00:28
この時間は、Zoom Up毎週火曜日は経済です。
前都道府県で1000円を超えた最低賃金の改定が10月から適用されております。
今回は、都市部あるいは隣の県に人材が流出しないよう地域間で引上額を競った一方、人件費が増えることへの対応を迫られる企業側に配慮したことが影響したことで、12月以降に改定される件も多くなっております。
今日はこの最低賃金改定にZoom Upしていきます。
明治大学教授でエコノミストの飯田泰之さんです。
飯田さん、おはようございます。
さて、10月から最低賃金を導入しているところが増えてきまして、福岡県ではもうすでに最低賃金が先月上げられました。
一方で、例えば沖縄県ですと、昨日12月1日から、
今月からってことですか。
はい。福島県等一部の県では1月1日、来月からということになっているんですけれども、
このように導入、基本は10月1日なんです。
なんですけれども遅れたのは、今回引上げ幅が非常に大幅だったので、
この賃上げに、急な賃上げに耐えられない中小零細事業主に向けての各県の助成制度であったり、
または賃上げをする際の、例えば事務的な作業であったり、こういった補助をつけていたため、
ちょっとなかなか10月1日に間に合わなかったという理由があるんですね。
なるほど。
この最低賃金なんですが、今時準備に時間がかかったのを見てもわかる通り、
急激な引上げというのは、やはり経済にとって必ずしもいいことばかりではないんですね。
企業側が耐えられないと。
本来であれば、企業側は最低賃金が上がったら、それに対応して仕事の内容を変える。
つまりは、例えば最低賃金が800円の時代だったら、そのぐらいだったら、
こういう仕事内容で、時期800円で人を頼めばいいやと思ってたもの。
例えば100円というような大都市部・中心部になると、
03:00
これは1100円稼げるような仕事の仕方に変えていかなければならないわけですね。
または場合によっては、もっと機械を入れるとか、
小売店であれば無人レジを導入するとか、そういった対応がありますので、
実はこの最低賃金は、昔々、2000年代半ばまでは、
あまり生活を保障するとか、生活水準から考えて必要だったんですね。
あくまで最低賃金は、あまりの低賃金で不当な労働とか不当な契約を防ぐという意味合いがありました。
例えば昔でいうと、技術を教えてやるんだから時給は100円でいいだろう。
不当な雇い方を防ぐという意味が強くてですね、
最低賃金を引き上げて所得を増やそうという発想がほとんどなかったんですね。
本当最低保障っていうところだったんですね。
あとは不正な契約を防止すると。
一方、2010年代に入ってきますと、特に安倍政権始まってから完成春党なんて言葉もありましたけれども、
新揚げが政府のかなり大きな目標としてクローズアップされるようになると、
やはり最低賃金引き上げていこうということになると。
元は低かったので、毎年毎年大幅増にしても、
多くの事業所はそこまで大きな問題は発生してこなかったんです。元が低すぎたので。
ところがですね、コロナ前頃からちょっとこれ以上上がると、
経営の仕方を変えなければならない云々という、ようやく企業側に対処が必要な水準まで最低賃金が上がってきたんですね。
これ自体はもちろん働く側としては望ましいことなんですけれども、
その後ちょっとコロナの騒動とかがありまして、
特に中小零細企業種にとって、最低賃金云々よりもこのコロナへの対応が優先されたということがあって、
ちょっと注目度下がっていたんですけれども、ここへ来て、これは私の考えですが、
最低賃金、春に決めて10月導入、初夏に決めて10月導入はちょっと厳しくないですかと。
06:00
もうちょっと猶予が必要なんじゃないかと。
例えば今同様に7月に決めるのであれば、
せめて翌年4月1日であって、これだと年度の区切りにもなります。
または翌年1月1日、これは個人所得税の区切りになります。
こういったちょっと余裕を持たせないとですね、企業側としてもやはり最低賃金が上がったので、
これまでは全部人力でやってたのを機械に頼もうとか、
場合によっては人員を整理しようっていう準備ができないんですよね。
これから経済全体がインフレ基調になってきてますので、
最低賃金も毎年インフレ対応分を増やすだけでも結構しっかりと上げていくことになります。
例えば3%を物価上昇して3%上げるってことになったら、
毎年時給1,000円だったら30円は絶対上げるって決まってるってことになりますよね。
こういう状況ですと、それに加えて賃上げも今年のように50円60円上がっていく。
そうするとそんなにすぐ対応はできないですから、
最低賃金改定のスケジュールそのものを今までみたいに不正な取引を禁止するとかだったら、
あんまりすぐ守りなさいでよかったのかもしれないんですが、
いよいよ中小零細企業の経営とか人材配置、人事に影響が出るレベルになったっていうのを、
ちょっと意識していく必要がありますよね。
そういう人件費が上がるっていうことですぐに、
例えばサービスの価格に転嫁するとかっていうのは、
まだまだやっぱりちょっとしにくい状況なんですかね。
コンフリクトインフレーション、戦うとか対立するインフレーションというんですけれども、
日本以外の各国で比較的インフレ率が高いのは、
給料が上がる。給料が上がると利益を確保するために価格を上げる。
価格を上げると働く側が、給料を上げてくれないと実質的に賃金になっちゃいますから、
給料も上げてくれ。給料が上がるので価格を上げるというふうに物価が上がっていく。
これはもちろん良いことばかりではないんですけれども、
長く日本には欠けていたプロセスですので、
賃上げする。値段を上げる。値段が上がったから賃上げするっていうサイクルも、
やはり日本経済のダイナミズムの中に一部に取り込んでいかなければなりませんし、
09:05
近年ですと最低賃金がその一助になっていると思います。
なるほどですね。
わかりました。伊田さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間はズームアップ。火曜日は明治大学教授でエコノミストの伊田康幸さんでした。
地下鉄ギヨン駅から徒歩2分。
RKBスタービル博多ギヨンスタジオは、
ポッドキャストなどの音声コンテンツの収録から動画のライブ配信まで、
様々なニーズにお答えできるレンタルスタジオです。
お問い合わせご予約は、スタービル博多ギヨンのホームページからどうぞ。