り口に家電やテレビ、EV用電池までいろんな分野で中国製品が見直されているというような話をしてきました。
覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、国内の薄型テレビ市場で中国系企業のシェアが5割を超えていたり、
鈴木の新型EVにBYD製の電池が採用されていたり、しかも選んだ理由が安いからじゃなくて安全性や供給力で選ばれたというのがポイントでした。
今日はその続編です。
ただし、舞台は自動車や家電ではなくてAIの世界です。
実はここでも全く同じような現象が起きているんです。
今は中国製のAIサービスがものすごく安い価格でどんどん広がっていて、日本の大手金融機関まで採用し始めている。
そしてその安さが回り回ってアメリカの株式市場まで影響を与えているという状態になっています。
今回皆さんに持って帰ってほしい視点は一つです。
安い中国製AIイコール性能が悪いというわけではありません。
安さの裏には理由があってそれを選ぶかどうかはどっちが強いかではなく、自分は何を優先したいかというので決まるという話です。
価格は高いけどブランド品を選ぶ人もいれば、多少品質が落ちたとしても安さを取るという人がいますよね。
それと同じ構造が今企業のAI選びでも起きているんです。
本編に入る前に恒例のちょこっと株式会社のコーナーです。
今日の用語はオンプレミスです。
オンプレミスとはサーバーやソフトウェアを外部のクラウド事業者に預けるのではなくて、
自社の施設内に設置して運用する形態のことを言います。
わかりやすく言うと、データを他所に預けるのではなくて、自分の敷地内の中に置いておくというようなイメージです。
企業が機密情報や個人情報を扱うAIを使う場合、このデータが社外に出ていくかどうかがとても重要な判断基準になります。
なので、このような機密情報を扱う企業はデータを自社の施設内に設置するオンプレミスを採用しているということが多いです。
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今回の本編でもこのデータをどこに置くかという話が何度も出てきますので覚えておいてください。
それでは本編に入っていきましょう。
ちなみに今日の話は企業がAIを裏側で組み込んで使うAPIというような仕組みを使った調達の場面が中心です。
このAPIというのは他の会社が作ったAIを自社のサービスに呼び出して使うための仕組みのことを言います。
まずそもそもの話からいきます。
中国製のAIサービスって何で他と比べてあんなに安いんでしょうか。
一つの見方としてアメリカのAI企業は価格を下げなくても事業が十分に成り立つ構造があります。
一方で中国企業はコストを削ることそのものを重要な技術課題と位置づけていてそれを磨き上げてきました。
これは家電や太陽光パネルEVといった他の産業で中国企業が得意としてきたパターンと全く同じなんですよね。
象徴的な例が中国のAIスタートアップDeepSeekです。
2026年に入ってから他社を巻き込む形で価格競争を主導しAPIの利用料金を大幅に引き下げてきました。
時期によっては米国トップモデルの数十分の1というような水準まで下がったこともあります。
では次に中国製品がすでにどれだけ広がっているのかというのを見ていきましょう。
まず日本企業の例からです。
中国のアリババクラウドが開発するAIクエンというものがあるんですけどこれが日本企業に広がっています。
ミゾフィナンシャルグループや野村総合研究所ライオンといった企業がクエンを活用しています。
具体的に見てみるとミゾフィナンシャルグループは2026年の3月クエンのオープンなAI技術をベースにした金融特化型の独自AIを発表しました。
ちなみに私も大学のゼミではクエンのこのオープンソースを使ってゼミ専用のAIを作っているところです。
話は戻りますがこれ大事なのはこれは性能で完全に余ったという話では全くないというところです。
発表内容を確認すると銀行実務のテストで大手米国製モデルと同程度の水準になったとされていますが
これは特定の条件下のみで成立するミズホ自身の発表に基づく数字です。
第三者による客観的な評価ではないという点はフラットに捉えておく必要があります。
ではなぜミズホはこのモデルを選んだのか。
ポイントはコストを抑えつつ機密性の高い顧客データを外部のAI企業のサーバーに送らずに済むということです。
これはちょこっと株式店で紹介したオンプレミスを実現できたことにあります。
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つまり性能で選ばれたのではなくコストと機密性というミズホにとって優先度の高い条件を満たせられたから選ばれたというのが正確な説明になります。
そしてこれはミズホだけの話ではありません。
米国企業の中でもオープンAIやアンソロピクといった米国AI企業の高額なサービスから
より安価な中国製AIへの乗り換えるというような動きが広がっています。
実際の数字で見てみると変化は劇的です。
AIモデルのAPI利用データを集計するプラットフォームであるOpenRouterの統計によると
2026年7月時点で利用者の多いモデル上位10のうち
オープンAIとGoogleが姿を消し、8つを中国モデルが占めるまでになりました。
米国製はクロードを運営するアンソロピクのみが唯一残っている状態になります。
これ大事なのは性能が上だから乗り換えたのではないというところです。
多少の性能差があっても実用上は十分で、かつコストの差が圧倒的に大きいからこそ
コストを優先する判断をした企業が多いという説明が実態に近いと思います。
さてここからが今日一番お伝えしたいところです。
この安いAIの流れが株式市場にどう影響しているのか。
まずは歴史を振り返ってみましょう。
2025年1月に中国のディープシークが低コストで高性能なAIモデルを発表した際、市場では性能が追いつかれた。
ということは半導体がもう大量にいらなくなるのではというような受け止め方が広がりました。
その結果AI半導体大手のNVIDIAの株価が1日で約17%安となりました。
時価総額にして約5900億ドル、日本円では約91兆円が1日で吹き飛んだとされております。
個別企業の1日の時価総額下落幅としては当時市場最大とも報じられました。
それから1年半以上経った2026年現在はどうなっているのか。
NVIDIAの決算はその後もむしろ絶好調です。
直近2026年8月26日に発表された決算では準利益が前年同期比で106%増と急拡大しました。
要因は複数考えられますし、AI投資全体が拡大していることなど単純に一つの理由に絞り込むことはできませんが、
ただ少なくとも当初懸念されていたようなAI半導体の需要が大きく落ち込むというような仕倒しは今のところはっきりとは出ていないというのが事態です。
つまりこれは性能の勝ち負けというものさしで判断した当時の市場の見立てが結果的には外れた例だったと言えそうです。
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一方で今まさに揺り始めているのがAIサービスを提供する米国企業自身の収益構造です。
アンソロピックとオープンAI、この2社は2026年6月にそれぞれ株式上場の準備書類を機密提出しました。
アンソロピックの評価額は1兆ドル目前という規模です。
両社が上場すればAI企業として過去最大規模の上場になるとみられています。
そのタイミングで中国製AIの圧倒的な安さという現実がその高い価格設定は本当に妥当なのかと問われるようなリスク要因になりつつあります。
実際ディープシークの一部モデルは米国トップモデルより最大100倍安いという指摘もあり価格差の大きさが際立っています。
これはまさに性能ではなく価格という優先順位の面で実際に効いている影響だと言えます。
整理するとNVIDIAの株が急落したときは性能で追い付かれたという話でしたが蓋を開けてみればそこはほとんど影響が出ていません。
むしろ今影響が出ているのはアンソロピックやオープンAIなどこれから上場する米国AI企業のAI利用料金の方なんです。
ここまで中国製AIのコスト面での強さを中心にお話ししてきましたが当然それと引き換えに背負うことになる別のリスクもあります。
問題はデータの扱いです。
中国には国民や企業に対して国の情報活動への協力を義務付ける法律があり企業が保有するデータが政府の申請によって収集されるというような懸念が欧米の政府関係者や専門家から指摘されています。
つまり業務で入力したデータが何らかの形で政府に提供される可能性はゼロとは言い切れないということです。
これはだから中国製AIを使うべきではないというような単純な結論にはしたくありません。
あくまでコストの安さと引き換えに企業側がこうしたリスクも一緒に引き受けているというトレードオフの一部として捉えるべきだと思います。
イメージで言うととても便利で家賃も安い貸し金庫があるけどもしかしたら大屋さんが合鍵を持っているかもしれないというような感じでしょうか。
便利さと安さは本物だけどその裏にある構造もちゃんと理解した上で使うかどうか決める必要があるということですね。
だからこそ水穂のようにオンプレミスで運用してデータを外に出さない形をとったり用途によって使うモデルを使い分けたりする空が今企業の間で広がっているんだなと思います。
なお今日のテーマに関連してカブリッジのサイトでもAI関連銘柄について取り上げた記事がありますので気になる方はぜひチェックしてみてください。
今日は中国製AIはなぜ安いのかそして株式市場にどう影響しているのかというテーマでお話ししてきました。
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改めて整理すると中国製AIが安いのは単なる安かろう悪かろうではなくコストを削るための技術的な工夫の積み重ねの結果です。
浸透という点については水穂フィナーシャルグループのように性能の優劣ではなくコストと機密性というような優先順位で中国製AI技術を選ぶ日本企業も出てきていますし
オープンルーターのデータを見てもAPI利用の面ではすでに中国製モデルが大きな視野を占めるようになっています。
株式市場の影響という点では2025年1月のディープシークショックでNVIDIA株が急落したものの2026年現在の決算はむしろ好調です。
その一方でこれから上場を控えるアンソロピックやオープンAIといった米国AI企業にとっては価格の妥当性が問われるリスクとしてじわじわ効いていきます。
そして忘れてはいけないのがコストの安さと引き換えにデータの扱いという別のリスクを背負うことになるというトレードオフです。
中国製AIが安いというニュースを見ると私たちはつい性能で追いつかれたのか追いつかれていないのかというような勝ち負けで考えがちです。
でも本当に問われているのはコストと引き換えに何を差し出すかという選ぶ側の優先順位なのかもしれません。
次に値下げのニュースを見た時皆さんは何を優先しますか?
本日ご紹介した企業は主観による情報提供であり投資を推奨するものではありません。
投資判断はあくまでご自身の責任にてお願いいたします。
本日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
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それではまた次回お会いしましょう。
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