陽平さん、いらっしゃい。 陽平さんは40代半ば。大学の経済学部を卒業後、経理・会計畑を住み、今は大手食品会社の財務部の課長を務めている。
凌介さん、こんばんは。 今日は珍しく早いですね。
期末の決算発表が終わったので、今日は久しぶりに定時で上がってきました。
娘の子供会で、子供と神様は出かけているので寄らせてもらいました。
自燈庵はL字型のカウンターのみの7席。
カウンターの背面の塗りかべにはスポットライトが当てられていて、その日のおすすめのネタのように、
その日の問い、一問一答がかかっています。 お客は一問一答に合う飲み物を自分でイメージして注文をします。
今晩の一問一答は、「あなたは自由ですか?」
今日のテーマは自由か。そうだな。今日はビールにします。
でしたら、瓶のままのバドワイザーはいかがですか?
あ、いいですね。瓶のまま。いただきます。
僕ね、決算のための深夜残業の後にビールを飲みながら夜中にビッグマックを食うのが好きなんですよ。
決算処理を終わらせた開放感と夜中のビッグマックっていうギリティな感じが自由を感じさせるんです。
うーん、夜中のビッグマックですか。最高ですね。でも翌朝に後悔しません?
そうなんですよ。日がもたれてね。自由の代償ってやつですね。
よく冷えたバドワイザーの瓶についた水滴を拭き取って傭兵さんにお出しした。
あー、バドワイザー久しぶりに飲みました。飲み心地が軽いですね。
うーん、こんな湿気の多い日はいいですね。この軽さがいいですね。
なんかこう軽やかさって自由を感じさせますよね。
あ、そうだ。自由の女神の右手にはバドワイザーのビンビール持たせたらいいんじゃないですかね。
で、左手にはビッグマック。そっちの方がよっぽどなんかこう自由の象徴って感じがします。
それはいいですね。真夜中のビッグマックとビール、これが傭兵さんの自由の象徴ですか。
確かに傭兵さんのお子さんはまだ小さいから真夜中にビッグマックを食べに行くのは簡単ではないですよね。
ビッグマックを食べたいと思うことはできても食べに行くことはできない。
確かにそう言われてみたら子供より大人の方が自由ってことなんですかね。
でもそうなのかな。なんか子供の時の方が自由だったような気もする。
大人は夜中にビッグマックを食べられるのに食べられない子供の方が自由って思うんですね。
自分が自由かどうかってそんな簡単な話じゃなさそうですね。
この自由というテーマ、あなたは自由ですかという問いに対して、
二人で対話をしながら、お話をしながら、自分にとっての自由とは何なのかということを一緒に考えていきたいと思います。
僕はこのミッドライフクライシス、中年の危機ということをテーマにして、
40代から50代、あるいは早い方では30代の半ばの方々の中でミッドライフクライシスに直面する方々のサポートをする仕事をしています。
具体的にどんなことをしているかというと、
このミッドライフクライシスで苦しむ方々の物事の捉え方、認知ですね。
それを改善するプログラムを提供しています。
皆さんは多分、歳をとって体が固くなったと思うんですね。
普段からストレッチしたりして運動している日かとは別ですけれども、
特にそういった運動をしていない人はどんどん体が固くなっていく。
これ大人だったらしょうがないですね。
僕も息子は開脚するとぺたーっと股が開くのに、自分はもう全然ですね。
筋肉や関節が固くなるだけじゃなくて、大人っていうのは物事を捉える仕組み、認知と言いますけれども、認知も固くなります。
なんで固くなるかというと脳みその特性なんです。
脳みそっていうのはとにかく楽をするようにできています。
なので、新しいことを学ぶとか、今までの物事の捉え方を変えると、そういったことをするのが脳にとってとても大きな負担のかかることなので、
なるべくそれを避けて、今までのパターンで物事を処理していくということを進んでいきます。
なので、これは当然メリットもあって、年をとっていくと、
例えば仕事なんかでも、仕事を始めたときに比べるとスムースに日常のルーティンワークを処理できるといったことができるわけですね。
必要最小限の力で物事が処理できるようになっていく。
これは脳のメリットなわけなんですけれども。
そのおかげで、新しく物事を捉えるということに対してのエネルギーを注がなくなります。
つまり認知が固くなっていくわけなんです。
この認知が固くなったことによって、生きづらさが生まれる場合があります。
認知は固くなっているんだけれども、周りの環境は変わっている。
どんどん会社には若い人が入ってくる。話が合わない若い人たちが入ってくる。
あるいは子どももどんどん成長して話が噛み合わなくなる。
そうした中で自分と周りとの間でギャップが起きて、自分は認知が固くなっているから、それについていけなくなる。
そんなことが起こるわけなんですね。
僕のプログラムでは、この認知が固くなった認知を解きほぐして、どういう状態に持っていくのかというと、
最終的には自分をよりどころとして生きていくという状態に持っていく。
これまでの人生は与えられた役割を一生懸命こなしてこられたのかと思います。
残りの人生もその与えられた役割をこなすだけでいいのですかというのが、私からの問いかけの一番大きなメッセージになるのかなと思います。
自由をテーマにこのお話を始めたものですね。
自らをよりどころとして生きるという、私の掲げているテーマの一番根本的なところが自由がテーマだからなんですね。
自由という言葉、どのように書くかというと、自らによると書いて自由と呼びます。
つまり、自由とは人のせいにしないって言葉と私は考え、毎日忙しい。
なかなか自分に時間が取れないんだよね。
確かにそうだと思います。そうなんです。
でもそのご褒美のような自由で皆さん本当にいいのでしょうか。
そんなことを考えるきっかけの一つになればいいなと思っています。
この前テレビでですね、名曲の素晴らしい感動した歌詞のランキングが発表されていて、
その中でですね、Mr.Childrenの名もなき歌が紹介されていました。
僕は今年で44になって、Mr.Childrenの名もなき歌っていうのは、
小学生か中学生の時に初めて聞いた歌ですよね。
当時は歌詞の内容なんてよくわからずにですね、
Mr.Childrenが流行ってるからMr.Childrenを聞いてたようなもんなんですけれども、
大人になってやっとMr.Childrenの歌詞が染みてくるっていうことって、
皆さんももしかしたらあるのかもしれません。
で、その番組の中で紹介されていたフレーズが、名もなき歌のフレーズがこんなフレーズです。
あるがままの心で生きられぬ弱さを誰かのせいにして過ごしている。
知らぬ間に気づいてた自分らしさの檻の中で、もがいているなら僕だってそうなった。
このあるがままの心で生きられぬ弱さを誰かのせいにして過ごしているという。
やっぱここって自由ではないんじゃないのかなと思うんです。
で、なんでそうなってるのかっていうところをMr.Childrenの桜井さんは説明してくれていて、
それは知らぬ間に気づいていた自分らしさの檻の中でもがいているからなんだよと。
それはあなた一人だけじゃなくて僕だってそうなんだよってことを言ってくれています。
この自分らしさの檻というのがこれから桜井さんと語っていく自由に関するトークの中でですね、
とても大切なテーマになってきます。
先ほど僕は認知が固くなるということをお伝えしましたが、
自分らしさの檻というのはこの固くなった認知のことなんじゃないだろうかというふうに僕は思っています。
もし自分らしさの檻というものが自分で作った檻だとしたら、
そしてもしそれが解けるものだとしたら皆さんはどうされるでしょうか。