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イリカミネ
毎週木曜日のこの時間は、飯田和郎のBrush Up。
今日は、今まさに中東の情勢をめぐってというところで、
パレスティナ自治区ガザ、そして隣接するイスラエルが、今、戦争状態に入っております。
ガザを実行支配するイスラム組織ハマスが、イスラエルに大規模な軍事攻撃を仕掛け、
そしてこれに対して、イスラエルは、まあ、報復の空爆などを強化して、
もう、地上での総攻撃の準備もできているなんですね。
そうですね。イスラエル側からの地上侵攻はもう避けられないと言ってますよね。
それで、昨日までで5日間、ここまでで死者が合わせて2300人。たった5日間ですよ。
尊い命が、しかも民間人の命が、こうやって犠牲になっているというのは、
もう本当にいたたまれないなという気持ちなんですけども、
それを国際社会としては、どのように収めていくのかというところが重要になると思います。
国連、アンポリンの常任理事国は、ウクライナ問題にしても対立が、
中国、ロシアも入っているわけですが、続いているわけですよね。
常任理事国の一つ、中国は、このイスラエル、パレスチナにどういう姿勢なのかというところで。
この出来事の後、中国の外務省は、先に仕掛けたハマスへの直接批判を避けてますよね。
今週ですかね、アメリカの議員団が北京に行ったんですけど、
習近平主席は、その態度は明確にしなかったということですね。
中国はアメリカとは違って、パレスチナ側に堅入れしているということなんですか?
必ずしもそうは言えないんですよね。
中国の外務省の報道官は、我々はイスラエルとパレスチナの共通の友人だ、
こういう言い方をしてますね。
確かにパレスチナは、1988年に独立を宣言したんですが、
これをいち早く承認したのが中国なんですよ。
一方、日本やアメリカやイギリスなどは、
イスラエルは承認してるんですけど、パレスチナは未だに国家として承認してませんよね。
その中国なんですけど、一方で92年には、イスラエルとも国交を結んでるんですよね。
今日お話ししたいのは、イスラエルと中国の深くて長い結びつき。
しかもこれには日本も関係してるんですよ。
そもそも中国とイスラエルの結びつきっていうのも、日本も関係してるってことね。
まず聞きたいのは、中国とイスラエルの関係、結びつきなんですけども、
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イスラエルは中国をお互いにそれぞれ求めてるってことですか?
国交を受理するずっと以前からですね、
中国はイスラエルに先進技術、武器を求めてたんですよ。
これは公然の秘密です。
例えばこの番組の何度も言いましたけど、
中国が国際的にリードする顔認証システムとかですね、
街中に張り巡らされた監視カメラのネットワークとかドローン、
こういう技術はやっぱりイスラエルのハイテクなんですよ。
ですからそういう意味では、この2つの国は軍事産業を中心に持ちつつ、持たれつつの関係なんですね。
一方で最近で言うと、中国は中東への影響力の拡大を狙っていると。
新しいところでは今年の3月でしたよね。
長く対峙してきたイランとサウシが外交関係を正常化した。
これを仲介したのが中国だった。
そうでしたね。
あれはびっくりしましたよね。
じゃあその中国、イスラエルの結びつきっていうのは、
軍事産業の協力とはまた違うものがあるんですか?
私の話はですね、舞台は現在の中国東北部、満州ですね。
のハルピン、ずっと南に下がってきた上海の話なんですよ。
いずれも中国ですよね。
話は19世紀に遡ります。
舞台の一つ、上海にはこの頃、いわゆるユダヤ人の財閥を中心としたユダヤコミュニティが出来上がってきたんですよ。
それが20世紀になると、ヨーロッパやロシアで迫害を受けたユダヤ人が東へ東へと流れてきた。
さらにはナチスドイツによる虐殺も加わって、
大量のユダヤ人が難民として中国に流れ込んだと。
ハルピンにはおよそ2万人、上海にも同じく2万人のユダヤ人がいたと。
ここで考えてみたいんですけど、
ハルピンは当時の満州国、日本の海大国、事実上日本が統治していた。
一方の上海もこの頃、旧日本軍が占領していたんですよね。
そこでイスラエルと中国の結びつきに日本が絡んでくるということですか?
アメリカと戦争を始める前のことなんですが、
満州にいたユダヤ人を日本は利用しようとしたんですよ。
ユダヤ人社会の財力に目をつけたのと、
これを引き込めば、満州の開発に大きく役に立つと。
アメリカもユダヤ系の人が多いので、
ユダヤ系が影響力を持つアメリカと正面からぶつかることが回避できるんじゃないかと考えたわけです。
欧州を除かれたユダヤ人を満州に停住させる。
しかもユダヤ人の自治区を作ると。
1930年代にはそんな計画もありました。
この一連の計画は名付けてフグ計画と呼ばれていました。
フグって魚のフグですか?
そうなんですよ。
フグは身は美味しいけど、少しでも調理の方法を誤ると、その毒によって命を落としてしまいます。
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同じようにユダヤ人の満州を受け入れに成功すれば、
メリットは大きいけど、逆に失敗したら日本は破滅してしまう。
うまくいったものですよね。
実際に上海はどうだったんですか?
命のビザって言葉を聞いたことがあります。
杉原中年さん。
国の命令に反してユダヤ人にビザを発揮した。
この杉原さんが発揮したビザによって、
日本を経由して上海にたどり着いたユダヤ人も多かったんです。
当時上海はビザがなくても上陸できた。
上海はユダヤ難民にとって安息の地でもあったわけなんですよね。
上海でも同じようにユダヤ人をうまく利用して、
アメリカとの関係を改善したいという日本人の思惑がありました。
だけど日本の同盟国のナチスドイツが、
上海のユダヤ人を処分しろ、引き渡せと言ったんですよね。
しかたなく日本はそこで、
上海市内に強制的に住まわせる居住区を作ったと。
ユダヤ人をそこに押し込めたというわけなんですよね。
ハルピンや上海には今もそういう居住区の跡は残っているんですか?
ハルピンには異国のハルピンで命を落としたユダヤ人の墓地があって、
中国当局によって整備されています。
一方、上海にも、かつての収容施設だったレンガ造りの住居が残っていて、
当局によって保存されて、ユダヤ難民の記念館となっています。
当時の資料を見ると、収容施設とはいえ、
周辺に住む上海の市民との交流は比較的自由だった。
ユダヤ難民との間で、食料のやり取りなどの交流もあったと言われています。
つまり、ユダヤ難民を支援したのは中国人で、
ハルピンでも上海でも、今日もこの歴史を大切にしていると中国はアピールして、
イスラエルとの関係も大切にしたいということですか?
中国はイスラエルとの関係の中で、いつもこの話が出てくるんですよね。
戦争が終わると、上海のユダヤ難民、ハルピンもそうですけど、
ユダヤ難民たちは、新天地を求めてイスラエルに渡ったわけですよ。
新しい国づくりに参画したと。
イスラエルが独立を宣言したのは1948年ですよね。
ですから、今日のパレスチナ問題を振り返ると、そこから始まったって言うんですね。
ですから、その意味でも、ユダヤ人がいっぱいいた中国、
またユダヤ難民があふれた上海を占領していた日本、
満州を支配した日本、
この問題にもつながっていないとは言えないと私は思いますね。
ただ、ハマスとイスラエルの衝突というのは激しさを増していて、
なかなか鎮静化は遠いのかなという現状ですよね。
イスラエルの首相だったラビンという人物がいました。
イスラエルとPLO、パレスチナ解放機構は、
ちょうど30年前の1993年に歴史的な和平合意をしましたね。
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ノルウェーのオスロで秘密交渉を行ったので、オスロ合意と言われています。
ラビンはその決断をした首相だったんですよ。
そのオスロ合意の直後に、ラビンは中国を訪れて、上海に寄っていて、
その時に、かつて上海に在留したユダヤ人が、
遠い昔に建てた古い教会を見学しています。
私はちょうどその時、上海に留学していまして、その様子を見に行ったんですよ。
中国メディアはその時も、戦争当時、
多くの上海市民がユダヤ難民を支援したというのをアピールしていましたね。
多くの方がご存知のように、ラビンはその後、ノーベル平和賞をもらうんですけど、
ラビンは和平に反対するユダヤ人の青年に暗殺されてしまうわけですよ。
そして和平の道は閉ざされて、今日の状態になっていると。
今起きている事態を想像すると、この日本から想像すると、
ほんのわずかでも緊張が緩和した、あの時代に戻る努力をですね、
パレスチナ・イスラエル双方、また国際社会ができないかと思ってしまいますよね。
なんとか複雑に絡み合ってもつれてしまった糸を丁寧にね、
解けないものかなとね。
一刻も早い鎮静化というところで、そして対話が生まれるということを期待したいなと思います。
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