5. あなたは自分を諦めていますか?| 自由編#05 ~ アイデンティティの喪失
2026-08-08 18:53

5. あなたは自分を諦めていますか?| 自由編#05 ~ アイデンティティの喪失

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ミッドライフクライシスとアイデンティティの喪失と再生

あなたは、親や先生の言われたことに素直な「手のかからない」子どもではありませんでしたか?

あなたは、与えられた役割や、かけられた期待に応え続けている「優秀な」人ではありませんか?

あなたは、自分の気持ちよりも、周りの人を尊重する「いい人」ではありませんか?

 

ミッドライフクライシスはそんな人たちが、社会適応のために発達させたアイデンティティに行き詰り、自らを拠り所として生きる自分に羽化する変容のプロセスです。

 

# 番組概要

40代、50代の半数が経験すると言われているミッドライフクライシス(中年の危機)。

「自分の人生はこれでよかったのだろうか」という揺らぎ、「何者にもなれずに終わるかもしれない」という焦り、「自分のピークは過ぎた」という閉塞感。

中年期は人生の幸福度が下がり、無気力を感じる第2の思春期とも言われています。

 

【一問一燈】は、ミッドライフクライシスという人生の危機を、転機に変える物語です。


港町の赤提灯街の奥深く、川沿いにある2階建ての長屋の一室「問処 自燈庵」では、ミッドライフクライシス(中年の危機)に向き合う大人たちが、【一問一燈】を通して、まだ知らない自分を照らそうとしています。

 

・番組前半は「自燈庵」での対話の模様を、後半からは主宰亮介のフリートークをお届けしています。

・毎週土曜日の朝7時に新しいエピソードを配信しています。週末のリラックスした空気でお楽しみください。

 

与えられた「正解」をなぞってきた人生の前半戦から、自分を拠り所として生きる人生の後半戦を迎える大人たちに、まだ知らない自分を照らす「問い」をお届けいたします。

 

# MC

加藤 亮介 / Life Transition Company LITRA LLC. 代表

【哲学するエンジニア】

東北大学大学院卒業後、エンジニアリング会社に就職し海外のエネルギープラント建設プロジェクトに従事。こどもの誕生をきっかけに価値観の変化が起こり、コンサルティング会社に転職し挫折を経験。1年間の療養期間を経て、地域おこし協力隊として新規就農に挑戦するなかで、Web関連事業に出会い起業するも、3年間で資金が底を尽き撤退。

それまで積み上げてきたものが無残に剥がれ落ちていくほどに、明らかになる自分。

人生の危機は、まだ知らない自分を明らめる転機になりました。

「自分を拠り所として生きる」をミッションに、ミッドライフクライシスに直面する大人たちの変容を実現します。



# リンク

◎ リスナーのみなさんが感じたことや気づき、新たな問いや【一問一燈】への自分のこたえ

番組へのご意見、ご感想は下記Google Formより。
https://forms.gle/Z2GPVrG1SwuTa5Sv8


◎ お話の内容をゆっくり読みたい、もっと深掘りした話を知りたい

note「Life Transition Magazine」内のマガジン【一問一燈】にて、後半のフリートークパートをさらに深堀りした記事を展開しています。音声配信ではよく分からなかったところも、文字で読むと気づきに繋がるかもしれません。

https://note.com/litra/m/m0c472b5aa916

 

 

# お問い合わせ

個別でのご相談や、ミッドライフクライシスの危機を転機に変える対話型プログラムのお問い合わせやご希望も、下記Google Formよりご連絡ください。
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サマリー

このエピソードでは、中年の危機(ミッドライフクライシス)に直面する大人たちが、自分を拠り所として生きるための「問い」に向き合います。ゲストの陽平さんは、社会的役割に縛られた自身のアイデンティティに疑問を抱き、役割を失うことへの恐れと「自分を諦められない」という葛藤を語ります。主催の亮介は、「自由」を「自分自身を拠り所とすること」と定義し、茨木範子の詩「寄りかからず」を引用。ミッドライフクライシスを、青虫がさなぎを経て蝶に羽化する「さなぎ化現象」に例え、社会適応のために築いたアイデンティティを脱ぎ捨て、内なる「イマジナルセル」を見出して自己を再構築する変容のプロセスであると解説します。

導入:ミッドライフクライシスと自答案の役割
みなさんごきげんよう。 自答案主宰の亮介です。
この世界に生まれ落ちた私たちは、生きていくために一生懸命にこの世界に適応してきました。 学び、努力し、経験し、自分の居場所を作ってきました。
家庭、職場、コミュニティ。 その中で期待に応え、当たり前のように役割を果たしている皆さん。
内心では違和感を抱えてはいないでしょうか?
ある調査によると、40代と50代の働く大人の2人に1人は、人生の充実感の低下を感じているのだそうです。
これを中年の危機、ミッドライフクライシスと呼びます。
自答案は、ミッドライフクライシスに直面する大人たちが、危機を天気に変え、自らを拠り所として生きるための問い、【一問一燈】に向き合い、気づきの明かりを灯す場所です。
陽平さんの対話:役割とアイデンティティの問い
前回の放送では、日本における自由という言葉の意味の移り変わりを歴史とともに見てきました。
西洋的な選択をできる権利としての自由と、日本に古来からある自分勝手という意味の自由が並存している現代日本における自由のメカニズムが見えてきました。
今日もまた、自答案主宰の亮介とお客さんの洋平さんの対話から始まります。
今日の【一問一燈】は、「あなたは自分を諦めていますか?」です。
洋平さんの目に新たな光が灯る。
気づきがあったようですね、洋平さん。
わかりましたよ。
僕たちは自分が何者であるかを社会的な役割で決めているんです。
現代は役割を選ぶことはできても、自分が何者であるかが役割で決まるという構造は江戸時代と変わっていません。
だから、その役割を果たしていないと他人が断定すると、自分勝手という意味であの人は自由だと言われるんですね。
洋平さんはご自身を何者だと定義していますか?
僕は食品会社の財務部課長で、カミさんの夫で、娘の父親です。
もし、もしですよ。
洋平さんがリストラで職を失って、奥さんとも別れて、奥さんが娘さんを引き取ったとしたら、洋平さんは何者ですか?
うわ、ゾッとすること聞かないでください。
洋平さんがグラスに残ったビールを一気に飲み干した。
気づきは光だ。世界に対する理解が気づきで広がる。
見えていなかった世界の一端が気づきの光でたらされ、明らかになるからだ。
けれど、光は同時に影を生み出す。
見えていなかったものが見えるということは、見たくなかったことも見えてしまうということだ。
「自由」の探求:自分を拠り所とする生き方
洋平さん、次はこのビールにしましょう。
僕はビールをゆっくりと3回に分けて注ぎ、こんもりとした泡をのせた黒いビールをお出しした。
ギネスです。他のビールにはない、焙煎された爆瓦による香ばしさと豊かな甘み。
上唇についた泡を拭き取るように、洋平さんは唇をぎゅっと閉じ込んだ。
洋平さん、自由という字は自らによると書きます。
夜中にビッグマックを食べるのは洋平さんの自由です。
自分によって決められる行動の自由ですね。
だとしたら、自分が何者であるかも自分で決めていいじゃないですか。
自分が何者であるかは自分による。
大きな会社の課長という肩書き。
素敵な奥様の夫という立場。
可愛い娘さんの父親という役割。
どれも洋平さんという存在の大切な拠り所ですよね。
それは間違いなく、僕のアイデンティティです。
そう、だからこそ、それらを失うことは恐ろしいことです。
アイデンティティとは自分の拠り所です。
肩書き、立場、役割という
他社由来のものを拠り所とすることは自由ではありません。
自分によらないのですから。
それは、課長という肩書きや
夫や父親という立場や役割は
大したものではないということですか?
それを決めるのは洋平さん、あなたです。
あなたにとってそれらは大切なアイデンティティの一部ですよね。
それらは洋平さんにとって大したものなのです。
それも含めて洋平さんによるのです。
僕には大切です。
会社の課長なんて組織の歯車だし、
代わりはいくらでもいますよ。
でも、この肩書きがあるから取引先と仕事ができるし
マンションのローンも組めるし
娘にピアノのレッスンを受けさせることもできてるんです。
でも、何でだろう?
俺ってそれだけなのかなって思うんですよ。
別にね、もっと出世して社長になろうとかそういうんじゃないんです。
俺は今の立場になるためにそれなりに努力してきたし
プライドもあります。
でも、それだけじゃないなって思ってるんです。
ギネスビールがごくごくと洋平さんの喉を流れた。
ワンパイントのグラスの半分が空になった。
自分を諦められないのですね。
そうです。
俺は俺を諦められないんです。
よくわかんないんだけどなんか違うんです。
俺は幸せなんだと思うんだけど
役割を果たすだけが俺の人生じゃないと思うんです。
亮介のフリートーク:自由と茨木範子の詩
港町の赤町賃貝を抜け川沿いに立つ2階建ての長屋の一室にある問い所自答案。
ミッドライフクライシス、中年の危機という人生の暗礁を乗り越え
自分を拠り所として人生の後半戦に向かう大人たちの対話の模様をお伝えしました。
今日の【一問一燈】はあなたは自分を諦めていますか?です。
ここからは自答案主宰の亮介のフリートークで浮かぶりをしていきたいと思います。
今日のお話の中にも出てきましたが
自らに寄ると書いて自由と読みます。
前回の放送でもお伝えしたように
これは古代中国に起源を持つ自由という言葉の古言です。
自由とは自分自身を寄りどころとするということです。
今あなたが何をするかを自分を寄りどころとして決めるのが行動の自由。
私は何者であるかを自分を寄りどころとして決めるのが存在の自由です。
自分を寄りどころとせずに他者を寄りどころとすることを不自由と言います。
みんながそうしているから自分もそうするとか
みんながそうしているからお前もそうしなさいとか
それは僕は不自由なことなんじゃないのかなって思います。
そして不自由には思考停止が伴います。
僕は詩が好きでして
その中でも茨木範子さんという方の詩が大好きです。
その詩人の茨木範子さんに寄りかからずという作品があります。
今日はこの詩を読ませていただきます。
寄りかからず
もはや出来合いの思想には寄りかかりたくない
もはや出来合いの宗教には寄りかかりたくない
もはや出来合いの学問には寄りかかりたくない
もはやいかなる権威にも寄りかかりたくはない
長く生きて深息を学んだのはそれぐらい
自分の字幕
自分の二本足のみで立っていて
何不都合のことやある
寄りかかるとすればそれは椅子の背もたれだ
僕はこの詩は自由を謳った詩なのだと捉えています。
しかし多くの人は茨木範子さんのような心境にはいたりません。
なぜなら他を寄りどころとしないのは他ないことだからです。
他の人を寄りどころとするのは楽なことだから
これは意思の問題ではありません。
人の認知の仕組みが自由を遠ざけます。
もしこの詩を読んで茨木範子さんの意思表明だと感じる方もいるかもしれません。
僕はそうではないと思っています。
きっと茨木さんもかつては
出来合いの思想や権威に寄りかかっていたんだと思うんです。
でも年を重ねてそうしたものから離れた時
何も問題ないとわかった。
これは気づきの詩なのだと思います。
ミッドライフクライシス:ユングの視点と蝶の変態メタファー
この番組でテーマとしているミッドライフクライシスにおいて
アイデンティティの喪失は中核的なテーマです。
フロイトやアドラに並ぶ心理学の巨人のカール・ユング
彼は中年期を人生の正午という
前半生で獲得した社会的適応による仮面
これをペルソナというのですが
そうしたペルソナや外向きのアイデンティティが意味を失って
自身の内面に向き合う
個性化の過程が始まる時期として中年期を捉えました。
ユングはこんな言葉を残しています。
人生の午前中にとって依頼であったものは
午後には取るに足らないものになる。
午前中の心理は午後には偽りとなり
僕はミッドライフクライシスを
人間のさなぎ化現象だと捉えています。
蝶々は青虫からさなぎを経て蝶に浮かします。
この変容は非連続的な劇的なものです。
人間の精神的な成熟も
僕はまるで蝶の変態のように劇的なものになるんじゃないのかな
というふうに捉えています。
生まれてから中年になる若い時代
青虫がひたすら葉っぱを食べて体を大きくしていくように
私たちは学び経験しこの社会に適応してきました。
それは連続的な成長で成長することが正解とされる時代です。
でも中年を迎えふと思うんです。
自分はこのままでいいんだろうか
毎日の繰り返しに人生の意味を見出せなくなったりします。
人生なんてそういうもんだと言い聞かせるけど
心のどこかに違和感を抱え続けている。
さなぎの殻の中では青虫の肉体が
ドロドロに溶けているのをご存知でしょうか。
私というアイデンティティが溶けるのがミッドライフクライシスです。
あれだけ食欲旺盛で動き回っていた青虫が
さなぎになると全く動かなくなるように
私たち人間も動けなくなる。
でもさなぎの殻の中でドロドロに溶けた状態から
どのように美しい蝶が現れるのだと思いますか。
青虫時代に眠っていたイマジナルセル
青虫元気という細胞が核になり
青虫のドロドロに溶けた肉体を素材に
蝶としての体を再構築するんです。
今までの人生で良かったのかという心の声に
僕は絶対の自信を持って皆さんにお伝えできることがあります。
あなたのイマジナルセルを見出し
アイデンティティの再構築に踏み出すことができたのならば
あなたのこれまでの人生はこれからの人生の糧になります。
ミッドライフクライシスを迎えているとはどういうことなのか。
それは出世競争から脱落したということでしょうか。
子供を産み育てるという生物としての役割を負えたということでしょうか。
時代の変化についていけず取り残されてしまったということなのでしょうか。
いずれも違います。
あなたは青虫としての機関を全うしたということです。
生まれ落ちたこの世界に適応するために
精一杯生きてきたということです。
社会適応のために発達させた今のあなたのアイデンティティ。
これから蝶々になるのにもう青虫ではいられないってことなんです。
アイデンティティ再構築の課題と自由の実現
でも青虫としてのアイデンティティを脱ぐことはとても恐ろしいことです。
脳みそがですね最大限の抵抗してきます。
これはまるで蝶々のイマジナルセルが青虫の免疫システムに攻撃されるみたいです。
社会適応のためのアイデンティは他者を拠り所として形成されます。
あなたは親や先生の言われたことに素直な手のかからない子供ではありませんでしたか。
あなたは与えられた役割や欠けられた期待に応える優秀な人ではありませんか。
あなたは自分の気持ちよりも周りの人を尊重する良い人ではありませんか。
もしあなたが一人なら自らを拠り所としたアイデンティの構築はうまくいかないか。
とても長い時間がかかるでしょう。
環境の変化をきっかけにした適応障害や鬱病などの精神的な症状、
自律神経の不調などの慢性的な体調不良に直面するかもしれません。
これは脅しなどではなく、大規模な国際研究や臨床的に報告されている統計的なデータです。
そして何より、僕自身が子供の誕生をきっかけに10年余りをミッドライフクライシスの中でもがいてきました。
ミッドライフクライシスという危機を天気に変えるのは、自分を拠り所として私は何者であるというアイデンティティを立ち上げること、
すなわち自由の実現によります。
エンディング:次回の予告とメッセージ
次回のフリートークでは、今日の前半の対話の最後にあがった自分を諦めるということについてお話をしていきます。
皆さんは自分を諦めていますか?
今日も最後までご視聴いただきありがとうございました。
今日の【一問一燈】後半の考察パートはノートでさらに深掘りしています。
音声ではなく文字でじっくり読みたいという方におすすめです。
番組への質問や今回の【一問一燈】に感じたことや気づきは、番組概要欄に記載されているお問い合わせフォームのリンクからご連絡いただけます。
また、個別でのご相談やミッドライフクライシスの危機を転機に変える対話型プログラムのお問い合わせやご希望も、
同じくお問い合わせフォームにて受け付けております。
皆さんの人生の駆動する気づきがありますように。
それではまた次回までバイバイ。
18:53

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